北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

ラスベガス不動産の視察 【前編】

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先日(5月初旬)、不動産関係で諸々ありアメリカへ行ってきました。
渡米は昨年の9月以来で、今回はロサンゼルスとラスベガスに滞在です。
というわけでこの回では、ラスベガスの不動産を取り巻く環境について、ご紹介します。

今回の滞在では、全米有数の方々からラスベガスの市況や不動産の特徴といった内容のレクチャーをじっくり受け、その後実際に物件視察という流れ。
ラスベガスの不動産は私も初めてということで、全てのことが新鮮&刺激があり、あっという間の時間でした。

ラスベガスというと、私もそうですが大半の方は「カジノ」を一番に思い浮かべると思います。
確かにそういう局面はあるでしょう。
ロサンゼルスからラスベガスまで飛行機で移動し、ラスベガス空港に降り立つとすぐに目に入ってきたのが、ずらっと並ぶスロットマシーン。
周りの雰囲気も空港というよりは、すでにホテルかどこかのカジノといった感じです。
空港にまでスロットマシーンとは、さすがラスベガス。
このようなエンターテイメント的な要素があることは事実ですが、それだけではないということが今回の滞在でわかりました。

数多くの競売・破産物件も含め現地不動産を知り尽くし、ヘッジファンド等からの運用も任されているお二人のレクチャーによると、ラスベガスの不動産が魅力的である理由は主に、以下のものだということです。

① 税金

ラスベガスがあるネバダ州には、所得税・法人税がありません。
これは今の日本では実感しづらいです(業種・地域を限った経済特区はありますが)が、
個人・法人双方にとってメリットは大きいですね。
また、固定資産税といった他の税率も低め。
ちなみにお隣カリフォルニアの州税は、全米でも5本の指に入るくらい高いです。

②仕事の機会

税金の優遇があるということで、企業が集まれば雇用も生まれるので必然的に人が集まりやすくなります。
実際、ラスベガス市を含むネバダ州クラーク群の人口は2013年時点で202万人。2010年時点で195万人でしたから、じわじわと増えてきています。
ただし、リーマンショックのような大きなことがあると倒産する企業が増えるので、逆に悪循環に陥るリスクもあるとは思います。
(ネバダ州では、2000年以降の人口推移を見ると、波はありますが減少することはなく毎年コンスタントに増え続けてはいます。)

③気候

アメリカに住んでいる方の多くは、「cold(寒さ)とhumid(湿度の高さ)」が嫌いだそうです。
暖かく乾燥しているところを好むということで、退職した方などが住むにもラスベガスはこの条件にぴったりとか。これはカリフォルニアも当てはまりますが、税金のメリットはラスベガスに軍配が上がりますね。
個人的には、ラスベガスは暖かいというよりも暑いという表現の方が合う気がするので、住むのであれば税金のことを考慮してもやはりカリフォルニアかなとも思うのですが、このあたりは、日本人の感覚とは少し違うのかもしれません。

④娯楽

特にリタイアした方が、退屈することなく毎日の生活を楽しむことが可能であるということです。カジノはもちろん、日中はゴルフも買い物もできる(大規模なショッピングセンターも多く、ここ2~3年更なる建設も予定されている)し夜も数々のショーなどエンターテイメントを楽しむことができます。

⑤コンベンション需要

今でもコンベンションは頻繁に開催されていますが、今後も大規模なコンベンションホールの建設予定があり、地域の経済活性化、雇用増加も含めた全体の底上げにつながります。

⑥自然災害(ハリケーン、地震等)が無い

不動産を保有するリスクのひとつに災害があり、保険でカバーしている方も多いと思います。
とはいえもちろん無いにこしたことはなく、この点でラスベガスは大きな災害の心配がなく安心です。

以上のような地域特性のあるラスベガス。
カジノやエンターテイメントからくる要素は大きいですが、それだけではなく、ビジネスや住まいとしての側面も増えてきているのだという認識を新たにしました。
ただし、やはり他の地域よりも景気に大きく左右される構造になっているとは感じるので、そこは常に気をつけておく必要があるでしょう。

ラスベガスは2008年のリーマンショック後、不動産価格の下落率が大きくピーク時に比べて半分以下、6割程度も落ち込むことがありましたが、現在は急速に持ち直してきており昨年は2~3割上昇している地域も。
ご参考までに、ラスベガス市内の南西周辺、Spring Valleyという地域にある家の価格と変化率の推移グラフを載せておきます。
アメリカの不動産情報サイトのひとつZillowからのデータです。

価格の推移

価格の推移


変化率の推移

変化率の推移

変化が大きい市場ですので、不動産投資の戦略はカリフォルニア等とも違うと思いますし、このことは今回受けたレクチャーでも触れられていました。
今はまだ物件次第で、「インカムを得ながら、タイミングを見て売却(キャピタルゲイン)」ということが成り立ちそうですが、今後の市況次第で状況が変わる可能性は大いにあるでしょう。

次回は、今回視察した物件の一部をご紹介します。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

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