金井 規雄の不動産投資コラム

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

第2章 IPA、IPVとは?

1 収入を生み出しているのはほとんどご自身

IPA、IPVとは、収入を生み出す資産のことをいいます。現在、収入を生み出しているのはご自身ですね。会社で仕事をして給料(収入)をもらっています。今、もしリストラになり急に給料がストップしても、生活できますか?
生活費のすべてを自分の給料で賄っています。仮に月給50万円とします。もし他の方法(=投資)で毎月50万円の収入があれば、働かなくても大丈夫ですね。しかし、筆者はそれでも会社で仕事を続けていただきたいと思います。その理由は、序章で述べましたように、固定収入のある会社勤務ですとローンが通りやすい、イコール不動産投資がしやすいからですが、後ほど詳しく解説します。
では、IPA、つまり収入を生み出す資産=Income Producing Asset とは、どんなものでしょうか?収入を生み出すのですから、自身の労働以外では、どんなものがあるでしょうか?

2 自分自身以外に他のIPAを探し作る

現在のほとんどの収入を生み出している自身の労働、会社勤務等以外にIPAをみつけることです。自身の本業に加え、新たな収入を生み出す投資を探すことです。なぜなら、自身が会社勤務等で主たる収入を得ていても、左遷や降格で収入が減ってしまうこともあるからです。あるいは病気になったり、最悪の場合は、リストラ=クビになったりする可能性もあります。こうなると大変ですから、収入を確保する意味からも、会社勤務等以外にも収入を生み出す資産を探し、みつけることが大変重要になります。何がお金を生み出すのかを考える必要があると思います。

仮に100万円の現金があるとします。普通であれば、銀行に預けますね。では、いくらの収入を生み出すでしょうか? 預金金利が一番高いのは静岡銀行で0.25%。100万円の場合、1年で2500円です。
銀行に預けず、誰かに貸せば3%や5%となり、銀行よりももっと稼げます。銀行にお金を預けるということは、銀行に自分のお金を貸すということです。貸出先が銀行かその他になるかどうかです。もちろん銀行であれば安全ですが、他に貸すとなれば本当に返ってくるのか心配になります。だからこそ、担保や保証を取るわけです。銀行が貸出しするのと同じです。個人に貸すより、法人(会社)に貸せば安心ですが、現在は超低金利ですから、銀行よりちょっぴり高いだけです。国に貸す場合は、国債になります。
では、もっと収入を生み出すものは?

それは、「投資」になります。投資の種類等は、次章の「投資」のところで解説します。また、投資以外でも他に収入を生み出すものはいくらでもあります。たとえば、特許権や著作権等です。そのためには、自分で独自のものを作り出さなければいけませんが。

3 ネットIPAを増やす

まえがきで述べた絶対資産とは、収入を生み出す純資産ですから、ネットのIPA、つまり「Net IPA」ということで、「nIPA」ということになります。純資産は、現金や預金等で、かつ総資産から借金を除いたものが純資産ですので、借金を減らせば減らすほど純資産は増えます。
たとえば、5000万円のマイホームを頭金500万円、ローン4500万円で購入しますと、総資産額は5000万円ですが、純資産額はローン(4500万円)を差し引いた500万円になります。借金を返せば返すほど、純資産は増えていきます。
なぜローン借金を返済するのがよいのか。もちろん純資産額がその分増えていくからなのですが、それ以上に毎月の返済金額が減るからなのです(ローンの条件にもよりますが)。その分また収入が増えますので、それでさらに返済すれば、また返済金額が減っていきます。好循環です。また、不動産価格が上がれば、その分だけ純資産は増えます。このように、純資産を増やして収入を生み出してください。

まとめ

●絶対資産=ネットIPA(収入を生出す純資産)を探し作る

こぼれ話 2 不動産投資の甘い罠

2017年6月24日発行の週刊ダイヤモンドの特集は、非常に参考になります。

「土地がなくても、頭金が少なくても、アパート経営はできる」という宣伝文句でアパート一棟を売りまくっている会社がありますが、この宣伝文句、実にうまいものだと思います。
アパート経営ができるといえば、何となく優越感をくすぐられますし、また、どこにも成功するとは言っておりません。営業マンから「アパートオーナーになれますよ」と言われると、「自分もいよいよアパートオーナーだ」と舞い上がってしまい、まんまと営業マンの術中にはまることになります。
ところが、この会社が提案する投資の試算、プロジェクションですが、まず驚くのは35年間家賃が変わらないことです。これからも人口減少が続くなか、35年も家賃が変わらないことは、あり得ないはずです。さらに空室損失を加味していないのです。こんな非現実的な試算表は全く信じられないです。
筆者が強調したいことは、投資で重要な試算表プロジェクションは、自分自身で作成しないといけないということです。そのために本文で申し上げていますが、自分の眼、耳、足などで、実際に調査した情報と勉強が大事になるわけです。自分自身でこのプロジェクションの試算表が作成できれば、穴だらけの試算表を見抜けますし、ポイントをついた質問もできます。

大○建託、大○ハウスが郊外のアパートを販売しています。関東近郊の地方都市。JRの駅から車で20分ほどのところにアパートが何棟も建っています。アパートを建てて販売するのですが、ここでも甘い試算による計算違いのケースがあります。
賃料がどうも高目に設定されているようで、フタを開けてみると、家賃を下げる交渉になるようです。家賃を下げると当然収入は減りますので、ローンの支払いが苦しくなります。最悪の場合、自分の手元資金から毎月の持ち出しで赤字となります。
空室率も、この会社の自社管理で平均3%程度と発表しているのが、実際は10%前後だったりします。また外装塗装も、他社に依頼すれば半額になるらしいです。とんでもない内容ですが、どうして買ってしまう人が絶えないのでしょうか? それは、営業文句もさることながら、自分で勉強せず、自分の足で調べて情報を集めないで、「でき上がり商品」を買うからです。
でき上がり商品というのは、仕上げる手間をその会社でかけているので、その分儲かるのです。もちろん土地の仕入れや建築費等、資金的に会社はリスクをとっていますが、でき上がった物件にたっぷり儲けを乗せて販売しているのです。会社は大儲けです。

聞いた話では、地方都市の地主が取引銀行の担当者と、その担当者が紹介してくれた建設・開発業者の「相続税対策として所有している土地にアパートの建設を」という話にだまされ、資産を没収されたということがよくあったそうです。地方で取引銀行からの話となると、ついつい信用してしますのですね。銀行さんがやっているし、紹介してくれる開発業者だからと、銀行の言うことは何でも信用します。
ここでも申し上げますが、銀行は100%、いや、それ以上に銀行だけの都合で商売をします。彼らはローンを増やしたいからと、その一念だけで、そんなにうまくいくはずもないアパート建設を、ご丁寧に業者を連れて地主さんに話を持ちかけるのです。

こうした話にたくさんの地主さんが乗ってしまい、思うように入居せず、希望者が来ても想定より(銀行の想定です)低い賃料になったため、赤字経営となり、ローン支払いが滞りがちになってしまい、最終的には支払うことができなくなり、物件をまるごと取られてしまうケースが多々あったようです。銀行は貸すだけ貸して、支払いが滞るとたちまち取り上げてしまうのです。
どちらも不動産会社や銀行の話に乗ってしまう悪い例で、原因は自分で勉強せず調べないからです。
筆者が強調したいことは、不動産投資は事業なのです。ビジネスです。したがって、きちんと計画を立て、しっかりと調査をして勉強し、情熱を傾け、そうしたことに時間を費やさなければならないのです。

【このコラムの著者】

金井 規雄

立命館大学経済学部卒、カリフォルニア大学院統計学修士号。
三菱東京UFJ銀行(為替資金部資金課および企業融資担当)入行ロスアンジェルス支店勤務後、Bank of the West日本企業部を経て、2004年コスモ・インベスメント(不動産仲介・コンサルティング)を設立、現在に至る。

カリフォルニア州不動産仲介ライセンス、カリフォルニア州保険ライセンス保有。米国での仲介実績多数。
現地銀行、会計士、弁護士、保険業者、管理会社などとの幅広いネットワークを持つ。

著書に「アメリカ不動産投資の実態。」「アメリカ西海岸で不動産投資 7年で1億円!」「安全!確実!アメリカ不動産投資のすべて」「ドル資産を持て! 世界最強の通貨によるアメリカ不動産投資戦略」がある。

HP: https://www.cosmoinvestusa.com/

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