LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

海外不動産投資は本当に怪しいのか?ポイントを押さえれば可能性が広がる!?

海外不動産投資は本当におすすめできないものなのか、メリット・デメリットから考察していきます。投資先の種類や特徴、始め方、海外移住についてなど、よくある疑問にも回答しています。

経済成長が著しく、日本の不動産よりも高い利益が期待できるとして、海外不動産投資に注目している人も多いのではないでしょうか。しかし一方で、海外不動産投資で失敗したり、詐欺に合ったりした例もあり「怪しい」「危険」「避けるべき」というイメージがついてしまっているのも現状です。

果たして、海外不動産投資の実情はどうなのでしょうか。海外不動産投資は、本当に「やるべきではない」のでしょうか。

まずは、海外不動産投資のメリットやデメリット、注意点を理解しましょう。海外で不動産投資をするにあたり、何が障害となるのか、投資国によってどのような違いがあるのかを知ることは非常に重要です。その上で、海外の不動産を投資対象とするべきか否か、自分自身で判断できるようになりましょう。

海外不動産投資はお勧め?

海外不動産への投資はお勧めできるものなのかどうか、その結論は「誰にでもできる投資手法ではないが、投資対象として検討する価値は大いにある」というところでしょう。

今後の成長が見込める国は多く、インカムゲイン・キャピタルゲインの両方が期待できるという点は非常に魅力的です。しかし一方で海外不動産投資は、不動産投資未経験者はもとより、不動産投資経験者でも投資判断が非常に難しいといえます。
たとえ日本での不動産投資に精通していたとしても、その国独自の法律や税制、慣習やニーズなどをじゅうぶんに把握していなければ、投資を成功させることは難しいでしょう。

また次のような人は、海外不動産投資をするには注意が必要といえます。

・現地を見に行けない
  →【問題点】正確な情報を得られない
・不動産投資の知識がない
  →【問題点】自分自身で正しい投資判断ができない(詐欺に合う可能性も高くなる)
・自己資金が少ない
  →【問題点】海外でローンを組む際は高い自己資金比率を求められることが多い

失敗しないためには、まず海外不動産投資に必要な知識を身に付けることが大切です。その上で、自己資金や現地調査できる環境を整えましょう。
自信をもって投資の可否を判断できる人にとっては、海外不動産投資を成功させる可能性があるといえます。

海外不動産の投資先の種類

投資先には、大きく分けて新興国と先進国の2種類があります。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

投資先①成長が期待できる新興国

新興国は人口増加で安定した賃貸需要が見込めるとともに、経済成長で地価が上昇し不動産の売却益も期待できるのが特徴です。

しかし、情勢が安定していない国も多く、いつ法律や制度が変わるか分かりません。不動産市場が成熟していないために、流動性が低く取り引きの仕組みが整っていない場合も多いです。国によっては外国人に対して最低購入額が定められていたり、不動産所有の制限があったりするなど、規制があるので注意しましょう。

投資先②法整備が整っている先進国

先進国は法整備が整っているため透明性が高く、信頼できるエージェントも見つかりやすいでしょう。得られる情報量が多いことからも、取引に対する安心感があります。外国人への規制はほとんどないか緩やかな場合が多いです。

しかし物件価格が高く、利回りは低くなる傾向があります。利回り重視というよりも、安定的な分散投資を考えている人に向いているでしょう。

海外不動産投資のメリット

海外不動産投資には、国内不動産投資にはない魅力があります。通貨分散、収益性、節税効果の3点について確認していきましょう。

通貨分散ができる

投資の基本とされている分散投資の1つが、通貨分散です。

1つの通貨だけを保有していると、その国に何か起こった場合、被る損失は大きくなってしまいます。そこで、複数の通貨に分散することで、万が一の場合でもできるだけ損失を抑えようという考え方です。

例えば円だけで資産を保有していると、日本がインフレになれば資産価値は目減りし、財政破綻すれば最悪の場合預金封鎖という事態も起こり得ます。万が一のリスクに対応するためには、その国内で資産を分散するだけでは分散投資の効果は不十分です。

日本以外の通貨にも分散しておくことが、資産を守る方法の1つだということを押さえておきましょう。

高い収益性が期待できる

これは特に、新興国での不動産投資における特徴です。人口増加と経済成長により、賃貸需要の増加、家賃の上昇、不動産価格の上昇が期待できます。また、物件価格が安いため、高い利回りも狙えます。

一方の日本の経済成長率は先進国の中で最下位、人口は2004年をピークに減少し始め、2050年には1億人を下回ると予測されています。
このまま予測通り人口が減少していけば、賃貸需要は減り、国内不動産投資で収益を上げることが難しくなっていくかもしれません。

資産を増やす可能性を高めるためには、世界に目を向けて投資の視野を広げることが大切です。

節税効果がある

海外の不動産についても、日本の不動産と同様に減価償却することが可能です。
海外では建物の耐用年数がとても長いため、土地の価値よりも建物の価値の方が高くなる傾向があります。減価償却できるのは建物のみなので、購入価格における建物の割合が大きいほど減価償却費を多く計上できるのです。

このことから、日本の不動産へ投資するよりも、海外の不動産へ投資した方が高い節税効果を得られるとして、海外不動産投資を取り入れている人も多くいます。

さらに2020年までは、海外不動産投資で生じた損失は、国内の所得と損益通算することが可能となっています。海外不動産が赤字の場合、国内での所得が圧縮され、節税が可能になる仕組みです。
しかし、2019年12月12日に発表された2020年度税制改正大綱に、2021年以降は海外中古物件で生じた赤字との損益通算を認めないという見直しが盛り込まれました。2021年以降の所得分に対しては損益通算ができない税制に変更されましたので、注意しましょう。

海外不動産投資のデメリット

続いてはデメリットです。国内投資にはない為替差損やカントリーリスクに加え、情報収集と維持管理の難しさ、融資の受けにくさなどがあげられます。
一つ一つ詳しく見ていきましょう。

為替差損リスクがある

為替差損は、外貨両替の際に起こります。たとえば20万USドルのアメリカの物件を購入する場合、日本円では買えませんから、現地の通貨に両替します。このとき、USドルに対して円が安いほど支払う金額が多くなり、円が高いほど支払う金額は少なくなります。

意味為替の変動支払う金額
円高円の価値が高くなり、少ない円でUSドルと交換できる1USドル=95円20万USドル=1,900万円
円安円の価値が安くなり、USドルと交換するには多くの円が必要になる1USドル=105円20万USドル=2,100万円

そのため、海外不動産購入前から為替をチェックし、できるだけ円高のときに両替しておくことをお勧めします。逆に賃貸収入や売却益を日本円に戻すときには、円安のときに両替すればより多く円が戻ってくることになります。

カントリーリスクがある

カントリーリスクとは、投資先の国の情勢が変わることにより、収益の減少や損失が出るリスクのことを指します。特に新興国では、政治・経済などが転換する可能性が大きく、内戦などが起これば資金の回収が不能になり、物件すらも失う可能性があります。

中には、海外投資家に対する規制強化や税率アップにより、海外からの資産流入をコントロールしている国もあります。海外からの投資に対し、今後急に厳しい制度を設ける国が出てくる可能性も考えられるでしょう。

カントリーリスクは、急激かつ大きな変化をもたらすケースが多いため、注意が必要です。

情報収集や物件の維持管理が難しい

遠距離、異言語により、正確な情報を得にくいのが難点です。特に新興国では、さまざまな整備が整っていないこともあり、投資するにあたりじゅうぶんなサポートが受けられない場合もあります。

また、基本的に維持管理は現地の管理会社に委託することになるので、信頼できる管理会社選びが重要です。これまでの管理実績やスタッフの質を見極めるようにしましょう。

融資を受けにくい

融資を受ける場合は、国内か現地でローンを組むことになります。

しかし国内では、海外不動産投資の資金として融資をしてくれる金融機関は少ないのが現状です。海外不動産ローンのサービスを展開していたとしても、金利が高かったり、担保や審査条件が厳しかったりするケースが多いでしょう。

現地で融資を受ける場合、融資額が低い、融資期間が短い、金利が高い、高い自己資金比率を求められるなど、不利な条件となることも多いです。そもそも外国人へ融資を行っていない国もあるので、必ず確認をしましょう。

海外不動産投資のQ&A

最後に、海外不動産投資でよくある疑問と回答をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

海外不動産投資で海外移住はできる?

投資家ビザがある国では、投資額などの条件を満たせば、永住権もしくは長期滞在ビザが取得できるので、海外移住も可能です(審査あり)。

例えばアメリカでは、移民局が認定する地域センターからプロジェクトを選び、90万USドル~180万USドル(約9,860万円~1億9,720万円)の投資を行うなどの条件を満たせば、永住権を得ることができます。つまり、プロジェクトの対象となっている物件を購入しなければならないということです。
ただし、このプログラムは度々延長を繰り返している時限立法ですので、いつまで延長が続くかは未定です。また、投資額や対象エリアの見直しが行われることもありますので、ご注意ください。

マレーシアでは、50歳未満の場合
・マレーシアの国外で1万リンギット(約26万円)以上の月収があること
・50万リンギット(約1,320万円)以上の金融資産があること
・そのうちの30万リンギット(約790万円)をマレーシアの金融機関に定期預金すること
などの条件を満たすことで、最長10年の長期滞在ビザが得られます。

(※USドル=円、リンギット=円は2019年12月17日時点のレート)

海外不動産投資の始め方は?

日本の不動産会社か、現地の不動産会社から購入することになります。どちらも良し悪しがあるので、よく検討しましょう。

日本の不動産会社現地の不動産会社
メリット・日本語でやり取りできる
・税制面のサポートが期待できる
・現地ならではの情報の多さ、詳しさ
・手数料が抑えられる
デメリット・購入額が割高になる
・得られる情報が限定的
・コミュニケ―ションが難しい
・日本の税制や法律に詳しくない

不動産会社が開催する海外不動産セミナーなどに参加し、その会社の実績やサポート体制、現地とのコネクションなどを確認し、信頼できる不動産会社かどうか判断しましょう。
海外の不動産会社だけでなく、日本の不動産会社でも騙されるケースはあります。「日本の会社だから安全」という考えは持たずに、実績や信用度を見極めることが大切です。

海外物件を選ぶときの注意点は?

新興国の場合、建築技術が劣っていたり、手抜き工事があったりすることで、購入後に修繕が必要になることもあります。中には、完成しないまま途中で工事が終了してしまうケースもあるのです。
物件を調査する際は、どのデベロッパー・ゼネコンが手がけているか、信頼できる会社かどうかをチェックするようにしましょう。中古物件であれば、現地へ行き自分の目で物件を確認することが必須です。

そして、物件選びの際は日本の常識で考えないことを意識しましょう。日本人として使いにくい、不要と感じる設備も、現地の人にとっては快適で必須のものかもしれません。賃貸経営を成り立たせるためには、現地のニーズ・感覚を知ることが大切です。

まとめ

海外不動産投資は高い収益性が期待できますが、不動産投資において重要な「情報収集」「維持管理」「融資」の面で条件を整えにくいのが難点です。成功するためにはこれらの障害をクリアしなければなりません。

そのために必要なのは、不動産の知識を付けること、自分の目で現地調査すること、自己資金を用意すること、そして信頼できるエージェントを見つけることです。国内不動産投資でも要となるポイントですが、海外不動産投資においては、この4つがより重要な要素となります。

可能性の広がる海外不動産投資に着手するためには、しっかりと事前準備を行いましょう。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
LIFULL HOME'S 不動産投資には不動産投資の知識・アイディア・ヒントが盛りだくさん。

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: コロナ影響で3年ぶりに下落!2020年基準地価から見える不動産投資のエリア戦略

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中 圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.56 ASEAN各国の2020年の経済と不動産マーケット状況 〜シンガポール 後編〜

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 新型コロナウイルス感染拡大から考える 大家がすべき対応 No.6 住生活総合調査からわかる 現状と未来の不動産投資2

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: Withコロナの新・不動産事情

最新コラム: コロナ影響下のアメリカで激安お値打ち物件がなかなか出ない理由!

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 地価下落地区増で、不動産投資メリットの享受を改めて考える

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: 売却による資金確保

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 36.大家さんと幸せな人生について

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。