シェアハウス、農場、暗号資産、AI投資……投資で「狙われる若者」にならないために知っておきたい投資の際の習慣3つ【前半】では、LIFULL HOME’S不動産投資編集部がさまざまなデータを基に投資詐欺の現状、そして今なぜ若者が狙われているのか、その原因を探ってみました。
では、投資詐欺で狙われる若者にならないためにはどうしたらいいのでしょうか?詐欺から自分を守るためには、今から解説する「投資の際の3つの習慣」が大切です。
もし投資に興味があるなら、ぜひこの3つの習慣をしっかり頭に入れておきましょう。今後自分が詐欺のターゲットになった際「もしかして……」と気付ける可能性が高まります。
狙われる若者にならないために知っておきたい投資の習慣3つ
①徹底的に自分で調べる
投資詐欺に狙われないために最も大切なのは、投資商品や相手について自分で徹底的に調べ、知識をつけることです。
例えば、未公開株について調べれば、正規の取引業者であっても未公開株の勧誘は禁止されていることが分かります。また、未公開株や社債が一般的な個人投資家に幅広く勧誘されることはまず考えられないことも分かるでしょう。
これらの知識があれば、未公開株の購入を勧められた時に「怪しいのではないか?」と疑うことができます。
勧誘してくる相手についても、契約する前によく調べましょう。
金融庁や消費者庁を名乗ったり「委託を受けて……」などの文言を使って安心させようとしたりする手口が多く見られています。
そもそも金融庁や消費者庁が外部に委託して投資について勧誘することはありません。
さらに、勧誘を受けた事業者の名前を確認し、正規の証券会社・金融機関であるかどうかを確認しましょう。正規の証券会社・金融機関であれば、金融庁・財務局の登録を受けています。登録の有無は、金融庁・財務局のホームページや電話で確認することができます。
相手方の免許証など公的な身分証明書を提示させたり、会社のホームページやその投資に関するパンフレットなどを提示させたりするのも有効です。
提示された住所や会社が実在するのかどうか、パンフレットの中身は信頼できるものなのかなど、時間をかけてしっかり調べましょう。
②言われたことをそのまま信じない
投資詐欺をはたらく事業者がよく使う文言があります。
「必ずもうかる」
「確実に値上がりする」
「必ず上場する」
金融商品取引業者がこうした文言を使い、値上がりを期待させて勧誘することは違法です。そもそも「必ずもうかる」ような投資話を、わざわざ他人に教えることがおかしいと捉える必要があるでしょう。
また正規に認められている金融機関以外の事業者が「元本は必ず守られる」など、元本保証をうたって出資させることも違法です。
先述の通り「金融庁から委託を受けて……」なども、相手を信用させるためのうそです。公的機関が投資の勧誘をすることはありません。
「損した分を取り返す」
「後で必ず高く買い取る」
これらも簡単に信じないようにしましょう。投資詐欺をはたらく人の中には「劇場型」といって、同じ事業者が複数の会社を装って多方面からだまそうとする手口を取るケースがあります。
よくある手法として、まず、ある事業者からA社の未公開株の購入を持ち掛けられます。その場では断ったとしても、また別の事業者から「A社の未公開株を持っていないか?持っていたら高く買い取る」などといった連絡が入ります。
どちらも詐欺をはたらく同じ事業者なのですが、2つの事業者からの連絡を受けた消費者は「それならA社の未公開株を買えばもうかる」と信じ込んでしまうわけです。購入代金を振り込むものの、どちらの事業者とも連絡が取れなくなり詐欺だと気づくケースが多いでしょう。
「支払期限がすぐ」
「あと〇人しか買えない」
このように支払いや契約を急かしてプレッシャーをかけるような勧誘も疑った方が賢明でしょう。冷静な判断ができなくなるような状況に追い込むのは、投資詐欺のよくある手法です。
一度時間をおいて誰かに相談するなど、慎重な判断をするようにしましょう。
③投資は余裕資金で行う
若者の多く、特に学生はそもそも手元にそんな大きな額の資金を持っていません。それなのになぜ投資詐欺のターゲットとして狙われ、大金を預けてしまうのでしょうか?
それは、だまされた相手に乗せられて何枚ものクレジットカードを作ったり、複数の学生ローンから「留学資金」などとううそをついて借金したりして資金を用意させられてしまうからです。
「投資は借金して行ってはいけない」
これは、投資の大前提です。投資は「余裕資金」で行わなければなりません。
余裕資金とは、生活費や緊急時の備え、近い将来使う予定の資金などを差し引いて残ったお金、つまり万が一なくなってしまっても生活に支障が出ないお金のことです。
「投資は余裕資金で」の基本を忘れなければ、うまい話にだまされて借金を抱えるようなことはありません。
まとめ
投資の基本として「絶対」や「必ず」はありません。そもそも投資には「確実性」がなく、利益が出る可能性もあれば、損をする可能性もあります。ですから「絶対にもうかる」「必ず値上がりする」などの言葉を使って勧誘してくること自体が「間違っている」「怪しい」と考えていいのです。
ただしここで勘違いしてはいけないのは「投資」そのものが「怪しい」「危ないもの」というわけではないということです。うそを言ったり、不確実なものを確実だと偽ったりしてお金をだまし取る「詐欺行為」が問題なのです。
投資商品についてよく理解し、長期投資・分散投資といった適切なリスク回避を行った投資活動は、むしろ効率的に資産を運用できる方法といえます。
言われたことをうのみにせず、自ら徹底的に調べる・学ぶ習慣をつけ「狙われる若者」にならないよう自分を守りましょう。