支援者としてクラウドファンディングに参加する際、利用するサイトによって使い勝手や参加できる案件の種類が異なります。最近では多数のクラウドファンディングサイトがあるため、サイト選びに迷ってしまう人もいるでしょう。
今回は、クラウドファンディングのサイトを選ぶ際のポイントと種類別にサービスを提供しているサイトを紹介します。
クラウドファンディングサイト選びの4つのポイント
クラウドファンディングのサイト選びで失敗しないためには、サイトの特徴や信頼性を事前に確認することが大切です。ここでは、クラウドファンディングサイト選びの4つのポイントを解説します。
得意とするジャンル
クラウドファンディングに参加する際、目的に合ったプラットフォームを選びましょう。
クラウドファンディングは、特徴別に以下7種類に分類され、それぞれ資金提供の意味合いや得られるリターンが異なります。
資金提供の分類 | リターン | |
購入型 | 支援 | 商品・サービスなど |
融資型 | 貸し付け | 利息 |
ファンド型 | 投資 | 分配金・商品・サービスなど |
株式投資型 | 投資 | 未公開株(配当金・売却益) |
不動産投資型 | 投資 | 分配金 |
寄付型 | 支援 | なし |
ガバメント | 支援(納税) | 商品・サービスなど |
クラウドファンディングの種類別おすすめサイトは次の章で紹介するので、プラットフォーム選びの参考にしてください。
クラウドファンディングの種類については以下の記事で詳しく解説しているので、それぞれの特徴についてはこちらをご覧ください。
クラウドファンディング商品とは? 7つの種類を徹底解説
運営会社の信頼性
クラウドファンディングは、誰でも気軽に参加できることがメリットの1つです。一方で、支援者と運営会社または起案者間でトラブルが生じる場合があります。
リスクを避けるために、サイトの実績や運営会社の会社概要、口コミなどからクラウドファンディングサイトを運営する会社の信頼性を確認することも大切です。
クラウドファンディングで起こり得るリスクの1つに、運営会社の倒産があります。日本のクラウドファンディングサイトでも、過去にサイト運営が難しくなったことによって短期間でサービスが終了したサイトがあります。
運営会社は、支援者からの出資金と自社の運営資金を分けて管理するケースが一般的です。しかし、運営体制が整っていない場合、運営会社の倒産による貸し倒れなどお金が返ってこないというトラブルが生じる可能性があります。
運営会社の信頼性は、サイトを利用する前にしっかりと調べることをおすすめします。
サポート体制
クラウドファンディングに初めて参加する場合、不明点や起案者とのトラブルについてサイトの運営会社に相談できる体制が整っていると安心です。クラウドファンディングのサイト内にお問合せ先があるかどうか、確認しておきましょう。
最低投資金額
クラウドファンディングのサイトによって、最低投資金額が異なります。1円から参加できる場合もあれば10万円必要な場合もあり、同じサイト内でもプロジェクトによって最低投資金額が異なるケースが一般的です。
予算と最低投資金額が合わないと、サイトに登録しても参加できるプロジェクトが限られてしまうので、予算に合ったサイトを選びましょう。
また、最低投資金額が少ないと分散投資しやすく、リスクへ備えることができるというメリットもあるので、初心者の場合は少額から始められるサイトから検討をするのもサイトを選ぶ選択肢のひとつです。
【種類別】有名クラウドファンディングサイト
ここからはクラウドファンディングの有名サイトを種類別に紹介します。
サイト | |
購入型 | CAMPFIRE(キャンプファイヤー)https://camp-fire.jp/ Makuake(マクアケ)https://www.makuake.com/ |
融資型 | Crowd Bank(クラウドバンク)https://crowdbank.jp/ Funds(ファンズ)https://funds.jp/ |
ファンド型 | Sony Bank GATE(ソニーバンクゲート) https://moneykit.net/visitor/sbg/ セキュリテhttps://www.securite.jp/ |
株式投資型 | FUNDINNO(ファンディーノ)https://fundinno.com/ |
不動産投資型 | LIFULL不動産クラウドファンディング https://recrowdfunding.lifull.jp/ |
寄付型 | READYFOR(レディーフォー) https://readyfor.jp/apply/social/ A-port(エーポート) https://a-port.asahi.com/ |
ガバメント | ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング https://www.furusato-tax.jp/gcf/?header |
各サイトの特徴を紹介するので、気になるところをチェックしてみてください!
購入型
購入型は、個人や企業のプロジェクトに資金を提供して、リターンとして商品やサービスを得るタイプのクラウドファンディングです。
購入型のクラウドファンディングサイトで特に規模が大きく、知名度も高いサイトは「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)https://camp-fire.jp/ 」と「Makuake(マクアケ)https://www.makuake.com/ 」です。
CAMPFIREは、運営開始から累計約590万人(2021年9月時点)が支援者として参加しているなど実績豊富です。案件数もバラエティに富んでおり、エンターテインメント、スポーツ、ビジネスなど多様なジャンルのプロジェクトを掲載しています。
Makuakeは新規案件が毎月約400件公開されているので、興味がある案件が見つかりやすいでしょう。サイトの仕様は簡易で分かりやすいので、初心者にもおすすめです。
また、どちらも最低投資金額は500円ですが、数千円~1万円程度の案件が多くなっています。購入型の場合、日用品や食べ物など比較的安価な物が対象のプロジェクトは最低投資金額が低く、家電など高価な物が対象のプロジェクトは最低投資金額が高くなる傾向です。
CAMPFIRE (キャンプファイヤー) | Makuake (マクアケ) |
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最低投資金額 | 目安500円 | 目安500円 |
サイト運営開始 | 2011年 | 2013年 |
運営会社 | 株式会社CAMPFIRE | 株式会社マクアケ |
融資型
融資型とは、企業に資金を貸し付け、リターンとして利息を受け取るタイプのクラウドファンディングです。
融資型のクラウドファンディングサイトとしてサービスを提供しているのは「Crowd Bank(クラウドバンク)https://crowdbank.jp/ 」と「Funds(ファンズ)https://funds.jp/ 」になります。
Crowd Bankは2013年に運営開始されたクラウドファンディングサイトで、不動産、太陽光発電ファンド、金などさまざまなファンドが掲載されています。
Fundsは1円から1円単位で参加できるため、少額からでも始めやすいことが特徴です。サービス開始は2019年となっており、比較的新しいクラウドファンディングサイトですが、累計会員登録数4.4万人以上(2021年10月時点)など、着実に実績を高めています。
Crowd Bank (クラウドバンク) | Funds (ファンズ) |
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最低投資金額 | 1万円 | 1円 |
サイト運営開始 | 2013年 | 2019年 |
運営会社 | 日本クラウド証券株式会社 | ファンズ株式会社 |
ファンド型
ファンド型は企業のプロジェクトや事業に資金を提供して、企業が得た売上から分配金を受け取るタイプのクラウドファンディングです。
ファンド型クラウドファンディングサイトのサービスを提供しているサイトは「Sony Bank GATE (ソニーバンクゲート)https://moneykit.net/visitor/sbg/ 」と「セキュリテhttps://www.securite.jp/ 」です。
Sony Bank GATE では、新たな市場や世の中の課題解決に取り組むベンチャー企業の事業を掲載しています。ソニーバンクゲートでプロジェクトに参加する場合、ソニー銀行口座の開設が必要です。
セキュリテでは経済的なリターンだけでなく、地域の課題や貧困など社会問題に取り組むプロジェクトを掲載しています。2020年12月から楽天証券株式会社がセキュリテを通してサービス提供しているなど、今後も注目のファンド型クラウドファンディングサイトです。
Sony Bank GATE (ソニーバンクゲート) | セキュリテ | |
最低投資金額 | 目安5万円 | 目安1万円~3万円 |
サイト運営開始 | 2017年 | 2009年 |
運営会社 | ソニー銀行株式会社 (ソニーフィナンシャルグループ) | ミュージックセキュリティーズ株式会社 |
株式投資型
株式投資型はベンチャー企業や創業間もない企業に投資し、リターンとして未公開株式を得るタイプのクラウドファンディングです。企業が成長して上場した場合、株式を売却して大きなリターンを得られる可能性があります。
株式投資型クラウドファンディングサイトのサービスを提供しているのは「FUNDINNO(ファンディーノ)https://fundinno.com/ 」です。運営元の株式会社日本クラウドキャピタルは、日本で初めて株式投資型クラウドファンディングの勧誘を行う事業者として登録承認を受けています。
FUNDINNOに掲載されている案件は、テクノロジー、IT、マーケティングなどが多くなっています。
FUNDINNO (ファンディーノ) |
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最低投資金額 | 10万円 |
サイト運営開始 | 2016年 |
運営会社 | 株式会社日本クラウドキャピタル |
不動産投資型
不動産投資型はファンド型に分類されますが、ファンドの対象が不動産に限定されています。投資家から集めた資金で不動産を運用し、家賃収入や売却益を投資家に分配する仕組みです。
不動産投資型のファンドは、不動産投資型クラウドファンディングを行う企業の公式サイトから検索できます。しかし、たくさんのファンドを比較したい場合、賃貸物件や収益物件のようにポータルサイトを利用すると効率よく比較できるでしょう。
「LIFULL不動産クラウドファンディング https://recrowdfunding.lifull.jp/」は、不動産投資型のファンドを多数掲載しているポータルサイトです。これまで株式会社LIFULLが運営してきた不動産ポータルサイト「LIFULL HOME’S https://toushi.homes.co.jp/」で培ったノウハウを活かし、利便性の高いサイトとなっています。
各ファンドの対象物件の詳細を簡単に比較できるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
LIFULL 不動産クラウドファンディング |
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最低投資金額 | 1万円 |
サイト運営開始 | 2021年 |
運営会社 | 株式会社LIFULL |
寄付型
寄付型は、寄付として資金提供するタイプのクラウドファンディングとしてサービスを提供しているのは「READYFOR(レディーフォー)https://readyfor.jp/apply/social/ 」と「A-port(エーポート) https://a-port.asahi.com/ 」です。
どちらも寄付型・購入型の案件を掲載しているクラウドファンディングとなっています。
READYFORではNPO・非営利団体の資金調達などをサポートしており、生活に困窮する学生、病気で苦しむ人々、途上国への支援などさまざまな寄付型案件を掲載しています。
A-port(エーポート)は朝日新聞社が運営しているクラウドファンディングサイトです。
クラウドファンディングは、より多くの人にプロジェクトを知ってもらうことで起案者が成功する確率が高くなります。朝日新聞社がメディアとして培ってきた発信力が強みとして活かされています。
READYFOR (レディーフォー) | A-port (エーポート) |
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最低投資金額 | 目安3,000円~5,000円 | 目安1,000円 |
サイト運営開始 | 2011年 | 2015年 |
運営会社 | READYFOR株式会社 | 株式会社朝日新聞社 |
ガバメント
ガバメント型はふるさと納税制度を利用したクラウドファンディングは「ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディングhttps://www.furusato-tax.jp/gcf/?header 」です。
ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディングは、全国37万点以上(2021年7月時点)の返礼品を掲載しているふるさと納税の総合サイト「ふるさとチョイスhttps://www.furusato-tax.jp/?header 」と同じ運営会社が運営しているサイトです。
「ふるさとチョイス」では返礼品から納税先を検索しますが、ガバメントクラウドファンディングではプロジェクトから検索できます。
ガバメント型のプロジェクトは、自治体が抱える課題に対するもののため、プロジェクト内容や資金使途の詳細がしっかりと記載され、写真も多く掲載されている傾向です。
ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング |
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最低投資金額 | 目安5,000円~1万円 |
サイト運営開始 | 2013年 |
運営会社 | 株式会社トラスバンク |
まとめ
クラウドファンディングで失敗しないためには、プラットフォーム選びが大切です。運営会社の信頼性や自分の目的に合っているかなど、今回紹介したポイントを基にサイトを選んでみてくださいね。