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NISA(ニーサ)とつみたてNISA(ニーサ)の違いを分かりやすく解説

NISA(ニーサ)は投資で発生した一定範囲内の収益に税金がかからない制度です。非常に魅力的な制度ですが、NISAには一般NISAとつみたてNISAの2種類があり、どちらが良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、NISAとつみたてNISAの違いについて分かりやすく解説します。さらに、2024年からスタートする新NISAの仕組みについても紹介しましょう。

NISAとは

NISAとは少額投資非課税制度のことです。NISA専用口座内で購入した株式や投資信託から得た配当金や譲渡益は非課税、つまり税金がかかりません。
2014年から始まった一般NISA、2018年からスタートしたつみたてNISA、0歳~19歳を対象としたジュニアNISAの3種類があります。

ただし、ジュニアNISAは2023年12月末をもって新規の口座開設ができなくなり、以後代替となる制度がありません。そのため今回は、一般NISAとつみたてNISA、2つの制度に絞って解説します。

一般NISAとつみたてNISAの違い

一般NISAとつみたてNISAの違いについて、以下の通り表にまとめました。ちなみに、一般NISA、つみたてNISAいずれの制度も、日本国内に住む20歳以上の方であれば利用可能です。(2023年以降は18歳以上)

一般NISAつみたてNISA
2021年3月末時点での口座数1,224万5,057口座361万5,075口座
非課税投資枠年間120万円年間40万円
非課税期間5年間20年間
非課税対象以下の商品の譲渡益、配当金、分配金
・上場株式
・公募株式投資信託
など
長期の積立・分散投資に適した、一定の公募株式投資信託やETF(上場投資信託)の譲渡益、分配金

各項目について、詳しく解説していきましょう。

2021年3月時点での口座数

金融庁が公表している「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」(2021年3月末時点) によると、一般NISAはつみたてNISAの3倍以上の口座数があります。
ただし、2020年12月末時点と比べると、一般NISAの増加率0.3%に対し、つみたてNISAの増加率は19.6%。つみたてNISAにおいては、特に20代と30代の口座数が2020年12月末時点から20%以上増加しており、若い人の関心が高まっている傾向が読み取れます。

非課税投資枠

NISAは投資によって発生した譲渡益、配当金に税金がかかりません。この時、年間いくらまでの投資額ならその利益に対する非課税が適用できるか、という限度額のことを「非課税投資枠」といいます。

年間の非課税投資枠は、一般NISAが120万円、つみたてNISAは40万円。つまり、それぞれのNISAにおいて年間投資額がこの金額内であれば、譲渡益・配当金が発生しても税金はかからないということです。

非課税期間

非課税投資枠内で得た利益に対して非課税が認められる期間には上限があります。一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間です。この期間のことを「非課税期間」といいます。

一般NISAは毎年120万円の非課税枠が5年間利用できるため、最大で600万円。つみたてNISAは毎年40万円の非課税枠が20年間利用できるため、最大で800万円の非課税投資枠があるということです。

非課税対象

一般NISAとつみたてNISAでは非課税対象となる金融商品が異なります。
【一般NISAの対象金融商品】

一般NISAの対象商品・株式投資信託
・国内外の株式
・国内外ETF(上場投資信託)
・ETN(上場投資証券)
・国内外のREIT(不動産投資信託)
・新株予約権付社債(ワラント債)
一般NISAの対象外商品・非上場株式
・預貯金
・債券
・公社債投資信託
・FX
・金、プラチナなど

【つみたてNISAの対象金融商品】

長期の積立、分散投資に適した一定の投資信託 (2021年6月時点、199本が該当)
(例)公募株式投資信託の場合の、満たすべき要件例
・販売手数料がかからない
・信託報酬が一定水準以下
・信託契約期間が無期限または20年以上
・分配頻度が毎月でないこと

一般NISAのメリット

一般NISAとつみたてNISAは非課税期間や非課税投資枠、対象商品などが異なるため、投資ニーズに合わせて使い分けていくことが必要です。
まずは、一般NISAのメリットについて解説しましょう。

選択できる金融商品の範囲が広い

一般NISAは選択できる商品の範囲が広いことが特徴です。ハイリスク・ハイリターンの商品を選択したり、自分で株式の個別銘柄を選んだりすることもできます。
個別株を購入し、配当金や売買益を投資の目的としたい方は一般NISAを選択しなければなりません。

ただし上場株式の配当金を非課税にするためには、配当金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。受け取り方法が異なっていると、受け取った配当金に税金がかかってしまうので注意が必要です。

非課税枠が大きい

一般NISAの非課税枠は120万円です。毎年120万円程度の比較的大きな金額を投資できる方にとっては、一般NISAの方が有効です。

一般NISAのデメリット

では、一般NISAにはどのようなデメリットがあるのでしょうか?

非課税期間が短い

一般NISAの非課税期間は5年です。非課税期間が終了するまでの間に、金融商品を売却する、一般の課税口座へ移行するなど、保有する金融商品をどのようにするか決めなければなりません。

ただし、一般NISAには非課税期間終了後、翌年の非課税投資枠に保有する金融商品を移行する「ロールオーバー」という制度があります。5年の非課税期間終了後に、さらに5年非課税期間を延長できるということです。
ロールオーバーできる商品の金額に上限はありませんが、商品の時価が非課税投資枠の120万円を超えている場合、延長した年に新規の購入はできません。

つみたてNISAのメリット

次に、つみたてNISAのメリットを見ていきましょう。

非課税期間が長い

つみたてNISAの非課税期間は20年です。長期投資でリスクを抑える効果を得ると同時に、運用益非課税の恩恵を長期間にわたって受けることができます。

取り扱い可能な商品は比較的リスクが少ない

つみたてNISAで購入できる商品ラインナップは、2021年6月時点で199本です。ここで選定された商品は、金融庁が定めた規定をクリアしたものであり、比較的安全性の高い商品といえるでしょう。
元本割れのリスクが無いわけではありませんが、比較的投資初心者が取り組みやすい商品群となっています。

運用できるトータル金額は一般NISAよりも大きい

つみたてNISAの年間非課税投資枠は40万円。一般NISAの120万円よりも低い額ですが、非課税期間が20年と長いため、トータルで考えるとつみたてNISAの方が運用できる金額は大きくなります。

つみたてNISAのトータル運用額は40万円×20年で800万円。一方、一般NISAのトータル運用額は120万円×5年で600万円です。
長期的に見れば、つみたてNISAの方が投資額は大きくなります。

つみたてNISAのデメリット

メリットの多いつみたてNISAですが、注意したいデメリットもあります。

投資対象商品が限られる

つみたてNISAは対応している商品が少ないため、投資商品の選択肢が限られるというデメリットがあります。安全な投資信託の他に、個別株の売買益や配当金狙いの投資にも興味がある方にとっては、一般NISAの方が向いているでしょう。

NISA制度全般の注意点

一般NISA、つみたてNISAに共通する注意点について解説していきましょう。

損益通算・繰り越し控除が使えない

通常の証券口座では、損失が発生した商品と収益が出ている商品があれば、損失と収益を相殺できます。
例えば、A株式の売却で50万円の損失が発生したものの、B株式の売買で100万円の収益が出ていた場合、Bの収益100万円-Aの損失50万円=50万円分が実質利益です。この50万円に税金がかかることになります。これを「損益通算」といいます。

しかし、A株式の損失がNISA口座であり、B株式の収益が一般の課税口座だった場合、損益通算することができません。B株式の収益100万円に対して課税されてしまいます。

また損失を相殺しきれない場合、通常は最長3年間損失を繰り越して利益と相殺できる「繰越控除」という仕組みを利用することが可能です。しかし、一般NISAやつみたてNISAで損失が発生しても、この繰越控除は利用できません。

非課税投資枠の持ち越しはできない

一般NISA、つみたてNISAどちらにおいても、使い切れなかった非課税投資枠を翌年に持ち越すことはできません。
例えば、一般NISAの非課税投資枠年間120万円のうち60万円分を使ったとします。この場合、非課税投資枠には60万円の残額がありますが、これを持ち越して翌年180万円の非課税投資枠とすることはできません。
前年に非課税投資枠の残額があったとしても、年間で利用できる非課税投資枠は120万円になります。

NISAとつみたてNISAは併用できない

NISAとつみたてNISAは同一年内に併用することはできません。ただし、年に1回のみ変更が可能なので、年ごとにNISAとつみたてNISAを使い分けることはできます。
ただし、その年に1度でも商品の買い付けをしていると翌年まで変更できませんので、注意しましょう。

ちなみに、一般NISAとつみたてNISAのどちらかと、iDeCo(イデコ)の併用は可能です。それぞれの仕組みを理解して、より効率的な資産形成に役立てていきましょう。

iDeCoについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
iDeCo(イデコ)とは?メリット・デメリットやおすすめの運用方法
iDeCo(イデコ)の基礎知識。何がメリット?誰にメリット?iDeCo(個人型確定拠出年金) Vol.1
個人型確定拠出年金 iDeCo(イデコ)の手数料等と運用開始までのステップ iDeCoVol.2

2024年からスタートする新NISA

一般NISAは2023年まで新規でNISA口座を開設することが可能ですが、2024年からは新NISAとして内容が変更されます。

新NISAは2階建てになる

新NISAは2階建てで構成されます。

【1階建て部分】
従来のつみたてNISAと同等の安定した商品で運用する部分で、非課税投資枠は年間20万円。非課税期間は5年間。

【2階建て部分】
従来の一般NISAと同等の商品(一部対象から外れる商品もあり)で運用する部分で、非課税投資枠は年間102万円。非課税期間は5年間。

合計で年間の非課税投資枠は122万円です。2階部分を利用するためには、原則として1階建て部分のつみたて投資枠を利用していることが要件となります。ただし、1階部分の非課税投資枠20万円を全て使わなければ、2階建て部分を利用できないということではありません。
NISA口座を開設していた人や投資経験者は、届け出をすることで2階建て部分のみを利用することが可能です。

まとめ

NISAは投資によって得た収益に税金がかからないため、効率的に資産を増やすのに有効な方法です。しかし、それぞれ非課税期間や非課税投資枠、対象商品に違いがあるので、違いを理解して使い分ける必要があります。
iDeCo(イデコ)などその他の制度も利用しながら、上手に資産形成をしていきましょう。

LIFULL HOME’Sでは、他にもNISAや、NISAとよく比較されるiDeCo(イデコ)についての記事を掲載しています。ぜひ、参考にしてください。
サラリーマンにおすすめの節税方法・税金対策10選
資金1,000万円ある場合のリスク・リターン別運用方法まとめ
iDeCo(イデコ)とは?メリット・デメリットやおすすめの運用方法

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
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