LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

【2020年最新】不動産融資に積極的な銀行はどこ?最新の不動産投資動向

新型コロナウィルスは、不動産投資にもさまざまな影響を与えています。不動産投資の環境が厳しくなったと感じているオーナーもいるかもしれません。
コロナが与える不動産投資への影響として、特に気になるのは不動産融資ではないでしょうか。

コロナ禍において、金融機関の不動産投資を見る目は厳しくなっているのでしょうか?今後の不動産融資について、銀行はどのような見解を持っているのでしょうか?日本銀行のデータから、不動産融資に対する金融機関の姿勢を探ります。
さらに、こうした状況下でも不動産融資に積極的な銀行、2020年最新の不動産投資動向についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

不動産融資に対する金融機関の姿勢

コロナ禍において、不動産投資に対し金融機関がどのような融資姿勢を持っているのか、具体的なデータから現状を探っていきましょう。

不動産業向け貸し出しが増加

日本銀行が2020年10月に公表した「金融システムレポート」によると、大手銀行、地方銀行、信用金庫ともに不動産業向けの貸し出しは2016年あたりをピークに減少傾向へと転向。2018年に起きたかぼちゃの馬車事件を機に、さらなる縮小へ向かっていました。
しかし2020年上半期において、大手、地銀、信用金庫いずれも不動産業向けの貸し出しが前年を上回ってることが分かります。これは、コロナウィルスの影響により運転資金難となった企業・個人が増えたことによる資金需要増が影響しているためでしょう。

コロナ禍においても、金融機関の不動産融資に対する姿勢がやみくもに厳しくなっていることはなく、適切かつ必要とされる融資に対しては、引き続き融資が実行されていることが分かります。

出典元:日本銀行 金融システムレポート(2020年10月)

金融機関から見た不動産市場の先行き

先述した日本銀行による「金融システムレポート」から、不動産市場の先行きへの見方に関するデータを見てみましょう。

出典元:日本銀行 金融システムレポート(2020年10月)

これは、投資家・地域金融機関がそれぞれ不動産市場の先行きをどのように捉えているかを表したデータです。
過去2年と比較し、投資家には不動産投資の将来性に消極的な見方が増加している傾向が見られます。一方金融機関においては、依然として「適正・変化なし」という見方をもつ金融機関が多く、極端に消極的姿勢が増えたという状況ではないようです。

もともと、近年の過熱する不動産融資を危惧した金融庁が金融機関に対し引き締めを行ったことから、不動産融資全体が厳格化し、融資実行件数が減少するという現状が起きています。
こうした事実と合わせて見ると、必ずしもコロナが金融機関に消極的な影響を与えているとは言えないでしょう。

その他LIFULL HOME’Sでは、不動産融資の動向について、以下のようなコラムを掲載しています。より詳しく解説されていますので、ぜひ参考にしてください。
コロナ禍でアパートローンの融資状況はどう変わったのか?
融資が厳しい不動産投資に今から参入するべきか?金融機関と上手に付き合う7つのポイント

不動産融資に積極的な金融機関

独自に不動産投資家にヒアリングした結果、コロナ禍においても、比較的不動産融資に積極的な姿勢が見られるという意見が多かった金融機関をいくつかご紹介しましょう。

ここでは、あくまで各金融機関が公表している不動産投資ローンの概要・要件を紹介しています。利用する人の属性や物件によって、条件や融資判断が異なることがありますのでご注意ください。

オリックス銀行

一棟、区分マンション、新築から築古物件まで幅広い種類の不動産融資に対応しています。また、借り換えにも積極的に応じている数少ない金融機関です。
・融資額
1,000万円~2億円以内
・融資期間
最長35年(借り換えの場合も最長35年で検討)
・物件評価
不動産購入価格または建築価格の範囲内、もしくはオリックス銀行独自の評価額範囲内で総合的に判断
・金利
固定期間(3年固定)2.300%~3.300%
固定期間(5年固定)2.500%~3.500%
変動金利2.675%~3.675%
(※2020年12月時点)
・その他
融資対象エリアは首都圏、近畿圏、名古屋市、福岡市に限定

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、政府が100%出資している政府系の金融機関です。利益を目的とせず、一般的な金融機関が行なう融資を補完する役割があります。
社会進出を後押しするという意図から「女性」「若者」「高齢者」にも積極的に融資を行う点が特徴です。日本全国に支店があるためカバーしているエリアが極めて広く、不動産投資のスタートは日本政策金融公庫からという人も多いのではないでしょうか。
ここでは「一般貸付」についてご紹介します。

・融資額
4,800万円まで
(女性、若者/シニア起業家支援資金の条件に合致する場合、融資限度額は7,200万円)
・融資期間
融資期間は5年~20年(資金の使い道によって異なる)
・物件評価
物件の収益性を重視し、耐用年数を超えた物件でも融資を受けられる傾向があります。ただし、短い融資期間で返済できるくらいの収益性を出せる物件かどうかという点について、厳しく審査されるでしょう。
・金利
担保なしの場合2~2.5%程度
担保ありの場合1~2%程度
(2020年12月時点)
・その他
日本政策金融公庫の融資審査には、事業計画書など提出資料が多く、比較的融資審査が厳しい傾向にあります。
また融資期間が短いため、法定耐用年数が長い築浅のRC物件などにはあまり向いていないといえるでしょう。

三井住友トラストL&F(ローン&ファイナンス)

三井住友信託銀行の100%子会社。アパートローンの他、不動産活用ローン、つなぎ融資、民泊事業ローンなど取り扱い商品が豊富なことが特徴です。
・融資額
3億円以内
・融資期間
新築物件は6年以上~35年以内
中古物件は6年以上~30年以内
・物件評価
築年数を経過した物件でも、キャッシュフローや担保力を総合的に判断し、融資を実行してくれる事例あり
・金利
変動金利
団体信用生命保険なしの場合2.90%~4.40%
団体信用生命保険ありの場合3.30%~4.80%
(2020年12月時点)
・その他
支店のあるエリア周辺のみが融資対象となりますので、首都圏・仙台・名古屋・大阪・広島・福岡などの主要都市に限定されています。

セゾンファンデックス

クレジットカード会社としてよく知られているクレディセゾンのグループ会社で、アパートローンを取り扱っています。
・融資額
100万円~1億円未満
・融資期間
5年~30年
(利率の変更に伴い、最長35年となる場合もあり)
・物件評価
築古・狭小物件、借地権付き建物など、銀行や信販系のローン会社では融資を受けることが難しい場合も、収益性次第では相談に乗ってくれることがあります。また、共同担保があればフルローンが組める可能性があります。
・金利
変動金利3.6%
(2020年12月時点)
・その他
住宅ローンや他のアパートローンをすでに組んでいる場合であっても、購入予定物件の担保力によっては融資対応が可能になるケースあり
対応エリアは首都圏、近畿圏、愛知県、札幌市、仙台市、岡山市、広島市、福岡市、那覇市周辺。
融資上限額は、担保物件に対するセゾンファンデックスの評価額の70~80%とされているため、共同担保がない場合自己資金が必要であることに注意。

静岡銀行

2019年12月に株式会社帝国データバンクが公表した「全国メインバンク動向調査(2019年)」によると、静岡銀行は全国メインバンクランキングにおいて全国シェア10位。地方銀行の中ではシェア4位の位置付けにある、大規模な地方銀行です。
・融資額
1億円以内
・融資期間
35年以内
・物件評価
耐用年数を超える貸し出しも行う傾向あり
・金利
変動金利型、固定・変動ミックス型あり
基準金利に一定利率を上乗せした利率(およそ3.0%~)
・その他
居住エリア、融資エリアが静岡県、東京都の一部、愛知県の一部、神奈川県の一部など限定的であることに注意。

2020年不動産投資の最新動向

では次に、2020年における不動産投資の最新動向を見ていきましょう。

全体の不動産取引金額は横ばい

先述した日本銀行による「金融システムレポート」から、不動産取引金額の推移を見てみましょう。

出典元:日本銀行 金融システムレポート(2020年10月)

物件タイプによって、ホテルや商業店舗の縮小が見られるものの、不動産取引額全体の規模は変わっていないことが分かります。レジデンスにおいては、2019年に比べむしろ大きく増加しているようです。

これは、コロナ禍においても、リーマンショック時のような金融機関の強い引き締めが起きていないことが理由と考えられています。また、長期的な投資が前提の不動産投資には、一時的なコロナの影響が比較的出にくいともいえるでしょう。

積極的な姿勢を持つ不動産投資家は多い

一般財団法人 日本不動産研究所が2020年11月に公表した「第43回 不動産投資家調査」によると「新型コロナによって投資を控える姿勢が強まった」と回答した投資家は20%にとどまりました。
むしろ「積極的に投資する姿勢が強まった」と回答した投資家は2.2%、およそ8割の投資家は、コロナ禍においても「投資スタンスは変わらない」と回答しています。

その理由として「景気悪化により、むしろ売り物件の供給増加が見込まれるから」「コロナによる経済停滞は一時的かつ限定的であると見込まれるから」などが挙げられています。

今後、収益減などを理由に良質物件が売りに出されるケースも増えてくるでしょう。経済が停滞しているコロナ禍であっても、むしろその状況をチャンスにできる可能性もあります。
不動産投資の拡大は、リスク分散の重要な手段です。一時的な景気悪化だけにとらわれず、中長期的な目線で今後の不動産投資を判断するとよいでしょう。

火災保険・地震保険の値上げ

不動産投資で購入した建物に対し、火災保険や地震保険に加入するのが一般的です。この火災保険料ですが、2021年1月から大手をはじめ複数の損害保険会社で値上がりを予定しています。

これは、各保険会社が保険料を算出する際に基準とする、損害保険料率算出機構の住宅総合保険参考純率が2019年に改訂され、平均4.9%引き上げられたことに起因しています。この引き上げに伴い、各保険会社の火災保険料は、およそ6~8%程度の値上がりとなるでしょう。
この値上がり率はあくまでも全国平均であり、都道府県や建物の構造によっては30%以上の値上がりが見込まれている地域もあります。

こうした値上がりは、2018年7月~10月に複数回発生した台風や豪雨の影響が大きな原因です。2018年度の自然災害に対する各社保険金支払い合計額は約1.6兆円。前年度比8.4倍という多額の火災保険金の支払いが発生し、保険会社の負担が増大しました。
さらに2019年にも、9月、10月と大規模な台風が発生し、2019年度の自然災害に対する損害保険金の支払総額は1.2兆円を超えています。

また火災保険と同様、地震保険も2021年1月に平均5.1%程度の値上がりが決定しました。地域や物件構造によってはむしろ値下がりするケースもありますが、一方で30%を超える値上がりが予定されている地域もあります。

近年の自然災害件数の多さを見ると、2021年1月の値上げ以降も、さらなる値上がりが起きる可能性があるでしょう。火災保険・地震保険の値上がりが継続すれば、不動産投資のキャッシュフローにも影響を与えることが懸念されます。

築浅物件に対する火災保険料の割引制度導入へ

2019年10月に損害保険料率算出機構がリリースした「火災保険参考純率 改定のご案内」にて、築浅住宅に対する保険料割引制度の導入が明記されました。
築5年未満の場合平均28%の割引、築5年以上10年未満の場合平均20%の割引となっています。

老朽化によって発生する水濡れ事故は、中古物件、特に築年数が15年~20年を超えた物件では高い確率で発生する傾向があります。また近年、築19年を超える住宅数が増加し、水濡れ損害に対する保険金の支払額は年々増加しているのが実情です。
築浅物件に対する割引は、こうした実態を保険料に反映するために導入されているといえます。

一方築古物件においては、そもそも損害保険会社が保険契約を引き受けてくれない可能性があります。契約が可能だったとしても、保険期間中に複数回の事故が発生することを前提として、免責額(自己負担)の設定を求められることもあるでしょう。

築古物件は利回りが高く、不動産投資家にとっては魅力的な投資先です。しかし高い免責額を設定され、万が一の時の補償に不安があったり、火災保険の加入が難しいことが要因で買い手が見つからなかったりすることも考えられます。
最新の火災保険事情についてアンテナを張り、よく理解しておきましょう。

その他、新型コロナによる不動産投資への影響については、
コロナが与える不動産投資への影響~オンライン化の流れと補助金制度~の記事にも詳しく解説されています。ぜひ参考にしてください。

まとめ

さまざまなデータから、コロナ禍においても、金融機関が不動産融資に対して極端に引き締めを行ったり、不動産投資の将来性に過度に悲観的になったりはしていないことが分かったのではないでしょうか。
また、現在の状況をむしろチャンスととらえ、積極的に活動している不動産投資家も見られます。

今後、仮に掘り出し物の物件が出てきたとき、すぐに行動・判断ができるようにしておくことが重要です。不動産投資に積極的な銀行など、最新の不動産融資事情や不動産投資の動向にアンテナを張っておくとよいでしょう。

LIFULL HOME’Sでは、不動産融資に関するセミナーを掲載しています。オンラインセミナーもありますので、ぜひ参考にしてください。
不動産融資に関するセミナー一覧

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
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