北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

増加する、不動産投資・賃貸経営に興味を持つ人たち

今年もあと数日で終わりです。
年末年始に来年の目標を立てる方も多いことでしょう。こちらのコラムをお読みになる方でしたら、そこに資産運用という項目も入っているでしょうか。一年を振り返りつつ、来年に向けて思いを巡らす時間もこの時期ならではですね。

今年一年の収益不動産市況を一言で表すならば、「市場の参加者増加」だと感じます。
市場が活況になると様々な媒体で「不動産」が取り上げられ、見聞きする機会が多くなる→興味が湧くという流れなのでしょう。

①一般個人

年々裾野が広がり、興味を持つ人が着実に増加していると感じます。
本業を持ちながら不動産経営も行うといういわゆるサラリーマン大家さんや、退職金の一部を使って運用を考えるリタイア層共に、じわじわと増えてきています。また最近は、不動産投資・賃貸経営をする女性の活躍が多くなっていることもあり、それを目にした20~30代の比較的若い女性が興味を持つという流れもあります。
一方、既に不動産を保有している場合は売却に動く方も多い状況です。
売却資金で次の投資先を探しつつも、不動産については「無理にでも購入」ではなく、自身のスタンスに合わなければ少々様子見という雰囲気も感じられます。

少し視点は変わりますが、現在国は「高齢者が保有する資産を若い世代に移していく」ことを目指しています。その一環で「相続税は増税、贈与は減税」という施策も。
「次世代へ資金を」という動きにより、資金を持つ若い世代が増えれば、その一部が不動産を含めた資産運用に流入してもおかしくないでしょう。
彼らはこれまで生きてきた背景から、将来に対して自己防衛の意識が比較的強いと思われます。贈与を受けることで、消費だけではなく運用や投資に対しても資金を振り向けるという新しい流れをつくる可能性もあるのではないでしょうか。

②地主・資産家

相続税対策で賃貸住宅の建築が多くなっていることは、皆さんもご存じですね。
私はセミナー等で話しをする機会も多いのですが、ここ1、2年は特にご参加者で具体的に動いている方も増えていると感じます。
その要因のひとつともなっている相続税改正が来年1月からいよいよ始まります。
基礎控除が4割も減額され一部税率も上がるということで、資産の評価減効果が高い不動産の活用は、今後も引き続き継続しそうです。

また、従来地主さんは保有している土地にアパート等を建築する方が多かったのですが、それに加えて新たに土地から購入するという動きも増えてきているようです。
担保や資金面などで比較的余力がある方も多いと思われる中、動向によっては賃貸住宅供給の新たな担い手になるかもしれません。

③ファンド関係

不動産投資ファンドとして代表的なJリート。
ここ2年ほど新たな投資法人がいくつも上場し、現在、これまでで最高の49銘柄になりました。
市況の活況を背景に増資による資金調達も活発です。
ただし物件については特に都心部ではやはり高値傾向で、端的に言えば「お金はあるけれど(取得に見合う)物件がない」という状況になっているようです。
そんな中、収益性を求めて地方での物件取得に積極的に動くところも見受けられ、今後どの程度この動きが拡大していくのかも、地価や不動産価格に関係してくると思われます。
またまだ数は少ないですが、結構な高値でも手を出すといった動きもちらほらと耳にするようになっており、気になるところです。

④外国人

香港や台湾など、特にアジア勢の動きが活発です。
自国では不動産価格が高騰しインカムゲインが見込めない中、多少なりともそれを期待できる日本不動産はまだ割安に感じられるよう。価格も数百万円から数十億円と幅広い需要を感じます。
そこへ拍車をかけているのが、この円安。インカムゲイン、将来のキャピタルゲインにプラスして為替差益も期待できるわけですから。
数年前の円高時に海外不動産に興味を持ち購入する日本人が増加しましたが、それと似ています。
ただ、逆に円高に振れ始めると売却して利益確定の動きも多くなることはあるでしょう。

また国は、2020年に日本への観光客倍増を目指す中、海外富裕層が長期間滞在可能な制度を新設する見通しです。現行の滞在期間上限90日間を、預金3000万以上&60歳以上に限り1年まで延長する予定。富裕層ということもあり、不動産に関しても更なる資金流入の可能性はあるのではないかと思います。

気になる市場参加者の動きを、4つの視点から考えてみました。
目的やアプローチの仕方はそれぞれですが、インカムゲインを魅力に感じ不動産市場への参加者が増えていることは確かです。ただ特に都心部では、不動産の価格上昇がぎりぎりのところまできている地点も見受けられます。
不動産市場全体を覆う「期待感」がしぼまないうちに、企業業績や給与アップ等、実体経済がついていくかどうか。上記で挙げた各層は今後どのような動きを見せるのか。また、現在水面下に点在するであろう地雷により、世界的リスクが急浮上しないかどうか。来年はこのあたりを注視していきたいと思います。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: 人気アパートのつくり方(5) 不動産投資判断に最も大切なこと

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中 圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.31 2019年フィリピンの不動産マーケット その2

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: いまさら聞けない 相続のルール・・・改正されました その1

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: 海外物件の管理

最新コラム: 第十二回「投資家の自己責任vs業者の説明責任」

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: 公務員の不動産投資について

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 20.配偶者に不動産投資を反対されないために(前編)

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ