LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

不動産投資用物件に自分で住むことはできる!? 注意点は?

不動産投資用として売られている物件でも、自分で住むことは可能です。またその逆で、居住用として購入した物件を、将来的に何かしらの理由で賃貸に出したい、というケースもあるでしょう。

今回は、
・投資用として購入し、将来的に自分で住むケース
・居住用として購入し、将来的に賃貸するケース
これら2つのケースについて、どのような点に注意するべきかを解説します。

物件の利用目的によって、利用できるローンや節税効果などさまざまな点が異なります。物件購入後に用途変更の可能性がある方は、事前に確認しておいてくださいね。

不動産投資用として購入し、将来的に自分で住むケースの注意点

空室が続くなど、万が一経営が上手くいかなった場合に備えて、投資用として購入した物件に将来的に自分で住むことを考えている人もいるでしょう。

ローンを利用していない場合や、居住用とするタイミングがローン完済後である場合、自己資金が十分にある場合などであれば、大きな問題はないでしょう。
しかし、経営が上手くいかずに自己資金も不十分な状態では、注意が必要です。主に以下のような5つの問題点に注意しなければなりません。

不動産投資ローンの使途変更が契約違反になる可能性も

ローン返済中の投資用物件に自分で住む場合、物件の使用目的が変わります。

本来は事業用として物件を購入しているため、家賃収入からローン返済することを前提として金融機関は審査・融資しているわけです。居住用となると家賃収入が途絶えることになり、金融機関によっては資金の使途変更が契約違反になる可能性もあります。

居住目的として使用したい旨を事前に金融機関へ相談し、まず金融機関の許可を取るようにしましょう。

不動産投資ローンから住宅ローンへの借り換えが簡単ではない

金融機関から、不動産投資用物件を居住用に変更する許可が下りたとしても、不動産投資ローンを住宅ローンに変更することにもハードルがあります。

投資用物件を購入する場合、不動産投資ローンを利用することになります。物件の使用目的が居住用となれば、金利の低い住宅ローンに借り換えたい、と思う方が多いでしょう。しかし、それは簡単にはいかないようです。

ローンの借り換えができないと、不動産投資ローンは住宅ローンよりも金利が高く設定されているため、自己の居住用であるにもかかわらず高い金利でローン返済を続けなければなりません。
家賃収入もなくなるため、不動産投資ローンの金利の高さが負担となり、返済が滞る可能性があります。

不動産投資ローンと住宅ローンの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
投資用不動産ローンのメリットは?~住宅ローンとの違いや金利の目安~
住宅ローンを使って不動産投資をしていると、こんな時にバレる!

入居者がいる場合は退去させることが難しい

所有している投資用物件にすでに入居者がいる場合、オーナーの都合で退去してもらうことは難しいでしょう。

賃貸借契約に関する法律である借地借家法は、立場の弱い入居者を保護するために作られた法律です。そのため、オーナーが入居したいからといって「来月出て行ってください」ということはできません。
オーナーからの更新拒絶や契約解除は「正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない」と定められています。正当な事由とは、老朽化による建て替えや、入居者の家賃滞納など契約に違反した場合などです。

現入居者の退去を待つか、オーナーが引越し費用・退去費用を負担するなどして入居者へ交渉する必要があるでしょう。

節税効果がなくなる

不動産投資目的で物件を所有している場合、建物の価値が減少した分を減価償却費として経費計上し、節税することが可能です。

減価償却費は、実際の支出ではないものの経費計上できるため、実際は黒字でも帳簿上赤字経営となることが多くあります。その際、給与所得など他の所得がある人の場合、損益通算することで課税対象となる所得額を減らし、払いすぎた税金の還付を受けることが可能です。

しかし、不動産投資用として使用していた物件に自分で住む場合、事業用ではなくなるため、減価償却費を経費計上できなくなります。節税効果がなくなり、税金の負担が増える可能性があることを理解しておきましょう。

また自分の居住用物件となった場合でも、住宅ローンを利用しているわけではないため、住宅ローン控除は適用されません。

減価償却の仕組みや不動産投資の節税効果について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
【不動産投資】知らなきゃ損!減価償却の仕組みや計算法を紹介します
不動産投資における節税対策のポイントは?
不動産投資は税金対策として有効!経費の仕組みと節税シミュレーション

維持費がかかり続ける

たとえ不動産投資ローンを完済した後に居住用とする場合でも、固定資産税、管理費、修繕積立金などの維持費はずっとかかり続けます。家賃収入がなくても支払いに問題がないか、資金計画をしっかり立てておくことが大切です。

居住用として購入し、将来的に賃貸するケースの注意点

居住用として購入した物件を、老後の生活費に備えて、もしくは転勤などの事情によって将来的に賃貸する可能性がある方もいるでしょう。

自己の居住目的で物件を購入する場合は、住宅ローンが利用できます。ただし、以下のようなポイントに注意しなければなりません。

金融機関の許可が必要

賃貸に出すタイミングが住宅ローン返済中の場合、要注意です。
住宅ローン返済中に賃貸することは、ローンの使用目的が事業用に変わってしまうため、契約違反になります。必ず金融機関へ事前に相談しましょう。
転勤、親の介護などやむを得ない事情がある場合は、住宅ローンのまま賃貸できるケースもあるので、相談してみる価値はあるでしょう。

オーナーチェンジ物件は住宅ローン利用不可

すでに入居者がいる物件で、賃貸借契約をそのまま引き継ぐ形で売買されるものを「オーナーチェンジ物件」といいます。このオーナーチェンジ物件を購入する場合、住宅ローンを利用することはできません。
購入後に現入居者が退去することが分かっていて、退去後に自分で住むことを想定している場合でも同様です。理由は、オーナーチェンジ物件は現入居者から賃料を徴収できるなど、投資用としての性質を持っているからです。

先述の通り、投資用ローンを借り入れて購入した物件を居住用とする場合であっても、住宅ローンへの借り換えは容易ではありません。実際は居住用として使用しているのに、高い金利でローンを返済することになるため、損をしてしまう可能性があります。

床面積によって住宅ローン・住宅ローン控除利用不可のケースも

マンションなどの集合住宅の場合、住宅ローンの借り入れ対象を「床面積30m2以上」や「床面積40m2以上」とする金融機関があります。
ワンルームマンションを購入予定の場合、床面積に注意が必要です。

また、住宅ローン控除が適用されるのは「床面積40m2以上」の物件です。こちらも注意しましょう。

賃貸ニーズを調査する

住宅ローン完済後、老後の生活費のために賃貸することを検討している人もいるでしょう。将来的に賃貸を検討している場合、賃貸ニーズがある物件かどうか、事前に調査しておくことが大切です。

自分が住むための物件と、賃貸するための物件では、見るべきポイントや視点が異なります。いずれ賃貸に出す予定があるのであれば、両方の視点で物件を選ぶ必要があるでしょう。

以下のページでは、全国の空室率や地域の人口増減などを確認することができます。ぜひ、活用してください。
【ホームズ】見える!賃貸経営

まとめ

不動産投資用物件に自分で住む場合、ローンの借り換えや費用面に注意が必要です。購入時の目的と将来の計画によって気をつけるべき点が異なるので、あなたの状況に合わせて対策してみてくださいね。
ただし「経営が上手くいかないから自分で住む」という考えは、メリットよりも問題点が目立ちます。「投資用物件に自分で住む」ことは最後の手段として取っておき、空室対策を優先させることが大切でしょう。

投資用物件と居住用物件の違いについて、ぜひ以下の記事も参考にしてください。
マンション購入、投資用と居住用の違いって?

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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