LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

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LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

投資にも影響?昨年は商業地が大幅下落 公示地価 今年の動きは?

公的な地価調査として毎年注目されている公示地価。昨年はコロナ禍の影響を受けて商業地などで大幅な下落となった地点が多かったが、今年はどうだったのか。投資にも影響の強い大都市圏を中心に見ていこう。

■住宅地、商業地とも全国平均が上昇に転じる

公示地価は毎年1月1日時点で全国約2万6000地点の地価を国土交通省が調査し、発表しているものだ。7月1日時点の基準地価(都道府県地価調査)とともに、公的な地価として不動産取引の目安とされる。

先日発表された2022年の公示地価によると、全国平均では住宅地が前年比(以下同)0.5%、商業地が0.4%のいずれも上昇となった。コロナ禍の影響で不動産市場が一時的に冷え込んだ昨年は住宅地が△(マイナス)0.4%、商業地が△0.8%だったが、今年は回復して上昇に転じている。

■東京圏の住宅地は都心も近郊も高めの上昇

東京圏の平均は住宅地が0.6%、商業地が0.7%と、いずれも昨年のマイナスから上昇に転じている。地域別に見ると、特に東京都区部都心部の住宅地が2.2%と、高めの上昇率となった。新型コロナの感染拡大が始まった2020年の春にはほぼ開店休業状態となった都心の不動産市場だが、第1回の緊急事態宣言が解除されるとともに急回復している。その後2021年も都心では高額マンションの売買が活発化しており、堅調な住宅市場が地価にも反映された形だ。

一方、コロナ禍で在宅時間が長くなったこともあり、広めの住宅や子育てしやすい居住環境へのニーズも高まったと言われる。そうした傾向を反映し、横浜市やさいたま市、千葉市では住宅地がいずれも1%前後の上昇率となった。そのほかにも、例えば浦安市が3.3%、和光市と稲城市が2.3%の上昇となるなど、都心への利便性が高い近郊エリアで高めの上昇率となったエリアが見られる。

東京圏の商業地も2022年はおおむね上昇したが、区部都心部は0.0%と横ばいだった。なかでも千代田・中央・港の都心3区はいずれもマイナスだ。コロナ禍でインバウンド需要が消失し、銀座などの繁華街では客足が戻りきっていないため下落幅が大きくなっている。また丸の内などオフィス街でも空室率が高止まりしており、地価の下落が続いている状況だ。ただし国内観光需要の回復を反映し、浅草では地価が上昇に転じている。

■大阪ミナミの商業地は2ケタ下落の地点も

大阪圏は住宅地が0.1%の上昇に転じたが、商業地は0.0%と横ばいだった。住宅地で上昇率が高めだった地域としては、大阪市中心6区や堺市、神戸市東部4区などが挙げられる。大阪市や神戸市の中心部ではマンション開発が活発化するなど、コロナ禍を受けて住宅ニーズの高まりが顕著だ。

大阪圏の住宅地で最も上昇率が高かった地点は大阪市天王寺区上汐4丁目で6.6%だった。市内でも人気の高い住宅地とされる上町台地にあり、周辺ではタワーマンションの分譲も活発なエリアだ。またJR摩耶駅に近く、周辺でマンションや商業施設などの大規模開発が行われた神戸市灘区灘北8丁目は4.4%の上昇率となった。

商業地では堺市や阪神地域、京都市中心5区などが比較的高い上昇率だったが、大阪市中心6区や神戸市東部4区では下落が続いている。コロナ禍でインバウンド需要がなくなり、中心部の繁華街で飲食店などの売上が落ち込んでいることが地価にも反映したようだ。一方で日常の買い物などの利便性が高い商業地では利用客が増え、地価の押し上げ効果が見られる。なお、京都市中心部は国内の観光ニーズが回復したことも、地価上昇につながっているようだ。

商業地で上昇率が高かった地点としては、箕面市船場東3丁目が挙げられる。北大阪急行の延伸により2023年度に新駅が開業する予定の地点で、駅前ではタワーマンションの開発も進んでおり、7.5%の高い上昇率となった。一方、大阪市中央区の道頓堀1丁目は△15.5%となるなど、大阪ミナミの繁華街は2ケタの下落が続いている。

■名古屋市中心部では投資需要が強まる

名古屋圏は住宅地が1.0%、商業地が1.7%の上昇と、前年の下落からプラスに転じた。住宅地では名古屋市が高めの上昇率となっており、なかでも中区(9.3%)、東区(4.7%)、南区(4.2%)などの上昇率が高くなっている。また自動車産業の業績回復などを反映し、西三河地域も上昇しており、安城市で3.2%、刈谷市で3.1%のプラスとなった。

商業地も名古屋市が大きく上昇に転じており、特に東区(4.8%)、中区(4.4%)、西区(3.9%)などで上昇率が高くなった。名古屋市中心部の栄エリアではビルの建て替えなどが活発化しており、マンション開発も盛んだ。名古屋圏で最も上昇率が高かった地点は住宅地が名古屋市東区泉1丁目、商業地が同中区新栄町2丁目と、いずれも栄エリアとなっている。また国土交通省によると、栄エリアでは居住用物件に対する投資需要が強まっているという。


■地方4市は堅調なマンション・オフィス需要で大幅に上昇

三大都市圏を除く地方圏は住宅地、商業地とも前年のマイナスから2022年はわずかにプラスへ転じたが、札幌、仙台、広島、福岡の「地方4市」は大幅な上昇となっている。なかでも札幌市は住宅地、商業地とも5%台の上昇率となり、福岡市の商業地は9%台だった。

こうした中核都市では中心部でタワーマンションなどの供給が活発になっているほか、オフィス需要も堅調で商業地の需要も高まっている。また中心部へのアクセスのよい近接エリアも住宅ニーズが高く、駅周辺や郊外型大型店舗周辺などの集積度が高まっている状態だ。

ちなみに全国で最も高い上昇率となった地点は住宅地、商業地とも札幌市に隣接する北広島市で20%前後の上昇だった。同市ではJR北広島駅西口で野球場を核としたボールパーク事業が2023年の開業を目指して進められており、駅前では大規模マンションも分譲中だ。商業地では福岡市博多区祇園町も全国3位に入っており、2023年3月予定の地下鉄新駅開業の効果で地価上昇が続いている。

執筆ライター:大森広司

【このコラムの著者】

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