LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

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産業用太陽光発電投資を0円でスタートする方法~屋根貸しとPPAモデル~

産業用太陽光発電投資は規模が大きくなるため、導入にあたりパネルや設置代などの初期費用、さらにはメンテナンスなどの管理費が多くかかります。太陽光発電投資に興味がありつつも、これらを負担に感じる人も多いのではないでしょうか?

この記事では、産業用太陽光発電を0円でスタートすることができる「屋根貸し」と「PPAモデル」についてご紹介します。初期費用や継続的に発生する管理費なしで太陽光発電投資が可能になる方法を、ぜひ知っておきましょう。

0円で始める産業用太陽光発電投資(1) 「屋根貸し」

屋根貸しとは、自身の所有する物件の屋根や屋上を太陽光発電事業者にレンタルすることです。事業者は物件のオーナーに賃料を支払い、借りた屋根に太陽光発電設備を設置します。
設置費用は事業者負担となるため、屋根を貸す物件のオーナー側には太陽光発電のための初期費用はかかりません。

昨今太陽光発電事業者にとって、日当たりがよく、土地代が安く、近隣住民とのトラブルがない太陽光発電に適した土地を探すのは難しい状況にあります。そのため、施設の屋上という選択肢が増えることは、事業者にとって大きなメリットになるわけです。

屋根貸しのメリット

産業用太陽光発電を0円で始められる「屋根貸し」には、主に4つのメリットがあります。

初期費用・管理費用がかからない

屋根貸しは自分の所有する物件の屋根を貸すにとどまるため、太陽光発電装置に関連する設置費用などの自己負担はありません。
また、太陽光発電設備の維持管理を行うのも事業者です。物件オーナー側が負担する設備のメンテナンス費用や修繕費用も一切ありません。

賃料が受け取れる

屋根貸しで屋根を提供した物件オーナーは、太陽光発電事業者から屋根の使用料(賃料)を受け取ることができます。

直射日光を遮蔽してくれる

屋根・屋上に太陽光パネルを設置することで、直射日光を遮る効果があります。
夏場や冬場など、最上階における気温変動を防ぎ、室内の冷暖房効果を高めることで節電効果が期待できるでしょう。

屋根の劣化を防ぐ

屋根や屋上部分を太陽光パネルで覆うことで、直射日光や雨風が直接当たることを防いでくれます。経年劣化のスピードを緩める効果が期待できるでしょう。

屋根貸しのデメリット

初期費用や管理費がかからない屋根貸しによる太陽光発電はとても魅力的ですが、デメリットもあります。

家賃が少額

先述のとおり、屋根貸しによって賃料を受け取ることができますが、実はさほど大きな金額ではありません。相場的には、1m2あたり年間100円~300円が一般的といわれています。
150m2の屋根をレンタルしたとしても、年間15,000円~45,000円程度でしょう。

売電収入はない

屋根貸しは、屋根というスペースを貸しているだけで、太陽光発電設備は事業者のものです。物件オーナーには、その所有権がありません。つまり、太陽光発電によって得られる売電収入は、自分のものではなく太陽光発電事業者のものです。

自身で太陽光発電設備を設置して始める投資手法とは異なり、売電収入が得られないというデメリットがあります。

契約が長期間になることがある

屋根貸しの契約期間は、10年や20年といった長期間になることが一般的です。途中で解約したいとなった場合、補償料や違約金が発生することがあるので注意しなければなりません。

契約期間内に、物件の大規模修繕や取り壊しが予定されている場合、事業者と事前に取り決めをしておく必要があります。改修時の一時撤去費用や賃料をどうするか、契約書内に明記しておくとよいでしょう。

設置面積に要件がある

屋根貸しによって太陽光発電を行う場合、10kW以上の産業用太陽光発電になることが一般的です。太陽光パネルの設置には1kWあたり10~15m2程度の敷地面積が必要になります。つまり、最低でも150m2以上の面積を確保できる物件でなければなりません。
一般的に屋根貸しの対象となるのは、公共施設や規模の大きい倉庫、大型マンションなどとなり、1,500m2以上の設置面積が求められることが多いでしょう。

対象となる物件に制限がある点は、屋根貸しのデメリットといえます。

0円で始める産業用太陽光発電投資(2) 「PPAモデル」

PPAとは「Power Purchase Agreement」の略で「電力購入契約」を意味します。

太陽光発電設備を設置するのは、電力会社などの「PPA事業者」、屋根や敷地を提供する顧客は、各家庭や設備を所有する「需要家」です。そして「PPAモデル」とは、PPA事業者と需要家が電力の売買契約を結ぶビジネスモデルのことを指します。

PPA事業者は、自身の資金を使って需要家の屋根や敷地に太陽光発電設備を設置します。そして事業者・需要家間で契約を締結し、需要家はPPA業者から定められた料金で使用した分の電力を購入します。

契約で定められた期間中は、発電した電力はPPA事業者のものです。そして電力を一定量買い取るなどの条件を満たすか、もしくは契約期間が終了した後、太陽光発電装置は、需要家に無償で譲渡されるという仕組みになっています。

PPAモデルは、将来的に太陽光発電設備が自分のものになる点と、契約期間中PPA事業者から電力を買い取る点が、屋根貸しとは異なります。

PPAモデル導入のメリット

PPAを導入するにあたってのメリットをご紹介します。

初期費用や管理コストが不要

屋根貸しと同様、設備設置のための初期費用や管理コストはPPA事業者負担となり、需要家の自己負担はありません。

電気代が通常より安く済むケースがある

需要家はPPA事業者の発電する電力を、契約に定められた料金で買い取ります。
この時、複数のPPA事業者から見積もりを取って比較し、より料金の安い事業者と契約することができれば、通常の電気代よりも安く済む可能性があるでしょう。

さらに自家発電なので、通常電力会社に支払う「再生可能エネルギー賦課金」の負担がありません。再エネ賦課金は年々上昇し続けているため、この支払いがないだけでもメリットといえるでしょう。

また、場合によっては屋根貸しのように賃料を受け取るケースもあります。

契約期間が終了すれば無償で太陽光発電設備が手に入る

PPA事業者から一定量の電力を買い取るなどの条件を満たした後、または契約期間が終了した後は、太陽光発電設備がPPA事業者から需要家へ無償で譲渡されます。設備自体にメーカー保証が残っている場合は、保証も同時に手に入れることが可能です。

災害時の停電リスクの備えになる

災害によって停電が発生した場合でも、自家発電として電力を使用することができます。

企業にとってアピールポイントになる

自家発電によりCO2削減に取り組んでいる企業として、情報開示することが可能です。
RE100(※1)やSDGs(※2)の取り組みに貢献しているという企業アピール、企業価値向上につながるでしょう。

(※1)RE100…「事業で使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達する」ことを目標とした国際イニシアチブ
※2)SDGs…「持続可能な開発目標」の略称。国連加盟国193ヶ国が2030年までに達成を目指す17の目標が含まれる。地球環境の保護や差別の是正、経済成長などさまざまな取り組みが目標として掲げられている。

PPAモデル導入のデメリット

PPAモデルにはさまざまなメリットがあることをご紹介しました。一方で、注意しなければならないデメリットもあります。

長期での契約が基本

PPAモデルは、多くの場合10年や20年といった長期契約になります。途中解約には違約金が発生する場合もありますので、長期にわたってPPA契約を結ぶことに支障はないか、あらゆるケースを想定しておきましょう。

設備の交換や処分が難しい

契約期間中、太陽光発電設備はPPA事業者の所有物となります。物件オーナーがパネルの交換や処分をすることはできません。
仮に設備を破損させてしまった場合、弁償しなければならない点も注意が必要です。

譲渡された後の管理コストなどは自己負担

契約期間を終了した後は、太陽光発電設備は需要家に無償譲渡されます。その後の管理費や修理代などは自己負担になりますので注意しましょう。
ただし自分の所有物なので、処分や交換が自由にできるようになります。

まとめ

今回ご紹介した「屋根貸し」や「PPA」の制度は、初期費用が高いという太陽光発電の問題点を解消する有効な選択肢となるでしょう。
特にPPAは、災害時に自家発電として利用できる、契約終了後に設備が無償譲渡されるなどメリットが多く、PPA導入を検討する企業が増えているようです。

メリットとデメリットをよく理解し、産業用太陽光発電投資の選択肢の1つとして「屋根貸し」と「PPA」を検討してみるとよいでしょう。

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【このコラムの著者】

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