寺尾 恵介の不動産投資コラム

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

29.「会社にバレずに不動産投資をしたい」という人への新説

今回のコラムは、「奥さんに反対される」などと並んで相談の多い「不動産投資の活動が勤務先にバレるのが心配で不動産投資に躊躇してしまう」というものです。

これについては、いろんなところで散々語られたテーマですし、今さらぼくが話をするようなことでもないのかなと考えていました。また、最近は企業の副業容認化の流れも加速しており、「バレたら」のような心配をするような人もいないだろうと思っていたのですが、そうでもないようです。
そこで、このコラムでは「よくある回答」ではない答えを用意してみました。

その前に「よくある回答」について

ぼくは不動産を仲介・販売する業者ではないので、コラムを読んでいる方が「会社バレ」を危惧して不動産投資をしなくても全然問題ないのですが、結論としては特に心配するようなことはないと思っています。

まず、不動産投資は事業性が高いものでもあくまで「投資」であり、禁止することが難しい行為です。定期預金でさえ、普通預金以上の運用益を狙った投資であり、「ここまでは良いけど、あとはダメ」という線引きがとても難しいです。
また、賃貸用のアパートやマンションは相続によって自分が保有することになるケースも多く、それを禁止することなど企業にはできません(相続だけが例外とする規定を作ることも、財産による処遇差別になるので難しいと思われます)

さらに、不動産投資の活動を勤務先が把握することそのものが難しいです。
勤務先に活動がバレてしまう原因としては、

・確定申告の際に住民税の支払いで「特別徴収」を選択してしまい、勤務先に納税通知が届いてしまう。(特別徴収についてはこちらを参照)
・出版、セミナー、その他の対外活動により「身バレ」してしまう。
・就業時間中のサボり行為(会社のPCから不動産会社に連絡するなど)
・調子に乗って同僚などに不動産収入のことを自慢してしまう。

くらいしかありません。
いずれも普通に慎ましく活動していれば、全く問題のないものばかりです(笑)

また、公務員の方などで本当に厳しい就業規則上の制限があるような場合は、配偶者を代表にした法人を設立し、ご自身は取締役として関与するか、それさえ難しい場合は当該法人の株式を保有することで、実質的には自分が不動産を保有しているのと同じ状態を作ることができます。

やりたくないから「会社のせい」にしている

ここからが本題。上記のように、不動産投資をすることはサラリーマンとしての立場に悪い影響を与えてしまう可能性は極めて低いということが分かります。
それなのに、「勤務先が・・・」という理由で不動産投資を躊躇しているような人は、ぼくから言わせれば「本当は不動産投資をしたくない」のです。

以前のコラムで、アドラー心理学の考え方を用いて「不動産投資をしない理由を“後付け”で作りだしてしまう」心理状態について説明しました。
借金が怖いとか失敗してしまうのがみっともないなどの本能的な思考を、もっともらしい外的要因でそれっぽく理由付けするのです。

実際に、チャレンジ面談に来られて不動産投資をスタートされた方でも、一般的に不動産投資が難しいような職業に就いているケースは珍しくありません。
具体的には、公立高校の先生(当然公務員です)、大学教授、警察官、自衛隊員、消防士、銀行員、政治家の方が面談にいらしたことがあります。

5年くらい前と違って、そもそも今は企業が副業自体を容認するようになっています。
終身雇用が維持できなくなった時代ですので、雇用主といえども社員の就業外活動を禁ずるようなことはできないのが現状なのです。

辞めた方が規模は増える。

ここまで言っても「いや、本当に会社にバレたらクビになるので怖いんです」という方がいるかもしれないので、最後はそういう極度の心配性の人向けのアドバイスをさせていただきますと、クビになっても生活に困るようなことはありません。

今はサラリーマン投資家向けの融資が極めて厳しく引き締められている状況ですので、勤務先を辞めたとしても、属性面で大きく不利になるようなことはありません。
むしろ、これまで「本業」に費やしていた膨大な時間を不動産活動に振り向けられることで、サラリーマン時代以上の成果を簡単に出すことができるでしょう。
時間さえあれば、築古の戸建物件をリフォームして実需向けに転売することで、まとまった資金を一気に稼ぐことができますし(あまりやりすぎると、宅建業法違反になるので注意して下さい)、サラリーマンでは手が出しづらい手間が掛かる物件を購入できるようになるので、当面のキャッシュフローも意外と簡単に確保できるでしょう。

また、いわゆる「専業大家」として法人を作り、しっかりと事業として賃貸経営を行うことで、金融機関からは「事業者」として見なされ、最終的にはサラリーマン属性以上の融資を受けられるようになるはずです。

ということで、ここまで様々な角度から「副業禁止の会社で不動産投資を行う」ことについて述べてきましたが、

・そもそも不動産「投資」は副業に当たらない可能性が高い
・法人化など、禁止規定に抵触しない方法がある
・終身雇用が崩れたご時世、副業は容認されていく方向にある
・自分が気をつけていれば勤務先に分かってしまうことはない
・最悪クビになってしまったとしても、規模拡大にはむしろ有利

という5段構えで全く心配はありません。
それでも不安があるなら、それは「勤務先に見つかること」ではない別の原因から来る不安であるはずです。
不動産投資なんてやりたくなければならなくていいのですが、できない理由を勤務先のせいにするのはやめましょう。

【このコラムの著者】

寺尾 恵介

不動産投資・アパート経営の人気ブログを運営する「投資家けーちゃん」
大家さん向けの情報誌「満室経営新聞」の編集長。

1973年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1996年に住友海上火災保険株式会社(現:三井住友海上火災保険株式会社)に入社し12年間勤務。富山支店在任時代に不動産投資に目覚め、現在までに約110室、家賃年収は6千万円に達する。

一般的には空室リスクも高く、アパート経営に不向きと言われる北陸地方(石川県、富山県)で物件を購入しているにも関わらず、入居率は常に90%以上で推移。管理会社を中心とした「チーム」での運営を得意とするスタイル。

運営ブログ 投資家けーちゃん「ハッピー&リッチBLOG」 http://toushika-keichan.com
メルマガ 投資家けーちゃんの不動産投資メールマガジン(23,000部) http://www.mag2.com/m/0000254056.html
著作 満室チームで大成功! 全国どこでもアパート経営(筑摩書房) http://www.amazon.co.jp/dp/4480863885/
みんなが知らない 満室大家さんのヒミツ(ぱる出版) http://www.amazon.co.jp/dp/4827205612

講演/セミナー実績
 全国賃貸住宅新聞社(賃貸住宅フェア)
 東京都宅地建物取引業協会
 株式会社ビジネスブレークスルー
 日本ファイナンシャルアカデミー株式会社
 北陸電力株式会社
 中部電力株式会社
 株式会社ギブコム
 SBIホールディングス株式会社
 株式会社LIFULL(HOME'S不動産投資フェア)
 健美家株式会社
 株式会社ファーストロジック(お宝不動産セミナー)
 三和エステート株式会社

その他、全国の不動産管理会社様での講演多数

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

樗木 裕伸

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資ローンと住宅ローンの違いと5つの金融機関の特徴

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 投資用マンションローンの特徴と今後~不動産投資と太陽光発電投資の将来性比較~

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: サブリースは本当に悪者か? ~賃貸住宅管理適正化法と知られていないサブリースの効用~

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中 圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.51 ASEAN諸国における2020年の経済成長率はどうなるか?

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 新型コロナウイルス感染拡大から考える 大家がすべき対応 No.4 なぜ、8割の外出自粛が必要だったのか?その発想を投資に活かす!

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: Withコロナの新・不動産事情

最新コラム: 個人投資家からみた、コロナ時代の不動産市況と投資戦略

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 新型コロナウイルスと賃貸市場

猪俣 淳

シリーズ連載:

最新コラム: 「東京都の賃貸需要・着工数・滅失数」

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。