LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

シェアハウス投資の今~メリット・デメリットとコロナ禍における将来性~

シェアハウスを運営し、収益を得るシェアハウス投資。
シェアハウス物件数は、近年一都三県を中心に拡大を続けており、シェアハウス投資に参入する事業者も増加しています。

シェアハウス投資は、賃貸経営よりも高い収益を得られる可能性を秘めており、高い稼働率をキープしていることも、不動産投資家にとっては大きな魅力といえるでしょう。さらに、コロナウイルスの感染拡大に伴って新しいニーズも生まれており、多くの投資家から注目されるようになってきました。

そこで今回は、シェアハウス投資のメリットやデメリット、投資にあたっての注意点を見ていきましょう。最新のシェアハウス需要の動向や将来の展望についても解説していきます。

シェアハウス投資とは?

ではまず、シェアハウス投資とはどんなものなのか、見ていきましょう。

そもそもシェアハウスとは?

シェアハウスとは、一つの建物の中にプライベートが確保された個々のスペースと、リビング・キッチン・バス・トイレなどの共用設備を備えた賃貸物件を指します。住人とは別に物件の運営管理を行う事業者が存在し、住人それぞれが個別にその運営事業者と賃貸借契約を結ぶことが一般的です。

入居者にとっては、設備が共有のため初期費用や生活費を安く抑えることが可能です。また、シェアハウスの住人同士のコミュニティが新しい出会いを生み、生活を豊かなものにしてくれるなどの魅力があります。
特に近年では、シェアハウスを題材としたドラマが制作されたことから認識が広まり、若い世代を中心に新しい住居選択肢の一つとなっているようです。

拡大するシェアハウス投資

新しい住み方として定着してきたシェアハウス。投資用のシェアハウス物件を購入もしくは建設し、運営事業者としてシェアハウス経営を行い、収益を得ることをシェアハウス投資といいます。

シェアハウスの物件数は、一都三県を中心に都市部で拡大を続けています。
一般社団法人 日本シェアハウス連盟による「シェアハウス市場調査2020年度版」によると、2020年における全国のシェアハウス物件数は5,104棟。調査を始めた2013年のシェアハウス物件数2,744棟から、2倍近くにまで増加していることが分かりました。

シェアハウス市場の拡大に伴い、シェアハウス投資を始める事業者も増大しているようです。

ルームシェアとの違い

シェアハウスと似た居住形態にルームシェアがありますが、ルームシェアはいわゆる同居である点が異なります。ルームシェアでは物件全体を居住者で共有して使い、スペースの管理は居住者同士で行います。また「代表者+連名」で一つの賃貸借契約を結ぶ点もシェアハウスと異なる特徴です。

シェアハウス投資のメリット

シェアハウス投資を考える時、気になるのは一般の賃貸住宅への投資と比較して、どのような違いがあるのかということではないでしょうか。まずは、シェアハウスの物件特性により得られる投資メリットを見ていきましょう。

賃貸住宅よりも高い利回りが期待できる

一般的に、シェアハウス投資はアパートやマンションなどの賃貸物件と比較して高い利回りが得られると考えられています。水回りやリビングなどの設備を個別に確保する必要のないシェアハウスは、同じ床面積ならより多くの居室を確保できるからです。

例えば戸建ての場合、通常の賃貸であれば物件全体を一世帯に貸し出すことが一般的です。しかしシェアハウスとして運営する場合には、確保できる居室分の入居者を募ることができます。
もちろんシェアハウスの場合、個々の家賃は安価になるでしょう。しかし物件全体の家賃収入としては、物件ごと一世帯に貸し出すよりも大きな金額となることが期待できます。

空室リスクを最小化できる

シェアハウスの場合、1つの建物に複数の居室があり、別々の住人が居住しています。仮に1人が退去しても他に住人がいるため、家賃収入がゼロになるリスクは低いといえるでしょう。

さらに、シェアハウスにおける入退去のハードルの低さも、空室リスクを下げる要因の一つといえます。
シェアハウスの場合、契約時に数万円の契約手数料やデポジットが必要になるケースが多いものの、賃貸住宅のように家賃数ヶ月分の敷金・礼金などは必要ありません。つまり、入居に伴う初期費用を低く抑えることができます。
また、入退去に関して一般の賃貸契約よりも必要書類が少ないことが多く、手続きが簡易的なケースが多いです。
こうした理由から、シェアハウスの場合空室が出ても次の入居者が比較的見つかりやすいといえるでしょう。自身の環境に合わせてシェアハウス間を気軽に移動するユーザーもいます。

コンセプトの設計次第で差別化できる

一般の賃貸住宅では、交通の利便性や設備の新しさ・充実度などが物件選択のポイントになるでしょう。しかしシェアハウスの場合、こうしたポイントに加えて、どんな環境で住めるかという物件の「コンセプト」も重要視されるポイントになります。

シェアハウスの中には、映画好きに向けてリビングにシアターシステムを設置した物件や、料理好きな人へ向けてキッチン設備を充実させた物件などがあります。コンセプトの設定次第で、他の物件と差別化し、集客に強い物件にすることができるのです。

駅から距離のある物件は、一般的な賃貸住宅ではウィークポイントになります。しかしシェアハウスの場合、魅力的なコンセプトを持ったコミュニティスペースであれば、デメリットに関わらず集客を可能にすることが期待できるでしょう。

低コストで始められる

シェアハウスは、水回りやリビングが共有スペースになります。そのため、それぞれが独立した一般的な賃貸物件を持つよりも、コストをかけずに建築することができるでしょう。
ただし一般の賃貸住宅と異なり、オーナーが家具や電化製品などの備品を揃える必要があります。

シェアハウス投資の注意点

一般の賃貸住宅とは異なる独自のメリットがあるシェアハウスですが、一方で気を付けなければならないデメリットや、シェアハウス特有の注意点もあります。

賃貸住宅とは異なる法的知識が必要

シェアハウスは、建築基準法では住宅ではなく寄宿舎扱いになります。そのため既存の住宅をシェアハウスに転用する場合、建物規模や床面積に応じて、消防法や建築基準法の基準を満たすよう、改修しなければなりません。
さらに延べ面積が200m2を超えるなら、用途変更の確認申請が必要になります。

既存の物件をシェアハウスとして運営していく場合には、シェアハウス向けのリフォームやリノベーションが必要です。行政や専門家へ確認しながら計画を進めるようにしましょう。新規に建築する場合には、シェアハウスのノウハウを持つ事業者を選択することがお勧めです。

集客のターゲットが絞られる

注目度が増しているシェアハウスですが、一般の賃貸住宅と比べると集客のターゲットが限定される傾向にあります。

一般の賃貸住宅における入居者募集には、主に不動産ポータルサイトが活用されています。しかし、シェアハウスは不動産仲介業者を通さないケースが多く、集客はシェアハウス専用のポータルサイトや管理会社の自社サイトなどが中心です。
そのため、どうしても集客対象は最初からあえてシェアハウスを探している人にとどまってしまうといえるでしょう。

魅力的な物件であったとしても、一般の賃貸住宅を探している人の目には止まりにくく、新たな需要につながりにくい傾向があります。

運営コストが大きくなりやすい

シェアハウスの運営管理方法には、オーナーが全てを管理する自主方式、日々の管理業務の一部を委託する委託方式、管理会社に物件ごと賃貸して管理会社が住人に転貸するサブリース方式の3つがあります。

シェアハウスは、共有スペースの清掃や設備トラブルのほか、ルールを守らない住人のトラブル対応なども必要になり、管理には手間がかかります。委託方式を選べば自ら管理する手間は省けますが、家賃のおよそ10~20%程度の委託料がかかるため、その分利回りは低下するでしょう。

サブリース方式は、管理会社がシェアハウスごと借り上げるため、委託方式よりもさらに運営の手間がかかりません。契約期間中は、物件の稼働率に関わらず一定の家賃収入が入るため、収益の安定性も高いといえるでしょう。
しかし、委託方式よりも多くの手数料が差し引かれるため、収益額自体は少なくなることが多いです。また、サブリース契約の更新時に賃料が減額される可能性もあり、想定した収益が継続するわけではない点に注意しなければなりません。

出口戦略が限られる

シェアハウスは、構造や設備などが一般の賃貸住宅とは異なります。そのため、通常の賃貸物件として売りに出そうと思っても、需要に噛み合わない可能性があるでしょう。

また、シェアハウス投資に対する銀行融資は、一般の賃貸住宅よりも厳しい傾向があります。そのため魅力的な物件であったとしても、融資が受けられないという理由から、買い手が現れにくいというリスクがあるでしょう。

シェアハウス用物件においては、売却がスムーズにいかないケースがあるということを認識しておかなければなりません。

コロナ禍におけるシェアハウス投資

コロナウイルスの感染拡大は、不動産投資にもさまざまな影響を与えています。コロナ禍において、シェアハウス投資にはどのような変化が見られるのでしょうか?また、今後のシェアハウス投資には期待が持てるのでしょうか?
シェアハウスの現状や今後の展望について見ていきましょう。

交流目的での需要は一時的に減少

設備を共有するシェアハウスは人と接触する機会が多く、感染リスクが懸念されています。緊急事態宣言下では、外出自粛や外国人の入出国に制限が出たこともあり、交流目的での入居需要は一時的に減少しているようです。

一方で「低価格帯のシェアハウスには、むしろ問い合わせや内見が増えている」というオーナーの声もあります。
シェアハウスは賃料が安く、初期費用も抑えられているため、コロナ禍において収入が不安定な人にとっては、有益な選択肢の一つとなっているようです。

ワークスペースという新たなニーズの誕生

コロナウイルスの影響により、企業ではテレワークの導入が本格化しました。そこで問題となったのが、自宅でのワークスペースの確保です。これまで多くの人が自宅で働くことは想定していなかったため「スペースが確保できない」「オンオフの切り替えが難しい」などの問題が明らかになりました。

そこで、じゅうぶんな広さがありインターネット環境も整うシェアハウスが注目されるようになってきています。

シェアハウスのリビングスペースはじゅうぶんな広さがあるだけでなく、住人との交流もでき、孤独になりがちなテレワークを円滑に進めることができるでしょう。またシェアハウスによっては、電話会議にも安心な防音ルームがあったり、テレワークに必要な備品を貸し出してくれたりする物件も出てきています。

住居としての利用はもちろん、ワークスペースとして自宅とは別にシェアハウスを活用する例や、複数のハウスを拠点として持つ例も出てきているようです。

新しい生活様式に対応する運営が必要に

コロナ禍の影響により、以前のような交流を前面に押し出す戦略だけでは、シェアハウス運営は難しくなってきているといえます。今後は、新しい生活様式に対応したコンセプト作りや設計が必要になるでしょう。

シェアハウスにおける感染対策については、一般社団法人日本シェアハウス連盟が「コロナウィルス感染症流行時の対応に関する運営ガイドライン」を策定しています。

その他、より安心した環境で生活できるよう、各シェアハウスが独自でさまざまな対策を行っているようです。コロナ禍で行われている、新しい施策例をご紹介します。

【感染対策】
・抗ウイルス機能のある内装の導入
・空気中の浮遊菌を減少させる装置の導入
・共有備品の見直し

【共有スペース】
・テレワークを想定したリビング設計
・インターネット接続環境の改善
・騒音に配慮し、安心してオンライン会議ができる防音ルームの確保
・密を避けるため、共有物品・共有スペースの利用に対する予約システム導入

【交流】
・オンラインを活用した交流イベントの開催

【入居者対応】
・現地を訪れることなく物件が検討できるオンライン内覧
・退去手続きのオンライン化

まとめ

シェアハウス投資は賃貸経営とは違う知識が求められますが、一方で賃貸経営にはない将来性も秘めています。コロナ禍により日常の価値観が大きく変化している中、新しい生活様式に対応しつつも、どのような魅力を打ち出していくかが差別化のポイントになっていくでしょう。

シェアハウスは、これから増加する日本の空き家問題の解決手段としても注目されています。また、かつてシェアハウスの利用者は20~30代の若者でしたが、昨今の多様なニーズから年齢層も広がっています。

賃貸住宅よりも利回りが高いということだけにとらわれず、シェアハウスならではのメリット・デメリットを理解し、独自のコンセプトを含めた事業計画を練っていくことが重要です。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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