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シェアハウス、農場、暗号資産、AI投資……投資で「狙われる若者」にならないために知っておきたい投資の際の習慣3つ【前半】

近年日本でも「貯蓄から投資へ」の流れが大きくなっています。実は、そんな世の中の流れを利用した「投資詐欺」が急増していることをご存じですか?しかもそのターゲットは、これまでの高齢者から学生をはじめとする若者へと移りつつあるのです。

そこでLIFULL HOME’S不動産投資編集部が、さまざまなデータを基に投資詐欺の現状、そして今なぜ若者が狙われているのか、その原因を探ってみました。
投資詐欺で狙われる若者にならないために、まずは投資詐欺の実態を知っておきましょう。

急増する投資詐欺……!ターゲットは高齢者から若者に

2020年頃から投資商品に関して詐欺的な勧誘を行う「投資詐欺」が急増しています。さらに、ターゲットとされる年齢層が高齢者から学生などの若者へと移行しているのです。

投資詐欺の通報状況と被害総額

日本証券業協会「『株や社債をかたった投資詐欺』被害防止コールセンター通報状況 (2020年4~2021年3月)について」の資料によると、2020年度の総通報件数は166件、被害総額は6 億 2,996 万円でした。
2018年度の被害総額1 億 7,637 万円、2019年度の被害総額 2 億 1,064 万円と比較すると、2020年以降大幅に増加していることが分かります。

次に金融庁が開設している「金融サービス利用者相談室」における相談の受付状況を見てみましょう。

参考:金融庁「詐欺的な投資勧誘に関する情報の受付状況」

2020年後半頃から投資詐欺に関する相談件数が増え始め、2021年から爆発的に急増。2021年7~9月期だけで1,833件もの相談が寄せられています。
株価や仮想通貨の上昇に乗じた詐欺、コロナ禍における人々のお金に対する不安につけ込もうとする詐欺が急増したのではと考えられています。

若年層をターゲットとした投資詐欺が増加中

かつて投資詐欺のターゲットとされやすかったのは70歳代以降の高齢者でした。しかし今はそのターゲットが若者へと移っています。

日本証券業協会「『株や社債をかたった投資詐欺』被害防止コールセンター通報状況 (平成 27 年4月~平成 28 年3月)について」の資料によると、2015年度の投資詐欺に関する通報状況は全年齢のうち62%が70歳代以上、60歳代以上も含めると86%が高齢者という状況でした。
30歳代以下の通報件数はわずか2%です。

ところが、日本証券業協会「『株や社債をかたった投資詐欺』被害防止コールセンター通報状況 (2020 年4月~2021 年3月)について」の資料によると、2020年度の投資詐欺に関する通報件数は、70歳代以上が30%と減り、対して30歳代以下が14%に増加しています。

ターゲットとされる年齢層が高齢者から若者へと、この5年で大きく変化していることが分かります。

投資詐欺、なぜ若者が狙われるようになったのか?

近年、投資詐欺のターゲットとして若者が狙われるようになったのはなぜなのでしょうか?その理由を見ていきましょう。

SNSの普及

今、投資詐欺のターゲットを集める手段として広く使われるようになったのがSNSです。

1つの手段としては、まずSNSで架空のアカウントを作り、名前や顔を出して「投資や副業でこんなにもうけた!」といった内容の投稿をします。ブランド品や高級な車、豪華な家、ぜいたくな生活をしている自撮り写真などを見せびらかすことで、興味を引くのが目的です。
それらの投稿を見て、もうけ方を知りたいと接触してきた人を別サイトや個人ブログに誘導し、最終的にはLINEなどの個人的なやりとりに持ち込みます。そうして、ある程度信頼関係を築いたところで投資話を持ち掛けられるのが一般的な流れでしょう。

以下の表からも分かる通り、20歳未満、20歳代のSNS関連の消費生活相談件数は年々増加しています。

参考:消費者庁「令和3年版消費者白書」

その中でも「これで学習すれば副業や投資で大きく儲けられる」などとうたった高額なマニュアルを購入させられる「情報商材トラブル」では、相談件数の約半数を20歳代以下の若者が占めています。

参考:消費者庁「令和3年版消費者白書」

SNSが身近な存在である若者世代は、名出し・顔出しのカリスマやインフルエンサーのような人を信じやすい傾向があると言われています。
しかし取引相手との連絡手段がSNSのみという場合、その詐欺に対して打つ手はほぼないのが現状。詐欺を仕掛ける側にとっては、この上なく有利な方法として利用されているのです。

マッチングアプリの利用者が多い

投資詐欺のターゲットを集める手段として、SNSと並んでよく使われるのがマッチングアプリです。
コロナ禍で外出が制限される中、オンラインでパートナーを探す需要が増え、ここ数年でマッチングアプリを利用する人が増えたことも大きな要因といえるでしょう。

MMDLabo株式会社が2021年9月に行った「2021年マッチングサービス・アプリの利用実態調査」によると、マッチングアプリでトラブルを経験したことがある人のうち「マルチ商法に勧誘された」などネットビジネスへの勧誘を受けた人は18.8%でした。

よくある手法としては、マッチングアプリで出会った人としばらくやり取りを続け、恋愛関係に発展するかのように見せかけます。そしてある程度の信頼関係ができてきたタイミングで投資話を持ちかけるという、SNSでの投資詐欺と似たような手法が一般的です。
ただし恋愛感情で判断能力が鈍ってしまうケースが多く、より詐欺に気づきにくいという特徴があります。

経験値・知識の未熟さ

大学生や就職して間もない人が多く、知識や経験が未熟な10代、20代。持ち掛けられた話が詐欺かどうか、判断するのは難しい年代といえるでしょう。
実家を離れて1人暮らししている場合、周りに相談できる人がいないことも詐欺にあいやすい原因の1つです。
こうした知識・経験の少なさ、判断力の未熟さが、若者が狙われる要因の1つといえます。

現代の若者特有の「将来への不安」

年金制度の不確実さや経済不安などから、実は現代の若者は将来を不安に思う気持ちが非常に強い世代だと言われています。

参考:財務省「コラム 経済トレンド 若者の消費動向」図表4「将来不安に対する世論調査」

この表を見ると、全年代ともに将来不安は増加傾向にあるものの、2011年以降20歳代が抱える将来不安に顕著に大きな増加傾向が見られます。

こうした将来不安を受け、若者の消費への意識も下がっているようです。

参考:消費者庁「年齢層別の平均消費性向の推移」
他の年代でも下落傾向はありますが、2004年以降の25歳未満の消費性向の下落が特に顕著に表れています。

さらに消費者庁「商品やサービスを選ぶ際の消費者としての行動や意識」の調査結果を見ると「今後お金をかけたいもの」に対し10歳代後半の55%、20歳代の67%が「貯金」と答えました。特に20歳代では、今後お金をかけたい項目の第1位が「貯金」という結果に。

これらのデータを見ると、将来への不安から「消費を抑えて貯金したい」という若者が多いことが分かります。より金銭的な安定を求めがちな現代の若者は「もうかる」「稼げる」といったワードに飛びつきやすい傾向があるといえるのではないでしょうか。

成人年齢の引き下げ

民法改正により、2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられることになりました。成人になると、親の同意を得なくても自分でいろいろな契約ができるようになります。
もし未成年者が親の同意を得ずに契約をした場合は「未成年者取消権」を使ってその契約を無効にすることができます。しかし成人年齢が引き下げられると、18歳以降この取消権が使えないことになるわけです。
詐欺のターゲットとして、今後ますます大学生などの若者が狙われるのでは……と予想されます。

まとめ

今や詐欺のターゲットは高齢者ばかりではないこと、より身近になったSNSやマッチングアプリが投資詐欺の手段として悪用されていること、じゅうぶんご理解いただけたでしょうか。
10代、20代の皆さんはぜひ、自分もいつ投資詐欺で狙われるか分からないこと、そして普段から使っているSNSなどに投資詐欺の種がたくさんまかれていることを知っておきましょう。そして自分で自分を守れるよう、投資の基本をしっかり押さえておくことをお勧めします。

シェアハウス、農場、暗号資産、AI投資……投資で「狙われる若者」にならないために知っておきたい投資の際の習慣3つ【後半】では、投資詐欺に合わないようにするために押さえておきたい「3つの投資の習慣」について解説します。
ぜひ併せて読んでみてくださいね。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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