北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

物件購入後に出て行くお金、「想定外」を「想定内」に

物件を購入する際にチェックしておきたいことはいくつかあり、大切なことの一つに、「購入後にかかりそうな費用はどのくらいか」という視点である程度金額を把握しておくことが挙げられます。
新築であれば購入直後に大きな費用が発生することは多くないですが、特に中古の場合可能性は考えられます。状況によっては判断を急がなければならないこともありますので、万が一のことも考慮した上で購入の判断をします。
もちろん、新築であっても築年数が進めばかかる経費が増えていくということを想定しておくことは大切です。

修繕履歴や交換をチェック

特に築15年程度を超えた物件を購入する際には、大規模修繕の有無を確認するのは必須です。代表的なものとして、防水工事(屋上、共用部、居室ベランダなど)、外壁塗装などが挙げられます。これらは軽微な修繕とは異なりますので、修繕時期や修繕箇所、金額などの情報が残っていることも多いはずです。
その他金額が大きくなりがちなものに、貯水槽やエレベーター、給排水管などの大型設備の修繕や交換もあります。経年により故障があれば、部品交換だけだったとしても数十万〜100万円単位でかかることは珍しくありません。
またこれらや消防設備を含め、定期的に行われている法定点検で指摘が入っているものの修繕や交換がなされていない場合もありますので、予めチェックしておくと良いでしょう。 
 
居室内においても同様です。エアコンや給湯器は10年くらい経つと故障が多くなってきますし、夏場のエアコンなど、季節によっては急を要することもあります。特に一棟ものでは、経年による故障は複数の部屋で同時期に起きやすいですし、数が多くなればそれだけ費用もかさみます。

トラブルをチェック

過去に何か問題があった場合、それらを全て把握することは難しいのですが、出来るだけ知っておきたいところです。
前大家と入居者の方との間のトラブル確認はもちろんのこと、入居者の方同士のトラブルから思わぬ出費となることもありますから注意しておきましょう。保有物件において、以前、隣の部屋の騒音が原因で入居者の方が退去してしまったこともありました。実際にはそこまで大きな騒音ではなかったのですが、人によってはどうしても気になってしまうということもあるようです。
加えて特に一棟ものの場合は、隣地とのトラブルも聞いておきたいところ。「トラブル」とまでは言えないかもしれませんが、以前、隣地の大木の枝が越境してきていたことがあり、秋はかなりの量の落ち葉でした。枝を切って欲しいと言うお願いをしましたが、「切っても良いが、作業の手配や費用はそちらでやって。」と言われたこともあります。

最近は、自然災害も増えているように思います。大きな台風や地震の際の浸水、水漏れや破損などの有無について、「昨年○月の台風の時はどうでしたか?」など、相手が思い出せるように具体的に聞いてみると良いかもしれません。
その他、事故や事件の有無もチェックします。

インフラをチェック

生活の基盤となる部分で、主に、電気、ガス、電波事情、インターネット環境のチェックです。
例えばガスを使用している場合、都市ガスかプロパンかにより使用料金が異なります。プロパンは料金が割高なケースがあるため、入居を敬遠されることも出てくるかもしれません。となると、賃料設定の見直しをする必要にせまられる可能性も否定できません。
また建物によっては、テレビ映像が乱れるといった電波受信の障害があるためケーブルテレビなどが必須、という話しもよく聞きますし、最近では大家が一括契約で費用を負担し、入居者の方はインターネット接続が無料という借家もあります。賃貸経営をする側としては、このような費用もランニングコストに乗ってくることを考慮しておくことが必要です。
その他、電化製品や家具などを大家負担でリースして部屋を貸し出ししている場合もありますので、念のため確認しておくと良いでしょう。

良い価格で購入したとしても、その後に意外とお金がかかってしまうことはあります。一つ一つにかかる費用は少額でも、積み重なると金額が大きくなることもありますから、事前にできるだけ様々な視点からチェックしておきましょう。
といってもやはり、全てを把握することは難しいですから、購入後の手元資金には多少の余裕を持って賃貸経営に臨みたいところです。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

樗木 裕伸

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資ローンと住宅ローンの違いと5つの金融機関の特徴

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は100万円で始められる?少額で取り組む資産運用のコツ

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: 不動産投資で「買いたい病」にかかった人たちへの処方箋

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中 圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.44 ミャンマー不動産の状況 その2

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 高齢化と不動産投資(2)~「簡易生命表」を見て、人生100年時代を理解する

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: ヨーロッパの不動産事情

最新コラム: 欧州の経済大国ドイツの不動産事情

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: 物件オーナーが火災リスクから身を守る4つのポイント

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 29.「会社にバレずに不動産投資をしたい」という人への新説

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。