LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

FIREと不動産投資~より短期間でセミリタイアを実現するには~

コロナ禍の影響で、働き方の見直しが一層進んでいます。そんな中注目が高まっているのが、資産を確保して経済的に自立し、早期退職を目指す「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」という生き方です。

FIREを実現するための資産形成にはさまざまな手段がありますが、ここでは不動産投資に注目してみましょう。FIRE実現のために不動産投資を選ぶメリットや、注意すべきポイントについて解説していきます。

FIREの意味とは

FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略、すなわち「経済的自立により早期退職すること」を意味します。働くことに縛られず、自由で豊かな生活を実現しようとする概念で、海外で大きな流行を見せています。
具体的には、収入や投資による収益からの貯蓄と節約によって早期に経済的な安定を確立し、早期リタイア後も片手間で資産運用を続けるというライフプランが一般的です。

このFIREムーブメントは、リタイアメントプランの一つとして、近年日本でも注目が高まっています。

「FIRE」「アーリーリタイア」「セミリタイア」の違い

「アーリーリタイア」とは、定年よりも早く仕事を辞める「早期退職」のことです。

そして「FIRE」「セミリタイア」には、貯蓄や資産を貯めて定年よりも早く仕事を辞め、その後資産運用やパート・アルバイトなど比較的負担の軽い仕事を継続して収入を得ながら、より自由な時間を楽しむという意味合いが含まれます。

もう一つ「完全リタイア」というものがあります。
これは、完全に仕事を辞めてしまうことです。退職後に必要な生活費をまかなえるだけの貯蓄や資産をすでに形成したうえで、完全に退職するという意味合いがあります。

つまり「アーリーリタイア」のその先のタイプとして、「完全リタイア」と「セミリタイア」・「FIRE」の2タイプに分かれる、ということです。

FIREに必要な資金と「4%ルール」

FIREに必要な資金の一つの考え方として、年間支出の25倍以上という目安があります。その資産を年率4%で運用すれば、資産を切り崩すことなく生活費をまかなえる、というのが根拠です。これを「4%ルール」と呼んでいます。

公益財団法人 生命保健文化センターの「生活保障に関する調査」(2019年)によると、ゆとりある生活のために必要な費用は、夫婦2人で年間400~450万円程度と考えられています。つまり、その25倍ということは、1億円程度の資金を確保しなければならないということです。

1億円×4%=400万円。つまり、年率4%の資産運用で得た収益400万円で老後に必要な生活費400万円をまかなうことができ、かつ1億円の資産はキープできる、というのが具体例になります。

日本版FIREの「6%ルール」

FIREの基本となる「4%ルール」について先述しましたが、この年率4%という数値は、アメリカ株式の年間成長率7%から、アメリカのインフレ率3%を差し引いたものです。

日本の場合、インフレ率は現状1%にも達していません。つまり、これを日本版に置き換えれば、年率6%程度の資産運用が期待できることになります。年率6%の資産運用ができるのであれば、FIREに必要な資産は年間支出の17倍程度。
つまり、資産額6,800万円程度からFIREが見えてくることになるでしょう。

ただしこれらの数値は、アーリーリタイア後は資産運用のみで、全く働かないケースを想定しています。実際にFIREを行う人の中には、週に数日や短時間だけのパート・アルバイトを併用するタイプのセミリタイアをする方も多いです。
また、一定年齢に到達すれば公的年金が受給できることを考えると、必要金額はさらに下がるでしょう。
FIREは決して非現実的ではないことが分かります。

FIREを実現する手段

FIREを実現するには、一定の資産を築かなければなりません。
しかし、収入を上げたり支出を切り詰めて貯蓄したりするのには限界があります。そのため、効率よく資産を成長させる方法として、多くのFIRE実現者が取り組んでいるのが資産運用です。

FIREを実現する手段として主に利用されているのは、株式投資と不動産投資。どちらも、本業の傍ら進めることができます。
それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。

株式投資

株式投資は、株式会社の発行する株式を保有し、配当金や売買利益を得ることを目指す投資手法です。比較的低資金から始めることができます。

株式は値動きが大きいため、ハイリスク・ハイリターン型の投資といえるでしょう。市場が好調なときは利益を得やすい一方、リーマンショックのような大きな経済変動があれば、大きな損失を被る可能性がある点に注意が必要です。
流動性が高く、すぐに現金化できるという点は大きなメリットといえます。

不動産投資

不動産投資は、アパートやマンションなどの収益物件を購入し、賃貸経営を行うことで長期的な家賃収入を確保していく投資手法です。

物件購入に大きな資金を必要としますが、その大部分にローンを利用することができます。一般的には、物件価格の2~3割程度の自己資金が必要とされますが、物件の収益性が高いなどの条件がそろえば、全額ローンを組んで始めることも不可能ではありません。

ただし不動産の売却には時間がかかることが多く、株式投資のような高い流動性は期待できない点に注意しなければならないでしょう。

株式投資と不動産投資をもっと詳しく比較したい方には、以下の記事がお勧めです。
不動産投資と株式投資の違いを徹底比較!利回り・リスク・流動性など

FIREに不動産投資を活用する5つのメリット

FIREの実現にはさまざまな手法がありますが、その中でも特にお勧めなのが不動産投資です。
なぜFIREの実現に不動産投資を選ぶべきなのか、その5つのメリットについて見ていきましょう。

期待利回りが高い

不動産投資は、株式投資に比べて高い利回りが期待できます。

JPX(日本取引所グループ)が公表している一部上場銘柄の2020年4月~2021年3月加重平均利回りの数値によると、株式投資の配当利回り平均は2~3%前後。
一方不動産投資の期待利回りは、一般財団法人「日本不動産研究所」が発表した「第43回不動産投資家調査」(2020年10月)の東京都と主な政令指定都市における賃貸住宅の期待利回りの数値を見ると、4~6%となっています。

地方の中古物件などにおいては、利回り10%を超えるような物件もあり、期待できる利回りの高さにおいては不動産投資にアドバンテージがあるといえるでしょう。

レバレッジ効果が高い

不動産投資にはローンが利用できます。自己資金とローンを組み合わせることで、自己資金のみで運用する場合よりも大きな収益を生み出すことを、レバレッジ効果といいます。

例えば、1,000万円の自己資金を運用する場合に期待できる収益を考えてみましょう。
自己資金1,000万円のみで株式投資をした場合と、自己資金1,000万円+ローン2,000万円で3,000万円の物件を購入して運用した場合で比較すると、以下のようになります。
利回りはどちらも4%として考えましょう。

株式投資の場合…1,000万×4%=40万円
不動産投資の場合…3,000万×4%=120万円

不動産投資には、ローン金利や固定資産税、修繕費などの経費がかかるため、実際の利益はこれより少なくなります。しかしそれでも、レバレッジをかけることで資産を増やす効率性が大きく上昇していることが分かるでしょう。

株式投資でも最大で約3.3倍のレバレッジをかけた信用取引が可能ですが、価格変動によるリスクがかなり大きくなります。リスクを抑え、かつ資産形成のスピードを上げるという点で、不動産投資の方が安定的・効率的であるといえるでしょう。

より短期間でFIRE実現が可能

利回りの高さ、レバレッジ効果の高さという不動産投資の2つのメリットにより、不動産投資の方が株式投資よりも資産形成のスピードが速くなることが期待できます。
目標とする資産額を早く達成すれば、それだけ短期間でFIREを実現することができるでしょう。

先述したレバレッジ効果の計算例では、4%という平均的な期待利回りを用いました。しかし実際には、利回り10%を超えるような物件も存在します。また融資額が多ければ、それだけ高額の物件を購入することができ、さらに高いレバレッジ効果を発揮してより大きな収益を得ることができるでしょう。
さらなるスピードで資産形成が進むことが期待できます。

株式と比べてリスクが低い

株式投資には、より高い収益を上げるために売却益を狙う方法もあります。しかし取引を繰り返す必要があり、リスクも上昇するため、資産を増やすどころか減らしてしまうこともあるでしょう。

もちろん不動産投資にも、空室リスクや災害リスクなど、さまざまなリスクがあります。しかし、それらのリスク・デメリットにはある程度の対応策があり、運用ノウハウが確立していることが不動産投資の特徴です。

さらに不動産は、金融商品と比較すると経済変動を受けにくいというメリットがあります。コロナ禍のような経済変動が起こったとしても、家賃や不動産価格が急激に乱高下することは考えにくいでしょう。
一方株式は、先に述べたように企業業績や経済情勢に連動して価格が大きく変動するものです。

資産形成にあたって、よりリスクの低い手法を取るなら、不動産投資がお勧めといえるでしょう。

手間がかからない

FIREを目指すには、本業と並行して資産運用を行う必要があります。FXのように常に値動きをチェックしなければならないような投資手法では、本業に支障をきたす可能性があるでしょう。

その点不動産投資なら、一度物件を購入してしまえば、賃貸経営にかかる通常業務を管理会社にお任せすることが可能です。手間がかからないため、本業と並行して行う投資手法としてお勧めといえます。

不動産投資には、他にもたくさんのメリットがあります。以下の記事をぜひ参考にしてください。
不動産投資が選ばれる4つの理由
不動産投資の魅力

不動産投資でFIREを実現させるための重要なポイント

不動産投資は、適切な運用を行うことで短期間でも大きく資産を拡大することができます。ここでは、FIREを目的として不動産投資を行う場合の重要なポイントを紹介しましょう。

最初の物件選択を慎重に行う

不動産投資で収益を上げるために最も重要なのは、物件選びです。特にFIREを目指す場合、最初の物件選びを誤ってしまうと2件目、3件目へと資産を拡大することが難しくなってしまいます。
また、本業で得た収入から赤字を穴埋めしなければならず、むしろ資産を減らしFIREが遠のいてしまうことになりかねません。

投資に値する物件を見抜くには、不動産投資に関する知識をしっかりと学び、正しい情報を得ることが不可欠です。信頼できる不動産会社とともに、手間を惜しまず進めていく必要があるでしょう。

LIFULL HOME’Sでは、不動産投資に関するセミナーを多数掲載しています。不動産投資でFIREを目指したい方は、ぜひご活用ください。
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綿密な計画を立てる

不動産投資でFIREを達成するには、単純な家賃収入の額ではなく、家賃収入から確保できるキャッシュフローの金額が重要なポイントになります。
そしてキャッシュフローを増やすには、賃貸経営規模の拡大が必要です。以下の手順で計画的に物件を増やし、キャッシュフローを増やしていかなければなりません。

1.FIREまでに必要な資産額を計算する
2.いつまでにFIREしたいか、大まかな目標期間を決める
3.目標達成に必要なキャッシュフローを実現できるよう、物件取得プランを立てる

購入する収益物件の種類や築年数・エリア、2件目、3件目の購入タイミングまで想定しておくと、目標到達への道がより明確になるでしょう。

またFIREの計画を立てる際には、ライフイベントについても考えておかなければなりません。特に今後マイホームを取得する予定がある場合、融資にも影響することがあります。また、出費が大きくなりやすい子供の進学タイミングについても考慮しておくとよいでしょう。

不動産投資ローンと住宅ローンの関係性については、以下の記事で詳しく知ることができます。ぜひ、参考にしてください。
不動産投資ローンと住宅ローンは併用できる? どっちを先に組むのが正解?
不動産投資ローンと住宅ローンの違いは? 融資を受けるならどちらが先?

まとめ

FIREを実現するために必要な資産と、資産形成の方法について見てきました。

もともと不動産投資は、手間のかからなさや損益通算による節税効果などから、サラリーマンに向いている投資手法だといわれています。実際にサラリーマン大家さんとして成功している人が多くいるのも事実です。

不動産投資を活用して資産を計画的に拡大していくことができれば、FIRE達成は非現実的なことではありません。
ぜひ正しい知識を身に付け、計画的な運用を心掛けましょう。

不動産投資でアーリーリタイア、セミリタイアを目指す方には、以下の記事もお勧めです。ぜひ、併せて読んでみましょう。
2020年版「リタイアのルート」
不動産収入だけで生活するには?セミリタイア実現に重要な5つのポイント

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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