急成長を遂げるアジア新興国
こちらのコラムでも度々取り上げてきましたが、今後人口減少が加速する日本では、一部の「稼げる土地」と多くの「稼げない土地」にわかれ、将来的に価値の上がる土地はとても少なくなっていくと思われます。
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投資家と地主さんのための「資産の組みかえ」
では、投資できる不動産が日本に少ないなら、海外へ目を向けてはいかがでしょう。
海外のなかでも、注目はアジア諸国です。ベトナムやインドネシア、フィリピンなどの新興国は、今、急激に経済成長を遂げています。発展途上であるがゆえに潜在的な成長力は測りしれません。
その成長を支えているのは若者です。たとえば、ベトナム国民の平均年齢は28歳。日本人の平均年齢は45歳ですから、いかに子どもや若者が多いかがわかります。若者は国が発展する原動力です。今は発展途上でも、このままいけば数十年後には大きな力をつけていくことでしょう。
そんな経済成長中の国だからこそ、新興国の収益不動産は大きな魅力を秘めています。
収益不動産の購入には、家賃収入から諸経費を差し引いて計算した「実質利回り」と合わせて、「将来利回り」も重要なポイントとなります。「将来利回り」とは、将来の物件価値や入居状況、家賃の変動などを加味した予想利回りのことです。
経済成長にともないインフレの続く新興国では、物価上昇に合わせて家賃も上昇するでしょう。仮に6%物価が上がれば、6%以上家賃が上がる可能性があります。家賃が上がれば利回りも上昇します。たとえば、購入したときの利回りが4%ほどだったとしても、何年かかけて家賃が2倍になれば、利回りも2倍になる計算です。
実際に日本でも、高度成長期に多くの投資家が先んじて優良な不動産を購入し、その後、日本の経済成長とともに大成功を収めた例が数多くあります。
アジア新興国の収益不動産は、現在の利回りの良し悪しで評価するのではなく、将来への投資、つまり、将来利回りへの期待なのです。
ベトナムに進出する日系企業
そして今回、私自身が投資を検討しているのがベトナムのマンションです。2015年7月からは外国人の投資も可能になったこともあり、ここ最近、私も何度かベトナムを訪問しています。
行ってみて感じたのですが、ベトナムは本当に活気にあふれています。子どもや若者の姿が多く、昭和30〜40年代のまさに高度成長期の日本のようでした。
経済の分野でも日本とのつながりが深く、現在、ベトナムには数多くの日系企業が進出しています。以前は中国に工場を構えた企業も多かったのですが、近年では中国での人件費が高騰しているため、より人件費の安いベトナムなど他の国へ軸足を移しているのです。
そのため、日系企業が社宅として現地のマンションを借り上げることも多くなっています。私が投資を検討している分譲マンションも、完成後は管理会社を通じて日系企業へ貸し出す予定となっています。
日本より物価が安いとはいえ、馴染みのない海外の不動産を購入するのはやや不安もありますが、日系企業が借り上げてくれるのであれば安心感があります。
経済成長が押し上げる「将来利回り」
ベトナムは経済成長の真っ最中ですから、一時期のような急激な状態ではありませんが、今後もインフレが続いていくでしょう。
一方で少子高齢化がすすむ日本は、ベトナムとは真逆です。人口減に歯止めはかからず、全体的に家賃は下がっていくでしょう。日本で収益不動産を購入しても、極端にいえば、10年後に家賃が半分になってしまったら、利回りも半分になってしまうのです。
ベトナムで収益不動産を購入する場合、為替や税制の問題、長期保有(10〜20年以上)の義務などいくつかリスクもあります。また、ベトナムではローンを組むことはできませんので、キャッシュでの購入のみになります。
それでも、これからどんどん伸びていく若い国での投資を視野にいれてみるのもよいのではないでしょうか。
日本人と通じる国民性
ベトナムの国民は大変親日的ですし、儒教の国だからでしょうか、どことなく日本人にも通じる奥ゆかしさがあります。それに加えて、悲しい戦争の歴史のなかでも世界で唯一アメリカに勝った国というプライドがあり、凜とした雰囲気も持ち合わせているように思います。
ここ数年、何度かベトナムを訪れて、私はこの国がとても好きになりました。強い自己主張もありませんから話もしやすいですし、料理もヘルシーで大変美味しいのです。収益不動産を縁として、日本とベトナムがもっと交流できるようになれればいいと思っています。
投資を検討している分譲マンション視察のため、近々ベトナムに行く予定です。視察後に実際の物件の様子もご紹介したいと思います。