LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

不動産投資で初期費用なしは可能!?初期費用を抑える5つの方法

不動産投資は大きな資金を必要とする投資手法なため、初期費用は極力抑えておきたいところです。不動産投資にかかる初期費用の内訳と、初期費用を効果的に抑える方法をお伝えします。

不動産投資は大きな初期費用がかかることから「裕福な人がやるもの」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし工夫次第では、初期費用をうまく抑えて不動産投資を始めることが可能です。

少しでも多くの自己資金を手元に残すことができれば、突発的な修繕や空室が出た場合にも、余裕をもって対処することができるでしょう。
より良い不動産投資をしていくためにも、不動産投資にはどのような初期費用がかかるのか、どのように初期費用を抑えられるのか、理解しておきましょう。

不動産投資の主な初期費用

不動産投資にかかる初期費用は、大きく分けて頭金と諸費用に分類されます。
まずは、主な初期費用について解説していきましょう。

不動産購入にあてる頭金

頭金とは、物件購入の際にキャッシュで用意する資金の事です。物件の購入価格から頭金を引いた金額でローンを組むことになります。

どのくらいの頭金が必要かは、個人の属性や物件評価、金融機関の判断基準によって異なるでしょう。融資額が購入したい物件価格に満たない場合、不足額の頭金を用意しなければなりません。
融資限度額が購入金額をカバーできていても、将来的に金利負担を減らしたい、月々のローン返済額を減らしたいなどの理由で、頭金を多めに設定するケースもあるでしょう。
また、頭金を投入した方が金融機関からの融資審査がスムーズに進む場合もあります。各投資家の資産状況や物件によって、個々に判断する必要があるでしょう。

仲介手数料

不動産を売買した時に、不動産仲介会社に支払う手数料のことです。この手数料は、以下のように上限が決まっています。

売買価格仲介手数料の上限金額
売買価格200万円以下の部分売買価格×5%+消費税
売買価格200万円超~400万円以下の部分売買価格×4%+消費税
売買価格400万円超の部分売買価格×3%+消費税

仲介手数料は、上記のように各価格に分解して計算しなければなりませんが、400万円超の物件価格の場合は、
仲介手数料=売買価格×3%+6万円+消費税
で速算することができます。

定められた上限金額以内であれば、仲介手数料をいくらに設定するかは不動産会社次第です。中には、仲介手数料ゼロという物件もあります。
また新築物件は売り主がディベロッパーであることが多く、その場合は仲介手数料がかかりません。中古物件よりも新築物件の方が購入金額に対して諸費用がかからないのは、仲介手数料が関係しているケースが多いでしょう。

不動産投資にかかる仲介手数料は、契約成立時に50%、引渡し時に50%支払うことが望ましいとされています。

不動産取得税

土地や家屋を購入した時にかかる税金です。
不動産取得税=固定資産税評価額×税率(%)
で計算されます。
土地・住宅の税率は3%、住宅以外の家屋は4%の税率が適用されます。物件の購入金額に対して課税されるわけではありませんので、注意しましょう。

固定資産税評価額は、各市区町村の担当者がひとつひとつの物件を確認し、個別に決定されるもので、3年に1回評価額が見直されています。

不動産取得税の通知には購入から数ヶ月かかるケースも多く、不動産投資が初めての人は忘れがちです。物件の価格によっては決して安くない金額なので、忘れずに諸費用として想定しておきましょう。

印紙税

印紙税は、不動産の売買契約を締結する際の「不動産売買契約書」と、金融機関と融資契約する際の「金銭消費貸借契約書」の2つで必要です。
収入印紙の代金は、取引金額によってそれぞれ以下のように定められてます。

契約金額不動産売買契約書金銭消費貸借契約書
1万円以上~10万円以下200円200円
10万円超~50万円以下200円400円
50万円超~100万円以下500円1,000円
100万円超~500万円以下1,000円2,000円
500万円超~1,000万円以下5,000円10,000円
1,000万円超~5,000万円以下10,000円20,000円
5,000万円超~1億円以下30,000円60,000円
1億円超~5億円以下60,000円100,000円

不動産売買契約書にかかる印紙税の軽減措置は、2022年3月31日までに作成されるものに適用されます。

登録免許税

土地、建物を登記する際にかかる税金です。不動産投資に関わる主な登記には、以下の3つがあります。
・所有権移転登記
すでにある土地や中古物件を購入した場合の、所有権を移転するための登記

・所有権保存登記
新築物件を購入したときに必要な、所有権を新規に保存するための登記

・抵当権設定登記
融資を受けて不動産を購入する場合に、金融機関がその物件を担保にするための登記

それぞれ、固定資産税評価額×以下の税率で計算されます。

内容税率
土地の所有権移転登記1.5%
(2021年3月31日まで)
2.0%
(2021年4月1日以降)
建物の所有権移転登記2.0%
所有権の保存登記0.4%
抵当権設定登記0.4%

不動産投資に関わる税金については「不動産投資にはどのような税金がかかるのか?」の記事に詳しく載っています。ぜひ、参考にしてください。

司法書士への報酬

土地や建物の登記は自分で行うこともできますが、複雑な手続きが必要となるため、司法書士に依頼するケースが多いでしょう。その場合は、司法書士への報酬が必要になります。
各司法書士事務所によって報酬費用はさまざまですが、おおよそ5~10万円程度が相場といえるでしょう。

固定資産税・都市計画税など売り主への清算金

固定資産税や都市計画税は、1月1日時点で不動産を所有している人に対し、1年分まとめて課税されます。
売り主が年の途中で不動産を売却した場合、引き渡し日から固定資産税、都市計画税を日割り計算し、清算金として買い主に請求するケースがあります。
売買契約の条件によって異なりますので、必ず契約前に売り主に確認しましょう。

金融機関へのローン事務手数料

ローン手続きのために金融機関に支払う事務手数料です。
事務手数料は、融資金額の1~3%程度で計算される定率型と、借入額に関わらず一定の手数料が発生する定額型があります。
どちらのタイプの手数料も、金融機関によって大きく開きがありますので、各金融機関に事前に確認しましょう。

ローン保証料

保証会社に保証料を支払うことで、万が一ローンを返済できなくなった場合、保証会社が金融機関に残債を一括で返済してくれます。
保証料の支払い方法は「借入金利に上乗せするケース」と「借入時に一括で支払うケース」があります。
保証料の金額は、借り入れ期間などによって異なりますので、事前に金融機関に確認しましょう。保証料ゼロという金融機関もあります。

万が一ローンが返済できなくなり、保障会社が金融機関に弁済したからといって、契約者の借金がゼロになるわけではありません。その後は、保証会社に返済をすることになります。

火災・地震のための損害保険料

購入した物件が火災や、台風、雪などの災害によって損傷を受けることがあります。そのような万が一の場合に備え、火災保険に加入する人が多いでしょう。
日本は地震大国でもあるため、火災保険だけでなく地震保険への加入も重要です。

保険料は、物件の構造や面積、含まれる保証内容によって大きく異なります。木造タイプの物件は火災リスクが高くなるため、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物に比べて保険料が高くなる傾向があるでしょう。

不動産投資にかかる初期費用の相場はいくら?

ここまで、不動産投資を始める際にかかる初期費用について見てきました。
では、具体的にかかる初期費用はいくらくらいなのでしょうか?

初期費用は、おおよそ物件購入価格の6~8%程度を目安にするとよいでしょう。
その算出方法は、以下の記事に詳しく載っていますので、ぜひ参考にしてください。
初期費用の相場はいくら?初期費用を抑える5つのポイント

初期費用の中でも大きな割合を占めるのが不動産会社への仲介手数料です。新築物件や仲介手数料のかからない物件の場合、初期費用がより安く抑えられることもあります。投資しようとしている物件に応じて、正確にシミュレーションするとよいでしょう。

不動産投資の初期投資を抑える5つの方法

不動産投資には、さまざまな初期費用がかかることがお分かりいただけたと思います。大きな自己資金を必要とするものなので、できるだけ安く抑えたいと思う方も多いでしょう。
そこで、初期費用を抑えることができる方法を5つご紹介します。

頭金を減らす

単純に物件購入時の自己資金からの出費を抑えたい場合、頭金を減らすことが有効といえます。

しかし先述の通り、頭金に関しての考え方はさまざまです。
金融機関に対して、有利な融資条件を引き出すためにあえて頭金を多く投入するという考えもあります。頭金を増やせばその分融資額が減るので、その結果、融資の際の事務手数料や保証料、将来的な金利負担を減らすことができるでしょう。
しかし手元の資金が減ってしまうと、急な修繕費やリフォームなど、不測の出費に対応できなくなってしまうこともあるので、注意が必要です。

逆に、頭金を減らせば初期費用の負担は減りますが、一方で融資額が増えます。融資期間が長くなったり、利息の負担が大きくなったりすることが考えられるでしょう。
今後、2件目3件目と不動産投資を拡大していくことを検討している場合、頭金を抑え、次の投資に備えて手元に資金を残しておきたいという投資家もいると思います。

頭金については、各投資家の投資スタンスや、今後の不動産投資戦略によって検討することが重要です。

仲介手数料を交渉する

仲介手数料は、初期費用の中でも大きな割合を占めているため、工夫次第では大きく節約することが期待できます。

先述の通り、仲介手数料には上限価格のみが設定されており、逆に下限価格はありません。中には仲介手数料無料という不動産会社もありますので、複数の不動産会社に見積もりを依頼し、比較しましょう。
上限いっぱいの仲介手数料を設定している不動産会社であっても、交渉次第で安くしてくれる場合もあります。

ただし、仲介手数料ばかりに注目してしまうことは危険です。仲介手数料に応じてサービス内容が変わるケースもありますので、どのようなサービスが含まれているのかを含め、しっかり検討しましょう。

司法書士への報酬を交渉する

司法書士への報酬は、事務所によってさまざまです。より安く請け負ってくれる司法書士に依頼をすることで諸費用を抑えることができるでしょう。
ただし、サービス内容がおろそかにならないよう注意が必要です。

物件価格そのものを少額に抑える

不動産投資にかかる初期費用の多くは、物件価格や融資額に比例して上下するものです。つまり、物件価格そのものを少額に抑えることで、自己資金からの支出を抑えることが期待できます。

保険料の支払い方を工夫する

火災保険や地震保険は、10年や15年といった期間分を一括で支払う方法と、年単位や月単位で分割払いする方法があります。
一括支払いの方がトータルでは割安になりますが、初期費用を抑えるという点では分割払いする方がお勧めでしょう。

また物件の立地によって考えにくい災害があれば、その分の補償を保険内容から外すことで保険料を安くすることもできます。
しかし、将来的な災害を予測することは非常に難しいものです。特定の災害を補償対象から外すことにはリスクもありますので、ハザードマップなどを活用し、投資物件の災害リスクをじゅうぶん把握した上で検討しましょう。

初期費用なしでも不動産投資ができる?

不動産投資を行う上で必要な初期費用の内訳、そしてできるだけ初期費用を抑えるポイントを解説してきました。
しかし実は、初期費用なしでも不動産投資を始める方法があります。

フルローン・オーバーローンを使う

頭金なしで、物件価格全てにローンを利用することを「フルローン」といいます。さらに、物件価格プラス上記に挙げたようなさまざまな諸費用も全て含めて融資を受けることを「オーバーローン」といいます。
オーバーローンを利用すれば、初期費用なしで不動産投資を始めることが可能です。

ただし、フルローン・オーバーローンの利用にはさまざまなリスクがあることを理解しなければなりません。

フルローン・オーバーローンは融資総額が増えるため、月々の返済額が増え、さらに金利負担も大きくなります。
また融資額が大きく、金融機関にとってはリスクの高い融資となるため、融資審査は非常に厳しくなる可能性が高いです。
物件の担保価値が高い、ローン利用者の社会的信用や資金力が高いなどの条件が必要になることを知っておきましょう。

先輩投資家やメンターの信用力を使う

フルローンやオーバーローンの利用には、厳しい融資審査を通過しなければなりません。
ある金融機関から融資を受け、すでに不動産投資で成功している投資家仲間やメンターがいる場合、申し込みに同行してもらったり口添えしてもらったりすることで、融資審査が有利に働く可能性があるかもしれません。
不動産投資でまだ実績が出ていない場合、すでに成功している先輩投資家の力を借りることができれば、とても心強いものです。一度相談してみるとよいでしょう。

まとめ

不動産投資の初期費用は、物件価格の6~8%程度が相場といわれています。不動産投資の中でも、非常に大きな資金が動く場面といえるでしょう。そのため、できる対策や工夫を可能な限り施し、初期費用を抑える努力をすることは非常に重要です。

フルローンやオーバーローンなど、初期費用なしで不動産投資を始める方法もありますが、そこにはさまざまなリスクがあることも理解しなければなりません。

購入後の賃貸経営や資金計画を考える上でも、精度の高い初期費用のシミュレーションは重要です。より現実的な実質利回りを計算することで、失敗しない不動産投資の実現に一歩近づくことができるでしょう。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
LIFULL HOME'S 不動産投資には不動産投資の知識・アイディア・ヒントが盛りだくさん。

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