個人・法人問わず、誰でも不特定多数の人から資金を募ることができるクラウドファンディングは、多くの人の「夢」を実現できる可能性を秘めています。
また、支援者としても誰でも参加できるため、近年、投資家から注目を集めている投資方法の1つです。
「支援者としてクラウドファンディングに参加したい」
「起案者として資金を集めたい」
今回は、このような方がすぐにクラウドファンディングを始められるように、クラウドファンディングのやり方について解説します。
クラウドファンディングの基本的な情報やメリット・デメリットについては以下の記事で解説しているので、興味がある人はご覧ください。
【ホームズ】クラウドファンディングとは? 資金調達方法とメリット、デメリットを解説
【全7種類】クラウドファンディングの特徴
クラウドファンディングのやり方について解説する前に、クラウドファンディングの種類についておさらいしておきましょう。
クラウドファンディングは、以下のとおり7つの型に分類されます。
種類 | 特徴 |
---|---|
購入型 | プロジェクトの支援を目的として資金を募り、支援のリターンとして投資家へ物やサービスが提供される。 |
融資型 (ソーシャルレンディング) | 企業が個人投資家から融資を募り、支援のリターンとして分配金が支払われる。 |
ファンド型 | プロジェクトのために資金を募り、プロジェクトで得た利益に応じて投資家へ分配金が支払われる。 |
株式投資型 | 事業資金のために未公開株の出資者を募り、支援のリターンとして投資家へ配当金が支払われる。 |
不動産投資型 | 不動産を運用するために、個人投資家から小口での出資を募り、運用で得た利益が投資家に分配される。 |
寄付型 | 被災地支援やボランティアを目的に寄付金を募るため、原則、リターンなし。 |
ガバメント型 | ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディング。 |
クラウドファンディングには、投資型(融資型、不動産投資型、ファンド型、株式投資型)と非投資型(寄付型、購入型、ガバメント型)があります。
それぞれの詳細は以下の記事で解説しているので、気になる型をチェックしてみてください。
クラウドファンディング商品とは? 7つの種類を徹底解説
また、LIFULL HOME’Sでは不動産クラウドファンディングのサービスを行っています。不動産投資型のクラウドファンディングを利用すると、少額からでも不動産投資に参加できるので、興味がある人はぜひご覧ください。
LIFULL不動産クラウドファンディング | 小口投資の比較サイト
【支援者向け】クラウドファンディングのやり方
支援者としてクラウドファンディングに参加する場合の流れは、以下のとおりです。
STEP1:支援するプロジェクトを選択する
STEP2:目標金額達成・決済
STEP3:プロジェクトの報告を受ける
STEP4:リターンを受け取る
それでは、順番に解説していきましょう。
STEP1:支援するプロジェクトを選択する
クラウドファンディングのプラットフォームを利用し、自分が支援したいと思うプロジェクトを検索します。前章で紹介したとおり、クラウドファンディングには7つの種類があり、それぞれ目的やリターンを得る方法が異なります。
プロジェクトのリサーチ段階では、プロジェクトの種類や内容をじっくりと確認しましょう。
プロジェクトへ参加する際、起案者にメッセージを送れる場合もあるので、そのような機能を利用して起案者を応援してみてくださいね。
STEP2:目標金額達成・決済
クラウドファンディングのプロジェクトには、目標金額や資金を募る期間が設けられているケースが一般的です。期間内に目標を達成できると、支援者がリターンを得られる仕組みです。
クラウドファンディングの資金の募り方は以下のように2種類あるので、参加予定の案件がどちらのタイプか確認しておくことをおすすめします。
All or Nothing方式 | 出資金が目標金額に達成した場合のみ決済される |
All in方式 | 出資金が目標金額に達成しなくても決済される |
All or Nothing方式では、目標金額に届かずプロジェクトが実行されなかった場合、出資金は返還されます。一方、All in方式では、プロジェクトが目標金額に達成しなくても出資したお金が決済される仕組みです。
また、決済の支払い方法はプラットフォームによって異なりますが、銀行振込、クレジットカード決済、コンビニ払いなどがあります。
STEP3:プロジェクトの報告を受ける
プロジェクトの起案者は、SNSやオウンドメディアなどを利用してプロジェクトの進捗状況を発信します。起案者の報告を通して、自分が参加したクラウドファンディングの状況を確認してみましょう。
起案者が発信した内容を自分のSNSで拡散してあげると、起案者の応援に繋がるかもしれません。
STEP4:リターンを受け取る
プロジェクトの募集期間終了後、起案者が出資金を受け取り、リターンの準備をします。
プロジェクトによって、リターンを得られるまでに時間がかかる場合もあるので、引き続き起案者からの活動報告を確認しつつ、次のプロジェクトをリサーチしてみましょう。
【起案者向け】クラウドファンディングのやり方
クラウドファンディングの起案者として資金を募る際のやり方は、以下のとおりです。
STEP1:プロジェクトの目標を設定する
STEP2:プロジェクトを申請する
STEP3:プロジェクトの審査を受ける
STEP4:プロジェクトをアピールする
STEP5:目標金額を達成・リターンを送付する
それでは、順番に解説しましょう。
STEP1:プロジェクトの目標を設定する
クラウドファンディングで資金を募るためには、多くの人にあなたのプロジェクトに共感してもらえるかどうかが重要です。
目標金額、プロジェクトの内容、プロジェクトの見通しなどを具体的に設定しましょう。
共感してもらえるプロジェクトを検討する際のポイントは、以下3つです。
・具体性:目標金額がなぜ必要なのか、どのような内訳で利用するのか数字で具体的に示す。
・わかりやすさ:プロジェクトに対する考えをわかりやすくまとめる。
・説得力:必要に応じて写真や動画をアップして、説得力をつける。
多くの人に共感してもらえるように、あなたなりに工夫してみてくださいね。
STEP2:プロジェクトを申請する
プロジェクトの内容や目標金額を具体的に設定したら、クラウドファンディングのプラットフォームで申請します。プラットフォームによって寄付型に特化したもの、不動産投資型に特化したものなど特徴が異なるため、各社比較してみましょう。
どのプラットフォームを利用したらよいかわからない場合、すでにプラットフォーム内で公開されているプロジェクトを確認してみると、プラットフォーム選びに役立つかもしれません。
STEP3:プロジェクトの審査を受ける
クラウドファンディングは誰でも起案者になることが可能ですが、一般的に、プロジェクトを公開する前にプラットフォームの運営会社による審査があります。
審査に通過できなければプロジェクトが公開されないため、STEP1でしっかりと方向性をまとめることが大切です。
審査の内容は「虚偽がないか」「実現可能か」など、プラットフォームによって異なります。
STEP4:プロジェクトをアピールする
無事にプロジェクトの審査に通過した場合、プロジェクトが公開されます。一般的に、出資金の目標金額や募集期間が設けられているので、目標達成できるようにSNSや自社のメディア等でプロジェクトをアピールします。
プロジェクトを達成させるために、一生懸命発信しましょう。
STEP5:目標金額達成・リターンを送付する
プロジェクトの募集期間が終了したら、出資してくれた人へ感謝のメッセージを送り、リターンの準備をします。リターンの準備に時間がかかる場合は、SNS等でプロジェクトの活動報告をしつつ、リターンの準備をしていきましょう。
ちなみに、クラウドファンディングで資金を募る方法は、以下2種類あります。All or Nothing方式の場合、目標金額に達成しなければ資金を受け取ることができないため注意が必要です。
All or Nothing方式 | 目標金額に達成した場合のみ出資金を得られる |
All in方式 | 目標金額に達成しなくても集まった出資金を得られる |
※All in方式の場合、公益法人、上場企業などの条件がある場合あります。詳細は、各プラットフォームでご確認ください。
ただし、All or Nothing方式で資金を受け取ることができなかった場合でも、出資してくれた人に感謝を伝えることで、次のチャンスにつながる可能性があるでしょう。
クラウドファンディングで失敗しないための注意点【支援者・起案者別】
クラウドファンディングは誰でも資金を募れる、誰でも参加できるという自由度の高い仕組みのため、注意するべき点があります。ここでは、支援者・起案者別に解説します。
支援者の注意点
支援者としてクラウドファンディングに参加する場合、出資先の情報をよく確認することが重要です。
クラウドファンディングでは、個人・企業問わず誰でも資金を募ることができるため、中には出資した資金を悪用されるケースもあります。
起案者に悪意がなくても、事業の見通しが甘いことが原因で、得られるはずのリターンを得られない場合もあるでしょう。
プロジェクトに出資する前に、内容や出資者について十分に確認が必要です。
起案者の注意点
起案者として最も注意するべきことは、「クラウドファンディングはインターネット上で不特定多数に公開される」ということです。
昨今はYouTubeやTwitterなどのSNSを通して、個人が気軽に不特定多数に情報発信でき、簡単に拡散できます。
一度公開されたプロジェクトは、原則、インターネット上から削除できません。プロジェクトの内容によっては炎上や批判の的になるケースもあるため、プロジェクト内容については十分考える必要があります。
まとめ
クラウドファンディングは、誰でも起案者として資金を募ることができ、誰でも支援者として参加できます。自由度の高い仕組みのため、多くの個人や法人の夢を叶える一助を担っているでしょう。
ただし、誰でも参加できる半面、支援者・起案者ともに注意点を意識して事前にトラブルを防ぐことが大切です。