LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

不動産投資「資金」の教科書!自己資金ゼロ投資は本当に得策なのか?

不動産投資を始めるには、さまざまな資金が必要です。また物件の運用中においても、維持費など多くの費用がかかります。不動産投資と資金は、切っても切り離せない関係なのです。
そこで今回は、不動産投資に欠かせない「資金」について深掘りします。

自己資金ゼロでも不動産投資を始める方法や、資金調達方法、失敗しないための資金計画について、しっかりと理解しておきましょう。

不動産投資に必要な資金の基礎知識

不動産投資は物件を買って終わりではなく、長期に渡り安定的な経営をしていかなければなりません。
購入時だけでなく、運用中、売却時など、常にさまざまな費用がかかり、その都度資金が必要となります。

まずは不動産投資にまつわる資金について、疑問にあがりやすい項目を1つ1つ解消していきましょう。

自己資金ってなに?頭金との違いと目安

「自己資金=頭金」と思っている人も多いと思いますが、実は異なるものを指しています。
両者を簡単に表すと、
自己資金:自身が持っている現金。
•頭金:物件購入にあたり、物件購入金額の一部として投入する自己資金。物件価格から頭金を引いた額でローンを組む。
となります。分かりやすく図に表してみましょう。

物件を購入する際には、頭金以外にさまざまな諸費用がかかります。
つまり頭金を投入して物件を購入する場合、「自己資金=頭金+諸費用」であるということがお分かりいただけるでしょう。

自己資金から、頭金としていくら投入するかは自由です。どれくらいの融資を受けられるのか、諸費用はいくらかかるのかなど綿密な資金計画を立て、いくら手元に残すのか、ベストな頭金の投入額はいくらなのかを決めましょう。

最近の傾向として、頭金の投入を求める金融機関が多くなっています。金融庁が2019年3月に公表した「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」によると、78%の銀行、47%の信用金庫・信用組合が3分の2以上の案件において融資希望者に頭金を要求していると回答しました。
物件の評価や個人の属性にもよりますが、おおむね頭金を用意できる方が、融資審査に有利になる傾向があるといえるでしょう。

物件の購入代金以外にどんな費用がかかる?

物件の本体代金を支払うだけでは、物件は手に入れられません。一般的に「初期費用」といって、次のような費用が別途発生します。

〈初期費用例〉
•仲介手数料
•不動産登録免許税
•印紙代
•売り主からの精算金(固定資産税・都市計画税など)
•火災保険料
•司法書士報酬
•ローン事務手数料
•不動産取得税 
など

これらの初期費用の目安は、物件価格の8%前後といわれています。初期費用に関する具体的な内容や、実際にかかる費用の計算例は、以下の記事に詳しく載っています。ぜひ、参考にしてください。
初期費用の相場はいくら?初期費用を抑える5つのポイント

また中古物件を購入する場合、購入後にリフォームが必要なケースもあるでしょう。どの程度リフォームに費用をかけるかは、物件や投資家のスタンスによって異なります。自己資金や費用対効果をしっかり検討し、リフォームすることが大切です。

運用中、売却時に必要な費用は?

不動産投資において資金が必要なのは購入時だけではありません。物件の運用中や、売却時にもさまざまな費用がかかります。
不動産投資にかかるさまざまな費用については、こちらの記事にまとめられていますので、ぜひ参考にしてください。
不動産投資にかかる諸費用~初期費用・ランニングコスト・売却時費用~

自己資金を作るコツは?

不動産投資を始めるには、物件価格の8%前後の初期費用がかかることをお伝えしました。例えば3,000万円の物件を購入したい場合、240万円前後の初期費用がかかるということです。頭金を投入することも考えると、大きな自己資金が必要だということが分かります。
これだけの自己資金を作るためには、どのような工夫が必要なのでしょうか?

まずは、1ヶ月家計簿をつけ、毎月どれくらいの収入と支出があるか、大まかに把握しましょう。住居費、光熱費、通信費、保険料などの固定費は、支出の中でも大きな割合を占めるものです。削減することができれば、大きな節約効果があります。減らせる費用はないか、見直しをしてみましょう。
家計簿をつけることで無駄な出費にも気づきやすくなり、意識的に不必要な支出を減らすことができます。

強制貯金という方法もあります。最初に貯金額を決め「収入-貯金=生活費」といったように、強制的に貯金額をキープし、残ったお金で生活費をやりくりするという方法です。
給与天引きで、貯蓄額を定期預金に移動するという方法もいいでしょう。

家計の見直し+強制貯金で自己資金形成のスピードが上がることが期待できます。

不動産投資は自己資金ゼロでもできる!?

ここまで、不動産投資を始めるには頭金や諸費用といった自己資金が必要であるとお話してきました。しかし、実は自己資金ゼロでも不動産投資を始める方法があります。しかし、大きなメリットを享受する代わりに、相応のリスクを負わなければなりません。

ここでは、自己資金ゼロで不動産投資をする方法と、そのリスクをお伝えしていきます。

フルローンとオーバーローン

自己資金ゼロで不動産投資をしたい場合「フルローン」と「オーバーローン」の2つの方法があります。

フルローン:物件本体価格は全てローンで賄い、諸費用は自己資金で支払う
オーバーローン:物件本体価格+諸費用を全てローンで賄う

自己資金を手元に残し、レバレッジ効果を最大限に活かすことができるため、積極的に活用している投資家もいます。
ただしどちらも、融資審査はかなり厳しくなるでしょう。融資額が大きくなるため、金融機関としても貸し付けるリスクが高くなるからです。

・属性が高い(高収入、資産家、自己資金が多いなど)
・物件の担保価値が高い(積算評価がでる、収益性が高いなど)
などの条件が必要になるでしょう。

自己資金ゼロ投資のリスク

フルローンやオーバーローンには、自己資金を投入せずに不動産投資が始められるというメリットがあります。
しかし一方で、ローンの借入額が大きくなるというリスクがあることを忘れてはいけません。毎月のローン返済額が大きくなる分、空室や滞納により少しでも家賃収入が減ると、赤字に転落しやすくなります。赤字の状態が長く続けば、最悪の場合破綻という可能性もあるでしょう。

その他、不動産経営には突発的な修理・修繕などが付き物です。急な出費に充てる資金がなければ、生活費からの持ち出しが必要になることもあるでしょう。

フルローンやオーバーローンは「自己資金はじゅうぶんにあるが、頭金や初期費用にはあえて投入せず、温存させておく」というのが正攻法といえます。
全くもって自己資金ゼロの状況でフルローンやオーバーローンを利用するのは、破綻の危険性を高める可能性があるということを覚えておきましょう。

不動産投資の資金調達方法

不動産投資を始めるための資金調達方法は、現金一括購入もしくはローンを組むのどちらかに分けられます。
地方の築古物件など売買金額の低い物件においては、現金で一括購入する場合もあるでしょう。しかし多くの場合、物件購入のためには、金融機関から融資を受けて資金を調達するケースが多いです。

そこで、代表的な借入先金融機関を4つ取り上げ、それぞれの特徴や融資傾向を説明していきましょう。

都市銀行

都市銀行とは、大都市に本店があり、全国展開している大規模な銀行のことです。一般的には「三井住友銀行」「三菱東京UFJ銀行」「みずほ銀行」「りそな銀行」「埼玉りそな銀行」の5行のことを指し、メガバンクとも呼ばれます。

その資金力と規模から金利が低いという特徴がありますが、その分融資審査は厳しくなる傾向があります。

融資審査比較的厳しい
金利の目安1~2%程度(変動金利の場合)
メリット金利が低い、融資上限が高い
デメリット審査が厳しく、時間がかかる傾向がある
最近の融資状況積極的な取り組み姿勢の割合が減り、消極的な姿勢の割合が増えている(※1)

(※1) 金融庁が2019年3月に公表した「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」の回答内容

地方銀行・信用金庫・信用組合

いずれも各地方や各都道府県を基盤とし、地域に根ざした営業をしている金融機関です。地域の発展に貢献することが役割のため、融資を検討してもらうには営業エリアの居住者である、購入したい物件が金融機関のエリア内にある、などの条件がつく場合が多いでしょう。

都市銀行と変わらないくらい金利の低い地方銀行もあり、金利の幅が広いといえます。

融資審査金利が低い地方銀行ほど厳しい傾向がある
金利の目安1~4%程度
メリット営業エリアに物件があり、かつ営業エリア内に居住しているなどの条件がそろえば、融資条件を優遇してもらえる可能性がある
デメリット営業エリアに物件がある、営業エリアの居住者であるなど、融資対象の範囲が限られている
最近の融資状況積極的な取り組み姿勢の割合が減り、消極的な姿勢の割合が増えている(※1)

(※1)上記都市銀行の※1と同様

ノンバンク

ノンバンクは預金業務を扱わず、融資のみを行っている金融機関です。消費者金融や信販会社が該当します。
最短即日融資可能な金融会社もあるなど、融資スピードが早いのが特徴です。

融資審査銀行・信金などよりは比較的やさしい
金利の目安2%台〜15%台
メリット融資スピードが早い、築古物件でも検討してもらえる可能性がある
デメリット条件によっては金利が高くなる
最近の融資状況比較的積極性がある

日本政策金融公庫

政府が100%出資を行っている政策金融機関です。主に、国民一般向け・農林水産事業者向け・中小企業事業者向けに融資や支援を行っています。
国民生活事業の一般貸し付けの場合、融資上限は4,800万円、融資期間は10年~15年が一般的です。そのため、小規模物件や高利回り物件が対象になるといえるでしょう。

融資審査比較的やさしい
金利の目安1~2.5%程度
メリット金利が低い、耐用年数を超えた物件も対象となる
デメリット融資上限が低い、融資期間が短い
最近の融資状況比較的積極性がある

不動産投資は資金計画が大切!

ここまで、不動産投資にまつわる資金や、その調達方法について説明してきました。

不動産投資において重要なのは、これらの資金をどのように準備し、いつ、何に、いくらかかるのかをできるだけ正確に把握することです。そしてそれらをシミュレーションする「資金計画」を立てることは、不動産投資において必要不可欠であるといえます。

投資を始める前に、綿密に資金計画を立てておくために大切なポイントを4つ見ていきましょう。

自己資金を準備する

まずは、不動産投資にあてられる自己資金がいくらあるのかを確認します。自己資金の額によって、おのずと買える物件が絞られてくるでしょう。

不動産投資には突発的な出費も発生しやすいため、ある程度は自己資金を手元に残しておくことも大切です。
もし自己資金がじゅうぶんでないと判断できるようであれば、まずは自己資金の準備に労力を割きましょう。

初期費用を把握する

先述の通り、初期費用として物件の頭金、税金などの諸費用、リフォームをするならリフォーム費用の用意が必要です。

不動産投資の中で最もまとまった資金が動く場面であり、資金の不足があれば物件を入手できないという事態にもなりかねません。初期費用は正確に把握しましょう。

年間維持費を試算する

次は運用中の維持費(ランニングコスト)の算出です。費用の漏れがないように正確に洗い出し、現実的な数値を出す必要があります。

<維持費例>
•税金
•火災保険料
•管理費
•修繕費
•ローンの支払い
など

維持費は物件によって大きく異なります。候補に挙げている物件それぞれに対し、想定される費用を個別に試算するようにしましょう。

不動産投資におけるランニングコストや経費について、以下の記事に詳しく記載されています。ぜひ参考にしてください。
不動産投資にかかる諸費用~初期費用・ランニングコスト・売却時費用~
不動産投資の鍵「経費」を理解しよう!経費の種類・範囲は?

返済比率を意識する

返済比率とは、家賃収入に対するローン返済額の割合のことです。賃貸経営の安全度を測るために重視されており、理想的な比率は40~50%程度とされています。

返済比率は、
返済比率(%)=毎月のローン返済額÷満室時の毎月の家賃収入×100
という計算式で求めることができます。
毎月100万円の家賃収入があり、毎月のローン返済額が50万円の場合は、50%の返済比率ということです。

いくら利回りが高くても、返済比率が高くなるほど赤字経営になりやすく、破綻リスクが高くなる傾向があります。
返済比率を下げる方法としては、頭金を多く入れる、返済期間を長くするなどがあります。

返済比率について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
不動産投資における返済比率の目安は?_理想の返済比率計算シミュレーション

まとめ

不動産投資において、資金は切っても切れない関係であり、曖昧な知識と計画性の無さは失敗を招く原因にもなりかねません。

また、自己資金ゼロで不動産投資を始めることもできる、ということから不動産投資に興味を持った方も多いでしょう。しかし、そこにはさまざまなリスクがあることも理解しなければなりません。

不動産投資には、いつ、どんな費用がかかるのか、どのくらいの資金が必要なのかをしっかりと把握しておくことが重要です。
自分に合った綿密な資金計画を立て、成功率の高い不動産投資を実現しましょう。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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