LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

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LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

不動産投資で法人化するなら株式会社と合同会社どちらがお勧め?

不動産投資が一定規模を超えてくると、節税を視野に法人化を検討する人も多いのではないでしょうか?
法人化に適したタイミングの目安は、個人の所得税率が法人税率を上回るライン。つまり、個人事業による課税所得額が900万円を超えたタイミングが一般的です。

「そろそろ法人化を……」と考えたとき、多くの方が悩むのが「株式会社と合同会社、どちらにしたらいいの?」というポイントではないでしょうか。
この記事では、法人化する場合の主な選択肢である「株式会社」と「合同会社」を比較し、不動産投資で法人化するにはどちらがお勧めか、解説していきます。

不動産投資を法人化するメリット

不動産投資を法人で行うメリットは、主に以下の4点です。ほとんどが「節税」につながるものといえます。

・経費として認められる範囲が広い
・損失の繰越期間が10年と長い
・届出不要で家族への役員報酬を経費にでき、給与所得控除の対象にもなる
・相続・贈与対策になる

不動産投資の法人化の基礎知識やメリット・デメリットについて、以下の記事に詳しく掲載されています。ぜひ読んでみてください。
【不動産投資】個人と法人の違いは?_法人化のタイミング・メリット・デメリット

株式会社と合同会社の違い

不動産投資を法人化する場合、株式会社と合同会社のどちらがよいのか、迷う方も多いでしょう。まずは、それぞれの特徴を比較していきましょう。

株式会社合同会社
意思決定株主総会社員総会
所有と経営分離している同一
利益配分出資比率に応じて自由に決められる
設立費用約24万円~
(電子定款の場合約20万円~)
10万円~
(電子定款の場合6万円~)
決算公告必要不要
株式公開できるできない
信用力合同会社より高い株式会社と比べると劣る

経営と出資者の関係

株式会社の場合、出資者と経営者が必ずしも同じではありません。モノ言う株主という言葉もあるように、出資比率が高い株主がいれば、より重要な会社の意思決定に参画することも可能です。時には、経営者のスムーズな意思決定を阻むこともあります。

一方、合同会社は経営者と出資者が同一で、出資者である社員の同意によって意思決定が行われます。

利益配分の違い

株式会社の場合、利益配分は出資比率に応じて自動的に決定されます。
一方合同会社の場合、利益率の配分は自由です。優秀な社員には高い比率で配分するなど、経営の自由度が高いのは合同会社であるといえるでしょう。

不動産投資での法人化は「合同会社」がお勧め!

結論から言うと、不動産投資で法人化を検討する場合、お勧めなのは「合同会社」です。
もちろん、合同会社にもメリット・デメリットがあります。しかし一般的に言われている合同会社のデメリットは、不動産投資をするうえではさほど影響がないと考えられています。

合同会社のメリット・デメリットを1つずつ検証しながら、なぜ不動産投資の法人化には合同会社がいいのか、その理由を見ていきましょう。

合同会社のメリット

不動産投資を法人化するにあたり、まずは合同会社のメリットを見ていきましょう。

設立費用が安い

株式会社より合同会社の方が、設立にかかるコストが低く済むことが一般的です。
株式会社・合同会社、それぞれの設立に関連する費用を見てみましょう。

株式会社合同会社
定款用収入印紙
(※電子定款の場合は不要)
4万円4万円
定款の認証手数料5万円
定款の謄本手数料1ページにつき250円
登録免許税15万円または資本金額の0.7%のいずれか高い方6万円または資本金額の0.7%のいずれか高い方
合計約24万円~
(※電子定款の場合約20万円~)
10万円~
(※電子定款の場合6万円~)

「定款」とは、会社の名前や所在地、役員の名前の他、会社の規則などをまとめた「会社の憲法」といえるものです。
株式会社の場合、定款の改ざんや紛失のリスクを避けるため、会社の設立時に定款を公証人に認証してもらう必要があり、上記の通り手数料がかかります。
一方合同会社の設立には、定款の認証が必要ありません。

登録免許税も、上記の通り合同会社の方が安く済みます。

合同会社は決算公告が不要

株式会社には、企業の決算を公の場で告知する「決算公告」が法律によって義務付けられています。手間がかかるだけでなく、官報掲載費として約7万5,000円の費用がかかります。

一方合同会社の場合、決算公告の必要がありません。手間やコスト面で、合同会社に大きなメリットがあるといえるでしょう。

経営が比較的自由

先述の通り、株式会社の利益配分は出資比率によって決まりますが、合同会社の場合、出資比率に関係なく利益配分することができます。

家族や配偶者を社員として報酬を支払うことによる税金対策は、法人化することによって得られる大きなメリットの一つです。一円でも出資してもらえれば自由に報酬額を決められるという点でも、合同会社に高い自由度があるといえるでしょう。

また定款においても、合同会社の方が比較的自由に作成することが可能です。

合同会社のデメリット

合同会社においても、デメリットは存在します。ただしこれらは、不動産投資における法人化の場合には、さほど影響がないといわれています。
一つ一つ見ていきましょう。

広範囲から資金調達ができない

合同会社は、株式を発行しないので広範囲の投資家から資金を集めるということができません。資金調達は、補助金や助成金、融資に限られます。

しかし不動産投資の場合、そもそも金融機関から融資を受けて資金調達することが一般的です。広範囲から資金調達をする必要性はないでしょう。

認知度が低い

合同会社の件数は増えてきているものの、認知度という点ではいまだ株式会社に見劣りする傾向があります。一般企業においては、合同会社というだけで取引を躊躇されたり、採用で人が集まりにくかったりという傾向もあるようです。

しかし不動産投資の場合、金融機関が融資審査する際において、株式会社か合同会社かという点はあまり影響がありません。重要視するのは、あくまでキャッシュフローや物件の担保価値、融資を受ける本人の資産状況などの情報です。

不動産投資の法人化においては、認知度といった対外的要素を気にする必要はほとんどないといってよいでしょう。

出資者が対立するリスクがある

合同会社で出資者が複数いるような場合、社員それぞれに意思決定をする権限が与えられています。仮に意見が合わない時は、出資比率という基準がない故に、対立を生み出す可能性があるでしょう。

しかし、不動産投資の法人化は節税をきっかけに進めることが多く、1人またはその家族を従業員とするケースが一般的です。極めて個人に近い「プライベートカンパニー」のようなものであるため、社内での対立が生まれることは考えにくいでしょう。

まとめ

不動産投資を法人化する最大のメリットは「節税」です。
節税目的での法人化なら、合同会社でもじゅうぶんでしょう。むしろコストや手間がかからず、不動産投資に悪い影響を与えるデメリットも見当たらないため、不動産投資の法人化には合同会社がお勧めであるといえます。

将来的にもっと大規模で行いたい、上場するくらいまで成長させたいと考える場合には、途中で株式会社に変更することも可能です。

不動産投資における節税対策については、不動産投資における節税対策のポイントは?の記事に詳しく掲載されています。ぜひ参考にしてください。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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