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利回り10%越え!? 風力発電投資のメリット・デメリット・始め方

SDGs(※)へ向け、クリーンエネルギーとして将来性が注目されている風力発電。高利回りが期待できるといわれていますが、すでに普及している太陽光発電ほど情報が豊富ではないため、投資対象として適切なのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、風力発電投資のメリット・デメリットについて言及しながら、風力発電投資の現状や実際の投資方法について解説します。

(※SDGs…「Sustainable Development Goals」の略。2030年までに達成することを目標とした「持続可能な開発目標」のこと)

風力発電投資とは

風力発電投資とは、風力発電所に投資し、発電した電気を売ることで収益を得るものです。
太陽光発電と同様、国による固定価格買取制度(FIT制度)が利用できるため、安定した収益が期待できます。10%以上の利回りが期待できる案件もあります。

風力発電はかつて大規模な施設が中心で、投資には億単位の資金が必要でした。しかし陸上小型発電機の開発が進み、個人でもじゅうぶんに投資可能な水準となっています。

風力発電投資のメリット

まずは、風力発電投資のメリットを見ていきましょう。

FIT制度により20年間買い取り価格が保証されている

風力発電は、保証された価格で電力会社に電気を買い取ってもらえるFIT制度の対象です。風力発電のFIT期間は20年間。買い取り価格は、設備設置費用などの発電コストを考慮して毎年見直されています。

風力発電のFIT価格には、2017年度までシステム容量20kW未満の小型区分があり、55円/kWhと高い買い取り価格が設定されていました。2018年以降小型区分は撤廃されていますが、買い取り価格55円の年度中に認定を受けた物件であれば、2021年現在でも購入することが可能です。

なお、2021年度250kW未満陸上風力の買い取り価格は17円/kWhと、太陽光発電より若干有利な程度にとどまっています。

【参考】風力発電の固定買い取り価格の推移

陸上風力陸上風力
(リプレース)
着床式洋上風力浮体式洋上風力
2021年度【250kW未満】17円
【250kW以上】入札制(第1回17円)
15円32円36円
2020年度18円16円入札制(第1回34円)36円
2019年度19円16円36円36円
2018年度20円
(20kW未満で、2018年2月末までの申請分は経過措置により55円)
17円36円36円
2017年度【20kW未満】 55円
【20kW以上】21円
(2017年9月末まで22円)
18円36円36円
2016年度【20kW未満】 55円
【20kW以上 】22円
-36円36円

(※全て税別価格)

高い利回りが期待できる

未稼働もしくは中古などの売電価格55円物件は、2021年現在でも購入することが可能です。これらの物件の多くは10%以上の利回りが期待でき、初期投資額を約10年で回収できる計算になります。残りのFIT期間の収益は、メンテナンス費などの必要経費を除き、そのまま手元に残る計算になります。

効率よく発電できる

風力発電には、太陽光発電のように天候や日照時間による発電制限がありません。風さえ吹いていれば24時間発電が可能です。さらに、再生可能エネルギーの中では比較的発電効率が高く、条件によっては大きく収益が伸びる可能性があります。

また、発電に適した場所の選択は難しいものの、太陽光発電よりも省スペースで設置できる点もメリットの一つです。

風力発電投資のリスクとデメリット

風力発電投資には、以下のようなリスク・デメリットも指摘されています。これらのデメリットをいかに回避していくかが、投資成功の鍵となるでしょう。

シミュレーションが難しい

風力発電に適した土地は、年間平均風速6m/s以上が確保できる立地とされています。しかし、その条件に合う土地に設置したとしても、風量は季節や環境により大きく変動します。
小型風力発電投資を行う場合、すでに開発された発電用地の購入が一般的ですが、それでもシミュレーション通りにいかないことが珍しくありません。

年間平均風速が1m/s変化すると、年間の利回りは2~3%程度変動するという試算もあります。また、風が強すぎても弱すぎても発電がストップしますので、平均風速が同一であっても風速分布によって発電量に差が出る点にも注意が必要です。
信頼度の高いシミュレーションを精査した上で、投資判断を行わなければならないでしょう。

融資面のハードルが高い

個人投資家向け小型風力発電施設の相場は、土地代を含めて3,000万円を超えるものが多く、高額です。設備費用はFIT期間中に回収可能と見込まれてはいますが、投資にあたっては初期に多額の資金が必要になります。

不動産投資や太陽光発電と同様、風力発電投資においても資金調達に金融機関の融資を利用することが可能です。
しかし、金融機関の風力発電投資に対する融資には慎重姿勢が見られます。すでに多数の投資実績がある太陽光発電に比べ、風力発電は実績が少ないことが背景にあるのでしょう。リスクの高さや事業の不安定さが危惧されているようです。
また、風力発電を設置する土地は東北など地方であることが多く、取り扱っている金融機関が少ないこともデメリットといえるでしょう。

なお、販売会社によっては信販系のローンが利用できるケースもあります。ただし、銀行より金利が高い場合がありますので、注意が必要でしょう。

故障・災害リスクが高い

風力発電は駆動部品の多い風車を使うため、故障リスクが高く、メンテナンス費用が高額になる傾向があります。メンテナンス・保守費用は投資の規模によって異なりますが、年間おおよそ10~50万円程度を見込む必要があるでしょう。

また、不具合が生じた場合には部品交換費用が別途発生し、コストがさらに上がる可能性も想定しておかなければなりません。メーカーおよび販売会社の保証期間や範囲はそれぞれ異なりますので、しっかりと比較検討しましょう。

なお風量が期待できる立地は、落雷や台風など自然災害による破損リスクも高くなるため、適切な損害保険に加入して対策を取る必要もあります。

風力発電投資には、故障・災害リスクに対応するための費用がかかることを想定しておきましょう。

風力発電投資の始め方

風力発電投資を始めるには、発電施設を購入する方法が一般的です。その他、施設は購入せず、ファンドを通じて投資を行う方法もあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。

土地付き小型風力発電施設を購入する

風力発電投資を始めるには、まず土地を購入し、発電施設を建設する必要があります。しかし土地の選定が難しい上、建築にあたって設備設置会社を自分で見つけなければならないなど、一からの建築は手間とリスクが大きいといえるでしょう。

そこで主流となっているのが、あらかじめ開発された発電施設を土地付きで購入(分譲)する手法です。土地付き風力発電施設の場合、販売会社が発電施設設置から各種申請、メンテナンスまでワンストップで手掛けることが多く、投資家側の手間がかかりません。
さらに未稼働・中古いずれかの物件を購入することで、売電価格55円での運用が可能です。

土地付き風力発電施設の購入にあたっては、土地を購入するタイプと、賃貸するタイプの2種類があります。

土地購入型の場合、土地代分初期費用が高額になりますが、FIT期間終了後も売電を続けるか終了するか、自由に選択することが可能です。

一方賃貸物件の場合、購入するのは発電施設のみです。土地はFIT期間に合わせた定期借地権となり、その間賃料を支払います。
土地代分の初期費用を抑えられる点や、固定資産税がかからない点がメリットです。しかし賃貸借契約終了後は、発電施設を撤去して土地を返却するか、売電を継続したい場合は土地の所有者に交渉しなければなりません。

その他、売電権利付きの土地権利のみを購入し、発電機は希望のものを選べるという販売形態も見られます。

ファンドに投資する

風力発電に投資したい場合、施設を保有する以外に、ファンドを通じて投資する方法もあります。ファンドであれば数万円程度から投資ができますので、資金が限られている方でも風力発電投資に取り組むことが可能です。

ただし、得られる利回りは5~7%前後という案件もあり、実際に施設を保有して売電する場合と比べると、収益は低くなる可能性があるでしょう。

まとめ

風力発電投資は、FIT制度により長期間高い利回りが期待できる一方、気象条件によってはシミュレーション通りの収益が得られないリスクもあります。
販売会社から提示される事業計画をよく精査すること、信頼できる事業者を選定すること、保険へ加入することなど、じゅうぶんなリスク対策をとるようにしましょう。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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