北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

「金利低下!?」の想定外

前回の「利回りの想定外」に続き、今回は「金利低下の想定外」について話をしようと思います。
一瞬、ん?と思われた方はいらっしゃいますか。
そう、「金利上昇の想定外」ではなく、「金利低下の想定外」です。

確かに不動産投資のリスクのひとつと言えば、金利が上昇することが挙げられます。
金利2%だから成り立つ投資だったとしても、3%、4%になればわかりません。例えば金額5,000万円、期間25年の元利均等返済では、年間返済額が、254万円(2%時)、285万円(3%)、317万円(4%)ですから、家賃収入から考えてみてもインパクトは小さくないはずです。
ただこれだけ低金利が超長期化すると、金利上昇リスクは頭ではわかっていても、ついあまり深く考えないということもあるでしょう。

現在の低金利の常態化を、変動金利が連動する政策金利の推移から見てみましょう。

日本の政策金利推移

日本の政策金利推移

ゼロ金利解除がなされた2000年代前半や、いよいよ金利上昇かという気配が感じられていた2007年頃は一時的に上がる局面もありましたが、それも持続せず、世界的な金融危機で振り出しに戻ってしまいました。
そして今、金融緩和終了の目標のひとつとして掲げられている「物価上昇率2%」が、2015年度中から2016年度後半以降へと先送りされた状況です。
ここまでくると、果たして本当に金利上昇はあるのだろうかと感じても不思議ではありません。

金利上昇ムードが漂っていた2000年代半ば頃、私自身がよく覚えているのは、当時変動金利で借り入れをしていたものを借り換えで固定化することや、新規の購入についても中長期の固定金利にした方が良いという前提で動いていたことです。
振り返ってみれば、結果的に変動金利のままが良かったという方もいらっしゃるでしょう。ただ当時の私は、変動といっても「金利が高い変動金利」(笑)だったので、結果オーライかなと思っています。
ただし新規購入については、先々金利が上昇するだろうという考えの下、中長期の固定ローンにしたものがあり、それが数年後まさに「想定外」となりました。

金利低下の想定外としてまず挙げられるのは、固定金利での借り入れは、支払わなくても良い利息が発生するということでしょう。といっても、当初の金利で成り立つ計画であれば、金利低下の恩恵が受けられないというだけですので、「悔しい、もったいない」という思いはあっても致命的なダメージがあるわけではないですね。

これに加えてもう一つの想定外になりうる、売却時の違約金が増える可能性も覚えておきたいところです。
例えば、将来の金利上昇に備えようと10年の固定金利で組んだとします。当初は予定していなかったが、5年目くらいに不動産市況が良くなり売却も検討したいと思うようになった場合。
通常、固定金利で組んだローンは、売却を含めた繰り上げ返済を行う場合には「違約金」が発生します。この違約金は一般に、満了までの残存期間が長いほど、また借入をした当初よりも市場の金利が低下するほど増える可能性が高くなるのです。(違約金の計算は、各金融機関による)

といって、期間満了まで待つと今度は売り時を逃すことも考えられます。
違約金は本当にもったいないのですが、市況や保有不動産の状況などを含め、総合的に判断する必要があります。
良い点を考えると、市況の先行き見通しが明るい中で金利低位であれば、売主主導で売買できる可能性も。どこまで「攻める」のかは、各々の考え方次第ですが・・・

というわけで、金利は上昇することだけがリスクではないということです。想定外に金利低下もしくは低位安定となることも頭の片隅に置きつつ、どのような形でローンを組むのか検討しましょう。
とは言え、不動産は金額が大きいもの。万が一のことに1度遭遇しても命取りになってしまう可能性があるので、金利上昇に対応できる準備だけは必要だと感じます。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

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