LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

ホテル投資の基礎知識-利回り・メリット・リスク・コロナによる影響を知ろう

ホテル投資の方法、利回り、メリット、リスク、ホテル投資準備のポイントについて解説。コロナ禍で観光客が激減するホテル業界の現状や、今後のホテル投資の展望についてもご紹介します。

さまざまな種類がある不動産投資の1つに「ホテル投資」があります。
しかし、コロナ前とコロナ後で大きく状況が変わってしまったホテル業界。ホテル投資をしている投資家、もしくは今後ホテル投資をしようと考えている投資家の皆さんは、不安に思うことも多いでしょう。
そこでまずは、コロナ前後でホテル業界、ホテル投資にどのような変化が見られるのかについて解説します。さらにホテル投資の形態やメリット、リスク、利回り、融資や準備ポイントなど基礎知識について理解していきましょう。

コロナ前までの観光業・ホテル業の概況

まずは、新型コロナの影響を受ける前の観光業・ホテル業について見ていきましょう。

増加の一途を辿っていた訪日外国人客数

日本政府観光局のデータによると、日本に訪れる外国人の数は2012年以降右肩上がりで上昇。2019年に、訪日外客数は統計市場最も多い3,188万人超を記録しました。

トラベルボイスより転載

観光庁は、新型コロナの影響がなければ、2020年には訪日外国人数4,000万人、2030年には6,000万人を超えるというロードマップを作成していたわけです。

このように日本のインバウンド需要が増加した背景には、
・ビジット・ジャパン・キャンペーン
・LCC(格安航空会社)の導入
・ビザの緩和
の3つが挙げられます。

ビジット・ジャパン・キャンペーン

ビジット・ジャパン・キャンペーンとは、2003年に当時の小泉総理大臣が宣言をしてスタートした観光誘致キャンペーンのことです。日本への来訪客を増やし、インバウンドの消費を拡大することが目的でした。
さまざまな政策が功を奏し、2003年に約521万人だった訪日外国人数は、2013年には約1,036万人に倍増。訪日外国人の国内消費額も年々上昇していきました。

LCCの導入による運賃下落

2012年頃から大手格安航空会社が相次いで算入。格安運賃で旅行できる移動手段が増え、特にアジア圏から日本への観光客が増加しました。

ビザの緩和

2015年、中国の経済成長に目を付けた日本政府は、中国人の観光客を招き入れるために、中国の富裕層向けに要件を緩和したビザを発行するようになりました。これにより、2014年から2015年にかけ、訪日中国人の数は2倍超に急増しています。

宿泊施設不足解消のため、民泊投資・ホテル投資が加速

年々伸び続けていくインバウンド需要に対し、重要な課題となったのが宿泊施設不足でした。
2015年に「みずほ総合研究所」が発表した「インバウンド観光と宿泊施設不足」の資料によると、特に東京・近畿圏において宿泊施設不足が顕著にみられています。その試算によると、2020年までに必要と見込まれる客室数が、当時計画されていた新規オープンの客室数を上回っているという結果でした。

インバウンドの受け皿は確実に必要であり、収益が見込めると予想した投資家は多く、民泊投資、ホテル投資が加速するようになったわけです。

新型コロナが与えたホテル業界への影響

活況を見せていた観光業と、その受け皿として宿泊施設不足解消に向け加速していたホテル投資。
しかし新型コロナの登場により、その状況は一変してしまいました。ここでは、新型コロナがホテル業界に与えた影響を見ていきましょう。

停滞する旅行市場

新型コロナの感染拡大により、多くの国に対して渡航制限措置が取られています。また、世界的に旅行市場が停滞していることもあり、2020年2月頃から訪日外国人数は激減しているのが現状です。日本政府観光局のデータによると、2020年3月の訪日外国人数は前年同月比でマイナス93%、2020年4月・5月においては、前年同月比マイナス99.9%。限りなくゼロに近いという結果でした。

さらに国内においても、緊急事態宣言が出されたことに伴い、外出自粛や大型イベントの中止、大型テーマパークの営業停止などの措置が取られました。緊急事態宣言解除後も県をまたぐ旅行を敬遠する人が多く、自主的に大型イベントを中止する企業もあるなど、依然として人の動きが停滞しています。

インバウンドだけでなく、国内の宿泊需要も急激に減ってしまったことで、ホテル業界は大きな打撃を受けているといえるでしょう。

宿泊者数の激減

観光庁が2020年6月に公表した「宿泊旅行統計調査」によると、2020年5月の延べ宿泊者数は前年同月比でマイナス84.8%。そのうち、日本人の延べ宿泊者数は前年同月比マイナス81.6%、外国人延べ宿泊者数はマイナス98.6%でした。同月の客室稼働率は12.8%。宿泊施設への重要が大幅に減少していることが分かります。

営業利益の激減

2020年8月にジャパン・ホテル・リート投資法人が発表した「2020年12月期 中間決算短信(REIT)」によると、2020年1~6月期の営業利益は、前年同期比マイナス95.5%という結果でした。2019年の1口当たりの分配金が3,690円であったのに対し、2020年の予想分配金は126円となっています。

ホテルリートとは、投資家から集めた投資金を元手にホテルや旅館を購入し、得た賃貸収入から投資家に分配金が還元される不動産投資信託の一種です。ホテル・旅館などの宿泊施設に特化したリートということができるでしょう。

こうした具体的な数値から、ホテル業界が苦しい状況にあることが分かります。

建築・開業の中止、倒産の増加

2019年までのインバウンド増加に伴い建築ラッシュだったホテルの中には、開業中止やホテル建設計画の白紙、着工延期となっているケースが多いのが現状です。また、2020年7月に発表された帝国データバンクの「旅館・ホテル・簡易宿所の倒産動向調査(2020 年上半期)」によると、2020年上半期の宿泊施設倒産件数が、すでに2019年の年間倒産数を超えていることが分かっています。

ホテル投資の今後の展望

コロナ禍で苦境にあえぐホテルマーケットですが、今後はどのような展望が予想されるのか、見ていきましょう。

Go To トラベル キャンペーンによる旅行市場の盛り返し

旅行市場の停滞により、ホテル・旅館のみならず、鉄道・航空会社も苦境に陥っています。そんな危機的状況へのテコ入れとして、国は2020年7月から「Go To トラベル キャンペーン」の実施を決定しました。
条件を満たせば旅行代金の最大半額を補助するというキャンペーンで、観光需要を喚起し、人の流れを作り、地域を活性化することが目的です。

ある旅行会社の意識調査によると「Go To トラベル キャンペーン」を利用したいと回答した人は、全体の87.5%に上りました。実際に2020年8月に大手旅行サイト経由で旅行を予約した人の数は、32都道府県で前年同月を上回ったことが、日本旅行業協会の集計で分かっています。

2020年10月1日からは、東京発着の旅行商品に対しても「Go To トラベル キャンペーン」が適用されることが決定し、各旅行会社への問い合わせや予約者数は増加しているようです。
少しずつ旅行需要が回復すれば、ホテル・旅館などの宿泊需要も盛り返してくることが期待されます。

実は宿泊施設需要の8割超が日本人

2020年6月に観光庁が発表した「宿泊旅行統計調査」によると、2019年の日本人延べ宿泊者数は約4億8,000万人。対して外国人延べ宿泊者数は約1億1,500万人でした。
インバウンド需要が増加していることは事実ですが、実際の宿泊需要の8割超は日本人だということが分かります。

コロナ前のように、世界的に自由な渡航ができるようになるまでにはまだ時間がかかるかもしれません。しかし「Go To トラベル キャンペーン」のような施策により国内旅行市場が回復すれば、宿泊施設需要はある程度リカバリーできる可能性があるでしょう。

延期されたオリンピックの動向

2021年に開催が延期されている東京オリンピック。新型コロナの感染状況によっては、このまま東京オリンピック開催自体の中止も危ぶまれていました。

しかし2020年夏以降、さまざまなスポーツ競技において国際大会が再開されていることを受け、IOC(国際オリンピック委員会)会長は「2021年の東京開催実現に向け前向きに準備を進めている」ことを発信。
安全を確保した上での開催実現に、少し期待が持てる状況となりました。

ただし、従来通りの形式で開催ができるかどうかは分かりません。特に観客など、国をまたぐ人の動きに関しては不明瞭でしょう。
訪日外国人を含め、観客の受け入れをすることになれば、都心の宿泊需要は再び回復するかもしれません。オリンピックを機に観光需要が増えれば、地方の旅行市場も活性化する可能性があります。

今後の東京オリンピックの動向をよく注視する必要があるでしょう。

ホテルの新たな活用法

ホテル各社は、なんとかホテル施設を利用してもらおうと、さまざまなプランを展開しています。テレワーク用スペースとして、昼間の時間にホテルを日帰り利用するプランや、有名レストランの料理をホテルの客室内で食べる個室感覚でのインルームダイニングプランなど、その種類はさまざまです。
宿泊するだけではない、ホテルの新たな活用方法が普及すれば、新たな需要を生み出せる可能性もあるでしょう。

インバウンド需要の回復により再び宿泊施設不足に……?

新型コロナが収束し、訪日外国人の入国制限が緩和された時、観光庁や日本政府観光局は、積極的に訪日プロモーションを再開する予定だと発表しています。
国内旅行だけでなく、インバウンド需要も回復すれば、再びホテルマーケットが活性化することが考えられるでしょう。

先述の通り、コロナ禍においてホテルの建設や開業の中止、倒産などのケースも増加しています。今後インバウンド需要が回復した時、当初の予想よりもさらに宿泊施設がひっ迫するかもしれません。再び、ホテル投資や民泊投資が加速する可能性もあるでしょう。

ホテル投資の形態

一言でホテル投資といってもその形態はさまざまです。ホテル投資の主な種類について解説します。

新築

もともと保有している土地や、新たに購入した土地に宿泊施設を新規建設する方法です。施設の建築に自由度が高いというメリットがある反面、ホテル運用開始までに多くの時間が必要になるでしょう。

収益物件としてホテルを購入

既に存在しているホテルを収益物件として購入し、オーナーとなって運用していくこともできます。中古のホテルを買い取るといったイメージです。
既にホテルとしての基本的な設備が整っているため、大掛かりなリフォームが必要でなければ、比較的すぐに収益化することができるでしょう。

用途変更からのホテル投資

共同住宅や事務所、寮などに使われていた物件の用途をホテルに変更する方法もあります。従来の施設をホテル向けにリフォームすることで活用できるので、新築で建設するより費用も安く、早い段階で収益化することができるでしょう。
ただし物件によっては、用途変更のリフォーム代が高くつくこともありますので、注意が必要です。

コンドミニアム

主にリゾート地のホテルの一室を所有し、所有者が利用していない間に宿泊施設として貸し出す方法です。宿泊費として収益を得つつ、自分自身でも別荘として利用できるメリットがあります。

ホテルリート

ホテルに特化したリートのことを「ホテルリート」と呼びます。リートとは、たくさんの投資家から集めた資金で不動産を運用し、その家賃収入が分配金として投資家に還元される商品です。
自分だけで大きなホテルを購入することは難しいですが、リートなら少額からでもスタートすることができます。ただし少額から投資できる分、得られるリターンも小さくなりやすいというデメリットもあるでしょう。

ホテル投資の利回り

2020年5月に一般財団法人「日本不動産研究所」が公表した「第42回 不動産投資家調査」によると、東京とその他の主要政令指定都市におけるホテル投資の期待利回りは4.5%~5.7%でした。

また、ジャパン・ホテル・リート投資法人の分配金利回りは、2020年3月以降15%から0.2%まで落ち込むなど、新型コロナの影響を受けて乱高下しています。しかし2019年は、約5%前後で安定した推移が見られました。

米国の商業不動産サービス会社「CBRE株式会社」の日本法人が、2020年3月に行ったアンケート調査では、ホテル投資が最も高い期待利回りの数値を出していることが分かっています。東京に所在するオフィス・マンション・商業施設・物流施設・ホテルのうち、ホテル投資の期待利回りはおよそ4.7%で、最も高い数値でした。

全体的に見ると、ホテル投資はおよそ5%前後の期待利回りで推移しているといえます。

民泊投資とホテル投資の違い

民泊投資とホテル投資は、宿泊施設という分類でよく比較されますが、どのような違いがあるのでしょうか?

法律の違い

ホテルや旅館は、旅館業法に基づく「旅館・ホテル営業」に位置付けられます。

一方、民泊には
・旅館業法に基づく「簡易宿所営業」
・国家戦略特別区域法に基づく「特区民泊」
・住宅宿泊事業法いわゆる民泊新法に基づく「新法民泊」
の3つのタイプに分けられます。

旅館業法に基づく許認可は、申請手続きが難しく、最も難易度が高いといわれています。また「特区民泊」の場合、国家戦略区として指定され、民泊条例を制定した地域でしか行うことができません。
そこで、2018年6月に制定されたのが「民泊新法」です。これまでのグレーゾーンでの民泊運用や近隣住民とのトラブルを解消することが目的といわれています。

その他ホテルと民泊には、フロント設置の有無や客室床面積の規制の違いなどもあります。

営業日数の違い

民泊新法に基づく民泊の場合、営業日数は180日が上限と定められています。また、特区民泊においては、最低宿泊日数2泊3日以上という規定があります。
一方、旅館業法に基づくホテル・旅館営業には、営業日数や最低宿泊日数の制限や規定はありません。

それぞれの営業形態において、異なる規制や制限があるため、自身の投資スタイルに合わせて選択する必要があります。

民泊について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
民泊新法に注目!民泊投資を始める前に知りたい最低限の知識
連載「不動産投資家が次に着目している民泊投資とは」

ホテル投資のメリット

数ある不動産投資の手法の中で、ホテル投資にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

不動産投資の中でも将来性が高い

コロナ禍において大打撃を受けているホテル業界ですが、この状況はあくまでコロナが収束するまでの限定的なものではないかと考えられています。
根本的に日本の観光魅力がなくなったわけではありませんし、先述の通り「「Go To トラベル キャンペーン」によって、国内の旅行需要は少しずつ回復傾向にあります。
いずれコロナが収束し海外渡航制限が解除されれば、インバウンド需要も復活すると予想されており、将来的な宿泊需要が見込めるでしょう。

コロナ以前は、宿泊施設不足が国を挙げての大きな課題であったこともあり、コロナ収束後に向けて、ホテル投資の将来性は高いといえます。

節税対策になる

ホテルの建設費用やエレベーターなどの設備は、減価償却費として経費計上することが可能です。ホテル投資に限らず、不動産投資は経費計上できる項目が多いため、課税対象額を減らすことで節税できるというメリットがあります。

さらに、相続税対策としても有効です。課税対象となる不動産評価額は、不動産そのものの購入金額ではなく、路線価や固定資産評価額により決定されます。時価の7割程度で評価されることが多いため、現金での相続よりも相続税が低くなるという節税効果を得ることが可能です。

空室に左右されない

アパート・マンションなどの不動産投資の場合、空室リスクは付き物といっても過言ではありません。しかしホテル投資の場合、宿泊客が集客できる環境がそろえば、空室リスクに悩まされることなく安定した宿泊料が収入として手に入るでしょう。
ホテル投資は、10年単位で一棟借り上げ契約をするケースも多く、長期的かつ安定的な収益の確保が期待できます。

民泊と比べて365日営業できる

先述の通り、民泊新法によって民泊施設を運営する場合の年間営業日数は180日に制限されています。民泊新法施行後は、稼働率が下がり収益が減少したことで、撤退する民泊事業者が増加したといわれています。
その点、旅館業法に基づいて営業するホテルは、営業日数に制限がありません。365日の営業が可能で、より収益性が高いといえるでしょう。

ホテル投資のリスク

多くのメリットがあるホテル投資ですが、考慮しなければならないリスクも存在します。

初期投資が高い

一般的な居住用物件と比べ、ホテル用に建設される建物は、建物自体の価格が高額になるケースが多いです。そのため、アパート・マンションなどへの不動産投資に比べ、ホテル投資は初期の設備投資が高額になる傾向があります。

賃貸やサブリースという方法もありますが、いずれも集客に強い立地、建物、設備が必要になるため、初期投資は高額になるでしょう。

人件費がかかる

小規模のホテル運営であれば、受付や宿泊者への対応、チェックアウト後の清掃などはオーナーが自分で行うことも可能かもしれません。
しかし、運営するホテルの規模や業態によっては、従業員の雇用が必要となります。食事の提供やリネン交換、その他のサービスも含めて、通常の不動産投資よりも人的コストがかかるケースが多いでしょう。
インバウンド対応となれば、語学に長けているスタッフも必要になります。

転用が難しい

ホテル投資は建物の規模が大きくなりやすいため、オフィスやテナントに転用するにも改装に多額の費用がかかります。物件の規模によっては建築基準法の用途変更も必要です。
マンションへの転用という選択肢もありますが、住宅とホテルでは需要の高い立地・建物の構造などが異なるため、難しいケースもあるでしょう。

経済状況に左右される

ホテル投資は、ラグビーワールドカップ・オリンピックなどのイベントや、円高・円安などの経済状況で宿泊需要が大きく左右されます。また、コロナウィルスのような不測の事態が起きた場合にも、大きな影響を受けやすい投資手法といえるでしょう。

宿泊施設としてだけでなく、女子会やテレワーク向けのデイユースとして活用するなど、さまざまな対策・工夫が必要です。

ホテル投資の準備と融資

ホテル投資を始めるにはどのような準備が必要になるのでしょうか。「申請」と「融資」についてご説明します。

ホテル投資のために必要な申請

宿泊料を得てホテルや旅館を運営するためには「旅館業営業許可証」が必要になります。
「旅館業営業許可証」については、営業しようとする都道府県・市区町村の旅館業法担当窓口、もしくは環境衛生課などに相談しましょう。
申請には以下の書類が必要になります。

・旅館営業許可申請書
・申告書
・見取り図
・配置図
・配管図
・申請手数料:1~3万円程度(自治体によって異なる)

申請後、建築基準法や消防法の要件を満たしているかの適合確認や、保健所による現地確認などが行われます。
また、教育施設、児童福祉施設、図書館などがそばにあると許可が下りない可能性もあります。ホテル投資で物件を購入する場合は、特に注意するようにしましょう。

ホテル投資の融資

ホテル投資の資金調達には、投資家から投資を受ける方法、もしくは通常の不動産投資と同様に金融機関から融資を受ける方法があります。

ただし金融機関から融資を受ける場合、ホテル業は通常の不動産投資よりも融資審査が厳しくなる傾向があるでしょう。ホテル投資は、イベントや季節性に左右されるため収益性が予測しにくく、安定性に欠けると判断されるためです。また、不動産投資よりも融資契約者の経営手腕が問われる傾向にあります。

ホテル経営の実績がない場合などは、日本政策金融公庫への融資相談がお勧めです。新事業を始める人向けの融資があります。
ただし公庫の場合、借入可能期間が短いため、月々の返済額の負担が増えるリスクを考えなければなりません。自己資金、予備資金は多めに用意した方がよいでしょう。

ホテル投資のポイント

従業員が必要になるなど、通常の不動産投資に比べてより事業性が高いのがホテル投資の特徴です。ホテル投資の成功率を高めるために、押さえておきたい3つのポイントを見ていきましょう。

融資を受けるための事業計画に工夫を

先述の通り、ホテル投資には収益の見通しにおいて不確定要素が多く、融資を受ける場合、金融機関の融資姿勢が厳しくなる傾向があります。
特に投資家本人が経営全てに関わっている場合、よほどの実績がない限り、事業計画としては難しいと判断されてしまうでしょう。
アセットマネジメントや管理会社に委託するなど、金融機関に対して説得力のある事業計画を立てることが重要です。

継続的に宿泊してくれる仕組みが必要

ホテル投資の収益は宿泊料です。つまり、収益を上げるためには宿泊稼働率が重要になります。
宿泊稼働率とは、宿泊施設における全ての客室のうち、利用されている割合のことをいいます。ホテルの稼働率は、おおむね80%以上で推移しているのが一般的です。
80%以上の稼働率を維持するためには、立地や設備はもちろん、ホテルのコンセプト設定や独自のサービスなど、集客手法を工夫する必要があるでしょう。

所得の種類と税金に注意する

ホテル投資で得た収入は、運営形態によって不動産所得、事業所得、雑所得に分類されます。

不動産所得であれば、ホテル経営の赤字分を給与所得などその他の所得と損益通算することで、税金の還付を受けることが可能です。
しかし、普段自分が利用しているコンドミニアムを空いている時だけ有料で貸し出す場合、別荘と捉えられ雑所得に分類されるケースがあります。また、掃除やリネン交換などのサービスをオーナー自らが行っている場合も、雑所得として分類されるケースが多いです。
雑所得になってしまうと、損益通算ができず節税にならないため、注意しなければなりません。

自身が行おうとしているホテル投資の収益がどの所得に分類されるのか、事前に税理士に確認するとよいでしょう。

まとめ

コロナウィルスの影響を受け、現在は経営状態が厳しいホテル業界ですが、日本の観光地の潜在的な魅力がなくなったわけでは決してありません。
「Go To トラベル キャンペーン」などの施策により、国内の人の動きは戻りつつありますし、コロナウィルス収束後は、インバウンド需要も徐々に戻ってくるでしょう。宿泊施設の需要はいずれ回復する可能性が高く、特に首都圏・近畿地方において、ホテル投資が再び加速するかもしれません。
不動産投資の選択肢の一つとして、ホテル投資を検討してみてはいかがでしょうか?

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

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