金井規雄の不動産投資コラム

シリーズ連載: アメリカ不動産投資のすべて

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

アメリカの優位性(1)

セミナー開催のお知らせ
金井規雄氏による新刊『アメリカ不動産投資の実態。』出版記念セミナーを開催
日程:6月30日(土)14:00~
料金:無料
定員:80名
会場:八重洲ブックセンター 本店8階ギャラリー
詳細:http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/14144/

 

まずは、図表1をご覧ください。アメリカの国力は、世界第1位です。

[図表1] 世界の国力ランキングベスト10

順位
(NPI)
国名称首都大陸通貨ナショナルパワー
指数
1位アメリカワシントン北アメリカ米ドル77.77
2位中国北京アジア人民元58.66
3位ロシアモスクワヨーロッパルーブル43.36
4位フランスパリヨーロッパユーロ43.24
5位日本東京アジア42.9
6位イギリスロンドンヨーロッパポンド41.42
7位ドイツベルリンヨーロッパユーロ39.77
8位インドニューデリーアジアルピー35.4
9位カナダオタワ北アメリカカナダドル32.86
10位イスラエルエルサレムアジア新シュケル32.19

出展:National Power Index 2012:Foundation for National Security Research

これは、2012年の調査結果(インドのシンクタンク)ですが、調査分野が多く、経済力、軍事力、人口、技術力、エネルギー、外交力について研究され、それぞれのパワーを点数化し、その合計点数で順位がつけられています。
第2位の中国に20ポイントほどの差をつけています。

経済力

アメリカの経済力は世界第1位であることは、よくご存じのことと思います。
近年中国が高度成長を持続させて日本を抜き世界第2位になりましたが、図表2をご覧ください。

[図表2]

順位国名称単位:10億USドル地域
1位アメリカ16,768.05北米
2位中国9,469.12アジア
3位日本4,898.53アジア
4位ドイツ3,635.96ヨーロッパ
5位フランス2,807.31ヨーロッパ
6位イギリス2,523.22ヨーロッパ
7位ブラジル2,246.04中南米
8位ロシア2,096.77ヨーロッパ
9位イタリア2,071.96ヨーロッパ
10位インド1,876.81アジア

出展:IMF – World Economic Outlook Databases(2014年10月版)

IMFの最新GDPの国別表ですが、GDP額にご注目ください。
第2位の中国9兆4691億ドルと第3位の日本4兆8985億ドルを合わせても、アメリカの16兆4691億ドルに未だ2兆4004億ドル足りないのです。
第2位以下に大きく差をつけるダントツの1位です。

もう一つ忘れてはいけないのは、金(ゴールド)の保有量です。(図表3)

[図表3]

順位国・公的機関金保有量
(単位:トン)
外貨準備に占める
金保有の割合
1位アメリカ8,133.575.1%
2位ドイツ3,395.571.9%
3位国際通貨基金(IMF)2,814.0-
4位イタリア2,451.871.3%
5位フランス2,435.471.6%
6位中国1,054.11.6%
7位スイス1,040.114.2%
8位ロシア918.09.2%
9位日本765.23.1%
10位オランダ612.560.2%

出展:WGC- World Gold Councilの資料を元に作成

アメリカは世界第2位のドイツのおよそ3倍近い保有量を有しています。
もう少し絞り込んで見てみたいと思います。図表4をご覧ください。

[図表4]総人口(×1000人)[2012年]

1位中国1,384,770
2位インド1,236,687
3位アメリカ317,505
4位インドネシア246,864
5位ブラジル198,656
6位パキスタン179,160
7位ナイジェリア168,834
8位バングラディッシュ154,695
9位ロシア143,170
10位日本127,250

出展:WHO.World Health Statistics 2014

国別人口数です。国民1人当たりで換算しますと、トップ3のGDP額は

アメリカ:52,812ドル
中国:6,838ドル
日本:38,495ドル
(※注:2014年のGDPを2012年の人口数で換算)


国民一人ひとりの生産性がアメリカや日本は非常に高いことがわかります。

人口

アメリカの人口は、現在世界第3位ですが、注目すべき点は、先進国の中で唯一人口が増えていることで、これからも増加傾向にあるということです。
日本の人口が2050年に1億人を下回るといわれているのに対して、アメリカは順調に人口を伸ばし、2050年には4億人を超える予測となっています。

移民政策もさることながら、世界各国から優秀な人材が集まっています。
アメリカに留まりたい場合は、優先的に永住権を与えられることもあります。
こうしてアメリカ自国のみならず、世界からの優秀な人材をアメリカに確保し、その発展に寄与されているのです。

軍事力

図表5をご覧ください。軍事力も世界第1位です。
アメリカは「世界の警察」をストップし、中国、ロシアが軍備を拡充し戦闘行為に及んだりしていますが、世界に張り巡らされたアメリカ軍を考えますと、やはり今も変わらずアメリカに適うところは、ないとはいえるでしょう。
あとで述べます優秀な人材や教育・研究に力を入れていることから、かなり近い将来、戦闘するのは人間ではなくロボットになるかもしれませんが、それに一番近いのはアメリカであると筆者は確信しています。
もうすでに、爆弾処理係や敵を偵察するのはすべてロボットになっています。
ロボットはなにも人間のような形をしているとは限りません。

[図表5]世界の軍事力ランキング(対象:106か国)

順位国名スコア(指数)防衛費(10億ドル)
1位アメリカ0.2208612.5
2位ロシア0.235576.6
3位中国0.2594126.0
4位インド0.387246.0
5位イギリス0.392353.6
6位フランス0.470643.0
7位ドイツ0.489945.0
8位トルコ0.517118.2
9位韓国0.553633.7
10位日本0.558149.1

出展:WHO.World Health Statistics 2014

金融の中心

(1)ドル基軸通貨
米ドルは機軸通貨であることは、周知のごとくですが、ではそれは具体的にどういう意味を持つのでしょうか?

たとえば、カンボジア(企業)がベトナム(企業)からある商品を買い付けるとします。
ベトナムは売り代金をもらいますが、カンボジアの通貨をもらっても、ベトナムの自国では使えないので、支払いはドルでということになり、カンボジアは自国の通貨をドルに換えて、ベトナムに支払います。ベトナムは受け取るドルを自国の通貨に両替します。

このように世界の通貨の両替・為替として使われるのがドルです。
数年前からは、ユーロ建てや円建て取引もあり、最近では中国の元建てもあるようですが、ほとんどはドル建てになっているようです。
リーマンショック後、ドルの信認が揺らぎ、結果的に急激な円高になりましたが、アメリカ経済・景気の回復に伴い、ドルはその信認を取り戻し始めています。

東南アジア、東ヨーロッパなど旅行された方はご存知でしょうが、両替所が街のいたるところにあります。
その両替所の両替表を見ますと、売りと買いの幅が小さい順から上からドル、ユーロ、円、ポンド……という順序になっております。

ドルが両替の頻度・数量とも一番多いということで、結局はドルが一番信頼できるということです。

(2)FRB(連邦準備制度理事会:Federal Reserve Board)
アメリカの金融政策は、FRBがカジ取りをして政策を決定していますが、そのFRBがアメリカ政府機関でもなく公的機関でもなく私企業であることは、ご存知でしょうか?
FRBに誰が出資しているかその内実については、「こぼれ話1 FRB」をご参照いただきたいと思います。

ここでは、FRBの金融政策が世界の金融に影響を及ばすことと、そのFRBはいったい何に基づいて金融政策を決めているかに着目し、頭に入れていただきたいと思います。

筆者は銀行勤務時代、アメリカの金利について月次レポートを2年間ほど担当しましたが、そのときFRBについて勉強・研究致しました。
アメリカの金利・金融政策をを知るには、FRBを研究し理解することになります。いったい何がFRBの金利政策を決定づけるのか?
答えはインフレ対策に尽きるということです。

インフレがひどくなって経済が崩れ国家が破綻することを絶対避ける、ということです。

現在(2014年11月)は、リーマンショック後の景気回復、特に雇用回復に重点を置いて金融政策のカジ取りをしています。
実際にはインフレが抑えられていますので(目標:年2%以内)、景気動向に注目し、早く景気が回復しインフレになる前にその芽を摘み取っておきたいため、ゼロ金利政策を解除して利上げに踏み切りたいと考えられます。

しかしながら、早く利上げすることによって回復する景気に水をさすことは避けなければいけませんので、雇用動向が堅調に推移することが確認され、景気も回復基調にあることが確認されれば、ゼロ金利政策解除となるでしょう。

FRBの金融・金利政策は、常に注目しなければなりません。日銀が利上げをしたり、流動性補完をしても世界の金融には全くと言っていいほど影響を及ぼしませんが、FRBは利上げどころか、利上げについて言及しただけで、世界の金融は影響を受けることは皆さんもご存知でしょう。
世界の金融の中心で、影響を及ぼすFRBはアメリカ中心に動いているのです。

こぼれ話1 FRB
FRB(Federal Reserve Board アメリカ連邦準備理事会)は、「アメリカの中心銀行に当たる」と言われています。ここで注意すべきことは、「あたる」という表現です。
つまり中央銀行ではない、ということで、実は私企業・私的機関であるということで、オーナーはゴールドマンサックス(アメリカ)JPモルガン・チェース銀行(アメリカ)、ウォーバーグ銀行(オランダ)、ロスチャイルド銀行(イギリス)、などです。

ここで留意すべきことは、2つで、1つはFRBは欧米の主要金融機関がオーナーで彼らの意向でFRBの方針・方向性が決まっているということ、
もう1つはFRBの金融政策の方針・決定が世界の金融市場を決定する、ということです。
オーナーたちの思惑で世界の金融をFRBを通して決めているのです。

ということは、たとえば、ゴールドマンサックスの経済レポートなどによって、彼らの目指している方向性がある程度読めるということになります。
彼らの動向やレポートなどは、現在および将来の金融を読み解く重要なツールになりますので、一読に値するものと思います。
FRBがFOMC(公開市場会議)で決定する金融政策は、アメリカの金融に留まらず世界中に影響を及ぼすことは周知のごとくです。

筆者は銀行時代米国金利の月次レポートを2年ほど担当したことがあり、FRBの金融政策・姿勢などを徹底的に考査しました結果、FRBが一番気にしていることは、インフレです。その次に景気です。[インフレ」という言葉だけでFRBは震え上がります。
つまり、FRBの金融政策の根底はインフレ対策が常にあって、その上で景気対策を考えているのです。

次回コラムに続く

【このコラムの著者】

金井規雄

立命館大学経済学部卒、カリフォルニア大学院統計学修士号。
三菱東京UFJ銀行(為替資金部資金課および企業融資担当)入行ロスアンジェルス支店勤務後、Bank of the West日本企業部を経て、2004年コスモ・インベスメント(不動産仲介・コンサルティング)を設立、現在に至る。

カリフォルニア州不動産仲介ライセンス、カリフォルニア州保険ライセンス保有。米国での仲介実績多数。
現地銀行、会計士、弁護士、保険業者、管理会社などとの幅広いネットワークを持つ。

著書に「アメリカ不動産投資の実態。」「アメリカ西海岸で不動産投資 7年で1億円!」「安全!確実!アメリカ不動産投資のすべて」「ドル資産を持て! 世界最強の通貨によるアメリカ不動産投資戦略」がある。

HP: https://www.cosmoinvestusa.com/

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