東京駅すぐ近くに位置する八重洲エリア。こちらの一部地域は、国を挙げてのプロジェクト「国家戦略特区」に指定されており、大胆な再開発が行われています。
ここでは、2022年現在における八重洲エリアの再開発事情と、具体的な事業内容について解説します。八重洲エリアでの物件購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
八重洲エリア(東京駅周辺)の再開発事情まとめ
八重洲エリアで再開発が進んでいる地域は、主に以下3つの地域です。
・八重洲1丁目
・八重洲2丁目1地区
・八重洲2丁目中地区
各地域の再開発事情を順番に解説しましょう。
八重洲1丁目・2丁目1地区
八重洲1丁目・2丁目1地区における再開発の概要は以下のとおりです。
【再開発の概要(八重洲1丁目)】
該当地域 | 八重洲1丁目6~9番 | 八重洲1丁目300番・他 |
着工 | 2020年10月 | 2021年10月 |
完工(予定) | 2024年3月 | 2025年4月 |
主要用途 | オフィス、バスターミナル、カンファレンス、医療施設など |
【再開発の概要(八重洲2丁目1地区)】
該当地域 | 八重洲2丁目1~3番 |
着工 | 2018年1月 |
完工 | 2021年4月 |
主要用途 | オフィス、店舗、短期滞在向けホテル、小学校、 バスターミナルなど |
日々、多くのビジネスワーカーが行き交う東京駅は、各方面へのバス停留所や国際空港への玄関口となっています。交通結節点としての機能を強化するために、大規模バスターミナルの整備が行われています。
また、国際都市東京としての存在感を世界へアピールすることも重要です。東京の国際競争力を高めるために、ビジネス交流の場や国際水準の宿泊施設といった各環境整備も進んでいます。
八重洲二丁目中地区
八重洲二丁目中地区における再開発の概要は以下のとおりです。
【再開発の概要(八重洲2丁目中地区)】
該当地域 | 八重洲2丁目4~7番 |
着工 | 2020年 |
完工 | 2023年 |
主要用途 | 事務所、店舗、中長期向け滞在施設、 インターナショナルスクール、バスターミナル、駐車場など |
八重洲エリアにおける再開発事業は、国際競争力の強化が目的です。
海外から訪れたビジネスワーカーとその家族が安心して日本に滞在できるように、インターナショナルスクールや中長期滞在者向けの宿泊施設などの整備も進んでいます。
八重洲の再開発で何が変わる?【主な開発事業をご紹介】
それでは、八重洲の再開発によって具体的に何が変わるのでしょうか。ここでは、八重洲エリアにおける再開発の事業内容について詳しく解説します。
利便性の高いバスターミナル
高速乗合バスなどのバスターミナルの整備は、八重洲エリアにおける再開発事業のなかでも大きなプロジェクトの一つです。東京駅前のバスターミナルは「バスターミナル東京八重洲」として、以下のとおり段階的に開発が行われます。
開発地域 | 開業予定 | |
第1期 | 八重洲2丁目北地区 | 2022年9月 |
第2期 | 八重洲1丁目地区 | 2025年 |
第3期 | 八重洲2丁目中地区 | 2028年 |
まず、バスターミナル東京八重洲の第1期として八重洲2丁目北地区の地上および地下に開業予定です。その後、2025年に第2期のエリアが開業し、最終的な開業は2028年。すべて開業すると、国内最大級の高速バスターミナルとなる予定です。
【バスターミナル再開発の背景】
八重洲エリアのバスターミナルは、現状、複数の課題を抱えています。既存のバスターミナルは、東京駅周辺のみでは各方面への十分なスペースを確保できておらず、周辺の道路上に停留所が点在している状態です。
そのため、電車からバス、バスから電車への乗り換えが不便であることや、道路上でバスを乗り降りする人々が車道や歩道の妨げになっています。安全性や利便性を高めるためにも、大規模な再開発が必要だったという背景があります。
大都市にふさわしい施設・景観
八重洲エリアの再開発で目指すものは、国際都市「東京」としてふさわしい街並みの景観形成です。八重洲の個性や周辺との調和を尊重しつつ、新たなシンボルとなるような高層ビルの建設が進んでいます。
具体的には、2021年6月末に完工したオフィスビル「常盤橋タワー」、2023年3月に開業予定の「東京ミッドタウン八重洲」、2027年完工予定の複合施設「Torch Tower(トーチタワー)」などがあります。
新たなオフィスビルや商業施設によって、現在よりもさらに活気ある街へ発展することが期待できるでしょう。
国際交流を活性化させる環境整備
八重洲の再開発では、海外からのビジネスワーカーが訪れやすく、暮らしやすい街づくりを計画しています。
たとえば、海外からのビジネスワーカーとその家族のために、インターナショナルスクールを整備すること、国際的なニーズに対応したアパートメント(多言語対応コンシェルジュ、ハウスキーピングサービス付きなど)を整備することが挙げられます。
また、日本企業が世界で活躍するためには、ビジネスチャンスが生まれやすい環境整備も大切です。会議や学会などに利用できるカンファレンスセンターや交流ラウンジの整備といった、コミュニケーションの場を展開する取り組みも行われています。
八重洲の不動産価格推移
不動産を購入するうえで、資産価値の推移を確認することも大切です。LIFULL HOME‘S 住まいインデックスでは、再開発エリア周辺の価格推移を公開しています。(公開している価格は、一定の条件の下、AI査定した参考価格です)
八重洲1丁目・2丁目の一部地域における中古マンション価格を、再開発事業の決定前後で比較するとどの地域も上昇傾向です。
今回ご紹介したとおり、八重洲の再開発は段階的に行われているので、資産価値を期待できる物件を検討している方は有効的な選択肢の一つかもしれません。
LIFULL HOME‘Sでは、八重洲エリア以外にも多数の収益物件情報を掲載しているので、ぜひ一度チェックしてみてください!