猪俣 淳の不動産投資コラム

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

2つの金融機関からの融資条件提示、どちらが得?

融資が厳しくなったといわれる一方、貸しても問題なさそうな投資家には、金融機関も競ってアプローチをしてくる昨今の融資事情。
つい先日も、ふたつの地銀が融資条件で争って結果1%未満の金利水準で決着したというケースもありました。

そんななか、こんなご質問が・・・
「融資提案を受けているA、B、2つの信用金庫があって、どちらにしたらいいかアドバイスをください・・・」というご依頼です。
けっこうよくあるご質問なもので、ご本人の承諾を得てこちらでご紹介させていただきます。

物件:新築RC造
借入額:6000万円

A信金(既存融資あり)
融資期間:25年
年利:1.1% 元利均等返済
一括返済ペナルティ:なし

B信金(新規取り扱い)
融資期間:30年
年利:1.45% 元利均等返済
一括返済ペナルティ:残債の1%

どちらも、プロパー融資承認済み

さて、みなさんならどちらを選びますか?
金利でいえば、A信金の方が低いですし、B信金は融資年数が長いので、返済額は少なそうですが一括返済のペナルティがひっかかります・・・

では、計算してみましょう。

仮に、投資期間を10年とします。

(1)K%(年間返済額÷借入額)
A信金=4.58% 
B信金=4.11% 
差 額=0.47%
※6,000万円の借入をした場合の税引前キャッシュフローの差額:
6,000万円×(4.58%-4.11%)=282,000円/年
10年間のBTCF差額=2,820,000円(あ)
※結論:B信金が優れている

(2)6,000万円の借入をして、10年経過後の残債+一括返済ペナルティ
A信金=37,958,013円
B信金=43,246,703円
差 額= 5,288,690円(い)
※結論:A信金が優れている

(あ)と(い)の差額=2,468,690円 
※最終的な結論:A信金が優れている

ちなみに、282,000円/年多いB信金でのキャッシュフローを再投資して、10年後にA信金との差額5,288,690円と同額の現金を得るためには、キャッシュフローの再投資が13.37%以上である必要があります。
(逆に言えば、13.37%以上の投資機会があるのであれば、先行してキャッシュフローを得られるB信金での借り入れの方が良いということでもあります)

なお、この計算結果は所得税・住民税に関しては無視していますので税引後キャッシュフローで計算した場合違った数字がでてきますが、概ね投資判断は同様になるはずです。

【このコラムの著者】

猪俣 淳

猪俣 淳(いのまた きよし)1961年生れ横須賀市出身
株式会社アセットビルド 代表取締役

不動産・建築分野で30年以上働き、不動産管理・不動産売買・建築・投資・金融・保険の各分野における29の資格を持ち、みずからも収益物件の購入・売却・運営・資本改善を行う実践不動産投資家。
著書に「不動産投資の正体」「誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略」(住宅新報社)など多数。
新聞・雑誌への寄稿(ビジネス専門誌・一般週刊誌・海外も含む業界誌)、年間70件を超える全国での講演活動、ラジオ・TVなどへの出演もある。
また、IREM-JAPAN(米国不動産管理協会日本支部)の理事を兼任し、日本で数人のファカルティ(講師)資格を持つ。
ブログ「不動産投資にまつわる100の話」(人気ブログランキング最高位1位)。

保有資格
<不動産系>
宅地建物取引士/不動産コンサルティングマスター/不動産アナリスト/ハウジングライフプランナー
<不動産投資系>
CCIM認定商業不動産投資顧問/不動産証券化マスター/米国不動産投資マスター/米国不動産投資コンサルタント
<建築系>
一級建築士/震災建築物応急危険度判定士/既存住宅状況調査技術者/住宅メンテナンス診断士/住宅インスペクター/住環境測定士補
<不動産管理系>
CPM認定不動産経営管理士/CPM公式セミナー講師(メンテナンス及びマーケティング)/ CPM MPSA試験採点官/賃貸不動産経営管理士/管理業務主任者/賃貸住宅査定申請主任者/防火管理者
<金融系>
ファイナンシャルプランナー/ FP技能士/貸金業務取扱主任者
<保険系>
損害保険リテール資格/生命保険募集人資格
<相続系>
相続対策専門士/相続アドバイザー/事業承継スペシャリスト

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