北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

家賃が上がるアメリカ不動産

先月8月末にアメリカへ行ってきました。ちょっと間が空き、2年少々ぶり。
保有している不動産についてはもちろんのこと、今後の展開も含め現地で物件を見たり打合せをしたりなど。
私が最初にアメリカで物件を購入したのは2010年のことですから、今年で丸6年。当時はまだサブプライムローン問題&リーマンショックの話題も残る中でしたが、この6年で不動産価格も底打ち、市況は大きく変わりました。現在のカリフォルニアは、場所にもよりますが年数%程度のゆるやかな上昇が見られます。

私は普段日本にいるので、物件管理については基本的にメールでのやり取りが中心です。
定期的なものとしては、毎月の管理レポート(収支報告)の確認があり、その他は、何かトラブルがあった時に連絡が来て、どう対応するかの判断をしていきます。
電話の回数以外は、日本の賃貸経営とそんなに変わらないかなと。
とはいえ距離はあるしレポートは英語なので、目を通す時間は多少かかります。
加えて、制度や文化、考え方などの違いも結構あるから、その場その場でひとつずつ知り慣れていくしかない。
それでも、私の場合は日米にいる信頼できる方々のサポートがあるので、何かあった際には心強いです。

6年間やってきて感じる賃貸経営における日米の大きな違いは、何といっても「賃料」についての考え方です。(私は、カリフォルニアとラスベガスしか知らないので、その他の地域はわかりませんが。)
というのは、日本での賃貸経営は基本的に、建物が古くなればそれに伴い賃料も安くなる、というのがセオリー。
しかしながら米国においては、築年が経過していても賃料は上昇することが結構あるということ。退去して次の入居者募集時にも、賃料を数%上げることができるのです。

日本の賃貸経営にどっぷりだと、最初にこんな話しを聞いても「そういうことがあるのかもしれないけれど・・・」と、感覚ではなかなか理解できないんですね。私もまさに。
それが、曲がりなりにも6年くらいやってくると実感できることに何度か遭遇し、「本当にあるんだ」と。
例えば築30年近いマンションでも、賃料1,500ドル/月の部屋が、2年後に退去して次の募集時に1,550ドル/月(3.3%アップ)で決まったりするのです、特に大規模リフォームなどせずとも。(通常の原状回復や古くなった設備の入れ替えなどはしますが)
これは何も特別なことではなく、年2~3%程度の上昇は意外と耳にします。

ところでカリフォルニアには、借主保護のための「レントコントロール」が行われている地域があります。
これはひとことで言えば、賃料を上げる際の上限が1年で○%までというように設定されているもの。例えばロサンゼルスにある1978年以前に建てられた2ユニット以上の建物については、年3%アップが上限です。
前の入居者が退去して次に募集する際には適用されないので、上限以上アップの賃料設定もOKです。
こんな制度があるなんて今の日本では考えられませんね。
賃料は上昇するということが前提なわけですから。
こちらの写真は、レントコントロールの設定がある、ロサンゼルスにある物件。

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レントコントロールがない地域では、契約更新の際に貸主側が賃料アップをし、払えないのなら解約ということも少なくないようです。「それでも次が見つかるからいい」という強気な賃貸経営。貸主の権利も大きいと感じます。
このようなことが成り立つのはやはり、「人口が増えている」ことが大きな理由でしょう。
ちなみに「賃料上げ」は、不良入居者の追い出しにも使うようです。契約更新の際に賃料をかなり上げることで、事実上再契約ができないようにするとか。日本との大きな違いを実感です。
同じ不動産といえど、国によって環境・状況・考え方などが大きく異なるため、それをいかに理解して前提とした運営ができるかどうか。
頭での理解だけではなく実感を伴うにはやはり、自分自身で経験してみないとなかなか「わかる」ところまではいかないなーと感じます。

「アメリカでの賃貸経営は、仮に一時的に物件価格が下がっても、長い目で見たら成り立ちます。市況の悪化などでマイホームを買う(買える)人が少なくなったら、むしろ賃貸需要は増えます。賃料上昇があることも珍しくない。だから、市況が良くない時は賃料をもらいつつゆっくり構え、いずれ来る市況回復時を待つということも可能なんです。」
という現地の方は多いのです。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

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