猪俣 淳の不動産投資コラム

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

「不動産の価格「下がる」9割?」

不動産の価格「下がる」9割」(日経新聞5月27日朝刊)
・・・9割下がるのかとびっくりして記事を読んだら、9割の投資家が下がると思っているというアンケート結果についてでした。

元ネタはJLL(ジョーンズ ラング ラサール)が4月に行った投資家調査。

調査対象は、デベ、ファンド、J-REIT、金融機関、保険会社などのみなさん。

よくよく読むと、

■投資家の約75%が今後も積極的に不動産へ投資する考えをもっていて
■9割の投資家が「5%以上下落する」とみているが(→ココが記事になったわけですね)
■売却を検討する投資家は2.6%しかいないので購入できる物件が枯渇している状況は今後も継続しそう

ということだそうです。

投資したいエリアは東京エリアが約46%。
あとは、大阪エリア(約22%)福岡エリア(約12%)。

投資したい物件の上位は、
1.オフィス系(約23%)
2.居住系(約22%)
3.物流倉庫系(約17%)

逆に下位は、
1.シニアリビング(約5%)
2.ホテル(約6%)
3.学生寮(約7%)

価格下落予想で最も多い「5~15%」は利回りにするとどの位の差かというと(価格下落=利回り上昇)・・・

ファンドの皆さんに行っている別の投資家調査の代表的なものとしてJREI(日本不動産研究所)の最新版(2020年4月)を見てみると、

・渋谷・恵比寿まで15分以内の鉄道沿線
・最寄駅から徒歩10分以内
・築年数5年未満
・平均専用面積25~30㎡
・総戸数50戸程度
・・・という条件で、
■期待利回り4.2%
■取引利回り3.9%
となっています。

この利回りは、空室損や運営費などを除いた営業純利益÷物件価格という”正味の利回り”ですから仮に
・平均賃料10万円
・戸数50戸
・運営費と空室損の合計17%
・営業純利益約5000万円

といった条件の場合、
■購入希望価格
11億9000万円(=5000万円÷4.2%)
※表面5.0%
■実際に契約した価格
12億8000万円(=5000万円÷3.9%)
※表面4.7%

だったということです。
■実際に契約した価格
12億8000万円

仮に15%下落した場合、価格は
10億9000万円ということになりますから、正味の利回りは4.6%(=5000万円÷10億9000万円)

つまり、利回りにして
4.6%-3.9%=「0.7%」の差を最大で見込んでいる投資家が多いということです。

そして、「でも、そこまで下げて売る売主もいなさそうだよなぁ」・・・という嘆きがアンケート調査から読み取れます。

表面6%位で流通していた市場であれば7%弱、

表面5%位で流通していた市場であれば6%弱。

いままでよりも1%位利回りが高い?・・・という物件があれば、ひとつの目安になるかもしれませんね。

【このコラムの著者】

猪俣 淳

猪俣 淳(いのまた きよし)1961年生れ横須賀市出身
株式会社アセットビルド 代表取締役

不動産・建築分野で30年以上働き、不動産管理・不動産売買・建築・投資・金融・保険の各分野における29の資格を持ち、みずからも収益物件の購入・売却・運営・資本改善を行う実践不動産投資家。
著書に「不動産投資の正体」「誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略」(住宅新報社)など多数。
新聞・雑誌への寄稿(ビジネス専門誌・一般週刊誌・海外も含む業界誌)、年間70件を超える全国での講演活動、ラジオ・TVなどへの出演もある。
また、IREM-JAPAN(米国不動産管理協会日本支部)の理事を兼任し、日本で数人のファカルティ(講師)資格を持つ。
ブログ「不動産投資にまつわる100の話」(人気ブログランキング最高位1位)。

保有資格
<不動産系>
宅地建物取引士/不動産コンサルティングマスター/不動産アナリスト/ハウジングライフプランナー
<不動産投資系>
CCIM認定商業不動産投資顧問/不動産証券化マスター/米国不動産投資マスター/米国不動産投資コンサルタント
<建築系>
一級建築士/震災建築物応急危険度判定士/既存住宅状況調査技術者/住宅メンテナンス診断士/住宅インスペクター/住環境測定士補
<不動産管理系>
CPM認定不動産経営管理士/CPM公式セミナー講師(メンテナンス及びマーケティング)/ CPM MPSA試験採点官/賃貸不動産経営管理士/管理業務主任者/賃貸住宅査定申請主任者/防火管理者
<金融系>
ファイナンシャルプランナー/ FP技能士/貸金業務取扱主任者
<保険系>
損害保険リテール資格/生命保険募集人資格
<相続系>
相続対策専門士/相続アドバイザー/事業承継スペシャリスト

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