LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

固定資産税が払えない場合の対処法~猶予・分納・減免制度~

不動産投資と切っても切り離せない固定資産税。収益に関わらず毎年支払わなければならない税金のため、コロナ禍で収益に影響を受けている方や退職した方など、固定資産税の支払いに不安を感じる方もいるのではないでしょうか。

固定資産税が払えない場合、そのままにしておくと延滞税が発生し、最悪の場合不動産が競売にかけられてしまう可能性があります。しかし固定資産税の支払いには、猶予や分納、減免といった固定資産税が払えないときに利用できる対処法があるのです。

固定資産税が払えない心配がある場合は、なるべく早い段階で対処できるよう、これらの制度を理解しておきましょう。

固定資産税とは

固定資産税とは、建物や土地などの固定資産にかかる地方税です。毎年1月1日時点で不動産などの固定資産を所有している人に対して課税されます。
おおよそ4月~6月頃に納税通知書が郵送され、年4回に分けて支払うのが一般的です。

固定資産税について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
固定資産税について知っておくべきこと
【高すぎる?】固定資産税の決定方法と安く抑えるために知っておきたいこと

固定資産税の計算方法

固定資産税は「固定資産税評価額×1.4%」で計算されます。

課税の基準となる固定資産税評価額は、各自治体が調査を行ったうえで決定するものであり、土地・建物それぞれで計算方法が異なります。不動産の売買価格ではありませんので注意しましょう。
この評価額は、土地・建物に特段の変化がない限り3年間据え置かれ、3年に1度見直しされます。

あらかじめ税額が計算されて納税者に通知する賦課課税方式が採用されているので、自分で固定資産税額を計算する必要はありません。

固定資産税評価額の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ併せて読んでみましょう。
固定資産税路線価・相続税路線価とは?|路線価の見方・計算方法
固定資産税はいくらかかる?~お得なクレジットカード払い・スマホ決済時の注意点~

固定資産税が払えない時の対処法

万が一固定資産税が払えなくなった場合の対処法について解説します。なるべく早い段階で自治体などに相談をすることがポイントです。

自治体に猶予の相談をする

災害や病気、事業の休廃業など、やむを得ない事情で固定資産税が払えないときは、各自治体に相談してみましょう。認められれば、原則1年以内で納税の猶予が認められるケースがあります。

分納の相談

上述した納税の猶予には、最長1年間納税が据え置かれる場合と、猶予期間中に分割納付する場合の2種類があります。これは、納税者の状況や資力に応じて自治体が判断するものです。

もし納税の据え置きが認められなかった場合でも、分納が認められるケースがありますので、相談してみましょう。

本来固定資産税は一括払いか4回払いが一般的です。しかし、上述した納税の猶予が認められた場合、支払いを各月に分割できる可能性があります。猶予期間中の延滞税は軽減もしくは免除されるため、支払いの負担を軽減することができるでしょう。

固定資産税の減免制度を活用

災害などで自己が所有する土地・建物などの固定資産が甚大な被害を受けた場合、被災の程度に応じて固定資産税が減免されます。

また生活保護を受けている場合にも、固定資産税が減免される制度がありますので、各自治体で設けられている減免制度をよく確認しましょう。

固定資産税の減免制度についてより詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
固定資産税減免とは?減免となる代表的な6つの事例

徴収猶予の特例制度を活用

大規模災害や大きな経済変動などが起きた場合、上述した猶予・減免制度に加えて、特例制度が出されるケースがあります。
新型コロナの影響による徴収猶予の特例が、それに当てはまります。

例として東京都においては、新型コロナの影響により、
・事業が休廃止した
・納税者やその家族の入院により多額の費用がかかった
・月々の収入が前年もしくは前々年同月比でおおむね20%以上減少している
などの要件に当てはまる場合、最長1年間の分割納付、または猶予期限後の一括納付が認められます。延滞金はかかりません。

中小企業の場合や、自治体によって要件や減免の割合が異なりますので、それぞれの条件における特例を別途確認してください。

任意売却

継続的に固定資産税の支払いが厳しいと見込まれる場合は、物件を差し押さえられる前に売却することを検討しましょう。

競売になると、売却価格が相場の7~8割程度になってしまうことが多いです。競売になる前に任意売却した方が、競売よりも残債を減らせる可能性が高いでしょう。

任意売却の場合、新しい買主からその家を借りて家賃を支払い、引き続き住み続けることができるリースバックを利用することができます。リースバックが利用できれば、引っ越し費用もかかりませんし、固定資産税の支払いも必要ありません。

ただし、任意売却は金融機関からの了承が必要なうえ、残債が大きく残ってしまう場合は任意売却が認められないケースもあります。まずは融資を受けている金融機関や弁護士に相談するとよいでしょう。

任意売却については、以下の記事に詳しく解説されています。
任売(任意売却)物件への投資は難しい? 競売との違い・デメリット・探し方

固定資産税が払えないとどうなる?

もし固定資産税を支払わずにいると、どのような不利益が生じるのでしょうか?

延滞税が発生する

固定資産税の納税通知書に書かれた納期限までに払えない場合、納付期限の翌日から納付日までの期間に応じた延滞税が発生します。
【延滞税の税率(令和3年1月1日以降)】

納期限から1ヶ月以内年7.3%か「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合
→【令和3年分は2.5%】
納期限から1ヶ月経過年14.6%か「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合
→【令和3年度分は8.8%】

延滞税は通常の納税額に上乗せして支払うことになるので、負担が大きくなります。上述した納税の猶予が認められれば、延滞税は軽減、もしくは免除です。大きな延滞税が発生することのないよう、固定資産税の支払いが難しいと感じたら、速やかに自治体へ相談しましょう。

資産を差し押さえられる

固定資産税を滞納した場合、まずは各自治体から納税義務者に督促状が送られます。この督促状には延滞金や納期限などの情報が明記されており、納付期日から20日以内に送付する決まりになっています。

督促状が届いても、速やかに延滞税を含めた指定の金額を支払っていれば問題ありません。しかし、何の相談もなく督促状を発送した日から10日以内に完納していない場合は、財産を差し押さえなければならないと法律で定められています。

財産調査が行われ、預貯金や給与といった比較的差し押さえのしやすいものから差し押さえが始まるのが一般的です。それでも回収できないときは、さらに車や家財、不動産のような財産が差し押さえられます。

競売にかけられる

車や家財、不動産など、差し押さえられた財産は競売にかけられます。自宅の場合、買受人が決定し物件の購入が完了すると、引き渡し命令が下り強制退去となります。引き続き住むことはできません。

ただし、差し押さえられた財産の公売・競売を猶予してもらう「換価の猶予」という制度があります。
これは、納税することによって事業や生活に困難が生じる可能性がある、納税しようとする誠実な意思があるなどの一定要件を満たす場合、最長1年間公売・競売を猶予してもらえる制度です。税金の分納が認められ、猶予期間中の延滞金が一部免除されます。

各自治体が定める申請期間までに、換価の猶予を適用してほしい旨をしっかりと伝えましょう。

固定資産税でトラブルが起きないために

固定資産税は、不動産を所有している限り毎年必ず発生します。延滞税を徴収されてしまっては、せっかくの家賃収入の手取りが減少してしまうでしょう。
不動産を購入する前の資金計画に、不動産取得税や固定資産税といった税金部分もしっかり組み込んでおくことが大切です。

また、万が一固定資産税の支払いに不安を感じる場合は、早めに行政に相談するようにしましょう。早めに行動すればするほど、分納・猶予・減免などの対処法が取りやすくなります。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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