金井 規雄の不動産投資コラム

シリーズ連載: アメリカ不動産投資のすべて

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

アメリカ西海岸の不動産取引実情(4)

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3 ローン(全般)

アメリカの不動産ローンは、住宅ローン(1戸から4戸)と商業用ローン(5戸以上)の2種類に分類されます。

(1)住宅ローン(1戸から4戸まで)
この住宅ローンは、アメリカ政府関連機関であるファニーメイ、フレディーマック(FM)が銀行の住宅ローン債権を保証するため、融資基準がファニーメイ、フレディーマックに保証してもらうために銀行の基準ではなくFMの基準でローンを審査します。もともとアメリカ市民(永住権者含む)にマイホームを持たせることがFMの目的でしたので、ローン資格者は社会保障番号を持っている者に限られます。このことから、外国人にはローンは出ないのです。

実際のローン審査は、仮入人の信用力(これは「クレジット・レポート」という書類と点数をチェックします)、収入証明(日本の確定申告書に当たるTax Returnの提出)、定期的支出(車のローンなど)、勤務年数2年以上、などを審査しローンの不可を決定します。ローンの支払い能力を測る基準としてDCS(Debt Coverage Service)比率というのがあって、グロス収入額の45%以下が定期的支出とローン支払い総額であれば合格となります(この45%という基準がときどき変更になります)。こういう基準でローンを査定されますと、ローンは承認されてもローン金額は少額になって希望の不動産物件が購入できないということが多々あります。

しかしながら、アメリカには「ポートフォリオ・レンダー」といって、銀行独自で審査し融資する銀行があって、FMからの保証を受けないため、銀行自身の融資基準でローンを実行します。金利は少し高くなりますが、FM基準以上にローンを出すところもあります。このような銀行は、外国人である日本人にもローンを出し、イギリス系、中国系、韓国系などの銀行があります。FM基準外になる対日本人のローンは、通常より金利が高目で(平均して1%前後高い)、借入比率も50~60%程度に留まります。ただし、預金をある程度すれば、好条件のローンも可能です。

(2)商業用ローン(5戸以上)
対象物件が5戸以上のアパートなどになりますと、商業用ローンに区分され、政府保証のローンではないため、銀行を始めとする金融機関(保険会社など)は独自の基準でローンを審査し、外国人向けにもローンを出します。条件面も比較的良好で、ローン比率は50%~65%(=頭金は35%~50%)、金利も5年固定金利で3.75%前後(5年後変動。2014年10月現在)、多くはノン・リコースです。
[ノン・リコースとは、借入人まで訴求されないローンで、担保となっている当該不動産のみが処分されます。]

また、金融機関以外にも個人投資家もローンを提供し資金ソースは多岐にわたり、モーゲージ会社が一番条件に見合ったローンを組成します。なかには収入証明の確定申告書不要のところもあり、非常に柔軟で積極的です。基本的には、物件からのネット収入でどれだけローン返済が可能かということになるので、収入の多い物件はローン金額が多くなります。

【このコラムの著者】

金井 規雄

立命館大学経済学部卒、カリフォルニア大学院統計学修士号。
三菱東京UFJ銀行(為替資金部資金課および企業融資担当)入行ロスアンジェルス支店勤務後、Bank of the West日本企業部を経て、2004年コスモ・インベスメント(不動産仲介・コンサルティング)を設立、現在に至る。

カリフォルニア州不動産仲介ライセンス、カリフォルニア州保険ライセンス保有。米国での仲介実績多数。
現地銀行、会計士、弁護士、保険業者、管理会社などとの幅広いネットワークを持つ。

著書に「アメリカ不動産投資の実態。」「アメリカ西海岸で不動産投資 7年で1億円!」「安全!確実!アメリカ不動産投資のすべて」「ドル資産を持て! 世界最強の通貨によるアメリカ不動産投資戦略」がある。

HP: https://www.cosmoinvestusa.com/

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