株式投資は大きなリターンを得られる可能性もありますが、比較的リスクの高い投資手法なので、知識を身に付けておく必要があります。これから、株式投資初心者はどのような方法で知識を身に付けたら良いのでしょうか?株式投資初心者がやっておきたい4つの投資勉強法を紹介します。
投資初心者とはどんな人?
株式投資の習熟度は等級や段などで明確に分類されているわけではありません。仮に投資年数が長くても、積立投資で資産をほったらかしにしている場合などは有効な投資経験とは言えないでしょう。
株式投資の習熟度は主に以下のように分類できます。
・株式の本もまだ読んだことがない初心者
・株式投資はしているがまだ経験が浅い
・ファンダメンタルズ(国や企業の経済状況を示す基礎的要因)分析ができる
・ファンダメンタルズとテクニカル分析を組み合わせて投資をしている
ここでは、本も読んだことがない初心者、及び、株式投資はしているがまだ経験が浅い人向けにおすすめの株式投資勉強法を紹介します。
初心者向けのおすすめ株式投資勉強法
株式投資は金融用語が多いので敬遠されてしまいがちです。最初から苦手意識を持つことが無いように、あまり背伸びはせずに自身のレベルにあったものを取り入れていきましょう。
証券会社の口座を開いて情報だけ覗いてみる
株式投資に関する情報収集をする上で効率的な方法は、証券会社の口座開設をして、口座開設をした人向けに提供している証券会社の情報をチェックすることです。株式投資をしたことがない人はいきなり口座開設をすることに抵抗があるかも知れませんが、証券会社の口座は基本的に無料で開設をすることができます。
証券会社が提供している投資家向けのセミナーなども無料で何度でも視聴できるものがある他、株式投資を含めた投資に関連する用語解説なども初心者向けにわかりやすくまとまっています。
株式投資に関する本を読む
読書も株式投資に関する情報を収集するために有効な方法です。
一言で株式投資といっても、株式を購入したときよりも高値で売却して売買益を得る方法、株式を保有している企業が出した利益の一部を配当金として受取って利益を得る方法。株主優待でお得に生活を送る方法などさまざまな手法があり、株式投資がうまくいかないのは、知識不足により選択肢が狭いことが理由であることは少なくありません。
初心者の方は、まず株とは何かについて書かれているもの。その他、値動きの仕組み、株式投資・経済指標に関する用語解説についてわかりやすく書かれているものがおすすめです。
また、1つの考えに偏らないよう、同じテーマに対して複数の本を読んでおくこと。さらに、投資は市場動向によって常にプラスになるわけではないので、投資マインドについて学べる本もバランス良く取り入れることも大切です。苦手にならないよう、少しずつ進めていきましょう。
株式投資に関する動画を見る
証券会社のサイト以外にも、有名な個人投資家が発信している動画情報も参考になります。ただし、基本的な情報以外に、個別銘柄や自身の成功事例について解説しているケースがあるので注意が必要です。こうした情報は、すでにトレンドを過ぎている場合があり、動画で解説者がおすすめしている銘柄を購入しても、相場の高いところで買うことになるかも知れないからです。
また、発信している解説者の素性も確認しておきましょう。解説者の経歴やSNSのフォロワーの「質」、セミナー実績、執筆実績、メディア出演歴なども発信者の信頼性として意外に大切な情報です。
新聞とテレビを組み合わせて相場観をつかむ
新聞やテレビは自分のレベルにあわせてくれるわけでは無いので、初心者は難しいかもしれません。しかし、毎日新しい情報がでるので、相場の流れをつかむことができます。
相場の流れをつかむことができると、どんなことで株価が上下するかがある程度は分かるようになります。
例えば、アメリカ経済なら雇用統計、消費者物価指数の発表がFOMC(連邦公開市場委員会)の政策金利に影響する。など、指標と国の金利政策は一種のストーリーのようになっているため、初心者には分からない単語は調べながら毎日継続すると、1年程度で経済の流れはかなりつかめるようになります。
また、NYダウ、S&P、NASDAQなどのアメリカの主要な経済指標や、日経平均株価、TOPIXなどの日本の経済指標も日々チェックをしておくと、どのような事件やイベントがこうした経済指標に影響を与えるのかも理解でき、より相場の流れがつかめるようになります。
経済専門の新聞やテレビは、内容を全て理解するのは大変ですが、こうした情報が充実しているうえ、毎日発信されているので積極的に活用してみましょう。
今後初心者脱却するために知っておきたいこと
ここまで紹介した勉強方法を取り入れて、さらに投資家として進化していきたい人は、ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析に挑戦してみましょう。
ファンダメンタルズ分析
株式投資におけるファンダメンタルズ分析とは、企業の財務状況や業績をもとに実際の企業価値を分析して購入を判断する方法です。企業の財務状況を見ると、市場から過小評価、または過大評価されていることがあります。
ファンダメンタルズ分析を利用するとこうした市場と実態のギャップを自分なりに分析して投資判断ができるようになります。
企業の価値を見る上では、ROE(株主資本利益率)、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などが代表的な指標です。
テクニカル分析
テクニカル分析とは、銘柄の取引価格や売買実績の推移をチャート化したものです。ローソク足チャート、一目均衡表、移動平均線など多くのテクニカル指標があります。
テクニカル分析ができるようになると、チャートの並びをみて将来の値動きや、トレンド転換点などがある程度は分かるようになります。
知っておきたい株式投資の方法
株式投資は投資の中でもリスクの高い投資といわれますが、いくつかの投資手法があります。いずれもリスクはありますが、自分のリスク許容度(どれくらいまでのリスクなら容認できるか)にあわせた手法を選ぶことが可能です。
売買益で収益を上げる方法
株式を購入して、将来的に購入時より株価が値上がりした場合に売却することで収益を得る、株式投資では最もポピュラーな投資方法です。
メディアで取り上げられる投資家は、短期売買で大きな利益を出している人が多いですが、基本的には自分が好きな業種や詳しい業種、よく利用する業種などに特化して、長期的な株価上昇を期待して投資をしたほうが比較的リスクを抑えた運用ができます。
配当金で長期的に利益を得る方法
株式を保有している企業の業績がよく、利益が出た場合は投資家に配当金として利益が還元されることがあります。すべての企業が配当金を用意しているわけではなく、配当金を用意している企業であったとしても、業績によっては配当金が無し、または少なくなることがあります。
短期的な売買は想定していないので、株価の上下に過度に敏感になる必要はありません。そのため売買益で収益を上げるよりもリスクを抑えた投資方法といえるでしょう。
株主優待で生活費を削減する方法
特定の株式銘柄を一定数、一定期間まで保有していると、企業から商品やサービスの提供を受けられる株主優待を設けている企業もあります。株主優待は直接投資の収益になるわけではありませんが、食品サンプルや商品券を受け取れば生活費の削減につながるので、家計という観点からみればプラスにはなります。
株主優待も比較的安全な投資方法ですが、株主優待は企業の業績次第で急に中止となる可能性があるので注意が必要です。
少額からでもスタートしてみることが最も有効な勉強法
ここまで、株式投資初心者に有効な勉強方法を紹介してきましたが、実はもっとも有効な勉強方法は、市場に参加すること。つまり、株式投資を実際に始めてみることです。実際に投資を始めてみると、本で読んだ知識を間違って解釈していたり、細かいニュアンスを理解していなかったりすることも表面化してきます。
百円、数千円から株式投資ができる証券会社もあるので、知識を吸収したら少額からスタートして実際に株式投資を始めてみることが一番の勉強です。投資と勉強を絶えず繰り返すことで、株式投資で失敗する確率を下げることができるようになるでしょう。
まとめ
株式投資はリスクが高い投資といわれていますが、いろいろな面で知識や情報が不足しているために失敗している事例は少なくありません。また、知識だけではなく、実際に投資をすることでさらに知識は生かされます。今回紹介した、株式投資の勉強方法を生かして自身の資産形成に役立ててください。