北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

REIT、昨年からの価格低迷脱却なるか?!

昨年あたりから、一部金融機関で不動産投資・賃貸経営に対する融資スタンスが厳しくなりつつあるという声を耳にするようになり、不動産市況の動向が気になるところです。
そのような中今回は、同じ「不動産」であり、資産運用法の一つとして定着しつつあるREITに目を向けてみましょう。
REITは2012年以降、大きく成長しました。2014年末には時価総額が10兆円の大台に乗り、REIT市場の中では世界第2位のオーストラリアと並ぶ規模に。現在は12兆円を超える状況ですから、リーマンショック後の3兆円を下回る時期を考えると、大幅に飛躍したことがわかります。
不動産と金融商品の側面を併せ持つREITは、今年の2月以降、じりじりと価格が上昇してきている状況です。

もっとも昨年2017年のREITは、価格だけを見ると株式市場の大幅な上昇とは反対にぱっとしない展開でした。金利は相変わらず低い状況であるし、特に不動産市況が悪くなったわけでもなく、更に言えば分配金額が増加しているというプラスの要素があるにも関わらず、価格が振るわない状況。
基本的にREITは、価格と利回りが反対の動きをする特徴があるため、債券と似ているとも言われます。価格が下落すれば利回りは上昇します。昨年は全銘柄の平均利回りが、4%台半ばで推移する時期も長かったのです。
分配金が比較的安定しているため、インカムゲインに期待して購入するには悪くないタイミングだったのではないでしょうか。

ではなぜ価格が低迷していたのか?
様々な原因が考えられる中で、大きな2点を上げましょう。
まず1点目は、金融庁が頻繁に分配金を出す投資信託を「不適切」だとした影響です。
かねてから、分配頻度の高い投資信託は、特に年金の足しにしたい高齢者に根強い人気がありました。複利効果が見込めない、また元本を取り崩して分配金の原資にするという、いわゆる「たこ足分配」状態の銘柄も多いという状況にも関わらず、毎月分配型の投資信託の販売は継続的に行われていました。
ところが今回、金融庁の「お達し」があったことで金融機関が軒並み、分配頻度の高い投資信託の販売を自粛するようになりました。
REITは、様々な投資信託にも組み込まれていますから、その影響をもろに受けてしまったわけです。

もう1点は、海外投資家の買いが細ってしまったことです。
REIT市場において主要な買い手の一端を担っていた海外投資家は、2016年春以降2017年後半まで、ほぼ売り越し基調が続きました。
日銀の動向に敏感な海外投資家は、2016年2月のマイナス金利導入によって4月頃までRETIを大量に購入しました。しかしながら5月以降はその動きがぴたりと止まり、逆に売り越しへと転じたのです。
これまで買い越しの常連であった投資信託と海外投資家が売り側にまわったことにより、価格がなかなか振るわなかったと考えられるでしょう。
REITの業績や不動産市場自体に大きな問題が生じたわけではない(多少の懸念はあったと思いますが)ので、外的要因によるものだったと言えそうです。
このような中、全銘柄の利回り平均は4%半ばであったので、購入された方もおられるかもしれませんね。

今年に入りREITの価格が上昇している背景には、海外投資家の買いが戻ってきていることが挙げられます。
もちろん、このまま持続するのかどうかはわかりませんが、今後の動向を考えるにあたっては、不動産市況や業績をチェックするほか、投資部門別売買動向を継続的に見ていくことも有効だと思われます。コチラでチェック可能です。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

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