LIFULL HOME'S 不動産投資編集部の不動産投資コラム

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

住宅ローンは投資にはNG! フラット35を使った不正な不動産投資って結局どうなった?【後半】

住宅ローンは投資にはNG! フラット35を使った不正な不動産投資って結局どうなった?【前半】では、事件の概要と不正利用が発覚するとどうなるかについて解説しました。

後半となる本記事では、事件のその後を見ていきましょう。そして、こうした融資の不正利用に巻き込まれないために投資家として絶対に押さえておきたい不動産投資のポイントについても解説します。

フラット35の不正利用事件を教訓として、ぜひいま一度、正しい知識・情報を身に付けることの重要性を確認しましょう。

フラット35をめぐる不正利用事件はその後どうなった?

返済不能、自己破産に陥った人も

フラット35の不正利用を持ちかけられた物件オーナーのなかには、周辺相場よりも高い物件価格を設定されて契約してしまった人も多かったと見られています。なぜなら物件価格をつり上げたほうが不動産会社に入る手数料が増え、事業者グループにとって利益になるからです。
そのため物件を売却しても残債を返済しきれない人が大多数だったのではと考えられます。

今回の事件に関わった物件購入者の多くは、年齢が若く年収も低い層が多かったため、負債に対応できず自己破産に陥るケースも見られたようです。

「アルヒフラット35不正融資被害者同盟」の立ち上げ

国内最大手・住宅ローン専門の金融機関「アルヒ」を通じてフラット35を契約し、不正融資として住宅金融支援機構から一括返済を求められている物件オーナー15人と弁護士が「アルヒフラット35不正融資被害者同盟」「アルヒフラット35被害弁護団」を2022年2月に立ち上げました。

同盟と弁護団は「物件価格が相場とかけ離れていることや、単身者がファミリー物件を購入していることなど、アルヒ側が投資用物件の購入を疑うべきポイントがあったのではないか」と主張。投資用物件に住宅ローンを利用しようとしていないかのチェックが甘く、見逃していることや、審査が適切でなかったことなど、アルヒ側の責任も追及したいとしています。

同盟と弁護団は、住宅金融支援機構とアルヒに対し一括返済請求・抵当権実行の停止や損害賠償請求と残債の相殺などの交渉を進めたいとのことです。
今後の動きが注目されます。

金融機関の融資審査の厳格化

こうした不正利用発覚後、各金融機関では融資審査の厳格化が進められています。

アルヒは不正利用の可能性がある案件を検知するAIシステムを導入。さらには、
・新規に取引する不動産会社との直接面談によって企業の運営実態を確認
・不動産会社の顧客管理体制のチェック
・物件価格の妥当性の厳格なチェック
などを徹底しているようです。

住宅金融支援機構でも、物件価格の慎重な審査や金融機関との連携強化、居住実態調査などを実施しています。

それでもフラット35の不正利用は続いている……!?

朝日新聞や「アルヒフラット35不正融資被害者同盟」は、独自の調査により住宅金融支援機構が不正利用の調査結果を報告した以降も同様の被害が続いていると主張しています。投資用物件購入者にフラット35の不正利用を勧めようとする事業者グループは今でも存在しているのかもしれません。
こうした融資の不正利用に関わらないようにするためには、やはり自分で自分の身を守るしかないといえるでしょう。

融資の不正利用に巻き込まれないために……絶対に覚えておきたい3つのこと

不動産投資を行ううえで、まだ知識や経験が浅い投資初心者が不正利用に巻き込まれないためには、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか? ぜひ覚えておきたい3つのポイントを解説します。

①「住宅ローンを投資用物件の購入に使ってはいけない」は基本中の基本

まずは、そもそも「住宅ローンを投資用物件に利用してはいけない」という基本を覚えておきましょう。
たしかに住宅ローンの低い金利でローンを返しながら収益が得られるとなれば、誰でも魅力的に感じるはずです。しかしそれは金融機関との契約違反であり、犯罪行為にも当たります。
もし事業者に勧められても断らなければなりません。

②必ず自分の目で物件・契約書を確認する

「知らず知らずのうちに実際の物件価格より水増しされた額で融資を受けていた……」
「知らない間に多額のリフォームローンを組まされていた……」

など、フラット35の不正利用に関与した購入者のなかは、契約書をしっかりチェックせずに署名・捺印しているケースも多かったと見られています。
事業者に「手続きはすべてこちらでやる」「サインしてくれるだけでいい」などと言われても、必ず契約書にすべて目を通して、おかしな部分がないかチェックすることを心がけましょう。

また実際に物件を見ずに事業者に言われるがまま契約してしまった人もいたようです。
実際に物件を確認すれば、周辺相場より明らかに物件価格がつり上げられている場合に、おかしいなと気づけたかもしれません。

書類も物件も、自分の目で直接確認することが重要です。

③不正利用を疑うべき事業者からの言葉

「今の借金を帳消しにして不動産が買える」
「すべてのローンや借り入れをフラット35で一本化できる」
「金融機関に『自分で住みますか』と聞かれたら『はい』と答えてください」
「半年だけ住民票を移せば問題ない」
「契約書を2つ作成する」
「みんなやっている」
「業界では当たり前」
「手続きはすべてこちらに任せてサインとハンコだけいい」
「勝手に金融機関と話をしないで」

事業者からこういった言葉や誘い文句を言われたら、不正利用を疑って一旦立ち止まることを心がけましょう。少しでも「おや?」と引っかかる言葉があれば、その契約をして本当に大丈夫なのかいま一度確認することで、未然に不正利用への加担を防ぐことができるかもしれません。

住宅ローンの利用が認められる不動産投資がある!?

実は住宅ローンを不動産投資に利用することが正式に認められている投資手法があります。

【例】
・賃貸併用住宅(条件あり)
・ヤドカリ投資
・収納シェア
・転勤などのやむを得ないケース(金融機関が認める場合に限る)
など

興味のある方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
不動産投資で住宅ローンが組める3つの方法と注意点
住宅ローンが使えるヤドカリ投資とは?メリット・デメリット・税制優遇を解説
コロナ禍の今こそ注目!住宅ローンが使える賃貸併用住宅-各銀行のローン比較
住宅ローンを家賃で返済できる!?賃貸併用住宅とは? メリット・デメリット解説

まとめ

フラット35の不正利用に加担してしまったことによって、一括返済を突きつけられた債務者たち。彼らは悪質な事業者グループにだまされた被害者でもありますが、もし不動産投資についてもう少し正しい知識や情報を持っていれば、おかしな部分や怪しい部分に気づけたかもしれません。

不動産投資に限らず、投資話には詐欺を働こうとする悪質な事業者が絡んでいる可能性があります。

・正しい知識、情報を身に付ける
・必ず自分の目で確認する
・事業者任せにしない
これらをよく肝に銘じて、自分の身を自分で守れるようにしましょう。

もし投資詐欺に遭ったら!? 被害の相談先、返金してもらうための方法【前半】
もし投資詐欺に遭ったら!? 被害の相談先、返金してもらうための方法【後半】
AI投資、新型マルチ商法、暗号資産……投資詐欺で狙われる若者。自分を守るために知っておきたい最新詐欺事情とは?【前半】
AI投資、新型マルチ商法、暗号資産……投資詐欺で狙われる若者。自分を守るために知っておきたい最新詐欺事情とは?【後半】
若者が投資詐欺に狙われてる……!? 投資に興味津々の大学生がさまざまなウワサをネットで調べてみた!

【このコラムの著者】

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部

LIFULL HOME'S 不動産投資は、不動産投資・収益物件の検索から不動産投資セミナーやイベント運営を実施。
不動産投資にまつわる新鮮な情報、トレンドを発信。
LIFULL HOME'S 不動産投資には不動産投資の知識・アイディア・ヒントが盛りだくさん。

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

有田宏

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 不動産投資でローンを使う時

不動産投資NEWS

シリーズ連載: 不動産投資ニュース

最新コラム: アパートメントホテル開発用地の取得に関するお知らせ【静岡県御殿場市】

髙杉雅紀子

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 田舎の実家を相続することを考えてみる~実家を賃貸にした場合の確定申告~

上井邦裕

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 駐車場への投資を考える

平賀 功一

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 不動産を今、買っていい人 買わないほうがいい人

石川 和寿

シリーズ連載: 不動産会社のプロの意見

最新コラム: 賃貸のプロが教える入居者募集の6つのコツ

藤田 博司

シリーズ連載: 不動産投資家が次に着目している民泊投資とは

最新コラム: 民泊の準備で困ったこと

逆瀬川 勇造

シリーズ連載: 不動産投資を始める人のノウハウ

最新コラム: 不動産投資は常に融資との戦い?ローンの基礎知識や流れを解説

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

金井 規雄

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

最新コラム: あとがき

橋本 秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: 新築住宅50万戸時代に生き残る賃貸経営戦略の立て方

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中 圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.106 タイ不動産マーケットの現状について

佐藤 益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 新型コロナウイルス感染拡大から考える 大家がすべき対応 No.6 住生活総合調査からわかる 現状と未来の不動産投資2

菅井 敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: Withコロナの新・不動産事情

最新コラム: コロナ影響下のアメリカで激安お値打ち物件がなかなか出ない理由!

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 不動産投資を中長期で継続させるには

猪俣 淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: 賃貸併用住宅を建てる時の判断

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 36.大家さんと幸せな人生について

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

※ No.1表記について:不動産投資ポータルサイトが掲載をする物件数統計 2020年6月時点(フジサンケイビジネスアイ調べ)

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ

情報セキュリティマネジメントシステム国際規格

株式会社LIFULLは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しています。