北野 琴奈の不動産投資コラム

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

長期運用を見据えた、オリジナルのポートフォリオ作り

資産運用の大きな目的は、人生でどのくらいお金がかかるのかを考え、それを収入と比べて差を埋めていくことでしょう。
今の収入だけでは不安な方、何か突発的なことがあった時のために備えておきたい方、より良い暮らしのためにもっとお金が必要だという方などなど、様々だと思います。

仮に毎月3万円を30年間積み立てて、利回り3%で運用できたとすると、1,700万円程度になります(複利・税引き前)。少し保守的に見て利回り2%だとしても1,450万円程度になりますから、高い利回り(リスクも高)ではなくても、時間をかければ地道に増やしていくことは可能ではないでしょうか。

【金融商品での運用】
運用法は、金融商品、不動産、その他諸々あります。
こちらでは不動産について話をすることがほとんどなのですが、今回は、金融商品で考える資産運用について取り上げてみます。

まず基本となる運用先は、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4種類です。
そこに、不動産やコモディティなどを加えていくことも。このあたりは好みの問題もあるので皆一律というわけではありません。
例えば私たちの公的年金は現在、基本の4種類がそれぞれ25%ずつの割合で運用できるように組まれています。もちろん市況により価格は上下しますから、この割合が崩れることはあります。その場合は、売買によりポートフォリオを元の割合に戻すことも行なっています。

ちなみに資産構成割合は5年で見直しが行われており、以前は異なる割合で運用されていました。
2006年は、以下で運用。
国内債券67%、国内株式11%、外国債券8%、外国株式 9%

現在はそれぞれ25%ずつですから、大きな違いですね。国内債券が7割弱ということで、かなり保守的な運用をしていたわけです。この15年で、運用を取り巻く環境や考え方が大きく変化していることがわかります。

公的年金の運用を行うGPIFのHPを見ると、2001年から2018年までの運用利回りの年平均は2.7%だったとのこと。各資産の割合と運用利回りの状況など、自身が運用する際の参考にしたいところです。

【長期で運用を続けるために】
運用をする上で大事なことは様々ありますが、大きく次の2点を心がけておくと良いのではないかと思います。
・継続できるかどうか
・手数料

<継続できるかどうか>
運用期間は長くなりますから、当然価格の上下は起きます。大きな含み損を抱えたり、慌てて大きく損切りをすることになれば、もうやめておこうと思う方は少なくないと思います。ですから、どのような状況であっても長く継続できるかどうかは、「大きく減らさない」ことが大事なのかなと感じます。
リスク許容度は個人により異なりますので、含み損がいくらくらいまでであれば大丈夫であるか、リスク許容度ご自身の場合を考えてみる必要があります。

参考までですが、大暴落時の例を見てみましょう。
リーマンショック時、2008年8月〜2009年2月の各資産のリターンは以下でした。

国内債券2%
国内株式▲41%
外国債券(先進国)▲17%
外国株式(先進国)▲50%

軒並み大きくマイナス(国内債券はプラスですが・・・)ですから、金銭的・精神的に耐えきれなくなり売却してしまう方もいるでしょう。ただしこの時期も含めて、2001年4月〜2021年4月までの20年で見ると平均リターンは年率で、こちらのようになります。

国内債券1.5%
国内株式3.5%
外国債券(先進国)4.8%
外国株式(先進国)7.1%

(出典:my INDEX 資産配分ツール)

一時的な価格の振れ幅に動揺せず、ある程度長い目で見ることができるかどうかも、運用において大事なポイントです。

 <手数料>
運用商品を購入、運用、売却する際には、手数料がかかります。料金体系は商品により異なりますから、事前にそれぞれチェックする必要があります。各証券会社HPの手数料ページや、投資信託でしたら目論見書にも掲載されています。

短期運用の場合もそうですが、特に中長期運用は毎年かかる手数料の影響はより大きくなりますから、軽視できません。
例えば100万円を30年間複利運用した場合、平均年率4%だとすると、320万円程度になるところが、手数料1%かかってしまうと 240万円程度に、1.5%であれば210万円程度になってしまうのです。
手数料は以前と比較してだいぶ安くなりましたが、利回りが数%といった世界ですから影響は小さくはありません。

【便利なポートフォリオ作成ツールを活用】
資産運用を実際にやってみようとした時、何から手がけてよいかわからないという声も少なくありません。
今は便利なツールがたくさんありますので、一部ご紹介しておきます。

<モーニングスター: ポートフォリオ作成ツール>

最初の運用資金(ゼロでも可)と毎月積み立てる金額、期間、目標金額から、利回りを自動で計算してくれます。
そこから、目標にあったポートフォリオと運用商品も組み合わせて提案してくれます。
例えば、「最初の運用資金が30万円で、毎月3万円ずつ20年間積み立てて、1,000万円にしたい。」という場合、年利回りは2.7%必要と提示があります。
ここから自動で組んでくれるポートフォリオは、このような感じになります。
国内株式5%、先進国債券50%、新興国債券 20%、先進国株式15%、新興国株式10%

それぞれカテゴリーで、具体的な運用商品の提案と続きます。

<松井証券:ロボアドバイザー>

用途に合わせて3種類の「ロボアドバイザー」の中から選ぶことができます。いずれも8つの簡単な質問に答えると投資信託を組み合わせたポートフォリオを提案してくれます。

質問は、年齢や、資産運用の目的を選択、保有している資産が値下がりした場合どうするかを選択、などというもの。
ポートフォリオ提案から具体的な商品も挙げられています。
加えて、リスクリターンの分析や、過去の数字に基づくシミュレーションなどの資料がいくつもあり、検討する際の材料になりそうです。

今回ご紹介しが以外にも様々なツールがあり、パソコンやスマートフォンでの操作も簡単です。
有料無料のものがありますが、まずは無料のもので使い勝手を試してみて、更に詳しいことを知りたい場合に有料ツールを活用してみても良いかもしれません。

【このコラムの著者】

北野 琴奈

ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会認定)

1974年 北海道生まれ。
津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
実践型FPとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。

会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
同時にロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだのをきっかけに、夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外にもチャレンジし、アメリカの物件購入に到る。

TBS「かっちりマンデー!!」、「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。
一方、ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」の資格を取得、ワインに関する講座を務める。
著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『47テーマで学ぶ家計の教科書』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント 』がある。

HP: http://www.kotonakitano.com/
blog: http://blog.livedoor.jp/kotonakitano/

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