北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

利下げと不動産投資

世界的な利下げムードと日本

ついに、米国FRBが利下げに動きました。米中の貿易摩擦による経済への悪影響を懸念するトランプ大統領が、利下げしかない!という感じで、賛否両論の中、10年ぶりに。
トランプ大統領の言動を見ていると、更なる利下げも大いにあり得ますね。
来年米国では大統領選挙がありますから、経済後退は絶対に避けたいところでしょう。
また、世界経済にも不透明感がじわじわと漂い始め、先進国・新興国含めて利下げの動きが相次いで出てきています。

日本は、米国と違ってこれまで利上げができていませんでしたから、今以上の下げ余地はあまりない状況。とはいえ、日本も景気先行きは不安定で円高懸念もありますから、日銀は難しい舵取りを迫られている状況です。
金利が下がると基本的に不動産市況へは追い風となることが多いですが、ここ数年で既に不動産価格は結構上がってしまっています。不動産投資を考えるのであれば、賃料が上がらずに価格だけ更に上昇していくと、価格下落時のダメージが大きくなりがちです。
一方、融資が厳しくなった1棟アパートやマンションは、価格がこなれてくる可能性も考えられます。

日本での不動産投資は

ただ金融機関の状況を考えれば、お金を貸すところがなくなると当然収益は上がりません。金利もほとんどつかない状況では、運用だけでその穴を埋めるのも厳しいでしょう。とすると、担保も取れる不動産への融資は、やはり魅力があるのではないかと。
実際、一部の区分所有ではまだ比較的融資がつきやすいという声もあります。

利回りが下がり、仮に保有中のキャッシュフローはトントンか少々だったとしても、地道にローン返済をしていけば、将来売却をした時に利益が出ることは考えられます。ただし、ある程度の価格で売却できることが前提ですから、当然どのような不動産でも良いわけではありません。
残債が減るよりも値下がりのスピードが早い場合は、保有中のキャッシュもたまらない上、売却しようとしても残債以下の価格になってしまうかもしれません。

仮に、価格3,000万円、表面利回り6%の物件を、借り入れ2,700万円、金利1.5%、25年のローンを組み購入したとします。
(自己資金は、頭金&諸経費で500万円)
空室率5%前後、経費率15%前後、所得税・住民税率が30%とすると、10年後の累積キャッシュフローは、ざっくりですが10万円に満たない程度でしょう。(減価償却費にもよりますが。)
一方、10年後の残債は1,740万円程度と、購入価格3,000万円の58%になっています。
売却を考える際、10年で価格が6割を切ることがあるかどうかは、立地や賃料水準などによってかなり変わってくるはずです。(実際の売却にあたっては、諸経費や譲渡税も考慮する必要があります。)

例えば価格が購入時の90%になったとすると、2,700万円で売却となります。
残債が1,740万円ですから、売却諸経費や譲渡税を考慮する必要はありますが、購入時の頭金&諸経費500万円を差し引いても、300万円前後の資金が残りそうです。
投資の場合は利回りが一つの指標になりますから、10年後の賃料収入と市況から検討することが必要です。上記例(2,700万円で売却)であれば、例えば「10年間で賃料が5%下落&利回り6.3%程度で売却」という状況に相当します。

逆に、価格が10年間で購入時の6割程度になってしまうものもあります。どうしても売却しなければならない事情があれば、自分の資金を持ち出して残債を返し売却せざるを得ません。
また将来、残債以上である程度利益が見込める価格で売却できると踏んだとしても、保有中のキャッシュフローが少ない状況は、突発的なことに対応できないリスクと隣り合わせだという認識は大切です。特に中古の場合は、費用が大きくなりがちな設備が壊れて修繕や交換しなければならないことも珍しくありませんので、あらかじめ想定・準備しておくことが必要です。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

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