寺尾 恵介の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資に絶対失敗しない「スタンス」の決め方。

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

6. 時間のハンデに気づいていますか?

ぼくは一棟もの物件の多くを、富山や石川といった北陸地方で購入しています。この時期の北陸は積雪がひどいので、賃貸としては繁忙期に入ってくるこの時期であっても、現地に行くことはまずありません。
文明の利器であるメールを駆使して管理会社さんなどと密に連絡を取り、現地に行かずして成果を上げる工夫をしてきました。インターネットがあるおかげで、時間や場所の制約がほとんどない状況を実現することができています。

ただ、この超便利なアイテム、インターネットのせいで、ご自身の大きな弱点に気づかず不動産投資か膠着している人が続出しているということを、今回のコラムでお話したいと思います。
多くの投資家さんにとって弱みになっている要素とは、実は「時間」なのです。

■不労所得の真実。

実際にやってみると分かるのですが、不動産投資というのは実は意外と時間が掛かるものです。家賃収入は「不労所得」と呼ばれる収入の代表格ですが、あまり仕事をしなくても収益が生まれるのは、不動産という資産を長期間貸しているからですよね。
資産と時間によって収益を生み出しているのが不動産賃貸業であり、労働時間は少なくとも、かなりの時間が必要な事業なのです。

また、「不労所得」というのは大家さんだけに当てはまる言葉であって、物件を管理している不動産会社は、入金管理や修繕対応、退去があれば敷金精算、入居があれば契約書を作って審査をして・・と、休みなく働いている訳です。こういった業務を大家さん本人が行うとなれば、数十戸レベルの管理で立派なフルタイム業務になることでしょう。
ですから、「不労所得」という言葉をもう少し厳密に説明すると、「業務の大部分を管理会社にアウトソース(外注)することで、家主本人の実労働を最小化している」という訳です。

物件を新規に購入する時にも、膨大な時間が必要です。
売りに出ている不動産の情報を入手して、積算と収益還元で簡易評価をする。レントロールを細かくチェックして、「近隣相場と比べてどうか」「入居時期が集中しすぎていないか」なども確認します。さらに、現地を見に行って建物の状態を確認、周辺の仲介会社に市況や物件についてのヒアリング。
ここでようやく購入することが決まって買付申込書の提出と、必要である場合は価格交渉。融資の打診も数行~10行もの金融機関にアタックする人もいます。契約や決済も平日に行われることが多いので、有給休暇を2日使います。良い物件はすぐに売れてしまうので、場合によっては現地調査についても休暇取得が必要になるでしょう。
さらに言えば、最初にさらっと書いている「情報を入手」というのも、購入に値する物件に巡り会うためには、膨大な時間を費やす必要があります。

■ネット検索と問い合わせだけでは「不動産投資ごっこ」

ここでインターネットの弊害が出てきます。
不動産投資活動においてインターネットは不可欠なアイテムなのですが、いまご覧になっているHOME’Sなどのポータルサイトで物件を検索・閲覧する作業は時間や場所を問わずできるので、それで何となく不動産投資をしているという錯覚に陥ってしまうようです。
資料請求もネットからできますね。でも、メールで資料が届いても現地を見に行く時間がない。融資が通るかどうかも分からないし、銀行に行く時間もない。通るかどうかも分からない融資の打診のために、半休取ったりできないよーという方もいるでしょう。

しかし、世の中の投資家全員が、本業の合間に不動産投資をしている訳ではありません。不動産投資の世界には、朝から晩まで物件を探している専業投資家も、金融機関から直接任意売却情報が紹介されるような資産家もいます。
社員数十人単位で地主開拓をしている業者も、毎月100件以上の競売に入札している企業もあります。
そういう人や会社に比べて、「自分は時間の面で、圧倒的に負けている」という認識を持つ必要があります。ネットで売り物件を検索している程度では、不動産投資をやっているうちに入らないくらいに考えてください。

■管理がアウトソースできるなら・・?

ここで先ほどの「不労所得」の話に戻ります。
物件を購入したあとの運営管理の面において、大家さんがほとんど仕事をしないで収益を得ることができているのは、業務の大部分をアウトソースできるからという説明をしました。賃貸業というビジネスは昔からありましたので、それをサポートするような会社がたくさん生まれた訳です。

一方、土地や大きな資産がないのに収益不動産をガンガン購入していくというビジネスは、比較的新しいものです。当然、近代的な不動産投資をサポートするような会社は、賃貸の管理会社に比べると全然少ない。
だから何となく「物件情報入手~購入」までのプロセスは自分でやらないといけないようなイメージを持つのだと思いますが、ぼくはその発想を転換しないといけないと考えています。

すなわち、サラリーマンと兼業で不動産投資にチャレンジしたいという投資家であるなら、購入に関わる業務であっても「自分でする割合」を極力減らして、時間が豊富に取れないというハンディキャップを克服していく必要があるということです。
「こういう物件を探して欲しい」というリクエストで実際にそれに合うものを見つけてくれるような会社もありますし、現地調査を代行してくれるサービスもあります。(買付後であっても最終的には自分も現地に行くべきだとは思いますが)
また、3年分の源泉徴収票を出すだけで提携金融機関の融資をつけてくれるような、融資に強い不動産会社も増えてきました。

合理的な考え方ができる人であれば「属性が良くないので、自己資金を増やしてカバーしよう」とか「リフォームの知識に自信がないので、現地調査の時に職人さんを連れて行こう」というように、自分の弱点を改善するような工夫をするはずですね。
ご自身にとって「時間」が弱点である場合も同じです。根性で克服しようとしないで、合理的なスタンスを選んでほしいなと思います。

【このコラムの著者】

寺尾 恵介

不動産投資・アパート経営の人気ブログを運営する「投資家けーちゃん」
大家さん向けの情報誌「満室経営新聞」の編集長。

1973年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1996年に住友海上火災保険株式会社(現:三井住友海上火災保険株式会社)に入社し12年間勤務。富山支店在任時代に不動産投資に目覚め、現在までに約110室、家賃年収は6千万円に達する。

一般的には空室リスクも高く、アパート経営に不向きと言われる北陸地方(石川県、富山県)で物件を購入しているにも関わらず、入居率は常に90%以上で推移。管理会社を中心とした「チーム」での運営を得意とするスタイル。

運営ブログ 投資家けーちゃん「ハッピー&リッチBLOG」 http://toushika-keichan.com
メルマガ 投資家けーちゃんの不動産投資メールマガジン(23,000部) http://www.mag2.com/m/0000254056.html
著作 満室チームで大成功! 全国どこでもアパート経営(筑摩書房) http://www.amazon.co.jp/dp/4480863885/
みんなが知らない 満室大家さんのヒミツ(ぱる出版) http://www.amazon.co.jp/dp/4827205612

講演/セミナー実績
 全国賃貸住宅新聞社(賃貸住宅フェア)
 東京都宅地建物取引業協会
 株式会社ビジネスブレークスルー
 日本ファイナンシャルアカデミー株式会社
 北陸電力株式会社
 中部電力株式会社
 株式会社ギブコム
 SBIホールディングス株式会社
 株式会社ネクスト(HOME'S不動産投資フェア)
 健美家株式会社
 株式会社ファーストロジック(お宝不動産セミナー)
 三和エステート株式会社

その他、全国の不動産管理会社様での講演多数

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