LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

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売主はなぜ“オーナーチェンジ物件”として売るのか?【注意するべき理由4選】

オーナーチェンジ物件とは、物件に入居者がいる状態のまま、賃貸借契約を引き継ぐ形で売買される物件のことです。購入後すぐに賃料収入を得られるなどのメリットがあります。
しかし、すでに収益が出ている物件が売りに出されていると「もしかして怪しい物件?」と不安になることもあるでしょう。

実はオーナーチェンジ物件の売却理由によって、問題のないケースと、購入後の運用に注意が必要なケースがあるのです。今回は、オーナーチェンジ物件で注意するべき4つの売却理由と、購入時にチェックしたい5つのポイントを解説します。

オーナーチェンジ物件の概要やメリット・デメリットは、以下の記事をご覧ください。
マンションやアパートなどの売却物件情報にある「オーナーチェンジ物件」とは?
オーナーチェンジ物件投資の5つの注意点とメリット・デメリット

問題のないオーナーチェンジ物件の売却理由

売主がオーナーチェンジ物件を売る理由のうち、買主にとって問題にならない理由には、以下のようなものが考えられます。

・事業規模の拡大など、他の収益物件に買い替えるため
・遠方に引っ越すなど、管理が困難になるため
・満室状態に近い方が高値で売却できるため
・病気や失業などで一時的にまとまったお金が必要になったため

上記のような正当な売却理由であれば、あくまで売主都合による売却といえます。物件に問題がある訳ではないため、買主にとって問題ないでしょう。

注意が必要なオーナーチェンジ物件の売却理由4選

一方オーナーチェンジ物件の中には、物件や入居者に問題があるために売却されるケースがあります。この場合は、買主にとって購入後の運用に支障をきたす可能性があるため、注意が必要です。
オーナーチェンジ物件の売却理由として、注意が必要な理由を4つご紹介しましょう。

経営が成り立たない

売主の収支計画に狂いが生じている、運用がうまくいっていないなどの理由により、利回りが悪く経営が成り立っていないケースです。
そのまま物件を引き継いでも、同様に赤字となる可能性があるので注意しなければなりません。

その他、近々近隣にある大学が移転する、商業施設が撤退するなど、賃貸ニーズが下がり経営悪化の要因となる周辺環境の変化が予想されているケースもあります。売主がこうした要因を正直に買主に説明するとは限りませんので、自らしっかり調査することが重要です。

入居者や近隣とのトラブル

売主の修繕対応が悪かったり、入居者の家賃滞納や物件使用上のマナー違反があったりするなど、入居者と売主の間でトラブルが起こったケースです。
単に売主と入居者の相性の問題であるなら、改善できる可能性もあります。しかし、家賃滞納やマナー違反といったトラブルは、同じ入居者がいる限り継続的に起こる可能性の高いトラブルです。
同じリスクを引く継ぐことになってしまうかもしれません。

また、騒音や異臭など近隣とのトラブルが原因である可能性もあります。

これらの理由は、売主や管理会社に問い合わせ、きちんと情報開示してもらわなければ知ることができないため、より注意が必要です。

大規模な修繕時期が近い

アパートやマンションなど一棟物件の場合、大規模修繕による修繕費がかかる前に売却したいというケースがあります。
購入の際には、こうした事情を理解し、修繕費を負担したとしても投資価値があるかどうかをしっかり判断しなければなりません。建物の規模が大きいほど、修繕費がかかります。場合によっては、売主に価格交渉することも考えられるでしょう。

大規模修繕は、修繕箇所によって修繕の目安となる周期が変わります。以下の修繕周期の目安を確認しておきましょう。

修繕箇所周期の目安
防水関係
(廊下・階段、屋上など)
12年
外壁12年
給排水設備15年
電気設備
(エントランス、廊下の共用部分の電気設備など)
15年

参考:国土交通省 「第3編 長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」

入居者の賃貸借契約が満期を迎える

現状入居者がいる場合でも、賃貸借契約が近々満期を迎えるタイミングで売却するケースがあります。
賃貸借契約の期限が来たとしても、もちろん入居者が契約更新することは可能です。ただしオーナーの肌感として入居者の退去が見込まれる場合など、契約満了を機に売却に出されることもあります。

入居者の再募集には、広告費や原状回復のクリーニング費用がかかり、それらを買主が負担することになりますので注意しましょう。

オーナーチェンジ物件を購入する際のチェックポイント5選

オーナーチェンジ物件の購入には、通常の空室物件の売買とは異なる注意点があります。売却理由だけでなく、管理状態や周辺環境などの確認が重要になりますので、以下の5つのチェックポイントをよく理解しておきましょう。

入居者の入居期間

入居者の入居期間が長い物件は、管理がしっかりしていて入居者にとって住みやすい環境である可能性が高いでしょう。前オーナーの修繕対応の様子や、入居者同士のトラブルがないかどうかの指標の一つにもなりますので、必ず確認することをお勧めします。

ただし、入居期間が長くても賃貸借契約の満期が近いケースもあります。購入直後に退去の可能性がないかどうか、入居者の更新時期も確認しておきましょう。

修繕履歴

マンションやアパートなどの一棟物件では、修繕計画が作成されていても、その計画通りに修繕が行われていないケースがあります。いつ、どんな修繕をしたか、履歴が確認できる資料がある場合は、できるだけ確認しておくと安心です。

国土交通省が公表している「平成30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」によると、平成30年度に長期修繕計画を作成したマンションの管理組合は90.9%でした。しかし、そのうち長期修繕計画に基づいて修繕積立金の額を具体的に設定しているマンションは約半数にとどまっています。

このように、長期修繕計画が作成されているから安心というわけではありません。実際の修繕履歴をしっかり確認することが大切です。

また、可能であれば室内の付帯設備の種類や、交換・補修履歴が分かる書類も確認しましょう。オーナーチェンジ物件は、入居者がいるため室内を確認できないことが最大のリスクともいえます。
少しでも室内の状況を把握できるよう、売主や管理会社に協力をお願いしましょう。

周辺相場と比較した賃料設定

オーナーチェンジ物件を購入する場合、すでに前オーナーが設定した家賃で入居者が入っていることになります。そのため、周辺の賃料相場を確認し、購入しようとする物件の賃料が適正かどうかを確認することが大切です。

相場よりも賃料が低い場合、相場に合わせて賃料改定されていないことが予想されます。周辺相場よりも利回りが下がってしまう可能性があるでしょう。

逆に、現入居者の賃料が相場よりも高いケースもあります。現入居者の退去後、再募集する場合に、相場よりも高いことで入居者が集まらず、賃料を下げることになる可能性があるでしょう。想定よりも収益が下がり、経営状態が悪化するリスクがあります。

サクラを利用した物件でないかどうか

オーナーチェンジ物件の中には、満室経営であることを偽ったり、利回りを高く見せたりするために、賃料を高めに設定してサクラの入居者を入居させている悪質なケースもあります。この場合、入居者の入居は一時的であり、物件購入後に一斉退去されてしまうことが多いです。

入居者の賃貸借契約や、一部屋ごとに賃料・契約日などがまとめられているレントロールを必ず確認しましょう。相場とかけ離れた家賃設定がされていないか、契約日が直近の入居者ばかりに偏っていないか、しっかりチェックすることが重要です。

賃貸ニーズ

オーナーチェンジ物件でも、現入居者が退去すれば、いずれ再び入居者を募集することになります。空室期間を長期化させないために、地域の賃貸ニーズを事前に確認することがポイントです。

以下のサービスでは、地域ごとの空室率を確認することができます。ぜひ参考にしてください。
【LIFULL HOME’S】見える!賃貸経営

また先述の通り、購入時にはじゅうぶんな賃貸ニーズがあっても、大学のキャンパス移転、ショッピングモールの閉館など、周辺環境の変化で今後ニーズがなくなる可能性もあります。物件を購入する前に、周辺環境についてしっかりと調査しておきましょう。

まとめ

オーナーチェンジ物件を購入する際は、売主の売却理由を確認することが大切です。売却理由によっては、物件に問題がある可能性もあります。
また売却理由と同時に、入居者状況、修繕履歴、周辺状況などのチェックも入念に行いましょう。

こうしたチェックポイントをクリアできれば、入居者募集の手間がかからず、すぐに家賃収入が得られるなど、オーナーチェンジ物件にはさまざまなメリットがあります。不動産投資の一つの選択肢として、オーナーチェンジ物件への投資を検討してみてはいかがでしょうか?

LIFULL HOME’S不動産投資では、物件検索条件の「現況」を「賃貸中」に設定することで、オーナーチェンジ物件を探すことができます。
【LIFULL HOME’S】収益物件を検索

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

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