LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

分散投資とは? 運用時の注意点とポートフォリオ作成までの4つのステップ

「分散投資」とは、投資によるリスクを抑えつつ、資産を効率良く増やすための手法の一つです。分散投資を用いることで、大切な資産を大きく失うリスクを軽減できます。

ただし、分散投資の仕組みを理解せずに行うとその効果を発揮できません。正しく理解して、投資効率を最適化させましょう。

ここでは、分散投資の基本的な考え方からポートフォリオの組み方、注意点まで解説するので、投資を始める際の参考にしていただければと思います。

分散投資とは? 基本的な3つの考え方

分散投資とは、異なる投資対象や地域などに資産を分散させることで、リスクの軽減を図る手法です。

「投資に興味があるけど失敗が怖い」
「短期ではなく長期目線で資産を運用したい」
このように考える人は、分散投資が有効的な手段の一つです。

それでは、具体的にどのように資産を分散させればよいのでしょうか。

分散投資には、主に以下3つの考え方があります。
【分散投資の考え方】
・資産や銘柄の分散
・地域の分散
・時間の分散

これら3つの考え方について順番に解説しましょう。

資産・銘柄の分散

投資対象には株式、債券、投資信託などさまざまな資産がありますが、投資先によってそれぞれ異なる値動きをします。また、同じ資産の中でも、銘柄によって異なる値動きをするものがあります。

資産や銘柄による値動きに着目して投資対象を分散させる手法が、資産・銘柄の分散投資です。

たとえば、債券と株式は逆相関の関係にあると考えられています。債券は国や企業が投資家からお金を借り入れるために発行する有価証券、株式は株式会社が資金調達のために出資者へ発行する有価証券です。

債券は固定金利で発行されるケースが多く、発行時よりも市場の金利が下がると既発債券の価値が上がり、市場の金利が上がると既発債券の価値が下がる特徴があります。

一方、株式は好景気で消費者の購買意欲が増えると、企業の利益が増えて株価が上がり、不景気だとその逆の現象が起こるといった特徴があります。

金利は市場に出回るお金の需要・供給のバランスで変動するといわれているため、好景気の場合、株価上昇に伴い企業による設備投資の資金需要が増加、金利が上がりやすくなる傾向になります。その結果、既発債券の魅力が低下して債券価格が下がることがあります。

このように、資産や銘柄の中には違った値動きをするものがあるため、投資対象を分散させると、特定の資産価値が下落しても他の資産で損失を抑えられる仕組みです。

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地域の分散

投資対象の資産は、日本だけでなく世界中にあります。投資対象の発行体や資産が存在する地域などによって値動きが異なるため、地域を分散させることも選択肢の一つです。

地域の分散にはアメリカ・日本・中国など国別に分散させる方法や、先進国・新興国などその国の経済成長段階によって分散させる方法のように複数の考え方があります。

たとえば、先進国のように経済的に成熟している国の資産の場合、新興国よりもリスクが低いもののリターンも低くなります。逆に新興国に投資することは、ハイリスク・ハイリターンの手法といえるでしょう。

ご自身の希望するリターンを得られるように、異なる地域をバランス良く組み合わせることも選択肢の一つです。

時間の分散

株式や投資信託のような金融資産は、日々、値動きが変動します。運用資金を一括でまとめて投資するのではなく、毎月10万円×10年間など異なるタイミングで投資する手法が時間の分散の考え方です。

図のように、1ヶ月目から5ヶ月目という異なるタイミングで購入することで、価格変動によるリスクを抑えます。このような手法はドルコスト平均法と呼ばれます。

ドルコスト平均法の詳しい考え方や一括投資との違いについては以下の記事で解説しているので、こちらもぜひご覧ください。
【積立投資のメリットと注意点】効果的に運用するポイントとは?
投資シミュレーション【一括投資 VS 積立投資】収益性が高いのはどっち?

【分散投資のポートフォリオ】作成までの4つのステップ

分散投資の効果を最大限に生かすためには、ご自身に合ったポートフォリオを組むことが大切です。ポートフォリオとは、金融資産における分散投資の組み合わせのことで、資産をどういう金融商品に分散して運用するのか、その分散割合を表したものです。

ポートフォリオは、以下4つのステップで検討してみましょう。

STEP1:投資対象の特徴を知る
STEP2:リスク許容度を確認する
STEP3:目的・予算・目標を決める
STEP4:資産の分散割合を考える

STEP1:投資対象の特徴を知る

投資対象によって値動きが異なることは、前章で解説した通りです。それぞれの資産の特徴やリスクの高さ、得られる利益について知識を深めるとポートフォリオ作成時に役立ちます。

また、投資対象の知識があるほど選択肢も広がるため、ご自身に最適なポートフォリオを検討できるでしょう。

投資にはどんな種類があるの? 10種類の特徴・リスク・利益を比較

STEP2:リスク許容度を確認する

リスク許容度とは、投資対象の収益がマイナスになった場合、許容できる範囲のことです。個人の資産背景やご家族の状況などによって、リスク許容度が異なります。

たとえば、以下に該当する人ほどリスク許容度が高いといわれています。
・年齢が低い
・独身
・資産が多い
・年収が安定している
・投資経験が豊富

成人前の子どもがいて家計の収入源が自分のみ、貯金がほとんどない人は投資で資産がマイナスになった場合、家族の生活が脅かされる可能性があるでしょう。この場合、リスク許容度が低いといえます。

一方、毎月の給与収入が安定していて貯金もたくさんある独身の人は、資産が多少マイナスになっても生活が破綻することは考えにくいですよね。

このように、リスク許容度は個人の状況によって異なります。どの程度リスクを許容できるのかは投資をする上でとても大切なことなので、一度ご自身について考えてみてください。

STEP3:目的・予算・目標を決める

投資をする目的によって、どのように分散投資するべきかが異なります。たとえば、老後資金の準備と海外旅行では規模が大きく異なりますよね。

目的を果たすためにはいくら必要なのか、いつまでに達成したいのか、具体的な目標を設定しておきましょう。

また、現実的にどれくらいの資産を投資に回せるのかを確認しておくことも大切です。最初にいくら投資できるのか、毎月いくら積み立てられるのかなど検討してみてください。

老後資金はいくら必要? あなたの老後資金を考えるための7つのポイント
【貯金の仕方おすすめ3選】人生の大イベントに必要な貯金額の平均は?

STEP4:資産の分散割合を考える

ここまで確認できたら、資産の割合を考えてみましょう。代表的な投資対象には、株式、債券、投資信託などがあります。

各投資対象のリターンの大きさや、どの資産に投資すれば最もリターンを得られるかは専門家であっても予測が難しいことです。

債券よりも株式に投資した方が大きなリターンを得られる可能性があるため、自己資金をすべて株式に投入すれば短期間で大きな利益を得られるかもしれません。しかし、同じように資産を大きく失うリスクもあることに注意が必要です。

それでは、どのように資産を分散させればよいのでしょうか。

参考までに、厚生年金保険料を管理・運用する団体のモデルポートフォリオをご紹介します。

【厚生年金保険事業におけるモデルポートフォリオ(令和2年4月時点)】
・国内債券 25%
・外国債券 25%
・国内株式 25%
・外国株式 25%
参考元:「令和元年度 厚生年金保険法第79条の9第1項に基づく積立金の管理及び運用の状況に関する報告書」(厚生労働省)

上記のモデルポートフォリオは、できる限りリスクを抑えつつ、効率良く一定の利回りを得ることを目標としたものです。上記の構成比率を基準として、資産運用成果に応じて微調整します。

ただし、リスク許容度や目標など個人によって適切な割合が異なるため、自分に適したポートフォリオを組むことが重要です。

リスク許容度が低い場合、株式や債券だけでなく定期預金や生命保険など元本保証の商品を組み入れてリスクを抑えることも手段の一つです。

また、インフレ対策として不動産や金など現物資産への投資も有効的な手段の一つといえます。

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分散投資の注意点

ここでは、分散投資を検討する際、注意するべき点を紹介します。分散投資を検討している人は、ぜひチェックしてみてください!

リスクだけでなく、リターンも分散される

リスクとリターンは表裏一体のため、分散投資でリスクを分散させるということは、リターンも分散されるということです。

たとえば、1年間で株価が2倍になるA株式があるとしましょう。予算100万円の人がすべての資金をA株式に投入すれば、1年後の資産価値は200万円(利益100万円)になります。

しかし、分散投資で4つの銘柄に分散させる場合、A株式への投資は25万円。1年後の資産価値は50万円になる計算です(利益25万円)。

投資は、投入金額が大きいほど大きなリターンを得られる可能性があります。資産を分散させるほど、1つの銘柄で得られる利益が少なくなる点に注意が必要です。

分散投資の意味がないケース

分散投資は、単純に資産や銘柄を分散させれば効果を得られるという訳ではありません。分散投資の効果を得られるのは、値動きが異なる資産・銘柄に分散したときです。

たとえば、以下の事例では分散投資の効果を得られない可能性が高いでしょう。

【分散投資の効果を期待しにくい事例】
・レジャー事業を営む国内企業の株式4銘柄へ投資する
・投資対象が米国株式の投資信託3銘柄へ投資する
・複数の新興国の外貨建て資産を保有する

上記の例では、資産を分散させているように見えて効果的に分散できていません。投資対象の銘柄がすべてレジャー事業の株式だった場合、新型コロナウイルスのような緊急事態が起これば資産を大きく失う可能性があります。

巣ごもり需要で業績が伸びた物流業界やIT業界にも投資していれば、損失をカバーできたかもしれません。

分散投資の効果を生かすために、投資対象の資産や銘柄の選定は慎重に行いましょう。

まとめ

分散投資は、リスクを抑えつつ資産を増やしたい人にとって有効的な手法の一つです。分散投資の効果を最大限に生かすために、投資対象の特徴を理解した上で銘柄を選定することが大切です。

今回紹介した内容をもとに、自分なりのポートフォリオを組んでみましょう。

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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