金井 規雄の不動産投資コラム

シリーズ連載: アメリカ・ロサンゼルスで不動産投資 7年で1億円

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

第7章 税金対策・節税

ここまで税金のことには触れてきませんでしたが、当然ながら税金は投資にとって非常に重要で、避けては通れません。不動産投資をしっかり実行して収入が増えても、それ以上に納税額が増えれば、投資の効果は激減します。そこで、所得税、住民税、相続税などの節税についてみてみたいと思います。
不動産投資でいろいろな節税が可能になります。

1 所得税・住民税

まずは毎年確定申告で支払う所得税と住民税ですが、サラリーマンの給与所得者は税務署に代わって会社が徴収し、納税しています。しかし、サラリーマンも企業や自営業者等のように、不動産投資やマンション投資を行い、さまざまな税制面における優遇や必要経費(=損金)を計上して、将来の生活設計に向け戦略的な備えをすることができるのです。

(1) 不動産投資の節税効果
そこで、不動産投資の節税効果を解説していきたいと思います。企業は、利益が上がったときは、設備投資や研究費、福利厚生、広告宣伝費等、将来のために現在の利益を使い、節税することが可能です。しかし、サラリーマンにとって税金というのは完全にガラス張り。また会社勤務に必要なスーツや通勤用の靴、ビジネス用カバン等がありますが、経費として計上できません。また、給与所得が上がれば、税は累進的に増えていきます。頑張って働いても、それ以上に税金がかかります。そこで、不動産投資をすることにより、サラリーマンも将来に備え戦略的な経費を計上しての節税が可能になるのです。
不動産投資=節税

(2) 税金の仕組みと節税
一棟マンション、一棟アパート経営、取得、売却等の不動産投資による不動産所得がありますと、収支がマイナスでもプラスでも確定申告の義務があります。プラスであればもちろん、税金を納めなければなりませんが、マイナスであれば損益通算により、サラリーマンで得た収入からマイナス分を差し引いた税額の還付を受けることができます。
所得がマイナス → 税金還付

(3) 不動産投資の醍醐味
サラリーマンが一棟マンション、一棟アパートを購入するということは、事業と全く同じことです。現在発生している家賃収入という利益を、あなたの判断で将来に向けた戦略的なリフォーム、増改築および維持管理費、事務費、交通費、募集広告費等、さまざまな経費を計上することが可能になるのです。要するに、将来に向けた資産形成をサラリーマン時代から「必要経費」(損金)という節税効果を得て実行できる、まさに一石二鳥の投資術なのです。経費を計上する行為が、イコール経営となります。不動産投資に伴う節税効果は、不動産投資の醍醐味の一つといえるのではないでしょうか。

不動産投資におけるもう一つの大きな税金対策は、減価償却を利用することです。不動産の場合、将来にわたって時とともに朽ちていくもののみ、毎年減価償却費として計上することができるのです。つまり、減価償却ができるのは、劣化が生じるものだけ=建物だけであって、劣化しない土地は減価償却ができないということです。
減価償却費は、当然ながら経費として計上することができますが、実際に支出する費用ではないのです。つまり、お金が実際にはかかっていない、ということです。お金がかかっていないのに経費計上できるということは、その分収益が減るということで、収益に対する課税も減るということです。

この減価償却は、不動産投資の大きな節税につながるのです。日本の不動産は、土地のほとんどに価値がありますが、償却対象となる建物の価値割合は低く20%程度しかありません。つまり、償却となる部分があまり多くないということです。
一方、アメリカ西海岸の木造物件のほとんどは、建物の価値割合が高く、かつ築年数が22年以上で、4年の償却が可能です。築年数が22年以上といいますと、価値がほとんどなくなり、くたびれた物件と思われますが、アメリカの不動産の寿命は120年くらいです。有名なビバリーヒルズの映画俳優の豪邸のほとんどは、築50年から80年以上は経っています。考えられないような長寿ですが、これは気候の違いによるものです。

日本は四季があってよいのですが、冬は大雪が降って寒いですし、夏は熱帯夜が続く暑さがあります。さらに雨季や台風等もあり、それらは建物へ大きな影響を及ぼしています。その半面、アメリカ西海岸は常に温暖で穏やかな気候のため、木造建物も長持ちするのです。
たとえば、1億円の物件で建物比率が80%としますと、償却は4年で8000万円、1年で2000万円の償却が取れるということになります。

2 相続税

アパート建設や不動産所有で相続税が節税できるそうなのですが、アメリカ不動産の投資をしますと、画期的な節税が可能になります。具体的にいいますと、アメリカ不動産を所有すれば、アメリカでも確定申告(アメリカではTax Fillingという)をすることになります。その際に、納税者番号が交付されます。この納税者番号があれば、アメリカの金融商品が購入できるようになります。数ある金融商品の中でも、生命保険は非常に有用です。たとえば、1億円の現金があるとします。そのままであれば、約50%の相続税が課せられ、手元には5000万円が残ります。

一方、アメリカ不動産を購入してアメリカの納税者番号が得られ、この1億円でアメリカの生命保険を購入しますと、通常一括購入額の4倍程度の保障金額(*)の保険が手当てできますので、4億円の生命保険になります。そうしますと、4億円の保障金額がおりますので、約50%の相続税であれば2億円の相続税を支払って、2億円が手元に残ります。何もしないでそのままにして、手元に残るのは5000万円。生命保険を購入しておけば、2億円が残るのです。5000万円がよいか、2億円がよいか、答えは明白ですね。
また、アメリカの生命保険の運用利率は4%から5%で、10年前後で解約して解約料を支払っても、ネット4%くらいの運用益が得られます。つまり、10年以上運用しておいてもよいということであれば、確実に4%程度の利益を享受できるのです。もう一つ、アメリカの生命保険の利点は、死亡証明書を提出してから約1週間~10日ほどで保険金が下りることです。

*保障金額は、被保険者の年齢と健康状態によりますが、通常3倍から5倍の範囲です。

まとめ

●不動産投資で経費や償却を計上し、所得税の節税をする
●アメリカ不動産の購入により、アメリカの生命保険で相続税の節税をする

こぼれ話 7
視点をなくす?

よく「相手の立場になって考えなさい」と言われますが、これは相対する者の状況なりを考えて、自分だったらどんなことを希望するのか考えなさい、そしてそれを提供するべき、という意味合いと思われます。これができると一人前といわれます。
ところが不動産投資の場合は、これでは今一歩なのです。どういうことかといいますと視点を持たないということです。自分という視点も相手の視点も持たないのです。つまり、全体を見る、ちょうど鳥瞰図(ちょうかんず)のように全体を俯瞰(ふかん)するということです。全体を見渡すことができれば、たとえばどこが良い地域かどうかわかるものです。具体的にいえば、海外不動産で世界を見渡してどこが良いか探るのですが、その際日本と比較しないことです。日本ではこうだけど、その外国はどうなのか、という比較です。これでは日本という視点で比べているだけです。視点は持たないということは、それぞれの国ごとの特色を理解することなのです。日本国内でいえば、それぞれの地域の特徴を理解すること。自分のところ=居住区ではそんなことはあり得ない、などといっても仕方のないことです。

たとえば、日本では権利書と実印が大切ですが、アメリカでは実印というか印鑑制度がありません。また、カリフォルニア州では権利書がないのです。物件の所有者は、物件の管轄局(たいていは郡登録局)に記録されているデータに載っている人がオーナーということです。

Aさんが買手でBさんが売手の場合、現オーナーのBさんがAさんに譲渡するという授与証書に、公証人の前で署名し、公証人がそれを証明しその証書を登録局に記録します。記録が終了しますと、登録局が受理した旨、受領印を押して新しい所有者であるAさんに郵送されます。ほとんどの方がこの受領印が押してある証書が、日本でいう権利書と思い込んでいます。つまり、権利書はないのです。
事ほど左様に違うのです。ですから、日本と比較したりせず、その地域、国々のしきたりやルールを知っていただきたいと思います。

【このコラムの著者】

金井 規雄

立命館大学経済学部卒、カリフォルニア大学院統計学修士号。
三菱東京UFJ銀行(為替資金部資金課および企業融資担当)入行ロスアンジェルス支店勤務後、Bank of the West日本企業部を経て、2004年コスモ・インベスメント(不動産仲介・コンサルティング)を設立、現在に至る。

カリフォルニア州不動産仲介ライセンス、カリフォルニア州保険ライセンス保有。米国での仲介実績多数。
現地銀行、会計士、弁護士、保険業者、管理会社などとの幅広いネットワークを持つ。

著書に「アメリカ不動産投資の実態。」「アメリカ西海岸で不動産投資 7年で1億円!」「安全!確実!アメリカ不動産投資のすべて」「ドル資産を持て! 世界最強の通貨によるアメリカ不動産投資戦略」がある。

HP: https://www.cosmoinvestusa.com/

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