鈴木 学の不動産投資コラム

シリーズ連載: 海外先進国の不動産投資環境~オセアニア編~

LIFULL HOME'S 不動産投資コラム

『オセアニア編第六回目』 都市拡大中、メルボルン不動産投資のポイント

オーストラリアは建国当時から、シドニーとメルボルンの「二大都市」が牽引する構造になっており、それは今日でも変わりません。

総人口2400万人のうち、シドニー圏に500万人、メルボルン圏に460万人と、二大都市圏に国民の約4割が集中しています。なお、人口増加率はここ10数年、メルボルンがシドニーを一貫して上回っており、このままいけば21世紀中盤にはメルボルンが同国最大の都市になるという話もあります。

メルボルンの人口増加は、海外からの移民流入もありますが、それよりも国内他州からの移住が大きく寄与しています。主に、

・住宅価格高騰のシドニーから、より手頃な住宅を求めて、メルボルンに移住する人々
・パースやアデレードから、雇用機会を求めて、メルボルンに移住する人々

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年間約10万人(年率2%強)のペースで拡大が続くメルボルン都市圏。当然、不動産市場にも影響してきます。

1)郊外戸建住宅地が、外に向かって拡大する。
2)都心周辺のマンションが高層化する。

広い平地に恵まれ、土地付き戸建志向が比較的強いメルボルンでは1)の動きが顕著で、古くから宅地開発の進んだメルボルン南東側では都心から50~60kmも離れたPakenham, CranbourneやMornington半島の付け根あたりまで郊外住宅地化されつつあります。

一方、メルボルンの西側は、伝統的に住宅開発が遅れた地域で、都心から30kmも離れれば牛馬が草を食む長閑な風景が広がりますが、昨今の人口拡大の動きを受け、Werribee, Melton等のエリアが徐々にベッドタウン化されています。

【外に広がるメルボルン圏。郊外の人口が急増中】

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都市が拡大して、郊外の人口が増えれば、その近隣に業務・商業機能を備えた「郊外副都心」を建設し、都心への交通量を抑制しようという動きも生まれます。例えば東京近郊に立川や町田といった都市があるように、メルボルンでもBox Hill(都心南東14㎞)、Dandenong(都心南東30㎞)、East Werribee(南西30㎞)がそうなりつつあります。Box Hillを除けば住宅価格がまだ安いエリアなので、開発を見越した長期的な不動産投資には向くと思います。

【西の副都心East Werribeeの将来予想図】

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また、2)に関していえば、メルボルン住民に高層化を嫌う傾向があるため、高層住宅の建設が集中する地域は都心近くの一角に限定されます。Docklandはその典型で、建てすぎによる過剰供給が問題になっています。

【Docklands。見事な都市景観ですが、高層住宅建ちすぎという話も…】

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逆に、それ以外の地域は相変わらず住宅供給不足。国内他都市と同様、戸建・集合住宅とも空室率は非常に低く、メルボルン平均で2.5%前後で長期安定。一部地域を除いて空室の心配は当面なさそうです。

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これまで、ケアンズ、ブリスベン、シドニー、パース、ダーウィン、メルボルン。主要6都市の不動産事情を俯瞰してきました。

一言でオーストラリア不動産といっても、都市が違えば価格帯も違うし、住まい方も経済状況も違う。同じ国のなかでも今が価格上昇中の都市と、下落中の都市が混在していることを、ご理解いただけたかと思います。

アメリカはもちろん、オーストラリア、カナダといった規模の大きな国では、国内の複数都市に注目して、「時間差」に着目する(例.最大都市シドニーの不動産が値上がったら第二、第三の都市を狙う)とか、「経済構造の違いに着目してリスクを分散する」(例.資源輸出中心の州と、サービス業・製造業中心の州に不動産を持っておく)みたいなことが可能です。これからオーストラリアで不動産投資を始めるのなら、「最初は小さく始めて、10年後に複数都市に物件を持つ」ことをイメージされると良いかと思います。

投資家からみた、先進国不動産の良さは、

1)売買・賃貸価格を含めて不動産データ・情報が豊富。
2)中古不動産マーケットが充実しており、売却しやすい。

比較的、想定した通りの家賃収入や利回りが実現しやすい先進国の不動産環境、融資も上手に組み合わせながら資産を殖やしていきましょう。

【このコラムの著者】

鈴木 学

アジア太平洋大家の会 会長
1968年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。
卒業後、ITエンジニア・マネジャーとして、日本、豪州、中国、米国、インドの5ヶ国で勤務経験あり。海外在住経験は8年間。 2002年、豪州シドニーで不動産を買い賃貸に出し、日本から遠隔管理して自信をつけたことを皮切りに、現在では、日本、オーストラリア、米国、タイ、英国、ドイツに、計21室を所有・経営するグローバル大家。

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