LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

【不動産投資】指値の入れ方と交渉の成功率を上げる3つのコツ

投資用不動産を購入する際、いい物件を少しでも安く購入できれば高利回りでの賃貸経営を実現できます。そのために必要となるのは、指値交渉です。
しかし不動産投資の経験がないと、指値の入れ方やタイミング、目安など分からないことがたくさんありますよね。

今回は、投資用不動産を購入する際の指値の入れ方や目安、交渉のコツを解説します。

不動産投資における指値とは

指値とは、売買において買主側が指定する値段、つまり希望購入価格のことです。一方、売主側が指定する値段を「出値(だしね)」といいます。

不動産投資においては、売主が出した物件売却価格に対し、買主が「○○円でどうでしょう?」と具体的な希望購入価格を提示し、交渉します。これが指値交渉です。
指値交渉は値下げを希望することが多く「値下げ交渉」とほぼ同じ意味を持つといえるでしょう。

最終的に売主・買主の合意の上で決定した金額が「成約価格」となります。

投資用不動産を購入する際の指値の入れ方

指値交渉をする際、交渉するタイミングの見極めや、交渉相手が誰になるのかを把握することが大切です。

指値交渉に成功して物件を安く購入できれば、高利回りでの賃貸経営が実現できます。利回りの考え方や計算方法については、以下の記事をご覧ください。
【不動産投資利回り】知っておかなければ危ない利回りの種類と注意点

指値交渉のタイミング

指値交渉は、買い付け申込書提出のタイミングで行う人が多いでしょう。

買い付け申込書とは、売買契約の前段階として「不動産を購入したい」という明確な意思表示を売主に対して書面化するものです。買い付け申込書を提示することで、買主の希望金額や希望購入時期などの交渉内容がはっきりと書面化されます。

ただし、実際の指値交渉のタイミングはケースバイケースです。不動産仲介会社の協力を得て事前に売主の反応を確かめるなど、仲介会社と相談しながらベストなタイミングで指値交渉しましょう。

指値交渉前に確認しておくべきこと

不動産投資において指値交渉する場合、まずは誰と交渉を行うのか、売主のスタンス・事情はどのような状況かなどを把握しておくことが必要です。これらが分かると、どのように指値交渉を進めるかの戦略を立てることができます。

交渉を行う相手

指値交渉をする前に、取引の構図を確認し、交渉する相手が誰なのかを把握することが大切です。
一般的な不動産取引の構図は、以下3種類になります。

・売主から直接購入する
・元付の不動産仲介会社が、売主と買主の間に入る
・元付と客付けの不動産仲介会社2社が、売主と買主の間に入る

元付とは、売主から直接売却の依頼を受け、媒介契約を交わしている不動産仲介会社のことです。一方、客付けとは公開されている物件に対して購入者を探す、買主側に立つ不動産仲介会社のことをいいます。

投資用不動産を購入する際、不動産仲介会社が間に入ることが多いため、交渉相手は仲介会社の担当者であるケースが一般的です。さらに、売主と直接交渉できる元付の仲介会社に依頼するケースと、間に2社の仲介会社が入るケースでは、状況が異なります。

誰に交渉するのかによって、適切な指値交渉の戦略を立てることがポイントです。

売主の事情

指値交渉にあたって、売主の売却理由、ローンの残債、売却希望時期などの調査をすることは非常に重要です。

相続した物件を早く現金化したい場合や、まとまった現金を必要としていて売り急いでいる場合は、指値交渉が通りやすい傾向があります。一方、満室経営中で売れても売れなくてもどちらでもいいといったような状況では、指値交渉に応じてもらえないこともあるでしょう。
売主のローン残債が多い場合も、指値交渉のハードルは高いかもしれません。

このように、売主の売却スタンスによっても指値交渉の戦略は変わってきます。

投資用不動産の指値の目安とは?

指値交渉を成立させるためには、適切な指値の目安を把握しておくことが大切です。

指値の目安

不動産の売り出し価格と成約価格の差額を比率で表したものを「価格乖離(かいり)率」といいます。例えば売り出し価格が2,000万円、成約価格が1,800万円の場合、価格乖離率は-10%です。

指値交渉が成立する減額幅の目安は、一般的に10%程度と言われています。株式会社東京カンテイが2020年7月に公表したプレスリリース「中古マンションの価格乖離率&売却時期(首都圏・近畿圏)」によると、中古マンション(首都圏)の価格乖離率は2013年下半期以降-6%台でほぼ横ばいです。

これらの数値を指値交渉の参考にするとよいでしょう。

指値の目安は景気や物件によって異なる

指値交渉の減額幅は、時代背景や物件によって異なります。景気が良くなると価格乖離率は縮小し、景気が悪くなると価格乖離率は拡大するのが一般的です。

先述した東京カンテイの調査によると、2008年下半期の中古マンション(首都圏)の価格乖離率は-10.6%でした。この時期の価格乖離率は他の年に比べて格段に大きくなっており、これはリーマンショックによる不動産価格の急落が原因の一つと考えられています。

また、価格乖離率は売却期間が長引くほど拡大する傾向にあります。
つまり、いい物件や好景気な時期は指値交渉が難しく、売れ残っている物件や不景気な時期は比較的指値交渉しやすいということです。

投資用不動産の指値交渉を成功させる3つのコツ

指値交渉を成功させるためには、売主に納得してもらうことや、指値交渉しやすい環境を作ることがポイントです。指値交渉を成功させる3つのコツを解説していきましょう。

指値の根拠を具体的に伝える

根拠がない指値は、売主に納得してもらえない可能性が高くなります。なぜその指値なのかを具体的に伝えましょう。

交渉材料の具体例は、以下の通りです。
・2階に雨漏りする箇所があるため、修繕費として割り引いて欲しい
・近隣の物件価格と売値に大きな開きがあるため、相場に合わせて欲しい
・融資審査の結果、売値が融資金額の上限を大きく上回っている

物件のマイナス面、近隣の価格相場、金融機関からの評価など、客観的かつ具体的な根拠を示すことが大切です。
リフォーム費や修繕費を理由に指値交渉する場合は、リフォーム会社などの具体的な見積額を提示するとより説得力があるでしょう。

元付の仲介会社に申し込む

指値交渉をする際、元付の仲介会社に申し込むことがポイントです。先述の通り、元付けの仲介会社とは、売主から直接物件を預かっている不動産会社になります。
元付でないと、売主の売却理由や詳しい事情が分からないケースがあるため、申し込む際に確認しておきましょう。

不動産会社が掲載している広告の取引様態に「専任媒介」「専属専任媒介」「一般媒介」と記載があれば、元付の仲介会社です。「仲介」「媒介」とだけ記載がある場合は、元付ではなく客付けの仲介会社と判断できます。

指値交渉しやすい物件を狙う

当然ですが、指値交渉しやすい物件を狙うことも交渉を成功させるコツです。

例えば、売り出してから1年以上経っているなど長期にわたって売却されていない物件、つまり売れ残っている物件は狙い目でしょう。その他、相続や任意売却など売主に売り急ぐ事情がある物件、売却にスピードが求められる物件は、値下げ交渉しやすい物件といえます。

ただし任意売却物件の場合、売買価格の確定には金融機関など債権者の許可が必要です。購入まで時間がかかったり、売主が売却したくてもできなかったりする可能性がありますので、注意しましょう。

投資用不動産の指値交渉をする際の注意点2つ

最後に、不動産投資において指値交渉する場合に注意したい2つのポイントを解説しましょう。

売主側の事情を考慮する

一つ目は、売主の状況調査を怠らないことです。

売る側には売る側の事情があります。
例えば、売主が非常に愛着をもっている物件を売却しようとしている場合や、現在満室経営できていて、売主にとって売れても売れなくてもいい物件があるとします。これらの事情や売主の気持ちを把握せずに、根拠のない非常識な指値を提示する購入希望者が現れたら、売主が気分を害す可能性があることは想像できるでしょう。
売主を怒らせてしまい、そもそも交渉の土台に乗せてもらえない可能性もあります。

事前にしっかりと調査して、なぜその指値なのか、客観的な根拠を伝えた上で交渉することが重要です。
中には、なぜその物件を購入したいと思っているのかを直筆で手紙に記し、買い付け申込書と一緒に売主に提出する投資家もいます。適切な礼儀やマナーをもって交渉を行うことが大切です。

修繕費の見積りはできるだけ正確に

修繕費やリフォーム代がかかることを理由に指値交渉するケースも多いですが、その場合実際にかかる費用が値下げ分を上回ってしまわないか、よく確認しましょう。

投資家自身が修繕費を正確に見積ることは、かなりの経験値がないと難しいです。不安な場合は、リフォーム会社などに立ち会ってもらうことをお勧めします。
指値交渉にあたっても、専門会社による正確な見積りがあった方が、売主への訴求ポイントとなるでしょう。

まとめ

投資用不動産の指値交渉を成功させるためには、適切なタイミングで根拠のある指値を提示することが大切です。売主に納得してもらえるように、事前に物件や売主の調査をしっかりした上で指値交渉をしましょう。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
LIFULL HOME'S 不動産投資には不動産投資の知識・アイディア・ヒントが盛りだくさん。

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

不動産投資NEWS

シリーズ連載: 不動産投資ニュース

最新コラム: ONE DROP INVESTMENT株式会社との買取保証提携について

田中法人

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 実家空き家の有効活用

上井邦裕

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 目に見えない不動産投資の落とし穴①~物件選びには、地震と建物の関係を意識しよう~

平賀 功一

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 借家人から更新料の支払い拒否や返還請求を受けたら、どうする?【後編】

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: マイホームを「不動産投資」の対象として考える ~リバースモーゲージによる「住宅資産活用」という発想~

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中 圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.89 増加するASEAN中間層の動き 〜その3 ASEAN不動産比較〜

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 新型コロナウイルス感染拡大から考える 大家がすべき対応 No.6 住生活総合調査からわかる 現状と未来の不動産投資2

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: Withコロナの新・不動産事情

最新コラム: コロナ影響下のアメリカで激安お値打ち物件がなかなか出ない理由!

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 長期運用を見据えた、オリジナルのポートフォリオ作り

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: 「リフォームにいくらかけるか?」

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 36.大家さんと幸せな人生について

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。