LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

オーバーローンは違法? なぜバレる?|バレる原因と不正発覚後のリスク

物件価格以上の融資を受ける「オーバーローン」は違法だ、と思われている方、多いのではないでしょうか?実はオーバーローンには、違法ではないケースと、違法になるケースがあります。
悪質な不動産会社の場合「みんなやっている」と違法性のあるオーバーローンを勧めてくるケースもあるため、投資家自身がしっかりとオーバーローンについて理解しておかなければなりません。

金融機関による不正融資が相次いで発覚して以降、金融機関による融資の審査は厳しくなっているため、不正がバレる可能性は高くなっています。知らず知らずのうちに犯罪に関わってしまうことのないよう、オーバーローンが違法になるケースや、金融機関に不正がバレる原因、不正発覚後のリスクについて理解しておきましょう。

オーバーローンとは?

オーバーローンとは、物件価格以上の融資を受けることです。例えば2,000万円のマンションを購入する際、購入にかかる諸費用100万円と合わせて2,100万円のローンを組むことがオーバーローンに該当します。

オーバーローンと似ている言葉に「フルローン」があります。フルローンは物件価格と同額を借り入れることで、オーバーローンは物件価格+αを借り入れることです。

フルローンの詳細は以下の記事で解説しているので、興味がある人はご覧ください。
【不動産投資】フルローンは危険?リスク・メリット・デメリットを理解しよう
【ホームズ】不動産投資への銀行融資が厳しい今、フルローンは可能なのか?

また、不動産投資にかかる初期費用については、以下の記事を参考にしてください。
初期費用の相場はいくら?初期費用を抑える5つのポイント

オーバーローンそのものは違法ではない!

勘違いされることが多いですが、オーバーローン自体は違法ではありません。物件価格+諸費用の借り入れであることを正しく申告し、金融機関がそれを許可していれば、オーバーローンは違法ではないのです。

ただし、物件の担保評価を超える額で融資を行うことは、万が一貸し倒れとなった場合、金融機関にとって非常にリスクの高い融資となります。そのため融資審査は非常に厳しく、金融機関がオーバーローンを許可する可能性はかなり低いといえます。
金融機関によっては融資上限額を物件の担保評価の70~80%とする銀行もあり、そもそもフルローンすら難しい状況です。

こうした状況下で「正直に申告していては、オーバーローンを組むことはできない。であれば、金融機関をだましてオーバーローンを組んでしまおう」と考える悪質な不動産会社や投資家が現れたとします。
この「だます」行為が、違法となるわけです。

つまりオーバーローンそのものが違法なのではなく、金融機関をだましてオーバーローンの許可を取り、融資を受けることが違法であると覚えておきましょう。

違法性のあるオーバーローンの手口

オーバーローンで融資を受ける際の主な手口は、不動産会社などの事業者による「書類の偽造」です。

通常、売買契約書は1枚のみ作成され、金融機関へ写しを提出します。
しかし不正に融資を取り付けようとする場合、不動産会社は銀行へ提出するために物件価格を水増しした契約書をもう1枚、別に作成します。水増しされた物件価格で審査が通れば、実際の物件価格以上の借り入れができる仕組みです。

売買契約書だけでなく、顧客の源泉徴収や預金残高を修正して融資額を引き上げようとするケースもあります。

不動産会社が違法性のあるオーバーローンを勧める理由

違法性のあるオーバーローンをオーナーに勧める不動産会社が存在する理由は、1件でも多くの売買契約を成立させるためです。

オーナーの中には、自己資金がない、または希望額の融資を受けられないといった理由で契約締結できない人もいるでしょう。不動産会社からすると、融資が問題で契約締結できなければ、売り上げになりません。

オーバーローンで融資を受ければ、自己資金がなくても契約できる、自己資金を手元に残せるなど、契約者にもメリットがあります。専門家である不動産会社に「みんなやっている」と言われれば、犯罪の自覚がなく協力してしまうケースもあるでしょう。

違法性のあるオーバーローンはなぜバレるの?

違法性のあるオーバーローンの申し込みは、書類が偽造されているため、金融機関が不正だと知らずに融資を通してしまうケースがあります。しかし一方で、近年の一部金融機関における不正融資問題が発覚して以降、融資審査は厳しくなり、不正がバレる可能性が高くなっているといえるでしょう。

違法性のあるオーバーローンがなぜバレるのか、具体的に解説していきます。

売買契約書と担保評価の差額でバレるケース

金融機関は、融資審査時に不動産売買契約書や工事請負契約書の提出を求めます。と同時に、金融機関が独自に物件の資産価値の評価も行います。

物件の資産価値に対してローンの申込金額や契約書の価格が極端に大きい場合、不正なオーバーローンの申し込みが疑われるでしょう。

金融検査でバレるケース

金融庁は、各金融機関へ金融検査を行います。金融検査とは、検査官が銀行などの店舗に立ち入り、業務や資産内容を調査することです。

金融検査は金融機関が業務を適切に行っているか確認するための検査なので、検査によって融資の不正が発覚する可能性があります。

不動産会社の逮捕によってバレるケース

不正にオーバーローンを取り付けるため、書類の偽造などを行っていた不動産会社や担当者が逮捕されてバレるケースもあります。
その他、不正を知った第三者からの密告によってバレるケースなど、バレる原因はさまざまです。

違法性のあるオーバーローンがバレる可能性は決して低くないといえるでしょう。

違法性のあるオーバーローンがバレたらどうなるの?

違法性のあるオーバーローンの場合、不動産会社などの事業者側が独自に不正を行っているケースが多いです。そのため、オーナー自身は不正融資であることを知らない、もしくはその行為が違法だとは知らないといったケースがあるでしょう。

不正を行った不動産会社は、当然罪に問われます。しかし、たとえ全く違法性を知らなかったからといって、投資家自身がこの不正融資に無関係というわけにはいきません。

以下のような重いリスクを背負う可能性があるのです。

ローンの一括返済

金融機関に嘘をついてローンを借り入れた場合、契約違反となります。本来分割して返済できる権利を失い、一括返済を求められることが一般的です。
自己資金で一括返済できなければ物件を売却することになり、売却しても完済できなければ借金もしくは自己破産となる可能性があるでしょう。

物件価格を上回る額でローンを組んでいるため、物件を売却しても完済できない可能性があります。そもそも完済が見込めない場合、抵当権が残ったままとなるため、売却自体ができないことも考えられるでしょう。

注意点は、ローンの一括返済は金融機関との契約に関する問題であり、法律とは別問題ということです。オーナーが不正を知らなかったとしても、金融機関の判断次第では一括返済を求められる可能性があります。

このように不正融資がバレて一括返済となると、オーナー自身にも大きなリスクとなるのです。

金融機関との関係悪化

契約者が不正を知らなかったとしても、書類を偽造して融資を受けた場合、金融機関に不信感を与えることは避けられません。かろうじて一括返済を免れたとしても、将来的に返済スケジュールの相談をしたい場合などに、応じてもらえなくなる可能性があるでしょう。

金融機関から訴えられる場合も

書類を偽造して違法にオーバーローンを取り付けることは「文書偽造罪」や「詐欺罪」に該当します。不動産会社はもちろんのこと、オーナーが収入や契約書の水増しを知っていた場合、同罪として訴えられることになるでしょう。
実際に、不動産会社と物件購入者、どちらも逮捕されたケースがあります。

たとえオーナーが不正を知らなかった場合でも、犯罪に加担してしまったことは事実であり、絶対に罪に問われないという保証はありません。
違法なオーバーローンは非常に危険であることを覚えておきましょう。

まとめ

オーバーローンで融資を受けること自体は、違法ではありません。しかし、金融機関を欺いて融資を受ける場合、文書偽造罪や詐欺罪が成立する可能性があります。
オーナーが不正の事実を全く知らなかったとしても、違法が発覚すれば確実に巻き込まれ、一括返済など大きなリスクを背負うことになるでしょう。

不動産会社に言われるがままではなく、その提案を受けて大丈夫なのかどうか、自分でしっかりと知識を身に付け、判断しなければなりません。契約書におかしなところはないか、物件価格を上回るような融資の返済計画に問題はないかなど、慎重に確認することが重要です。

LIFULL HOME’Sに掲載されているセミナーなどを活用し、知らない間に犯罪に加担してしまうことのないよう、不動産投資の基礎知識を身に付けることをお勧めします。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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