金井規雄の不動産投資コラム

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

第6章 資産形成・投資利回り

1 資産形成・ポートフォリオ

理想とされる資産構成の内訳は、大きく分けて次のとおりとなります。

(1)絶対資産(収入を生み出す純資産 Net IPA)
(2)投資用現預金
(3)生活費現預金
(4)緊急現預金
(5)金(ゴールド)

その他、保険など細かな分類はありますが、これらが主たる資産内訳となります。

(1) 絶対資産
「絶対資産」とは、必要かつ十分な年収を稼ぎ出す不動産を中心とした純資産のことです。まずは、希望の年収を生み出す純資産として、株式や投資信託等がありますが、やはり不動産が中心になります。優良な収益物件を増やしていくことで、資産の核とするのです。必要であれば、資産の入れ替えも行ってください。もちろん、当初は債務となるローンを組まれると思いますが、いずれはローンの比率を少なくしていき、純資産額を増やしていってください。
この絶対資産が資産構成の中心になります。なぜなら、収入を生み出すからです。
資産総額として、1億円から5億円としましょう。

(2) 投資用現金
まず「投資用現金」というのは、次の投資予定があれば、すぐに対応できるように用意しておく現金のことで、不動産投資やその他の投資にいつでも使えるように準備しておきたい、現預金の投資用自己資金をいいます。
ここで提案したいのですが、自著「ドル資産を持て!」でも提言していますが、日本円だけに限るのではなく、ドルも持つことを強くお勧めいたします。理由は至極明瞭で、ドルは世界のお金の中心かつ基軸通貨であることに加え、世界最強国であるアメリカの通貨であるからです。基軸通貨は、ネットでも調べられますが、世界の通貨のベースになっていて、たとえば円からユーロや豪ドルに替えたい場合、円→ドル→ユーロや豪ドルの形で、いったんドルを通過するのです。世界の通貨の親のような感じです。またドルは世界で流通し、通用する最大多数のお金であり通貨なのです。
そして、実はこれが一番重要なのですが、世界の金融も元締めであるFRB(アメリカ連邦準備制度)が、ドルの発行量や金利等の金融政策を決定しているのです。一番の肝は、FRBがドルの発行権を持っている点です。彼らがドル紙幣を刷っているのです。

FRBは、アメリカ政府の中央銀行ではありません。私企業であり、オーナーはJPモルガン銀行、ゴールドマンサックス、ロスチャイルド銀行等です。要するに世界の金融の中心を、彼らがコントロールしているということなのです。だからこそ、ドル資産としてドル現金とドル預金口座は、所有しておくべきでしょう。所有するお金の30~50%くらいはドルにして、ドル口座に入れておくべきです。それで円を少なくすべきです。
参議院議員で経済評論家の藤巻健史氏も、その著書で「国も企業も個人もドルを買え」と提唱されていますし、経済・金融評論家の豊島逸夫氏も「自国のお金を信じすぎる唯一の民族・日本人」「今こそ日本円を疑うべき」と、あるテレビ番組でおっしゃっていました。

ドル口座は、たとえばハワイや香港、シンガポール等に旅行されたときに当地で開設してください。また、三菱東京UFJ銀行のホームページでも、アメリカのユニオンバンクの口座(ドル)が開設できますので、ご参考にしてください。
なお、日本の外貨預金口座は現地のドル口座ではありませんので、お勧めいたしません。海外開設のドル口座と日本の円口座を、オンラインでリンクしてください。そうすると、ドル―円の為替レートがどちらかに振れるごとに、高いところから低いところへ移しさえすればよくなります。これで円安や円高への心配は不要になります。
現預金の金額は、500~1000万円としてください。

(3) 生活費現預金 (4) 緊急現預金
「生活費現預金」は、文字どおり日常の生活に必要なお金ですが、旅行などの娯楽や趣味などにかかるお金も入れてください。緊急現預金は、急にお金が必要になるときのために備えるお金です。毎日の生活に必要なお金ですが、毎月の必要最小限金額の1・5倍プラス3ヶ月から6ヶ月分を、現金で所有または預金しておくと安心です。
たとえば、毎月の生活に必要な金額が20万円だとします。この20万円の50%、つまり10万円をプラスして30万円。この金額の3ヶ月から6ヶ月分、つまり90万円から180万円を現預金で手元に置いておきます。また緊急用現金として、別に100万円から500万円は置いておきたいです。もちろんそれ以上の金額でもよいですが、あまり多くの金額は不要だと思います。300万円としましょう。

(5) 金(ゴールド)
「金(ゴールド)」とは、万が一経済が混乱に陥ったとき等に備える準備金のようなものです。このゴールドは、多くの人たちは投資物と考えているようですが、これは全くの勘違いです。もちろん、ゴールドには価格がついていますので、株式と同じように売買をして儲けることはできます。しかしながら、本来の通貨の基・源泉として捉えるべきです。経済や国家がとんでもない危機に陥った場合、今までのお金では物は買えなくなり、手に入らなくなります。
お金が紙切れ同然になったり、価値が激減するような非常事態になった場合、ゴールドやシルバーが唯一の代替通貨というか、価値のあるものとなります。

それでは、いくらのゴールドやシルバーを所有しておくべきでしょうか? できれば1年分の生活費ないしは年収分が理想的です。たとえば年収1000万円であれば、1000万円分のゴールドとなります。これだけのゴールドの所有が厳しい場合でも、6ヶ月分程度は確保しておきたいものです。この6ヶ月分も難しいという場合、最低でも3ヶ月分は必要でしょう。要するに、経済が大混乱に陥ったときに急場をしのぎ、乗り切るためのお金の代わりですから、6ヶ月程度で何とか落ちつくのでは、ということです。
それからゴールドというと、一般的にゴールドのバー、延べ棒を想像しますが、経済が大混乱になった場合、生活に必要な食べ物・飲み物は、延べ棒で支払うととんでもないお釣りが必要になるため、一般に使用できるコインがよいと思います。つまり、現在の物価の値段と同じ価値のゴールドやシルバーのコインを手当てしておくのです。延べ棒は1本ぐらいで十分でしょう。そして、それらのゴールド(およびシルバー)は全部冷蔵庫の奥にでもしまっておいてください。または銀行の貸金庫に。金額300万円から500万円のゴールドとします。

絶対資産1億円~5億円
投資用現金500万円~1,000万円
生活用現金90万~180万円
緊急用現金100万円~500万円
ゴールド300万円~500万円
合計1億990万円~5億2,180万円

2 バランスシート(AL)マネジメント

投資利回りは、キャッシュフローということで収入に直結しており、そのリターンがどれほどあるのかを推し量るものです。もちろんここにも、リスクとリターンが深く結びついて、ただ単に、リターンが高ければそれでよいということではありません。中程度のリターンでもリスクがほとんどない、というのが優秀な投資です。

自分の今の資産がどの程度の利回りかは、実際に計算すればわかります。計算を簡単にするため、資産が投資不動産1億円でローン以外の経費を差し引いたネット利回り4%で回っているとします。そうしますと、利益は400万円ですね。しかし、これにローンが9000万円組まれていて、金利が2%であれば、支払い利息は180万円になります。

したがいまして、この場合の純利益は、400万円マイナス180万円で、220万円。
これを資産総額の1億円で引き直しますと2・2%ですが、実際の投下資金は1000万円です。ローンが9000万円ですから。そうしますと、1000万円で220万円を生み出しているわけですから、22%の純リターンになります。
次に、不動産物件が2件あるとします。1億円と2億円の物件で、合計3億円です。1億円の物件には金利2%の9000万円のローン、2億円の物件には金利2・25%の2億7000万円のローンがそれぞれ付いているとして、1億円物件のネット利回りが4%、2億円物件のネット利回りが4・25%とします。
収入が400万円(=1億円×4%)と850万円(=2億円×4・25%)で、合計1250万円。ローン支払いが、180万円(=9000万円×2%)と382万5000円(=1億7000万円×2・25%)の合計562万5000円。総収入の1250万円からローンを支払い、562万5000円を引けば、687万5000円がネット利益総額になり、投資資金総額4000万円(1000万円+3000万円)の17・1875%になります。

このように物件が増えていった場合、それぞれの物件からの利益額を合計し、そこからローンの支払い合計を引きますと、利益総額が算出されます。実際の利回りは投下している資金額がベースですから、投下資金総額でこの利益合計を生み出していますので、利益合計÷投下資金総額で利回り率が算出できます。

まとめ

●資産の中心は、絶対資産、投資用現預金、生活費と緊急現預金、ゴールドで形成
●バランスシート・マネージメントで利回りチェック

こぼれ話 6
勉強すること。

学校で勉強することは大変だったと思います。そもそも中学でしょうか、数学で習った三角関数など、世の中で何の役に立つのか? と思いますね。それでも親は、どうやって子どもに勉強するように言うのでしょうか。頑張って勉強して良い大学や良い会社に入るのよ、というのでしょうか?

小学校、中学校、高校などで勉強することは、とてもありがたいことなんです。学校で習うことの大部分は大昔、それこそギリシャやローマ時代の賢人たちが見つけた法則や方程式なんです。
中学時代と思いますが、浮力のアルキメデスの原理を学びましたね。こんなすごい原理を、何も勉強や研究をしなくても学校で教えてくれるのです。他にもたくさんあります。昔の賢人たちが何年もかけて解き明かした、発見したことをすぐに教えてもらえるのです。こんな素晴らしいことはありません。
それをなぜ勉強しないのでしょうか? 筆者も遅まきながら時間を見つけては勉強するようにしています。「子どものころ、もっとしっかり勉強しておくべきだった」と。大人になっても遅くはありません。三角関数やアルキメデスの原理が、世間で役に立つ機会はまずないといってもいいくらいですが、その本質を理解するようにするのです。
たとえば、三角関数を応用すれば、太陽光線の入射角度と影の長さで、灯台の高さがわかるのです。つまり、本質を理解すれば、いくらでも応用できるということです。

もうひとつ、新しい研究ですでに応用されているのが、宅配です。ネットで物を買うことが多くなって、宅配業が大変なことになっていますね。これはもともとアメリカ軍が研究、確立した成果です。つまり、戦争中各前線に武器、物資を運ぶのに、どれだけの量とどういうルート経路で運搬すれば、最も効率的で早いかを研究、開発したのです。それをそっくり応用したのが、フェデラル・エクスプレスです。この研究をするのに、当然ながら数学や地学などが必要になったのは言うまでもありません。
特に不動産投資をする場合、数字を扱うわけですから、ぜひとも勉強してその本質を捉え理解して応用してください。

【このコラムの著者】

金井規雄

立命館大学経済学部卒、カリフォルニア大学院統計学修士号。
三菱東京UFJ銀行(為替資金部資金課および企業融資担当)入行ロスアンジェルス支店勤務後、Bank of the West日本企業部を経て、2004年コスモ・インベスメント(不動産仲介・コンサルティング)を設立、現在に至る。

カリフォルニア州不動産仲介ライセンス、カリフォルニア州保険ライセンス保有。米国での仲介実績多数。
現地銀行、会計士、弁護士、保険業者、管理会社などとの幅広いネットワークを持つ。

著書に「アメリカ不動産投資の実態。」「アメリカ西海岸で不動産投資 7年で1億円!」「安全!確実!アメリカ不動産投資のすべて」「ドル資産を持て! 世界最強の通貨によるアメリカ不動産投資戦略」がある。

HP: https://www.cosmoinvestusa.com/

他のコラム著者も見てみる

不動産投資家によっても違いは様々。
LIFULL HOME'Sが厳選した不動産投資家や専門家のコラムから色々な不動産投資スタイルを吸収してライバルに差をつけよう!

風戸 裕樹

シリーズ連載: 初心者のための東南アジア投資ガイド

最新コラム: 第2章 日本の不動産市場と海外投資(3)

橋本秋人

シリーズ連載: 実践派コンサルタントが見たFP的不動産投資事情

最新コラム: 人気アパートのつくり方(3)管理会社との上手な付き合い方

LIFULL HOME'S PRESS

シリーズ連載: HOME'S PRESS編集部

最新コラム: 新たに始まる「住宅ストック循環支援事業」は特色のある制度に

田中圭介

シリーズ連載: ASEAN地域の海外不動産投資の現状

最新コラム: No.23 東南アジアに向かう日系企業の状況 その3

佐藤益弘

シリーズ連載: 不動産投資を始める前に知っておきたいこと・始めた後に確認したいこと

最新コラム: 国の空き家対策から考える 生き残る賃貸住宅の基準

菅井敏之

シリーズ連載: 誰も教えてくれなかった「銀行」~その傾向と対策~

最新コラム: 【第四回】必ず行っておきたい、銀行との「コミュニケーション」

LIFULL HOME'S不動産投資フェア

シリーズ連載: 2018/9/15+16 投資EXPO出展企業インタビュー

各出展企業インタビュー記事はこちら

LIFULL HOME'S マーケティング部 データ編集担当

シリーズ連載: ユーザーの本音から探る不動産投資

最新コラム: 将来性を秘めた街 『都心』エリア

鈴木 学

シリーズ連載: 海外物件の管理

最新コラム: 第十回「海外管理会社とのトラブル、傾向と対処法」

石渡 浩

シリーズ連載: 不動産投資に有益な融資を受けるための知識

最新コラム: 第4回 税引後キャッシュフロー偏重の盲点 銀行は決算書のここを見る(後編)

北野 琴奈

シリーズ連載: 今後はどうする?不動産投資と資産形成・運用の考え方

最新コラム: 米国不動産投資&賃貸経営 9年目

猪俣淳

シリーズ連載: 猪俣淳の「不動産投資の正体」

最新コラム: スルガ銀行第三者委員会調査報告書

右手 康登

シリーズ連載: CPM®流「相続・不動産経営 実践術」 右手 康登のコンサル「みぎからひだりへ」

最新コラム: 島国の中での常識 VS グローバルスタンダードを知ることの重要性

末永 照雄

シリーズ連載: 失敗しない不動産投資の法則

最新コラム: 米国不動産投資(2) ― サンディエゴ編

寺尾 恵介

シリーズ連載: 悩める投資家への「目からウロコが落ちる」アドバイス 誌上チャレンジ面談

最新コラム: 17.不動産投資「ボーナスステージ」終了後の戦い方

伊藤 英昭

シリーズ連載: 伊東英昭氏の不動産投資コラム

最新コラム: vol.13 マンションと高級車

不動産投資・収益物件を検索するなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】賃貸経営[マンション経営・アパート経営]をお考えなら、まずは掲載中の投資物件[投資用マンション・売りアパート・一棟売りマンション]を地域や価格帯、会社で検索して、価格や想定利回りで絞り込み!気になる投資物件を見つけたら物件の周辺情報を調べたり、収益シミュレーションを使って実際の運用をイメージ出来ます。不動産会社へはメールか電話でお問い合わせ・相談が可能です(無料)。不動産投資による資産運用をお考えなら【LIFULL HOME'S 不動産投資】

ページトップへ