LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

今どきは保証人より保証会社が主流なの?家賃保証の仕組みとメリット・デメリット

不動産投資における賃貸経営において、オーナーを悩ませるリスクの一居者による家賃滞納」があります。
LIFILL HOME’Sが2007年に行った「賃貸物件オーナーの経営実態調査」では「賃貸経営をしていて今までに経験した悩み」の第1位に「家賃滞納」が上がっています。49%と半数近い物件オーナーが「家賃滞納」に悩んでいるという結果でした。

このように多くの大家さんが頭を悩ませる「家賃滞納」の有効な対応策の一あります。
賃貸経営の安定化のために検討したい「家賃保証会社」について、その基礎知識やメリット・デメリットを見ていきましょう。

家賃保証の基礎知識

まずは家賃保証制度の基礎知識を見ていきましょう。

家賃保証会社とは?

家賃保証会社とは、物件オーナーに対し入居者の家賃滞納を保証する会社のことです。入居者が家賃の支払いを怠ったとしても、物件オーナーには家賃保証会社から毎月賃料が入金される仕組みになっています。
「賃貸保証会社」「家賃債務保証会社」とも呼ばれます。

補償範囲やサービス内容は会社によってさまざま。家賃滞納だけでなく、退去時のクリーニング費・修繕費、残置物撤去費用、訴訟費用などをカバーしてくれる保証会社もあります。

詳しくは「賃貸保証会社(家賃保証会社)とは? 基本的な仕組みと利用時の注意点」を参考にしてください。

家賃保証の仕組み

「家賃保証」システムにおける、入居者・物件オーナー・家賃保証会社・不動産会社(宅地建物取引業者)の関係性は以下のとおりです。

国土交通省住宅局「家賃債務保証の現状」(2016年10月)

入居者と家賃債務保証会社の間で「家賃債務保証委託契約」を結び、入居者が家賃保証会社に対して保証料を支払います。
一方物件オーナーと家賃保証会社の間では「家賃債務保証契約」が結ばれ、家賃滞納が発生した場合は家賃保証会社が賃料を立て替えてオーナーに支払いを行うという仕組みです。
その後家賃保証会社は、入居者に対して立て替えた滞納分の家賃を請求することになります。

つまり大家さんとしては、何の出費もなく毎月の家賃入金が保証されるということです。

連帯保証人とはどう違うの?

連帯保証人とは、滞納家賃の支払いや入居者が起こしてしまった問題などに対し、入居者に代わってその責任を肩代わりする人のことです。
入居者と全く同等の責任を負うことになるため、親や近しい親戚などに頼む人が多いでしょう。

入居条件として
・連帯保証人を必要とする
・連帯保証人不要で家賃保証会社への加入を必須とする
・連帯保証人・家賃保証会社への加入両方を必要とする
など、物件オーナーや不動産会社の判断で決めることができます。

詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
賃貸の連帯保証人と賃貸保証会社との違い。民法改正における極度額、更新時の対応は?
LIFULL引越し「連帯保証人って何をする人?」

サブリースとはどう違うの?

「家賃保証」というと「サブリース」を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか? 上記で説明した「家賃保証」の仕組みとサブリースは全く仕組みが異なります。

サブリースは、サブリース会社と物件オーナーの間で賃貸借契約を結び、一定期間サブリース会社が物件を一括借り上げする仕組みです。
一括借り上げした物件はサブリース会社によって入居者に又貸しされ、入居者からの家賃収入はサブリース会社に入ります。そして物件オーナーは、空室にかかわらず一定の割合の保証賃料をサブリース会社から受け取ることができるわけです。

物件オーナーにとっては、
・空室にかかわらず毎月一定の家賃収入が入る
・賃貸経営にかかるほぼすべての手間をサブリース会社に任せて手放し状態で運用できる
などのメリットがあります。

と同時に、
・家賃設定に干渉できない
・家賃減額のリスク
・一方的な契約解除のリスク
などデメリットもあり、サブリースに関するトラブルは多いのが現状です。

サブリースについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
不動産投資の家賃保証って何? デメリットやリスクについて解説
サブリース契約のその前に! トラブルに遭わないための5つのチェックポイント

今どき保証人より保証会社が主流に……!

賃貸物件の入居条件として、保証人よりも保証会社を必須とする物件が年々増えています。

家賃保証会社の利用は年々増加、2020年度は8割に


参考:国土交通省住宅局「家賃債務保証の現状」(2016年10月)

2010年から2014年にかけて、賃貸借契約において家賃債務保証会社の利用を求める割合は39%から56%に増加しています。
さらに国土交通省が発表したデータによると、2020年度の家賃債務保証会社の利用率は約8割にまで上昇していることが分かったそうです。

家賃保証会社の利用が増えているのはなぜ?

ここ10年で家賃保証会社の利用が一気に増加した理由として、
・高齢者単身世帯の増加
・人間関係の希薄化(連帯保証人を頼める人がいない)
・連帯保証人に関する民法改正
・物件オーナーのリスク回避志向の高まり
などの理由が挙げられるでしょう。

これらの理由のうち、連帯保証人に関する民法改正についてよく分からない方も多いと思いますので、簡単に説明します。
2020年4月に施行された民法改正により、個人が保証人になる契約においては、支払いの責任を負う金額の極度額(上限額)を定めなければならないことになりました。

これにより、高額な保証金額が提示された賃貸契約においては連帯保証人になることをためらう人が増え、借りたくても借りられない人が出てくる可能性が考えられます。大家さんにとっては空室リスクが高まる要因となるわけです。
さらに極度額を超えた部分の債務は連帯保証人に請求できず、オーナーの負担になります。

連帯保証人に関する民法改正は、このように大家さんにとって新たなリスクとなるため、家賃保証会社の利用が増えたと考えられるでしょう。

アパート融資にも影響! 不動産投資家が押さえるべき改正民法の要点

家賃保証会社を利用するメリット

家賃保証会社を利用するメリットを、物件オーナー・入居者双方の視点で見てみましょう。

物件オーナーにとってのメリット

・家賃の入金が滞ることがない
・クリーニング費用、訴訟費用などが保証内容に含まれていれば、オーナーにとっての負担が減る
・保証人が立てられない入居者も受け入れられる
・家賃保証がある分、敷金などの初期費用を抑えることが可能になり、他物件との差別化を図ることができる
・入居審査を保証会社にお任せできる

入居者にとってのメリット

・連帯保証人が立てられなくても入居が可能になる
・国籍や職業、年齢などによって入居審査に通りにくい人でも、入居できる可能性がある
・家賃滞納によって家族や親戚などに迷惑をかけずに済む

家賃保証を利用するデメリット

逆に、家賃保証を利用するデメリットはあるのでしょうか?

物件オーナーにとってのデメリット

・家賃保証会社の倒産リスク
・入居審査を完全に任せてしまうため、大家さん自身の経験として身に付かない
・保証会社からの督促が厳しく、入居者の退去率が上がる可能性がある
(大家さんや不動産会社からの督促の場合、支払期日や分割などの交渉をすることで入居を続けることが可能になるケースも)

入居者にとってのデメリット

・保証料を支払わなければならない
・家賃滞納時の督促が機械的になり厳しくなる
(先述したような、大家さんや不動産会社相手には可能な交渉が保証会社には難しい)

賃貸経営の安定を図る施策の一つに「家賃保証」を

家賃滞納は、たとえそれが数ヶ月続いたとしても、オーナー独自の判断で勝手に鍵を替えたり入居者を追い出したりすることは法律違反となります。裁判など法的手段を取ることになるため長期化・複雑化するケースもあり、物件オーナーにとっては経済的・精神的に大きな負担となるでしょう。

今や家賃保証会社の利用率が8割に上るというデータが、多くの大家さんがこうしたリスクを避けたがっていることを物語っているといえます。
オーナー・入居者双方のメリット・デメリットをよく理解し、家賃保証会社導入の可否を検討したいものですね。

家賃を滞納したらどうなる? 明け渡しまでの流れと有効な対処法
入居者が夜逃げした物件でオーナーが取るべき行動は?

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
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