LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

サラリーマンにおすすめの節税方法・税金対策10選

個人事業主と異なり、会社が税務関係の処理を行ってくれるサラリーマン。給与明細で差し引かれている所得税や住民税の額を見て「税金が高いな……」と感じつつも、節税は無理だと諦めている方が多いのではないでしょうか。

実はサラリーマンであっても、条件に合致すれば、必要な申請や確定申告を行うことで支払う税金を少なくすることが可能です。この記事では、サラリーマンが実践できるお勧めの節税テクニックを10個ご紹介しています。裏ワザと言われることもありますが、すべて正当に認められている制度ですのでぜひ活用していきましょう。

サラリーマンが節税する方法

サラリーマンは給与から所得税や住民税が天引きされているため、節税ができることについて詳しく知らない方もいるでしょう。しかしサラリーマンであっても、以下の2つの方法を活用することで支払う税金を減らしたり、負担を軽減したりすることができます。

・控除や損益通算を利用して課税所得額を減らす
・条件に該当する税制優遇制度を利用する

利用したい控除や税制優遇の内容によっては、改めて確定申告が必要になることもあるため、手間はかかります。しかし数万円~数十万円もの節税効果が得られることも少なくないため、ぜひ活用しましょう。

では、サラリーマンが利用できる具体的な節税方法を見ていきましょう。

(1)ふるさと納税(寄附金控除)

ふるさと納税は、特定の自治体に寄附を行うことで税金の控除が受けられる制度です。サラリーマンが手軽に利用できる節税方法として、すでに知っている方も多いでしょう。
控除額は寄附額マイナス2,000円で、所得額に応じた控除上限まで所得税と住民税から全額控除されます。

例えば、年収600万円の独身の方の場合、全額控除が可能なふるさと納税額の年間上限目安は約7万7,000円です。
ふるさと納税の上限額は、所得状況によって異なります。総務省のふるさと納税ポータルサイト内にある「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」 を参考に、全額控除の範囲内で寄附を行うとよいでしょう。

ふるさと納税のメリットは、寄附先によって地域の農産物や名産品などの返礼品が用意されていることです。もともと支払わなければならない税金分に2,000円の自己負担をプラスするだけで、寄附額の平均還元率3割の返礼品がもらえます。

ふるさと納税を行うには原則確定申告が必要です。
しかしふるさと納税以外での確定申告の必要がない場合、かつ寄附先自治体が5ヶ所までの場合には、確定申告不要の「ワンストップ特例制度」が利用できます。規定の日までに「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」を各自治体へ送付しておけば控除が受けられるため、手間がかかりません。

(2)iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、自分で用意した掛け金を自分で運用する私的年金制度です。10年以上加入していれば60歳から給付金を受け取ることができ、公的年金にプラスした資産形成の一つとして活用されています。

掛金全額が所得控除の対象となるため、所得税・住民税の負担を減らすことが可能です。さらに、運用益は非課税かつ受取時も一定額まで所得控除の対象となるため、将来的に大きな節税効果が得られます。

確定拠出年金には個人型の他、企業型があります。第2号被保険者となるサラリーマンの場合、他の企業年金の加入状況により掛金の上限が設定されていますので、注意しましょう。

【第2号被保険者の掛金限度額(月額)】

企業年金などに加入していない場合2万3,000円
企業型確定拠出年金のみに加入(※)2万円
企業型確定拠出年金以外の企業年金などに加入1万2,000円
公務員・私立学校教職員など1万2,000円

※企業型確定拠出年金の加入者がiDeCoに加入するには、規約で個人型確定拠出年金への加入を認めていることが必要です。(2022年10月より撤廃)

例えば、企業年金に加入していない年収600万円の方が上限金額2万3,000円でiDeCoに加入した場合、年間27万6,000円課税所得を減らすことができます。これは、所得税・住民税併せておよそ年間5万5,200円の節税メリットです。
(※課税所得=年収-給与所得控除-社会保険料控除(14.39%)-基礎控除で試算しています。)

(3)生命保険料控除

生命保険料控除は、生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に、課税所得から一定金額が控除される制度です。サラリーマンの方は、年末調整時に保険会社から送付される生命保険料控除証明書を提出することで控除を受けられます。

生命保険料控除は、保険契約時期により適用される制度が異なることに注意しましょう。2012年1月1日以降の新規契約については新制度、それ以前の契約分については旧制度が適用されます。

なお、控除上限額は所得税と住民税で金額が異なりますので注意しましょう。

【新契約・旧契約の控除額上限】

新契約旧契約新旧合算する場合
一般生命保険料控除それぞれ
所得税::4万円
住民税:2万8,000円
所得税:5万円
住民税:3万5,000円
それぞれ
所得税:
【旧契約が6万円超】5万円
【旧契約が6万円以下】4万円
住民税:2万8,000円
介護医療保険料控除
個人年金保険料控除(税制適格特約付加)所得税:5万円
住民税:3万5,000円

全体の控除上限は、新契約の所得税12万円、旧契約の所得税10万円、住民税は新旧どちらも7万円です。

個人年金保険は資産形成の一つの選択肢です。節税効果ではiDeCoの方が有利ですが、急にお金が必要になった場合に解約できることや、契約者貸付が受けられるなどのメリットがあります。

(4)地震保険料控除

地震保険料を支払っている場合に受けられる所得控除で、最大控除額は所得税5万円、住民税2万5,000円です。生命保険料控除同様、年末調整または確定申告で控除を受けられます。

なお、旧長期損害保険の経過措置に該当する保険料の控除額上限は、所得税1万5,000円、住民税1万円です。地震保険・旧長期損害保険の両方の契約がある場合には、合算で所得税5万円・住民税2万5,000円が上限となります。

(5)医療費控除

本人や生計を一にする家族の医療費が年間10万円(所得金額200万円未満の方は所得金額の5%)を超えた場合、超過部分の金額の所得控除を受けられます。控除を受けるには、医療費の明細を添えて確定申告することが必要です。

医療費控除は、実際に支払った医療費の他、治療に必要な医薬品の購入費、通院にかかった公共交通機関の交通費なども含まれます。ただし、生命保険などから給付金を受けた場合は、その分を差し引かなければなりません。

2017年から、新たに特例として「セルフメディケーション税制」が始まりました。対象となる特定一般用医薬品の購入代金が年間1万2,000円を超えた場合に、その超過分の金額(上限8万8,000円)が課税所得から減額される制度です。

従来の医療費控除と併用はできませんので、より控除額の多い方を選択するとよいでしょう。

(6)特定支出控除

サラリーマンは、自営業者の必要経費に相当するものとして給与所得控除が設定されています。しかし実際には業務に必要な費用にも関わらず、自身が負担せざるを得ない支出がある場合もあるでしょう。
その場合、認められた「特定支出」に該当する費用に関しては、特例として控除が認められます。

特定支出に該当する項目は、通勤費・転居費・研修費・資格取得費・帰宅旅費・勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費)の6つです。つまり、スーツ代や仕事に必要な書籍・セミナー費用、単身赴任時の実家帰宅費用などが対象になり、給与所得控除額の2分の1を超える額について控除することができます。

なお特定支出控除の適用には確定申告が必要となり、その支出ごとに会社から証明書を発行してもらわなければなりません。会社が業務に必要と認める費用であり、支出が給与所得控除額の2分の1を超えて始めて利用できる制度のため、年収の高い方は特に利用ハードルが高いかもしれません。
例えば年収600万円の方が控除対象となるには、給与所得控除164万円の2分の1である82万円を超える特定支出が必要です。

(7)住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

住宅ローン控除は、控除対象の住宅を10年以上のローンで取得し、合計所得額3,000万円以下などの要件を満たす場合に受けられる税額控除です。
年末時点での住宅ローン残高の1%を10年間(消費税増税に伴う特例措置に該当する場合は13年間)、所得税から控除することができます。所得税から控除しきれなかった場合は、住民税からも税額控除することが可能です。

控除限度額は年間40万円。ローンは返済に伴い残高が減少していくため、年末残高が4,000万円を下回れば、年々受けられる控除額は少なくなります。

住宅ローン控除を受けるには、最初の年のみ確定申告が必要です。サラリーマンなど給与所得者の場合、2年目以降は年末調整で適用を受けられます。

住宅ローン控除(住宅ローン減税)については、こちらで詳しく解説しています。併せて読んでみましょう。
住宅ローン減税とは何?控除の条件や手続き方法など

(8)配偶者控除・扶養控除

年間所得が48万円以下など、要件を満たす生計を一にする配偶者がいる場合には配偶者控除が受けられます。また、同様の要件で扶養家族がいる場合には、扶養控除を適用することが可能です。
年末調整時に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に必要事項を記入して提出すれば適用されます。

共働きの家庭に16歳以上の扶養家族がいる場合には、所得の多い方の扶養とすることで、より高い節税効果が得られます。また別居する親に仕送りをしている場合も扶養として認められるため、該当する方は控除を活用しましょう。

(9)NISA(少額投資非課税制度)

NISAとは、NISA口座(非課税口座)内で購入した上場株式や株式投資信託の取引について、毎年一定額まで非課税となる制度です。
通常金融商品の取引で得られた運用益にかかる所得税・住民税は、20.315%(復興特別所得税含む)。年間で考えると大きな額の節税になりますので、資産運用を行っている方はぜひ活用したい制度です。

NISAには以下の2つの制度があり、同一年度でどちらか一方を選択して利用できます。

【通常NISA】……株式・投資信託などが対象。年間非課税投資枠120万円、最長5年間。

【つみたてNISA】……金融庁指定の公募株式投資信託・上場株式投資信託に限定。年間非課税投資枠40万円、最長20年間。

それぞれ年間非課税投資枠、非課税期間が異なりますので、投資の目的に応じて選択しましょう。その他、未成年者の資産形成を目的としたジュニアNISA(年間非課税投資枠80万円・最長5年間)もあります。

なお、NISAは2024年より新制度がスタートします。ジュニアNISAの終了に加え、通常NISAがつみたて+一般の2階建てとなるので注意しましょう。原則として、つみたてNISAを行わないと、通常NISAは利用できないこととなります。

(10)不動産投資

不動産投資は、サラリーマンが利用できる節税テクニックの一つです。

給与所得は、事業所得や不動産所得、雑所得と損益通算ができます。損益通算とは、複数の所得の利益と損失を合算することです。
この仕組みを利用すれば、給与所得以外の所得で赤字を作り、総合課税所得額を減らすことができます。つまり、支払う税金を減らすことができるのです。

不動産投資では、建物の経年劣化分を減価償却費として経費化することができます。そのため実際の収支は黒字であっても、帳簿上は赤字ということも少なくありません。この赤字分を給与所得と損益通算することで、利益を得ながら節税することができます。

サラリーマンの場合、会社の規定により副業が難しい場合があります。しかし不動産投資なら規定に触れないというケースが多く、取り組みやすい節税対策といえるでしょう。

不動産投資を利用した節税の仕組みについては、以下の記事で詳しく説明しています。
不動産投資でサラリーマンが節税を行う場合の基礎知識と注意点

不動産投資は、より高い節税効果を目指して法人化(会社設立)して取り組むことも可能です。投資規模や将来の展望に応じて検討してみるとよいでしょう。

以下の記事では、不動産投資の法人化について詳しく解説しています。
【不動産投資】個人と法人の違いは?法人化のタイミング・メリット・デメリット

まとめ

サラリーマンの場合でも、節税に取り組む方法がいろいろとあることが分かったのではないでしょうか。支払う税金を安くできるのみならず、将来の資産形成にも役立ちますので、ぜひ実践してみましょう。

節税対策として不動産投資に興味がある方は、まずセミナーに参加して基礎知識を身に付けることがお勧めです。

LIFULL HOME’Sでは、不動産投資に関するセミナー情報を掲載しています。税金対策をテーマにしたセミナーも検索できますので、ぜひ参考にしてください。
LIFULL HOME’Sで税金/相続対策の不動産投資セミナーを探す

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
LIFULL HOME'S 不動産投資には不動産投資の知識・アイディア・ヒントが盛りだくさん。

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

平賀 功一

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 「下流老人」に「老人漂流社会」 忍び寄る貧困高齢者の家賃滞納問題

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: 令和3年分路線価発表 ~押さえておきたい地価データの見方~

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中 圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.83 フィリピン不動産の現状と未来〜その3〜

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 新型コロナウイルス感染拡大から考える 大家がすべき対応 No.6 住生活総合調査からわかる 現状と未来の不動産投資2

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: Withコロナの新・不動産事情

最新コラム: コロナ影響下のアメリカで激安お値打ち物件がなかなか出ない理由!

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 長期運用を見据えた、オリジナルのポートフォリオ作り

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: 「リフォームにいくらかけるか?」

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 36.大家さんと幸せな人生について

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。