LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

不動産の価格の種類と推移の調べ方を紹介

ひと言に不動産価格といえどさまざまな不動産価格があることを皆様はご存じでしょうか。
不動産には一物四価と呼ばれるほどたくさんの価格があります。
皆様もなじみのある不動産価格から日頃は調べることもあまりない不動産価格があるかと思います。
今回は4種類の不動産価格の紹介とその調べ方、どんなときにどの不動産価格を見る必要があるのかについてまとめています。

不動産価格指数と公示価格とは

はじめに、不動産価格指数と公示価格の定義についてそれぞれ解説していきます。

不動産価格指数

はじめに不動産価格指数とは、年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに全国、ブロック別、都市圏別などに不動産価格の動向を指数化したものです。
不動産価格指数には住宅と商業用不動産の2種類あります。
住宅では住宅地、戸建住宅、マンション(区分所有)それぞれの指数と3つの加重平均値である住宅総合指数があります。
商業用不動産では建物付土地総合で店舗、オフィス、倉庫、工場、マンションアパート(1棟)のそれぞれの指数と土地総合で商業地、工業地のそれぞれの指数があります。
住宅同様、建物付土地総合と土地総合の7つの加重平均値である商業用不動産総合指数があります。

公示価格

公示価格は地価公示法に基づいて国土交通省の土地鑑定委員会が一般の土地取引の指標にするために標準地を選出し、毎年1月1日を基準にして1㎡あたりの正常価格を判定して3月に発表している土地の価格です。

その他の価格

不動産価格には、さまざまな価格算定があります。その中でも押さえておきたい3つについてまとめます。

路線価

路線価は国税庁が毎年1月1日時点を基準にして道路に面している土地の1m2あたりの評価額を判定して7月に発表している土地の価格です。
路線価に土地の面積をかけて、土地の形状(奥行距離や、不整形の度合い、角地など)を鑑みて土地の価格を計算します。
主に時価で土地価格を評価しなければならない相続税や贈与税の計算を行う際の基準となる土地の評価価格です。

固定資産税評価額

固定資産税評価額は市町村が3年に1度、1月1日時点を基準にして固定資産評価基準という国が定めるガイドラインをもとに算出され3~4月に発表されます。
一般的に土地は公示価格の約70%、建物は建築費の約50~70%が評価額になります。
地価の低下や上昇などにより評価額が増減します。

流通価格=取引価格

流通価格=取引価格は実勢価格ともいわれます。
実際に売買取引をされた価格が実勢価格になります。
実勢価格が皆様に一番なじみがある価格ともいえるかもしれません。
こちらは国土交通省の土地総合情報システムで調べられます。

不動産価格推移の調べ方

ここまで不動産価格の種類をまとめてきました。
次にそれぞれの不動産価格の推移の調べ方を紹介します。

不動産価格の動向を知りたい

不動産価格の動向を知りたい場合は、先述で紹介した不動産価格指数を見てみましょう。
不動産価格指数は毎月国土交通省のHPにて公表されており、だれでも指数をみることができます。下記が掲載されているウェブサイトです。
建設産業・不動産業:不動産価格指数 – 国土交通省 (mlit.go.jp)
PDFを確認すると数値だけでなくグラフで推移をみられるため、視覚的に不動産価格指数を知ることができます。

比較基準となる土地価格を知りたい

土地の価格の相場や基準を知りたい場合は、公示価格を参考にしてみましょう。
先述のとおり、公示価格は地価公示法に基づいた土地の価値基準を示すものです。
公示価格も国土交通省のHPにて検索できるようになっています。
下記が参考のウェブサイトです。
標準地・基準地検索システム~国土交通省地価公示・都道府県地価調査~ <検索地域選択(都道府県)> (mlit.go.jp)
日本地図が出てくるため、自分が調べたい地域を選択していくと、周辺の公示価格を調べられます。また最新の公示価格だけでなく、過去の公示価格を調べることもできます。その地域の公示価格を振り返ることで不動産価格が下落しているのか、もしくは上昇しているのかを分析できます。

その他の価格

その他の価格についても紹介します。

路線価

路線価に関しては国税庁のHPにて確認ができます。
下記が参考のウェブサイトです。
財産評価基準書|国税庁 (nta.go.jp)
こちらも公示価格同様に自分が調べたい地域を選択していくと調べられます。
ただしほかの価格と異なり、見方に注意が必要です。
初めて路線価をみる方はまずHPの路線価図の説明を読んだうえで、調べることをおすすめします。

固定資産税評価額

固定資産税評価額に関してはほかの価格と違ってHPでの検索ができません。もし固定資産税評価額を知りたい場合は、いくつか方法があります。

  • ・固定資産税課税明細書をみる
  • ・役所で固定資産評価証明書を発行する
  • ・役所で固定資産課税台帳を縦覧、閲覧する

固定資産税評価額に関しては、自身で所有している不動産であれば固定資産税の納付書と一緒に届く課税明細書で確認できます。
自身で所有していない不動産の固定資産税評価額を確認したい場合は、役所で手数料を支払い証明書を発行するか固定資産課税台帳を縦覧、閲覧する必要があります。

流通価格=取引価格

流通価格=取引価格(実勢価格)は土地総合情報システムで調べられます。
下記が参考のウェブサイトです。
地価公示・地価調査・取引価格情報 | 土地総合情報システム | 国土交通省 (mlit.go.jp)
こちらは住所からの検索と、路線、駅名からの検索ができます。

不動産価格に影響を与える要因

本項では不動産価格に影響を与える複数の要因について紹介します。

金利の変動

不動産価格が一緒だったとしても、購入の際にローンを組むときの金利が違えば、総返済額が異なってきます。また固定金利で組むのか、変動金利で組むのか、固定金利期間選択型で組むのかによっても将来的に総返済額が変わってきます。
特に変動金利でローンを組む場合は、将来的な金利上昇のリスクも念頭に置いておく必要があるでしょう。

法律の改正

時には法律の改正が不動産価格に影響を与えることもあります。
例えば2021年に改正された住宅ローン控除もそのひとつです。
今まで住宅ローン控除率が住宅ローン年末残高の1%だったのが、0.7%になりました。
極端な話になりますが、仮に住宅ローン控除という制度自体が法律の改正によってなくなった場合、不動産購入を検討する人が少なくなることが考えられます。住宅購入を検討する人が少なくなれば需要と供給のバランスを考えると不動産価格は下落する可能性があります。

また、『生産緑地の2022年問題』という言葉を聞いたことはありませんか。
生産緑地とは過剰な都市開発を防ぐために市街地の一部に緑地を残すため1992年に制定された法律です。
生産緑地に指定されると30年間は営農以外できないという制限がある一方で、税金面の優遇があります。2022年がちょうど30年の節目になるため、今まで生産緑地だった土地が宅地売却されたとき過剰供給になるのではないかという問題です。過剰供給になることで不動産価格が下落する可能性があります。
時には法律の改正が不動産価格に影響を与えることもあります。

都市開発

分かりやすい例だと鉄道周辺の都市開発ではないでしょうか。
新幹線の開通やほかの鉄道との乗り入れにより、都市部へのアクセスが容易になり利便性が高まります。地域の魅力が増し、駅周辺の開発も進みます。その結果として人口が増えることがあります。人口が増加すると供給量が減るため、不動産価格の上昇につながります。

人口の増減

一般的に人口が増加すれば物価は上昇します。不動産も例外ではなく、人口の増加に伴い不動産価格が上昇していきます。

以下のグラフは東京都の人口と不動産価格の推移を比較したものです。東京都では2010年から毎年人口の増加がみられ、それに伴い不動産価格指数も上昇傾向にあります。
しかし、昨今では新型コロナウィルスの影響もあり、テレワークやリモートワークがこれまで以上に一般化し、都市部から地方へ移住する方も増えています。
これにより東京都の人口は2020年をピークに減少傾向になっています。一般的には人口が減少すれば不動産価格も下降していきますが、現時点では不動産価格が下降している様子は見受けられません。
このまま人口の減少が続くと不動産価格も減少する可能性はあるといえるでしょう。ただし、人口の増減は不動産価格を決定づけるひとつの要素でしかないので、様々な観点から総合的に判断をするのが良いでしょう。


※不動産価格指数は2010年を基準(100.0)としています。

正しい不動産価格の調べ方を知ることが大切

いかがでしたでしょうか。
ひと言に不動産価格といえども不動産価格にはさまざまな価格があります。これが不動産価格が一物四価といわれるゆえんです。
不動産取引するための価格を調べたいのか、相続や贈与をする際の価格を調べたいのか、固定資産税算出のための価格を知りたいのかなど、知りたい不動産価格によって調べ方も異なります。ぜひ目的に合った不動産価格の調べ方を身につけておきましょう。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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