北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

空室とのつきあい方 ~空室率5%とは?

「満室」
賃貸経営をしていると、この言葉ほど魅力を感じるものはないかもしれません。
空室率が同じでも、保有戸数が多くなれば空室の数は多くなります。
率としては変わらないのですが、空室数が多いとなんとなく落ち着かない、そういう気持ちになる方も多いのでは。

また戸数が多くなれば、基本的にそれだけ入退去の数も増えます。
仮に100室あり1年間の入れ替え率が20%だとすると、1か月に平均、1、2部屋は入退去があることになります。となると満室になるのは一瞬で、わずかながらも空室期間が出てくるのは普通のことでしょう。
もちろん、一部「入居待ち」の長蛇の列ができているようなところは別ですが。

空室期間とは、具体的にどのくらいの日数なのでしょうか。
よく耳にする空室率○%というのは、絶対数に落とし込むとより具体的に把握することができます。
例えば10室保有していて空室の目標を5%とすると、実際に空室である日数は365日×10室×5%≒182日。 
1年で5室の入れ替えがあった場合、1室当たりの目標空室期間は182日÷5室≒36日となります。1室退去があるごとに、36日以内に次の方に入ってもらえれば、空室率5%という目標は達成ということです。
目標がはっきりしているので、そこから逆算で考えいつまでに何をすべきかという行動計画が立てやすく、またスケジュールの管理もしやすいでしょう。

空室率とは別のアプローチとして、空室であることがどのくらいの損失なのかということを具体的な金額で頭に置いておくのも良いと思います。
例えば、家賃5万円/月の部屋があったとします。
この部屋が半年間空室だったとしたら機会損失額は、5万円×6ヵ月=30万円。
頑張って空室期間を2ヵ月に短縮できるとするとその場合の機会損失額は5万円×2ヵ月=10万円。
であれば、本来損失になるはずであった30万円と対策をすることでの損失予想額10万円との差額20万円のうち、いくらかを使って目標である空室期間2か月を達成できれば、半年間待ち続けるよりも収支が改善します。
加えて、何か設備投資をした分は今回だけではなく、次回の募集時にも活きてくるでしょう。

どこに「投資」するかは、各々の戦略次第です。
予算を10万円として、半分を設備投資、残りを広告費やフリーレントといった募集促進費用にして動こう、設備投資は必要なさそうだから今回は募集促進費にしよう、など。
また古くなっているものがあれば、設備投資に全てを使うという選択肢もあるかもしれません。

五月雨で場当たり的に対処するよりも、具体的に数字に落とし込んで動いていった方が、全体像が見えるので適宜軌道修正がしやすく、漠然とした不安も軽減されることが多いものです。
もちろん、あくまで仮説を立てて動いていくということなので、描いたシナリオ通りにいくわけではありません。
これまで私が10数年賃貸経営をやってきて感じるのは、不思議なことに、力を入れてやっているところではない別の空室に申込みが入ったりすることも多々あるのです・・・
全く動かずに入居が決まることはほとんどないと感じているので、全体でみると結果オーライだとしています。
すぐに目にみえる効果が出るかどうかはわからないけれども、動いていれば必ず糸口は見つかると信じてやり続けることができるかどうか、地道ですがこれに勝るものはないのです。

入居の申込みを、待ちの姿勢で居続けてもなかなか決まらないことも多い最近では、自らリフォームや入居者募集活動に係る大家さんも増えてきたと感じます。
その際には目標とそのための戦略を持っていた方が効率もよく、長期に渡る賃貸経営においては何より自分のモチベーションを保つ助けにもなるはずです。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

LIFULL 不動産クラウドファンディング

シリーズ連載: 不動産投資クラウドファンディングの基礎知識

最新コラム: 【初心者のための不動産投資】基礎知識や3つの投資法、メリットデメリットについて解説

有田宏

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 不動産投資のリスク「災害や事故などへの対処」

髙杉雅紀子

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 田舎の実家を相続することを考えてみる~実家を賃貸にした場合の確定申告~

上井邦裕

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 駐車場への投資を考える

平賀 功一

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 不動産を今、買っていい人 買わないほうがいい人

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 金融引き締めを原因としたバブル崩壊は起こりうるのか考察する

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: スーパーゼネコンVS大手住宅メーカー ~意外に知られていない建設業界での立ち位置を解説~

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中 圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.108 フィリピン現地レポート2022年7月 その2

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 新型コロナウイルス感染拡大から考える 大家がすべき対応 No.6 住生活総合調査からわかる 現状と未来の不動産投資2

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: Withコロナの新・不動産事情

最新コラム: コロナ影響下のアメリカで激安お値打ち物件がなかなか出ない理由!

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: FP視点のマイホームと投資家視点のマイホーム

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 36.大家さんと幸せな人生について

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。