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【iDeCo】年末調整・確定申告の書き方~いくら戻るのかシミュレーションしよう~

iDeCoは税制優遇を受けながら資産運用ができる私的年金制度。少子高齢化が続く日本の年金不安から、iDeCoを活用している人も多いのではないでしょうか。
iDeCoの大きなメリットである掛け金の所得控除を受けるには、職業によって年末調整もしくは確定申告が必要です。iDeCoを始めたばかりの人や、これからiDeCoを活用しようと考えている人の中には、年末調整や確定申告のやり方が分からない人も多いと思います。
そこで今回は、iDeCoの年末調整・確定申告の方法や具体的な書き方を解説し、実際税金がいくら戻るのかをシミュレーションしてみます。ぜひ参考にしてくださいね。

iDeCoについて詳しくは以下の記事を参考にしてください。
iDeCo(イデコ)とは?メリット・デメリットやおすすめの運用方法
iDeCo(イデコ)の基礎知識。何がメリット?誰にメリット?iDeCo(個人型確定拠出年金) Vol.1
個人型確定拠出年金 iDeCo(イデコ)の手数料等と運用開始までのステップ iDeCoVol.2

iDeCoの掛け金は全額所得控除の対象

iDeCoのために拠出した掛け金は、全額所得控除の対象となります。支払った掛け金分課税対象となる所得額を減らすことができるため、所得税・住民税の負担を軽減することができます。
この所得控除を適用するために必要なのが、年末調整もしくは確定申告です。

iDeCoで所得控除を受けるには

iDeCoで所得控除を受けるために必要な手続きは、加入者の職業によって以下のように異なります。

【年末調整】……会社員・公務員など国民年金第2号被保険者
【確定申告】……自営業・個人事業主・被扶養配偶者など国民年金第1号・第3号被保険者

年末調整において個人的な手続きが必要な人・不要な人

会社員など国民年金第2号被保険者に該当する人は、iDeCoの所得控除を受けるために年末調整が必要です。
ただし以下の条件で、年末調整において個人的な手続きが必要な人・不要な人に分かれます。

【iDeCoの掛け金が給与天引きの人】……個人での手続き不要
【iDeCoの掛け金を個人で支払っている人】……個人での手続きが必要

掛け金が給与天引きされている人は、会社で給与から所得控除を行って源泉徴収されるため、個人的に何か手続きをする必要はありません。

一方、口座振替などiDeCoの掛け金を個人的に支払っている人は、年末調整の際に払込証明書を添付し、自分で掛け金を記入して勤務先に提出する必要があります。
年末調整の書き方については、後ほど詳しく解説します。

会社員であっても確定申告が必要なケース

会社員であっても確定申告しなければならないケースに、以下のようなものが挙げられます。

【年末調整でiDeCoの申告をし忘れた人】
iDeCoの掛け金を個人的に支払っている会社員や公務員の方で、年末調整時に申告し忘れてしまった場合は確定申告が必要です。自分で確定申告をしないと、控除が受けられません。

【払込証明書の発行が年末調整の締め切りに間に合わない人】
10~12月頃にiDeCoに新規加入した人、加入した年の初回引落日が10~12月頃だった人などは、申請に必要な払込証明書の発行が12月下旬~2月頃になってしまいます。年末調整の締め切りに間に合わないため、別途確定申告が必要です。

これらのケースは、会社員・公務員などの国民年金第2号被保険者であっても確定申告が必要になりますので注意しましょう。

iDeCoの年末調整・確定申告の手順

では、iDeCoの所得控除を受けるために必要な年末調整・確定申告の手順を見ていきましょう。

小規模企業共済等掛金払込証明書を受け取る

まずは、国民年金基金連合会が発行する「小規模企業共済等掛金払込証明書」のハガキを受け取りましょう。1~9月に新規加入した人、初回引落日が1~9月の人はその年の10月下旬~11月下旬ごろに発行されます。
先述のとおり、新規加入・初回引き落としがそれより遅い人はハガキの到着が遅くなるので、年末調整に間に合わない場合は確定申告が必要です。

年末調整の書き方

次は、iDeCoの所得控除を受けるために必要な年末調整の書き方です。


参考:国税庁「令和3年分保険料控除申告書」

赤で囲った「小規模企業共済等掛金控除」内の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の欄に、払込証明書に記載された年間の合計掛け金額を記入します。

確定申告の書き方

次に確定申告書の書き方を見てみましょう。
会社員や公務員の方が確定申告する場合は「確定申告書A」、自営業・個人事業主などの方が確定申告する場合は「確定申告書B」を使用します。
どちらも申告書の仕様に大きな違いはないので、確定申告書Aを例に挙げて解説しましょう。

確定申告書はどちらも第一表、第二表に分かれており、それぞれ一ヶ所ずつiDeCoの掛け金を記載する部分があります。


第一表は、上記赤い枠内の「小規模企業共済等掛金控除⑩」の部分に、払込証明書に記載された年間の合計掛け金額を記入します。
確定申告書Bの場合は「小規模企業共済等掛金控除⑭」の部分です。


参考:国税庁「令和2年分以降用 確定申告書A」

第二表は、上記赤い枠内の「⑩小規模企業共済等掛金控除」の部分に記載します。
「保険料等の種類」には「個人型確定拠出年金」と記入し、「支払保険料等の計」には払込証明書に記載された年間の合計掛け金額を記入します。他に該当する控除がなければ、同じ額を「合計」部分に記載しましょう。
確定申告書Bの場合は「⑭小規模企業共済等掛金控除」の部分です。

「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付して申請

年末調整の場合は申告書とともに払込証明書を勤務先へ提出すればOKです。
確定申告の場合は、国税庁のHPからダウンロードした確定申告書に控除関係書類を添付する台紙があるので、そこに払込証明書を貼り付けて管轄の税務署に提出します。

「小規模企業共済等掛金払込証明書」のハガキは申請に必要なので、届いたら大切にとっておくようにしましょう。

iDeCoの年末調整・確定申告で戻る還付金

iDeCoの所得控除に関して年末調整・確定申告といった手続きを期限内に完了すると、所得税・住民税が減額されたり、払い過ぎた分が還付金として戻ってきたりします。所得税と住民税では還付のされ方が異なりますので、それぞれ見てみましょう。

所得税は還付金

【年末調整した会社員・公務員の場合】
所得控除によって減額された分の所得税、つまり払いすぎた所得税が還付金として戻ってきます。一般的には12月もしくは1月の給与支払いと同時に還付されることが多いでしょう。

【確定申告した会社員・公務員の場合】
申告書を税務署に提出してから1ヶ月~1ヶ月半程度で還付されることが多いようです。e-Taxを利用した場合、数週間で還付されることもあります。税務署から届く還付の通知ハガキでチェックすることが可能です。
確定申告の場合は、申告時に指定した口座に振り込まれます。

【確定申告した自営業・個人事業主の場合】
自営業・個人事業主の場合は、確定申告と同時に所得税が確定します。収入や経費、iDeCoの所得控除を含めた各種控除、源泉徴収されているものがあればそれらすべてを含めて所得税が算出されるわけです。
その額がマイナスであれば還付金が指定口座に振り込まれます。iDeCoの所得控除を適用しても所得税がプラスであれば還付金はなく、算出された所得税額の支払いが必要です。

住民税は翌年度分から減額

住民税において還付金はありません。所得控除によって減額された分は、翌年度の住民税を減額する形で反映されます。
会社員・公務員の場合は、毎年5月頃に「住民税の税額決定通知書」が勤務先経由で届きます。確定申告した自営業や個人事業主の場合は6月頃に本人宛に通知書が届くので、控除が反映されているか確認しましょう。

iDeCoで年末調整・確定申告するといくら戻るのかシミュレーションしよう

では、iDeCoで支払った掛け金を年末調整・確定申告で所得控除すると実際どのくらい節税になるのか、いくら戻るのかシミュレーションしてみましょう。

年収500万円・35歳・会社員のケース

【条件】
掛け金10,000円/月
受給開始60歳

 iDeCoなし(年額)iDeCoあり(年額)差額(年額)
所得税138,550円126,550円12,000円
住民税241,050円229,050円12,000円
合計379,600円355,600円24,000円

毎月1万円の掛け金でも、年額で24,000円、60歳まで25年間掛け金を積み立てると合計60万円の税額軽減効果があります。

年収500万円・35歳・自営業者のケース

【条件】
掛け金30,000円/月
受給開始60歳

 iDeCoなし(年額)iDeCoあり(年額)差額(年額)
所得税138,550円102,550円36,000円
住民税241,050円205,050円36,000円
合計379,600円307,600円72,000円

掛け金の上限が高く設定されている自営業者の場合、より多くの節税効果が期待できます。上記条件の場合、60歳まで25年間掛け金を積み立てると合計180万円の税額軽減効果があることが分かりました。

このシミュレーションにおける税金・社会保険料などはあくまで概算であり、扶養家族やiDeCoによる所得控除以外の各種控除によってシミュレーションは変わります。
iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」や、各金融機関のシミュレーションツールを利用して、それぞれの状況に合わせてシミュレーションしてみましょう。

まとめ

iDeCoの掛け金を所得控除するには、加入者の職業によって毎年年末調整もしくは確定申告が必要になります。これを忘れてしまうと、せっかくの税制優遇が適用されず還付を受けることができません。
正しい方法を知り、忘れないように手続きしましょう。

その他節税効果のある商品や投資手法について興味がある方は、以下の記事を参考にしてください。
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【このコラムの著者】

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