金井 規雄の不動産投資コラム

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

第4章 不動産投資で成功するには(3)

7 純資産を増やす

収益不動産物件を探し、ローンを組んで購入して、一定の収益を生み出すことができた後は、いかに純資産部分を増やすかということになります。主に次の2つの方法になります。

(1)ローン残債を元本部分の返済をして、元本を減らす
毎月の収益から、または自分の稼いだ収入からローンの元本の一部返済をし、元本残債を減らしていく方法です。たとえば、5000万円の物件を頭金500万円、ローン4500万円で購入したとします。ローンは元利均等返済としても、当初の元本部分は極めて少額ですが、毎月10万円追加の元本返済すれば年間で120万円、元本は1年後4380万円。通常の元本部分返済、仮に80万円としますと、ローン残債は4300万円程度に減ります。これはつまり純資産額が200万円ほど増えたことになります。
ローンの金利およびローン形態にもよりますが、元本を追加で返済することにより支払い利息が減り、毎月の返済額が減少することもあり得ます。その分収入が増えるわけですから、一石二鳥です。その増えた分をさらに元本返済に充てますと、収入もさらに増えて純資産も増えます。1年目は200万円ですが、2年目は250万円、3年目は325万円増えますと、3年間の合計で775万円になり、頭金をあわせた合計の純資産は1275万円になります。元本返済をすればするほど、支払額は減りますので、純資産部分はさらに増えます。

(2)売却益
不動産市況が好転し、所有物件の価値=売却価格が上昇すれば、売却益で純資産を増やせます。もちろんそれは他力本願ですが、所有物件をリフォームして家賃をアップすれば、その分購入価格よりも高く売れるわけですから、その売却益分が資産を増加させます。上の例でいえば、5000万円の物件を200万円かけてリフォームし、収益を高めて5500万円で売却すれば300万円のネット売却益が得られ、頭金500万円をあわせて800万円の純資産になります(ただし、売却手数料等は含まず)。
ただ、リフォームをして収益をアップし、高く売ったうえで売却益を得る方法は、当初から改修工事が必要とみられる物件のほうが多くの売却益が見込まれるため、そのような物件を最初から探すほうが効果的です。つまり手を加えれば、相場相当かそれ以上の家賃が取れるような物件ということで、ある程度くたびれた物件が適切といえます。立地は素晴らしいが、あまりにもボロボロというような物件です。もちろん、このような物件は不動産業者や投資家は狙っていますので、いち早く情報を得る必要があります。そのためにも、不動産業者や融資担当者等と仲良くなっておく必要があります。そして、毎日マーケットをチェックして一押し物件を見つけるのです。

それから、港区をはじめとした都心部の優良エリアの中古マンションも狙い目です。たとえば青山、広尾、麻布等の優良エリアで一見みすぼらしいマンションを安価で取得し、中を大規模リフォームすれば、新築マンションの価格に近い値段で売却可能になります。こうしたケースでは、どの程度の内装でどの程度の家賃が平均的であるか、きちんとマーケット調査を行うことが重要です。立地、面積、部屋数、内装状態等を確認し、相場価格をチェックします。

たとえば、築25年で2LDKのマンションが内装リフォーム済みで、6000万円が相場とします。同様のマンションを5000万円でみつけたとしても、内装ができていない状態であれば、600万円をかけてリフォームすれば、単純計算で400万円儲けることができます。実は、この方法はすでに財閥系不動産販売業者が行っています。また、あるメガ銀行の元支店長が郊外のアパートを5年後に売却し、1億円弱の売却益を得ています。
この手法は、好立地でリフォームが必要な物件を格安で購入することと、安価できちんとしたリフォームを行う良心的なリフォーム業者をみつけることがポイントになります。リフォーム業者が必要な場合は、筆者にご連絡ください。

このようにして、純資産をどんどん増やしてください。1件目は追加の元本返済で増やし、2件目はリフォームをした売却益で増やしたりで、投資物件を増やしながら、その他、いろいろな方法で増やしてください。計画的にきちんと進めていけば、7年後に純資産1億円を作ることは不可能ではないのです。ぜひ実行してみてください。

8 不動産投資形態

(1)単純保有(中長期)
物件を中期的、長期的に保有し続けるということは、将来の売却益を狙うものか、または利回りが高いかのいずれかであるか、またはその両方です。とりあえずキャッシュが十分に回っていれば当面は保有し続け、売却すれば思った以上に利益が得られる市場になれば、売却してもよし、というスタンスがよいと思います。
収入を生み出す純資産、絶対資産を所有できることは、本当に幸せなことだと思います。利回りがしっかりしていれば、なるべく売らないほうがいいと思いますが、まとまった資金が必要になったり、資産の入れ替え等を行わなければならない場合、必要に応じて処分することもできます。

(2)売却益狙い(短期)
これは、改装案件等で6ヶ月から1年前後の短期間で改装して価値を高め、売却益を確定する場合ですが、その売却益で本当に所有したい物件、高い利回りを生み出す物件を買って保有し、収入を確保することが賢明です。

(3)節税
不動産投資で重要な概念は、「償却」という会計上の利点です。これは会計上だけの経費になり、実際のお金のやり取りはありません。たとえば、保険や光熱費等は実際にお金を支払いますが、償却はお金の支払いは発生しません。ところが、会計上経費として落とせるので、この分キャッシュベースではプラスになります。
減価償却というのは、時間が経過するごとにその価値が減っていく、減価していくという概念です。たとえば、コンピューターは年数が経てば、その価値はどんどんなくなりますね。不動産では、土地の上に建っている建物が、その対象になります。つまり、不動産の価値(価格)は、土地と建物の価値の合計です。土地は時間が経っても価値は減少しませんが、建物は減少します。また、建物の構造によってその償却する年数が違います。鉄筋コンクリート造(RC造)は47年、重量鉄骨造は34年、木造は22年です。それぞれ「法定耐用年数」といいます。それだけの年数が経てば建物部分の価値はゼロとなり、なくなるということです。この建物の部分が減価償却対象になります。そして、その減価償却額が費用計上できるため、その分お金が残ります。実際のお金のやり取りがないからです。
具体的にみてみましょう。たとえば、RC造の新築マンションを3500万円で購入したとします。内訳は、土地1800万円、建物部分が1700万円とします。この物件の減価償却は、

1700万円÷47年=36・17万円/年

よって、1年ごとに36・17年万円ずつ価値が下がっていくことになります。この36・17万円が、経費計上できます。
では物件が新築ではなく、中古の場合の減価償却はいくらになるのでしょうか?

築年数が法定耐用年数の一部だけ経過している場合
耐用年数=(耐用年数-経過年数)+経過年数×20%
例:RC造の建物(耐用年数47年)で築10年の耐用年数
37年(=耐用年数47年-経過年数10年)+2年(経過年数10年×20%)=39年
築年数が耐用年数を超えている場合
耐用年数=法定耐用年数×20%
例:RC造の建物(耐用年数47年)で耐用年数を超えている場合
マンションの耐用年数47年×20%=9年(1年未満端数切捨て)

つまり、RC造の場合、築47年を超えている物件は、すべて9年で償却することになります。
個別のケースバイケースは、顧問の公認会計士または税理士にお尋ねください。

投資は数字です。資本(資金・お金)を投資してどれだけ返ってくるのか、どれだけの収入を生むのか、計算できませんと、どれくらい儲かっているのかわからないことになります。
また、前述の減価償却の計算もできるようにしてください。最近は、スマートフォンにも計算機機能がありますので、その場で計算できますが、業者や銀行員等と話をしていると、すぐに計算できないと話についていけないことも多々あります。その際、さっと概算できるように訓練してください。結局は、算数です。
たとえば、減価償却計算もRC造の場合、47年ですが、ざっくり50年で計算を簡単にします。前述の1700万円の建物価値を47年で割ると正確な金額が出ますが、計算を簡単にするため1500万円を50年で割るのです。すぐに30万円と出ますね。実際には1500万円より1700万円のほうが多いので、30万円より13%程度多いはずです。また、47年で割るところを50年で割っていますので、もう少し高い数値になります。したがいまして、概算で35万円くらいとなります。正解は36・17万円ですから、概算する場合はこれで十分です。
収支が計算でき、投資金額に対する利回りも、計算できるようになってください。

まとめ

●都市機能や快適居住空間の地域を選ぶ
●本を読みセミナーにも参加して勉強する
●1日1物件を見つけ、週末にそれらの物件を見る
●自分の足と耳で実際の物件を実査・調査する
●その都度得た情報は自分用のメモ帳に記入していく
●自分の投資基準・スタイルを確立する
●収益表・キャッシュフロープロジェクションを自分で作成する
●銀行への融資依頼書を作成する

こぼれ話 4

日本の国債問題

国の借金が、1000兆円を超えたようですが、消化原資は個人の金融資産1600兆円で、まだ600兆円余裕があるようにみえますが、1600兆円のうち400兆円は負債ですので、実質純資産は1200兆円ということになります。つまり、金額の余裕は200兆円です。毎年約40兆円の国債を発行していますので、単純計算だと5年ほどで、この金融資産を使い切ってしまうことになります。別の計算方法では、余裕資産額は360兆円といわれていますので、9年になります。どちらにしましても、このままでいけばいずれ問題になるということです。

なぜ問題になるかといえば、海外で国債を処理しないといけないからです。国内で消化しきれなくなったら、海外から資金調達をすればいいのですが、現実的には今のような低金利では、どこも日本の国債を買ってくれないでしょう。つまり、日本は自分で乗り切らないといけないということです。経済成長をもっと加速させ、税収を増やせば、発行国債は少なくなります。また、インフレを起こせば、さらに負担は少なくなります。
実は、ここであることを心配し、憂慮している経済学者もいます。それは「預金封鎖」です。戦後の1946年に実行されていますし、90年代終盤の金融危機のときには、いよいよとなれば預金封鎖もと、密かに検討されたといううわさもありました。この預金封鎖で新円の切り替えをしますと、今の紙幣は使えなくなるので、銀行預金から手持ちの現金、タンス預金まで新円と交換することになります。そうしますと、国民全員所有の現金が出てきますので、本当の金融資産が把握できることになります。当然デノミをしますので、実質借金額が減ることになります。

よく「国の借金、国民一人当たり、811万円(830万円?)」といわれます。新聞紙上にも出ますが、この表現は極めてミスリーディングで、誤解を招きます。いかにも国民が借金しているようなイメージを与えますが、この借金は政府の借金です。その政府の借金=国債を、銀行が買っています。その銀行の国債購入資金は、顧客の預金です。つまり、国民が政府に貸しているのですが、ほとんどのみなさんにそんな感覚はないですね。自分の銀行預金が、政府の借金に回っているのです。もし万が一、政府がデフォルト=債務不履行になれば、自分の銀行預金は戻ってきません。自分のお金がなくなるのです。とんでもないことです。その一つの方法が「預金封鎖」です。
国債問題の根本的な解決方法は、経済を活性化して税収入を増やすこと、財務支出を減額していくこと、つまり収入を増やして、支出を少なくするということに尽きます。もちろん、現在の政府はそうなるようにいろいろな施策を考え、実行していこうとしております。何とかうまく乗り切って欲しいものです。

【このコラムの著者】

金井 規雄

立命館大学経済学部卒、カリフォルニア大学院統計学修士号。
三菱東京UFJ銀行(為替資金部資金課および企業融資担当)入行ロスアンジェルス支店勤務後、Bank of the West日本企業部を経て、2004年コスモ・インベスメント(不動産仲介・コンサルティング)を設立、現在に至る。

カリフォルニア州不動産仲介ライセンス、カリフォルニア州保険ライセンス保有。米国での仲介実績多数。
現地銀行、会計士、弁護士、保険業者、管理会社などとの幅広いネットワークを持つ。

著書に「アメリカ不動産投資の実態。」「アメリカ西海岸で不動産投資 7年で1億円!」「安全!確実!アメリカ不動産投資のすべて」「ドル資産を持て! 世界最強の通貨によるアメリカ不動産投資戦略」がある。

HP: https://www.cosmoinvestusa.com/

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